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第十二章 ブレーメンの音楽
204.○○と呼ばれる魔女のように(その3)
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説明を聞いて気付いたことがある。
ブレーメン王国の財政を傾かせるほど、ここが客を集めた理由だ。
聖水・・・という名前の温泉を利用した化粧水。
おそらく、それが客を引き寄せたのだ。
貴族の女性は、美しさに異常なまでにこだわる。
美容によいと評判の化粧水が手に入るとなれば、一度はここを訪れようと考えるだろう。
単に化粧水を手に入れるだけなら使いの者を寄こせばよいが、ここにはその源泉がある。
だから、自ら足を運ぶというわけだ。
貴族が足を運べば、多くのお金が手に入る。
それを使って、ここはさらに開拓されていく。
好循環ではあるのだけど、好循環すぎて周囲に影響が出始めている。
ブレーメン王国の客が減ったのも、その影響の一つというわけだ。
「やれやれ、酷い目にあったわい」
私が聞いた話を分析していると、ようやく信者達から解放されたらしい師匠がやってきた。
「お疲れ様、女神様」
「今回は身代わりはせんぞ」
「・・・・・ちっ」
今も赤いドレスは師匠に貸したままだし、このまま身代わりをお願いしようと思ったのに。
「あいかわらず、おかしなことに巻き込まれとるのう、おぬしは」
「今回は何もやっていないわよ」
教皇とヒルダが悪ノリして、娘達が張りきり過ぎた結果だ。
というか、『おかしなこと』を私が起こしたことはないはずだ。
毎回、私は『おかしなこと』の対処をしているだけだ。
でも、どうしようかな。
師匠は巻き込まれたと言っているけど、実際はまだ本格的に巻き込まれたわけじゃない。
だから、すぐにここから立ち去って、二度とここに来なければ、これ以上、巻き込まれることはないと思う。
けど、それだと温泉に入れなくなってしまう。
「とりあえず、女神扱いをなんとかしたいわね」
いくらなんでも、神様になった覚えはない。
それなら、聖女と呼ばれた方が、まだマシだ。
「女神はご不満ですか?石造を建てる計画もあるのですが・・・」
「絶対にやめて」
そんなことをしたら、私の顔が広まってしまう。
そうなったら、師匠に身代わりを押し付けることもできない。
「まずは神殿を普通の城ということにしたいわね」
現在、ここは怪し気な新興宗教の本拠地みたいになっているけど、ようは呼び方だけなのだ。
神殿は城、聖地は温泉街、聖水は化粧水、お守りは土産物と名前を変えれば、ここはただの観光地になる。
あとは、悪ノリした教皇とヒルダに、私が女神だという発表を取り消させれば完璧だ。
「しかし、城にするのであれば、それなりの使い方をせねばならんじゃろう。あれだけの建物を遊ばせておくわけにもいくまい」
私が頭の中で計画を立てていると、師匠がそんなことを言う。
確かに、もっともな意見だ。
「今は何に使っているの?」
私はリンゴに尋ねる。
「定期的に礼拝の集会を開いたり、懺悔室で懺悔を聞いたりですね」
「うーん・・・」
そういうものに参加しない私としては、そういう行事が無くなっても全く困らないのだけど、信者と呼ばれる人達は困るのだろうな。
何か代わり行事でも行った方がいいのだろうか。
「詳しい話を聞きたいのだけど・・・司祭とかいるの?」
「私、ミカン、アンズ、スモモが司祭。私の妹が司祭見習いということになっています」
何をやっているんだ、この娘達は。
でも、そういえば、懺悔室で集めた情報を報告していると言っていたな。
司祭の立場は都合がよいのだろう。
それはともかく、彼女達が司祭なら行事はどうとでもなりそうだな。
問題は代わりにどんなことを行うかだけど。
「信者や観光客の区別なく参加できて、それなりに盛り上がるイベントってないかな・・・」
私が頭を悩ませていると、師匠が意見を出してくれる。
「ブレーメンで頼まれた事とか、ちょうどよいのではないかのう」
「ブレーメンでの頼まれ事?」
というと、演奏会を開くという件のことだな。
なるほど。
集会を開くということは、大勢が入ることができる広い部屋があるのだろう。
それに、教会では聖歌隊が歌を歌ったりすると聞いたことがある。
そこで演奏をしたり、歌を歌ったりしても、おかしくはないはずだ。
「ねぇ、リンゴ。あの建物を使って、やりたいことがあるのだけど・・・」
私はブレーメン王国で相談を受けた内容を説明する。
私の説明を聞いたリンゴは、特に困った様子を見せずに、答えてくる。
「問題ないと思います。むしろ、助かるくらいです」
「助かる?」
「ここは温泉と料理は好評なのですが、娯楽が少ないという意見が出始めていたところなのです。シンデレラ様を主役とした劇を検討していたところなのですが、そういったことの本職がおらず・・・」
勘弁して欲しい。
「娯楽となる催し物をする本職がいるのであれば、お願いしたいくらいです」
危なかった。
演奏会の件を提案していなかったら、私を主役とした劇をしようとしていたのか。
とんでもない羞恥プレイだ。
「そ、それじゃあ、ブレーメンの人達に演奏会を開いてもらうことでいいわね。劇は無しね」
「台本まで作ったのに残念ですが・・・本職にお願いした方がよいですね。わかりました」
そこまで進んでいたのか。
ギリギリだった。
「台本が無駄になっちゃって悪いけど、演奏会の方でお願いね」
「いえ、無駄にはしません。聖書として・・・」
「そんなことをしたら泣くわよ」
「いえ、ですが、信者からも要望が・・・」
「土下座すればいい?土下座したら止めてくれる?」
違った。
ギリギリはギリギリでも、ギリギリ手遅れの方だ。
信者からそんな要望が出るということは、劇のことを宣伝でもしていたのだろう。
その状態で劇もしないし、本も出さないとなったら、不満が出そうな気がする。
「もう、おぬし、諦めて女神になった方がよいのではなかろうか」
「師匠は黙ってて」
諦めるのはまだ早い。
ブレーメン王国なら、劇の脚本家くらいいるだろう。
演奏会と一緒に劇もしてもらうことにしよう。
色々なイベントがあった方が、客も喜ぶはずだ。
「あのね、リンゴ。本だって、本職が書いた方がいいと思うのよ。ブレーメンから劇ができる人達も呼ぶから、その人達に任せてあげてくれない?」
「そうですか・・・仕方ありませんね」
リンゴは渋々、私の提案を飲んでくれる。
助かった。
*****
そんな感じで、とんでもない状況になりそうなところを間一髪で防ぐことができたのだけど、まだ油断はできない。
「しばらく、ここに滞在することにするわ」
私はそう宣言する。
「アヴァロン王国に帰らなくてよいのか?」
師匠が尋ねてくるけど、私は首を横に振る。
「私、女神にされて、劇の主役にされそうになったのよ。目を離したら、今度は何にされるかわかったものじゃないわ」
「部下の忠誠心が高くて、よいことではないか」
「忠誠心ねぇ」
忠誠心が狂信的になってきている気がするのは、気のせいだろうか。
そもそも私は自分のことを、忠誠を誓われるような人間とは思っていない。
そういうのは、善政を敷く王様とかの役割だ。
「忠誠を誓ってくれるなら、もっと静かに暮らせるようにしてくれた方が嬉しいんだけどな。いっそ、師匠と暮らしていた森に隠れようかしら」
「そんなことをしたら、その森が新しい聖地になるのではないかのう」
「・・・・・はぁ」
あり得ないと思いつつも、あり得そうな気がして、思わず溜息をつく。
「おぬしが滞在するなら、わしも滞在しようかのう。温泉にもゆっくりと入りたいし」
師匠はのんきなものだ。
私が恨めしそうな視線を向けても、どこ吹く風だ。
でも、師匠が残ってくれるのは心強くもある。
ここには暴走気味な娘達がいるだけで、普段なら手助けをしてくれるアーサー王子はいない。
ヒルダを呼び出してもいいのだけど、彼女も私が女神だと広めたり暴走気味だ。
「私の味方っていないのかしら」
「みんな味方なんじゃないかのう」
「味方は人のことを女神にしたりしないわよ」
「よかれと思ってじゃろ」
「だから、なおさら、たちが悪いのよ」
とはいえ、いつまでも愚痴っていても仕方が無いな。
ここに滞在するといっても、娘達の暴走を抑えるくらいで、他にやらなければならないことがあるわけではない。
私も師匠を見習って、のんびりすることにしようかな。
ちなみに、リンゴに確認したところ、ここにいる間、私は城で暮らしてよいらしい。
もともと、私のために建てられたからだそうだ。
「そういえば、神殿にも温泉を引いているといっておったのう」
「神殿じゃなくて、城だけどね。確かに温泉を引いていると言っていたわね」
「ゆっくり入れそうじゃのう。楽しみじゃ」
温泉宿の方は、繁盛しているだけあって、温泉には多くの人間が入っているらしい。
それに対して、城に引かれている温泉を利用するのは、私と師匠だけだ。
特別扱いは気が引けるのだけど、ゆっくり温泉に入るという誘惑には逆らえない。
実は私も楽しみにしている。
「ここは冬になっても凍えることも飢えることも無い楽園らしいからね。しばらく、のんびりしましょうか」
今は夏だ。
さすがに冬になる前にはアヴァロン王国へ帰るつもりだけど、たとえ冬になったとしても凍死も餓死もしないだろう。
こうして私は、この場所にしばらく滞在することになった。
ブレーメン王国の財政を傾かせるほど、ここが客を集めた理由だ。
聖水・・・という名前の温泉を利用した化粧水。
おそらく、それが客を引き寄せたのだ。
貴族の女性は、美しさに異常なまでにこだわる。
美容によいと評判の化粧水が手に入るとなれば、一度はここを訪れようと考えるだろう。
単に化粧水を手に入れるだけなら使いの者を寄こせばよいが、ここにはその源泉がある。
だから、自ら足を運ぶというわけだ。
貴族が足を運べば、多くのお金が手に入る。
それを使って、ここはさらに開拓されていく。
好循環ではあるのだけど、好循環すぎて周囲に影響が出始めている。
ブレーメン王国の客が減ったのも、その影響の一つというわけだ。
「やれやれ、酷い目にあったわい」
私が聞いた話を分析していると、ようやく信者達から解放されたらしい師匠がやってきた。
「お疲れ様、女神様」
「今回は身代わりはせんぞ」
「・・・・・ちっ」
今も赤いドレスは師匠に貸したままだし、このまま身代わりをお願いしようと思ったのに。
「あいかわらず、おかしなことに巻き込まれとるのう、おぬしは」
「今回は何もやっていないわよ」
教皇とヒルダが悪ノリして、娘達が張りきり過ぎた結果だ。
というか、『おかしなこと』を私が起こしたことはないはずだ。
毎回、私は『おかしなこと』の対処をしているだけだ。
でも、どうしようかな。
師匠は巻き込まれたと言っているけど、実際はまだ本格的に巻き込まれたわけじゃない。
だから、すぐにここから立ち去って、二度とここに来なければ、これ以上、巻き込まれることはないと思う。
けど、それだと温泉に入れなくなってしまう。
「とりあえず、女神扱いをなんとかしたいわね」
いくらなんでも、神様になった覚えはない。
それなら、聖女と呼ばれた方が、まだマシだ。
「女神はご不満ですか?石造を建てる計画もあるのですが・・・」
「絶対にやめて」
そんなことをしたら、私の顔が広まってしまう。
そうなったら、師匠に身代わりを押し付けることもできない。
「まずは神殿を普通の城ということにしたいわね」
現在、ここは怪し気な新興宗教の本拠地みたいになっているけど、ようは呼び方だけなのだ。
神殿は城、聖地は温泉街、聖水は化粧水、お守りは土産物と名前を変えれば、ここはただの観光地になる。
あとは、悪ノリした教皇とヒルダに、私が女神だという発表を取り消させれば完璧だ。
「しかし、城にするのであれば、それなりの使い方をせねばならんじゃろう。あれだけの建物を遊ばせておくわけにもいくまい」
私が頭の中で計画を立てていると、師匠がそんなことを言う。
確かに、もっともな意見だ。
「今は何に使っているの?」
私はリンゴに尋ねる。
「定期的に礼拝の集会を開いたり、懺悔室で懺悔を聞いたりですね」
「うーん・・・」
そういうものに参加しない私としては、そういう行事が無くなっても全く困らないのだけど、信者と呼ばれる人達は困るのだろうな。
何か代わり行事でも行った方がいいのだろうか。
「詳しい話を聞きたいのだけど・・・司祭とかいるの?」
「私、ミカン、アンズ、スモモが司祭。私の妹が司祭見習いということになっています」
何をやっているんだ、この娘達は。
でも、そういえば、懺悔室で集めた情報を報告していると言っていたな。
司祭の立場は都合がよいのだろう。
それはともかく、彼女達が司祭なら行事はどうとでもなりそうだな。
問題は代わりにどんなことを行うかだけど。
「信者や観光客の区別なく参加できて、それなりに盛り上がるイベントってないかな・・・」
私が頭を悩ませていると、師匠が意見を出してくれる。
「ブレーメンで頼まれた事とか、ちょうどよいのではないかのう」
「ブレーメンでの頼まれ事?」
というと、演奏会を開くという件のことだな。
なるほど。
集会を開くということは、大勢が入ることができる広い部屋があるのだろう。
それに、教会では聖歌隊が歌を歌ったりすると聞いたことがある。
そこで演奏をしたり、歌を歌ったりしても、おかしくはないはずだ。
「ねぇ、リンゴ。あの建物を使って、やりたいことがあるのだけど・・・」
私はブレーメン王国で相談を受けた内容を説明する。
私の説明を聞いたリンゴは、特に困った様子を見せずに、答えてくる。
「問題ないと思います。むしろ、助かるくらいです」
「助かる?」
「ここは温泉と料理は好評なのですが、娯楽が少ないという意見が出始めていたところなのです。シンデレラ様を主役とした劇を検討していたところなのですが、そういったことの本職がおらず・・・」
勘弁して欲しい。
「娯楽となる催し物をする本職がいるのであれば、お願いしたいくらいです」
危なかった。
演奏会の件を提案していなかったら、私を主役とした劇をしようとしていたのか。
とんでもない羞恥プレイだ。
「そ、それじゃあ、ブレーメンの人達に演奏会を開いてもらうことでいいわね。劇は無しね」
「台本まで作ったのに残念ですが・・・本職にお願いした方がよいですね。わかりました」
そこまで進んでいたのか。
ギリギリだった。
「台本が無駄になっちゃって悪いけど、演奏会の方でお願いね」
「いえ、無駄にはしません。聖書として・・・」
「そんなことをしたら泣くわよ」
「いえ、ですが、信者からも要望が・・・」
「土下座すればいい?土下座したら止めてくれる?」
違った。
ギリギリはギリギリでも、ギリギリ手遅れの方だ。
信者からそんな要望が出るということは、劇のことを宣伝でもしていたのだろう。
その状態で劇もしないし、本も出さないとなったら、不満が出そうな気がする。
「もう、おぬし、諦めて女神になった方がよいのではなかろうか」
「師匠は黙ってて」
諦めるのはまだ早い。
ブレーメン王国なら、劇の脚本家くらいいるだろう。
演奏会と一緒に劇もしてもらうことにしよう。
色々なイベントがあった方が、客も喜ぶはずだ。
「あのね、リンゴ。本だって、本職が書いた方がいいと思うのよ。ブレーメンから劇ができる人達も呼ぶから、その人達に任せてあげてくれない?」
「そうですか・・・仕方ありませんね」
リンゴは渋々、私の提案を飲んでくれる。
助かった。
*****
そんな感じで、とんでもない状況になりそうなところを間一髪で防ぐことができたのだけど、まだ油断はできない。
「しばらく、ここに滞在することにするわ」
私はそう宣言する。
「アヴァロン王国に帰らなくてよいのか?」
師匠が尋ねてくるけど、私は首を横に振る。
「私、女神にされて、劇の主役にされそうになったのよ。目を離したら、今度は何にされるかわかったものじゃないわ」
「部下の忠誠心が高くて、よいことではないか」
「忠誠心ねぇ」
忠誠心が狂信的になってきている気がするのは、気のせいだろうか。
そもそも私は自分のことを、忠誠を誓われるような人間とは思っていない。
そういうのは、善政を敷く王様とかの役割だ。
「忠誠を誓ってくれるなら、もっと静かに暮らせるようにしてくれた方が嬉しいんだけどな。いっそ、師匠と暮らしていた森に隠れようかしら」
「そんなことをしたら、その森が新しい聖地になるのではないかのう」
「・・・・・はぁ」
あり得ないと思いつつも、あり得そうな気がして、思わず溜息をつく。
「おぬしが滞在するなら、わしも滞在しようかのう。温泉にもゆっくりと入りたいし」
師匠はのんきなものだ。
私が恨めしそうな視線を向けても、どこ吹く風だ。
でも、師匠が残ってくれるのは心強くもある。
ここには暴走気味な娘達がいるだけで、普段なら手助けをしてくれるアーサー王子はいない。
ヒルダを呼び出してもいいのだけど、彼女も私が女神だと広めたり暴走気味だ。
「私の味方っていないのかしら」
「みんな味方なんじゃないかのう」
「味方は人のことを女神にしたりしないわよ」
「よかれと思ってじゃろ」
「だから、なおさら、たちが悪いのよ」
とはいえ、いつまでも愚痴っていても仕方が無いな。
ここに滞在するといっても、娘達の暴走を抑えるくらいで、他にやらなければならないことがあるわけではない。
私も師匠を見習って、のんびりすることにしようかな。
ちなみに、リンゴに確認したところ、ここにいる間、私は城で暮らしてよいらしい。
もともと、私のために建てられたからだそうだ。
「そういえば、神殿にも温泉を引いているといっておったのう」
「神殿じゃなくて、城だけどね。確かに温泉を引いていると言っていたわね」
「ゆっくり入れそうじゃのう。楽しみじゃ」
温泉宿の方は、繁盛しているだけあって、温泉には多くの人間が入っているらしい。
それに対して、城に引かれている温泉を利用するのは、私と師匠だけだ。
特別扱いは気が引けるのだけど、ゆっくり温泉に入るという誘惑には逆らえない。
実は私も楽しみにしている。
「ここは冬になっても凍えることも飢えることも無い楽園らしいからね。しばらく、のんびりしましょうか」
今は夏だ。
さすがに冬になる前にはアヴァロン王国へ帰るつもりだけど、たとえ冬になったとしても凍死も餓死もしないだろう。
こうして私は、この場所にしばらく滞在することになった。
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