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第十二章 ブレーメンの音楽
198.魔女に怯える盗人のように(その2)
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「・・・・・なんで?」
そう尋ねた私に、ファイファー兄が説明する。
「そなたが作った新たな観光地が観光客を奪っているからだ」
思いがけない言葉が出てきた。
「私が作った観光地?」
「温泉を利用した観光地を作っただろう」
温泉のある村を大きくした覚えはある。
けど、それはヘンゼルとグレーテルにも楽しんでもらおうと思って行ったことだ。
だから、国の収入を大幅に減らすほどの規模ではない。
そのはずだ。
それとも、村に置いてきた『娘達』が予想以上に頑張ってくれたのだろうか。
だとしたら、褒めてあげないといけないな。
「そういうわけで、そなたが原因なのだ。早急に何とかしてもらいたい」
予想外ではあったけど話は分かった。
私が原因らしいということも分かった。
その上で、あらためて尋ねる。
「だから、なんで?」
私が作った温泉街に観光客が訪れたせいで、この国を訪れる観光客が減ったのは分かった。
けど、温泉街を訪れるか、この国を訪れるか、それは観光客が選ぶことだ。
そして、普通は魅力的な方に訪れるだろう。
つまり、観光客は温泉街がこの国より魅力的だと感じたということだ。
逆に言えば、この国は温泉街より魅力が無いと判断されたということだ。
そういう状況を踏まえた上で、新しく魅力的な側に対して、古く魅力が無い側が、客が減ったのを何とかしろというのは、筋が通らない。
言いがかりにしか聞こえないし、何とかする義理もない。
第一、温泉と芸術という異なる分野だし、客寄せのために卑怯な手を使ったわけでもないのだ。
私の問いは当然だと言える。
「そなたがこの国の財源を奪ったのだ。何とかするのは当たり前だろう」
だというのに、ファイファー兄はそのことが全く分かっていないらしい。
常識のように言ってくるけど、そんな常識はない。
こちらに責任を求めるだけで、自分で何とかするという発想は無いらしい。
「この国の財源は芸術でしょう?そんなものを奪った覚えはないけど?」
確認のために、聞いてみる。
「この国の財源は芸術と、それを求めてやってくる観光客だ」
確認した結果、ファイファー兄がダメ王子だということが確定した。
芸術を求めてくる観光客が財源という理屈もおかしいけど、仮にそうだとしたら、芸術以外のものを求める観光客は対象外ということになる。
たとえば、温泉を求める観光客だ。
だから、どちらにしろ私に責任はない。
でも、ダメ王子はそのことにも気づいていないのだろう。
いや、気付いていないという言い方はおかしいな。
そういう知識と常識がないのだろうから、気付いていないのではなく、理解できていないのだろう。
私はチラリとファイファーを見る。
すると、彼は兄に気付かれないように、こっそりと首を横に振った。
なるほど。
ダメ王子がダメ王子だということは、認識されているようだ。
シルヴァニア王国でファイファーに仕事を手伝ってもらったときは優秀そうだったのに、その兄がコレなのはどうしてだろう。
疑問に思ったけど、興味はない。
しかし、ダメ王子がダメ王子になった理由には興味がないけど、ダメ王子の言いがかりを何とかする必要はある。
「話はわかりました。けど、この場で解決することではないですし、今日は解散にしませんか。演奏会でお疲れでしょう」
こういう常識を持っていない人間に、常識を説明するのは時間の無駄だ。
無駄なことをするつもりはない。
だから、そう提案する。
「そうだな」
ダメ王子は、素直に提案を受け入れてきた。
やれやれ。
このまま知らないフリをして、この国を出てしまおうか。
「財源が回復するまで、この城に部屋を用意させよう」
そう思っていたのに、ダメ王子がそんなことを言ってきた。
仮に協力するにしても、この国に観光客が戻ってくるまで、少なくとも数ヶ月はかかるだろう。
下手をすれば数年かかっても、おかしくない。
その間、軟禁でもするつもりなのだろうか。
「それでは我はこれで失礼する」
自分の言いたいことだけ言って、ダメ王子は出て行った。
*****
部屋に残ったのは私と師匠、それとファイファーと可愛らしい生き物だ。
「聖女殿、兄がすまない」
ダメ王子が部屋を出て行った途端に、ファイファーが謝ってくる。
「まったくよ」
私は遠慮なく迷惑だということを伝える。
「強引な御仁じゃったのう」
師匠も呆れ気味だ。
ダメ王子のアレは、悪意の有無じゃなく、常識の有無だ。
甘やかされて育てられたダメ王子の典型だろう。
「そもそも、あの人、何しに来たの?具体的な要求は言わないし、私が引き受けるかどうかも聞かなかったわよね」
『何とかしろ』というのは具体的とは言わないし、あらためて具体的な話をするつもりも無さそうだった。
それに報酬についての話も無かった。
だから、引き受けるべきかどうかも判断できない。
話を切り上げたのは私だけど、普通はその判断ができる情報くらいは提供するのではないだろうか。
情報が足りないからという理由で、私が引き受けずに帰っても、文句は言えないだろう。
「断られるとは思っていないのじゃろうな」
ダメ王子に対する師匠の印象も、私と同じようなもののようだ。
「兄はなんというか、実務や外交が苦手なのだ」
それはつまり、政治面は全くダメということだ。
じゃあ、武力があるかというと、そんな感じではなかった。
「知識が豊富で研究に傾倒しているとか?」
王族のとしては褒められたことではないと思うけど、アーサー王子やグィネヴィアの例もある。
大きな成果が出せるなら、どんな分野でも国の役に立つことはできる。
ここは芸術の都らしいから、芸術の分野で突出しているのだろうか。
それならば、自分の力で観光客を集めていたと自負していてもおかしくない。
それを減らす原因を作った私に文句を言うのも、納得はできないけど、理解はできる。
「いや、そんなことはないな。楽器の演奏が趣味のようだが、本職の人間を超えるほどの腕前は無い」
しかし、そういったことも無いようだ。
じゃあ、なおさら分からない。
ダメ王子は、何故わざわざ自分であんなことを言ったのだろうか。
「おそらく、自分が指示を出して財源を回復させたと主張するためだろう。政務を手伝わないことを、父から言われているようだからな」
私の疑問をファイファーが解決してくれた。
うん。
納得した。
いかにも、ダメ王子らしい理由だ。
「さっきのアレは指示って言うの?」
「兄の部下達はそう思っているようだ」
それは、具体的な指示を待っていたら仕事が進まないからじゃないだろうか。
それに今の言い方だと、ダメ王子の部下以外は、そう思っていないと言っているようなものだ。
そこにはファイファーも含まれる。
そこで、私はふと気になって、可愛らしい生き物の方を、ちらりを見る。
すると、それに気付いたファイファーが補足してくれる。
「父も、兄を甘やかして育てたことを反省しているらしくてな。我や弟はきちんとした教育を受けている」
それなら、安心だ。
可愛らしい生き物が、ダメ王子のようになることはないだろう。
「教育はきちんと受けるのよ。そうしないと、ダメ王子のようになるからね」
私はそう言いながら、可愛らしい生き物の頭を撫でる。
すると、素直に撫でられながらも、困ったような表情をする。
どうやら、ダメ王子というのが、誰のことを指しているのか理解しているらしい。
返事をして来なかったのは、教育を受けるのが嫌ということではなく、私がダメ王子と言ったのを、口に出して肯定するのを避けたのだろう。
思っていたより賢い。
反省から見直された教育の成果が出ているようだ
さて、これで心残りは無くなった。
「それじゃあ、私は明日帰国するわね。宿を取っているから、部屋は用意してくれなくていいわ」
心残りも無くなったことだし、帰ることを伝える。
すると、今度はファイファーが困った表情になった。
「わかった・・・と言いたいところだが、少しだけ待ってくれないだろうか?」
「なに?」
ファイファーの困った顔は可愛らしくはないけど、顔見知りなので気にはなる。
それに、シルヴァニア王国では仕事を手伝ってもらったので、話を聞くくらいはしようと思う。
「観光客が減る一方で困っているのは確かなのだ。兄のように何とかして欲しいと言うつもりは無いが、相談に乗って欲しいと考えている。新たな観光地を作った聖女殿から意見を聞けば、何か有効な対策が思い付くのではないかと思ってな。協力してもらえないだろうか?」
「そう言われてもね」
ファイファーはダメ王子と違って常識をもっているようだ。
無茶なことを言ってくることはない。
意見を言うだけなら協力してもいいのだけど、温泉街を作ったのはヘンゼルとグレーテルに楽しんでもらおうと考えただけで、役に立つ意見を言えるとは思えない。
どうするか私が迷っていると、クイクイと手を引かれた。
「帰っちゃうのですか?」
可愛らしい生き物が上目づかいで見詰めてきた。
少し寂しそうな表情に、保護欲を刺激される。
私に子供はいないのだけど、これが母性本能というやつだろうか。
「帰らないわ。ファイファーの相談に乗らないといけないからね」
反射的にそう答えてしまっていた。
「ありがとうございます」
私の答えを聞いて、可愛らしい生き物が、にっこりと微笑む。
しまった。
言質を取られた。
そう尋ねた私に、ファイファー兄が説明する。
「そなたが作った新たな観光地が観光客を奪っているからだ」
思いがけない言葉が出てきた。
「私が作った観光地?」
「温泉を利用した観光地を作っただろう」
温泉のある村を大きくした覚えはある。
けど、それはヘンゼルとグレーテルにも楽しんでもらおうと思って行ったことだ。
だから、国の収入を大幅に減らすほどの規模ではない。
そのはずだ。
それとも、村に置いてきた『娘達』が予想以上に頑張ってくれたのだろうか。
だとしたら、褒めてあげないといけないな。
「そういうわけで、そなたが原因なのだ。早急に何とかしてもらいたい」
予想外ではあったけど話は分かった。
私が原因らしいということも分かった。
その上で、あらためて尋ねる。
「だから、なんで?」
私が作った温泉街に観光客が訪れたせいで、この国を訪れる観光客が減ったのは分かった。
けど、温泉街を訪れるか、この国を訪れるか、それは観光客が選ぶことだ。
そして、普通は魅力的な方に訪れるだろう。
つまり、観光客は温泉街がこの国より魅力的だと感じたということだ。
逆に言えば、この国は温泉街より魅力が無いと判断されたということだ。
そういう状況を踏まえた上で、新しく魅力的な側に対して、古く魅力が無い側が、客が減ったのを何とかしろというのは、筋が通らない。
言いがかりにしか聞こえないし、何とかする義理もない。
第一、温泉と芸術という異なる分野だし、客寄せのために卑怯な手を使ったわけでもないのだ。
私の問いは当然だと言える。
「そなたがこの国の財源を奪ったのだ。何とかするのは当たり前だろう」
だというのに、ファイファー兄はそのことが全く分かっていないらしい。
常識のように言ってくるけど、そんな常識はない。
こちらに責任を求めるだけで、自分で何とかするという発想は無いらしい。
「この国の財源は芸術でしょう?そんなものを奪った覚えはないけど?」
確認のために、聞いてみる。
「この国の財源は芸術と、それを求めてやってくる観光客だ」
確認した結果、ファイファー兄がダメ王子だということが確定した。
芸術を求めてくる観光客が財源という理屈もおかしいけど、仮にそうだとしたら、芸術以外のものを求める観光客は対象外ということになる。
たとえば、温泉を求める観光客だ。
だから、どちらにしろ私に責任はない。
でも、ダメ王子はそのことにも気づいていないのだろう。
いや、気付いていないという言い方はおかしいな。
そういう知識と常識がないのだろうから、気付いていないのではなく、理解できていないのだろう。
私はチラリとファイファーを見る。
すると、彼は兄に気付かれないように、こっそりと首を横に振った。
なるほど。
ダメ王子がダメ王子だということは、認識されているようだ。
シルヴァニア王国でファイファーに仕事を手伝ってもらったときは優秀そうだったのに、その兄がコレなのはどうしてだろう。
疑問に思ったけど、興味はない。
しかし、ダメ王子がダメ王子になった理由には興味がないけど、ダメ王子の言いがかりを何とかする必要はある。
「話はわかりました。けど、この場で解決することではないですし、今日は解散にしませんか。演奏会でお疲れでしょう」
こういう常識を持っていない人間に、常識を説明するのは時間の無駄だ。
無駄なことをするつもりはない。
だから、そう提案する。
「そうだな」
ダメ王子は、素直に提案を受け入れてきた。
やれやれ。
このまま知らないフリをして、この国を出てしまおうか。
「財源が回復するまで、この城に部屋を用意させよう」
そう思っていたのに、ダメ王子がそんなことを言ってきた。
仮に協力するにしても、この国に観光客が戻ってくるまで、少なくとも数ヶ月はかかるだろう。
下手をすれば数年かかっても、おかしくない。
その間、軟禁でもするつもりなのだろうか。
「それでは我はこれで失礼する」
自分の言いたいことだけ言って、ダメ王子は出て行った。
*****
部屋に残ったのは私と師匠、それとファイファーと可愛らしい生き物だ。
「聖女殿、兄がすまない」
ダメ王子が部屋を出て行った途端に、ファイファーが謝ってくる。
「まったくよ」
私は遠慮なく迷惑だということを伝える。
「強引な御仁じゃったのう」
師匠も呆れ気味だ。
ダメ王子のアレは、悪意の有無じゃなく、常識の有無だ。
甘やかされて育てられたダメ王子の典型だろう。
「そもそも、あの人、何しに来たの?具体的な要求は言わないし、私が引き受けるかどうかも聞かなかったわよね」
『何とかしろ』というのは具体的とは言わないし、あらためて具体的な話をするつもりも無さそうだった。
それに報酬についての話も無かった。
だから、引き受けるべきかどうかも判断できない。
話を切り上げたのは私だけど、普通はその判断ができる情報くらいは提供するのではないだろうか。
情報が足りないからという理由で、私が引き受けずに帰っても、文句は言えないだろう。
「断られるとは思っていないのじゃろうな」
ダメ王子に対する師匠の印象も、私と同じようなもののようだ。
「兄はなんというか、実務や外交が苦手なのだ」
それはつまり、政治面は全くダメということだ。
じゃあ、武力があるかというと、そんな感じではなかった。
「知識が豊富で研究に傾倒しているとか?」
王族のとしては褒められたことではないと思うけど、アーサー王子やグィネヴィアの例もある。
大きな成果が出せるなら、どんな分野でも国の役に立つことはできる。
ここは芸術の都らしいから、芸術の分野で突出しているのだろうか。
それならば、自分の力で観光客を集めていたと自負していてもおかしくない。
それを減らす原因を作った私に文句を言うのも、納得はできないけど、理解はできる。
「いや、そんなことはないな。楽器の演奏が趣味のようだが、本職の人間を超えるほどの腕前は無い」
しかし、そういったことも無いようだ。
じゃあ、なおさら分からない。
ダメ王子は、何故わざわざ自分であんなことを言ったのだろうか。
「おそらく、自分が指示を出して財源を回復させたと主張するためだろう。政務を手伝わないことを、父から言われているようだからな」
私の疑問をファイファーが解決してくれた。
うん。
納得した。
いかにも、ダメ王子らしい理由だ。
「さっきのアレは指示って言うの?」
「兄の部下達はそう思っているようだ」
それは、具体的な指示を待っていたら仕事が進まないからじゃないだろうか。
それに今の言い方だと、ダメ王子の部下以外は、そう思っていないと言っているようなものだ。
そこにはファイファーも含まれる。
そこで、私はふと気になって、可愛らしい生き物の方を、ちらりを見る。
すると、それに気付いたファイファーが補足してくれる。
「父も、兄を甘やかして育てたことを反省しているらしくてな。我や弟はきちんとした教育を受けている」
それなら、安心だ。
可愛らしい生き物が、ダメ王子のようになることはないだろう。
「教育はきちんと受けるのよ。そうしないと、ダメ王子のようになるからね」
私はそう言いながら、可愛らしい生き物の頭を撫でる。
すると、素直に撫でられながらも、困ったような表情をする。
どうやら、ダメ王子というのが、誰のことを指しているのか理解しているらしい。
返事をして来なかったのは、教育を受けるのが嫌ということではなく、私がダメ王子と言ったのを、口に出して肯定するのを避けたのだろう。
思っていたより賢い。
反省から見直された教育の成果が出ているようだ
さて、これで心残りは無くなった。
「それじゃあ、私は明日帰国するわね。宿を取っているから、部屋は用意してくれなくていいわ」
心残りも無くなったことだし、帰ることを伝える。
すると、今度はファイファーが困った表情になった。
「わかった・・・と言いたいところだが、少しだけ待ってくれないだろうか?」
「なに?」
ファイファーの困った顔は可愛らしくはないけど、顔見知りなので気にはなる。
それに、シルヴァニア王国では仕事を手伝ってもらったので、話を聞くくらいはしようと思う。
「観光客が減る一方で困っているのは確かなのだ。兄のように何とかして欲しいと言うつもりは無いが、相談に乗って欲しいと考えている。新たな観光地を作った聖女殿から意見を聞けば、何か有効な対策が思い付くのではないかと思ってな。協力してもらえないだろうか?」
「そう言われてもね」
ファイファーはダメ王子と違って常識をもっているようだ。
無茶なことを言ってくることはない。
意見を言うだけなら協力してもいいのだけど、温泉街を作ったのはヘンゼルとグレーテルに楽しんでもらおうと考えただけで、役に立つ意見を言えるとは思えない。
どうするか私が迷っていると、クイクイと手を引かれた。
「帰っちゃうのですか?」
可愛らしい生き物が上目づかいで見詰めてきた。
少し寂しそうな表情に、保護欲を刺激される。
私に子供はいないのだけど、これが母性本能というやつだろうか。
「帰らないわ。ファイファーの相談に乗らないといけないからね」
反射的にそう答えてしまっていた。
「ありがとうございます」
私の答えを聞いて、可愛らしい生き物が、にっこりと微笑む。
しまった。
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