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第九章 お菓子の家
148.出迎える者(北)
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アヴァロン王国とシルヴァニア王国の国境。
それを挟んで、それぞれの国の軍が陣を敷いていた。
「ふあ・・・」
敷いていたのだが、交戦する気配は全く無かった。
北に向かったアヴァロン王国の軍には、銃は持たされていない。
量産体制に入ったとは言っても数に限りがあり、バビロン王国の軍を圧倒するために、そちらへ向かった軍に全てを持たせたからだ。
だが、理由はそれだけではない。
こちらには、銃が無かったとしても、問題が無いからだ。
遠くに見えるシルヴァニア王国の軍は、陣こそ敷いているが、練度が高くないように見えた。
おそらく、一部の兵は市民を徴兵しているのだろう。
もともと軍の規模が小さかったのか、それとも『何らかの理由で』規模が縮小されたのかは分からないが、無理やり兵の数を増やした可能性がある。
ようするに見かけ倒しだ。
実際に戦闘になれば、通常の剣や弓を使用したとしても、こちらが有利になるだろう。
それにも関わらず、シルヴァニア王国が数を揃えた理由も予想できる。
バビロン王国とシルヴァニア王国で、両側からアヴァロン王国を挟み撃ちにしている。
そのことに意味があるのだ。
アヴァロン王国に、戦ったら勝てないと思わせることに意味があるのだ。
戦わずに、アヴァロン王国に降参させる。
それが狙いなのだろう。
だから、軍は数だけ揃えておけば、見かけ倒しでも問題ない。
そう考えたのだろう。
しかし、その狙いには穴がある。
「(そろそろバビロン王国の軍を壊滅させている頃か)」
挟み撃ちにしているから意味がある。
挟み撃ちでなくなれば意味がない。
簡単な理屈だ。
とはいえ、普通は挟み撃ちにされているという状況を覆すことは難しい。
だが、アヴァロン王国には、その手段があった。
「(アーサー王子か)」
彼のことを考える。
社交界に滅多に顔を出さないので、他国では知らない人間もいるだろう。
だから、警戒されていない。
シルヴァニア王国も、かつてはアヴァロン王国と友好を結ぶために、アダム王子とエリザベート王女の婚約を申し込んでいた。
アーサー王子との婚約ではない。
確かにアヴァロン王国の王位を継ぐのは、アダム王子だろう。
アーサー王子には兄を押しのけて自らが王位を継ごうという野心はないようだから、アダム王子が事故死や病死でもしない限り、アーサー王子が王位を継ぐことはない。
だから、シルヴァニア王国は、アダム王子とエリザベート王女の婚約を申し込んでいた。
しかし、アヴァロン王国の王族の中で一番重要な人物は誰かと考えたとき、私はアーサー王子だと思う。
王でも、王妃でも、アダム王子でもなく、アーサー王子だ。
その理由は明確だ。
彼は異常だ。
「(爆発力で小さな弾を飛ばすなんて発想、どこから出てきた?)」
反動の力を利用して矢を飛ばす弓。
てこの原理や遠心力を利用して石や岩を飛ばす投石器。
それらとは全く異なる原理の武器。
飛ばすものも全く異なる。
大きく長い矢。
大きく重い石や岩。
従来はその方が威力があると考えられていた。
けれど、銃で飛ばすものは違う。
小さくすることにより速く飛ばす。
それにより、威力と速射性を両立させた。
威力で言えば、大きな岩を飛ばす投石器が上だろう。
しかし、飛ばすまでの準備に時間がかかる。
それに対して、銃は即座に撃つことができる。
状況にもよるが、銃の優位性は高い。
「(彼が開発したものがなければ、彼がいなければ、今回の戦争は負けていた)」
そのことに、他の国は気付いているだろうか。
気付いていない気がする。
気付いていれば、放置している訳がない。
まさか、王子の地位にいる者が、そんなものを開発しているとは思わないのだろう。
ともかく、そういう訳で、アヴァロン王国は今回の戦争に勝つ可能性が高い。
しかし、それよりも問題なのは、国家間の戦力比が崩れることにより、おかしなことを考える国が現れないかということだ。
「攻めなくてよろしいのですか?チャンスだと思いますが」
将軍が近寄ってきて尋ねてきた。
この軍において、指揮権は将軍が持っているが、私は軍師という扱いになっていた。
私がこの軍に同行することになった際、なぜかアヴァロン王国の王様が、そう指名してきたからだ。
そういう理由で、私は意見を求められている。
「ダメ。バランスが崩れる」
「バランス、ですか?」
私の言葉に、将軍はぴんときていないようだ。
この軍の指揮官なのに大丈夫だろうかと思ってしまう。
けど、面倒だから説明したりはしない。
「・・・分かりました」
私に説明するつもりがないことが分かったのだろう。
将軍は素直に引き下がる。
交戦していて不利になっているならともかく、交戦してもいないのに軍師に逆らうつもりはないのだろう。
これがもっと位の低い指揮官なら、ちっぽけな手柄を立てようとして余計なことをする可能性もあるけど、さすがに将軍ともなれば、そんなことはしないだろう。
「のんびり休んでいて」
「戦時中ですよ。そんな・・・」
「長期戦になる。いざというときに緊張で疲労して動けないなんてことがないように」
「・・・分かりました」
長期戦か。
本当に長期戦になるのだろうか。
『彼女』が狙い通りに行動すれば、そうはならない。
そんな気がする。
「お手並み拝見」
「なにか?」
私の呟きが聞こえたのだろう。
将軍が問いかけてくる。
「なんでもない」
私はそれに答えず、赤いドレスをひるがえして、自分に割り当てられた天幕へ向かう。
場違いな私の衣装は、相手の陣から見ても、よく目立つはずだ。
*****
膠着状態のまま、数日が過ぎた。
シルヴァニア王国の軍とは、一度も交戦していない。
将軍も兵士も、さすがに気が抜けている様子だった。
けど、急に周囲が慌ただしくなる。
見ると、南へ向かったアヴァロン王国の軍が合流してきたようだった。
予想以上に早い。
銃のせいで戦力差が圧倒的とは言っても、無理に交戦する必要はないのだ。
バビロン王国の軍は、距離を保って膠着状態に持ち込もうとはしなかったのだろうか。
そうするだけで、挟み撃ちの状態を維持し、勝つことができる可能性があったというのに。
「シンデレラ!」
合流した軍の中から、アーサー王子が飛び出てくる。
それで私は、なんとなく察した。
彼が張り切ったのだろう。
それだけの理由で、バビロン王国は、あっと言う間に壊滅した。
そういうことだと思う。
「シンデレラ?・・・ジャンヌさん?なんで、シンデレラのドレスを着ているんですか?」
「早かったのう」
こちらに気づいたアーサー王子に返事を返す。
「バビロン王国の軍は、そんなに弱かったかのう?」
「わかりません」
「わからない?戦ったのじゃろう?」
そう尋ねるが、弱かったかどうかが分からないという理由は予想がつく。
銃のおかげで剣を交えての戦いは無かったのだろう。
ただ、距離を保つなどの作戦をして来なかったのかは気になる。
「最初に展開していた兵士達が『消えた』後は、すぐに軍の全てが撤退していきましたから」
「消えた・・・のう」
倒した。
殺した。
焼いた。
消した。
そうは言わなかった。
『消えた』と言った。
戦争とは凄惨なものだ。
凄惨な光景が残るものだ。
『消えた』とは、それが残らなかったということだろうか。
アーサーの開発したモノがもたらしたのか、それとも別なモノがもたらしたのか。
どちらかは分からない。
でも、『消えた』と言うからには、消えたのだろう。
興味はあるが、尋ねるのは止めておく。
どうもアーサー王子はそれどころじゃなさそうだ。
「それで、ジャンヌさん。シンデレラは、どこに?」
『彼女』も罪なことをする。
心配する婚約者に何も教えていないのだから。
「ここには、おらんよ。『ちょっと温泉に入ってくるわ』とか言って出かけおった」
「温泉!?」
アーサー王子が驚いた声を上げる。
戦時中にのんびり温泉に入るなんて、という驚きではないだろう。
温泉がある場所を知っているからこその驚きだと思う。
「一人でシルヴァニア王国に潜入しているってことですか!?」
「潜入というか・・・」
あれは潜入じゃないだろう。
「堂々と正面から行きおったぞ」
「正面から!?じゃあ、なんでジャンヌさんが、シンデレラの影武者をしているんですか!?」
やっぱり、そう考えたか。
まあ、当然だと思う。
『彼女』を象徴する赤いドレス。
それを着ていれば、影武者だと思うだろう。
それなのに、本人が正面から姿を表したら意味がない。
普通はそう考える。
けど、『彼女』の狙いは違う。
「影武者なんかしておらんよ。『赤いドレスを来た女』として、ここにおるだけじゃ」
そのことに意味がある。
『彼女』は、シンデレラは、そう言っていた。
それを挟んで、それぞれの国の軍が陣を敷いていた。
「ふあ・・・」
敷いていたのだが、交戦する気配は全く無かった。
北に向かったアヴァロン王国の軍には、銃は持たされていない。
量産体制に入ったとは言っても数に限りがあり、バビロン王国の軍を圧倒するために、そちらへ向かった軍に全てを持たせたからだ。
だが、理由はそれだけではない。
こちらには、銃が無かったとしても、問題が無いからだ。
遠くに見えるシルヴァニア王国の軍は、陣こそ敷いているが、練度が高くないように見えた。
おそらく、一部の兵は市民を徴兵しているのだろう。
もともと軍の規模が小さかったのか、それとも『何らかの理由で』規模が縮小されたのかは分からないが、無理やり兵の数を増やした可能性がある。
ようするに見かけ倒しだ。
実際に戦闘になれば、通常の剣や弓を使用したとしても、こちらが有利になるだろう。
それにも関わらず、シルヴァニア王国が数を揃えた理由も予想できる。
バビロン王国とシルヴァニア王国で、両側からアヴァロン王国を挟み撃ちにしている。
そのことに意味があるのだ。
アヴァロン王国に、戦ったら勝てないと思わせることに意味があるのだ。
戦わずに、アヴァロン王国に降参させる。
それが狙いなのだろう。
だから、軍は数だけ揃えておけば、見かけ倒しでも問題ない。
そう考えたのだろう。
しかし、その狙いには穴がある。
「(そろそろバビロン王国の軍を壊滅させている頃か)」
挟み撃ちにしているから意味がある。
挟み撃ちでなくなれば意味がない。
簡単な理屈だ。
とはいえ、普通は挟み撃ちにされているという状況を覆すことは難しい。
だが、アヴァロン王国には、その手段があった。
「(アーサー王子か)」
彼のことを考える。
社交界に滅多に顔を出さないので、他国では知らない人間もいるだろう。
だから、警戒されていない。
シルヴァニア王国も、かつてはアヴァロン王国と友好を結ぶために、アダム王子とエリザベート王女の婚約を申し込んでいた。
アーサー王子との婚約ではない。
確かにアヴァロン王国の王位を継ぐのは、アダム王子だろう。
アーサー王子には兄を押しのけて自らが王位を継ごうという野心はないようだから、アダム王子が事故死や病死でもしない限り、アーサー王子が王位を継ぐことはない。
だから、シルヴァニア王国は、アダム王子とエリザベート王女の婚約を申し込んでいた。
しかし、アヴァロン王国の王族の中で一番重要な人物は誰かと考えたとき、私はアーサー王子だと思う。
王でも、王妃でも、アダム王子でもなく、アーサー王子だ。
その理由は明確だ。
彼は異常だ。
「(爆発力で小さな弾を飛ばすなんて発想、どこから出てきた?)」
反動の力を利用して矢を飛ばす弓。
てこの原理や遠心力を利用して石や岩を飛ばす投石器。
それらとは全く異なる原理の武器。
飛ばすものも全く異なる。
大きく長い矢。
大きく重い石や岩。
従来はその方が威力があると考えられていた。
けれど、銃で飛ばすものは違う。
小さくすることにより速く飛ばす。
それにより、威力と速射性を両立させた。
威力で言えば、大きな岩を飛ばす投石器が上だろう。
しかし、飛ばすまでの準備に時間がかかる。
それに対して、銃は即座に撃つことができる。
状況にもよるが、銃の優位性は高い。
「(彼が開発したものがなければ、彼がいなければ、今回の戦争は負けていた)」
そのことに、他の国は気付いているだろうか。
気付いていない気がする。
気付いていれば、放置している訳がない。
まさか、王子の地位にいる者が、そんなものを開発しているとは思わないのだろう。
ともかく、そういう訳で、アヴァロン王国は今回の戦争に勝つ可能性が高い。
しかし、それよりも問題なのは、国家間の戦力比が崩れることにより、おかしなことを考える国が現れないかということだ。
「攻めなくてよろしいのですか?チャンスだと思いますが」
将軍が近寄ってきて尋ねてきた。
この軍において、指揮権は将軍が持っているが、私は軍師という扱いになっていた。
私がこの軍に同行することになった際、なぜかアヴァロン王国の王様が、そう指名してきたからだ。
そういう理由で、私は意見を求められている。
「ダメ。バランスが崩れる」
「バランス、ですか?」
私の言葉に、将軍はぴんときていないようだ。
この軍の指揮官なのに大丈夫だろうかと思ってしまう。
けど、面倒だから説明したりはしない。
「・・・分かりました」
私に説明するつもりがないことが分かったのだろう。
将軍は素直に引き下がる。
交戦していて不利になっているならともかく、交戦してもいないのに軍師に逆らうつもりはないのだろう。
これがもっと位の低い指揮官なら、ちっぽけな手柄を立てようとして余計なことをする可能性もあるけど、さすがに将軍ともなれば、そんなことはしないだろう。
「のんびり休んでいて」
「戦時中ですよ。そんな・・・」
「長期戦になる。いざというときに緊張で疲労して動けないなんてことがないように」
「・・・分かりました」
長期戦か。
本当に長期戦になるのだろうか。
『彼女』が狙い通りに行動すれば、そうはならない。
そんな気がする。
「お手並み拝見」
「なにか?」
私の呟きが聞こえたのだろう。
将軍が問いかけてくる。
「なんでもない」
私はそれに答えず、赤いドレスをひるがえして、自分に割り当てられた天幕へ向かう。
場違いな私の衣装は、相手の陣から見ても、よく目立つはずだ。
*****
膠着状態のまま、数日が過ぎた。
シルヴァニア王国の軍とは、一度も交戦していない。
将軍も兵士も、さすがに気が抜けている様子だった。
けど、急に周囲が慌ただしくなる。
見ると、南へ向かったアヴァロン王国の軍が合流してきたようだった。
予想以上に早い。
銃のせいで戦力差が圧倒的とは言っても、無理に交戦する必要はないのだ。
バビロン王国の軍は、距離を保って膠着状態に持ち込もうとはしなかったのだろうか。
そうするだけで、挟み撃ちの状態を維持し、勝つことができる可能性があったというのに。
「シンデレラ!」
合流した軍の中から、アーサー王子が飛び出てくる。
それで私は、なんとなく察した。
彼が張り切ったのだろう。
それだけの理由で、バビロン王国は、あっと言う間に壊滅した。
そういうことだと思う。
「シンデレラ?・・・ジャンヌさん?なんで、シンデレラのドレスを着ているんですか?」
「早かったのう」
こちらに気づいたアーサー王子に返事を返す。
「バビロン王国の軍は、そんなに弱かったかのう?」
「わかりません」
「わからない?戦ったのじゃろう?」
そう尋ねるが、弱かったかどうかが分からないという理由は予想がつく。
銃のおかげで剣を交えての戦いは無かったのだろう。
ただ、距離を保つなどの作戦をして来なかったのかは気になる。
「最初に展開していた兵士達が『消えた』後は、すぐに軍の全てが撤退していきましたから」
「消えた・・・のう」
倒した。
殺した。
焼いた。
消した。
そうは言わなかった。
『消えた』と言った。
戦争とは凄惨なものだ。
凄惨な光景が残るものだ。
『消えた』とは、それが残らなかったということだろうか。
アーサーの開発したモノがもたらしたのか、それとも別なモノがもたらしたのか。
どちらかは分からない。
でも、『消えた』と言うからには、消えたのだろう。
興味はあるが、尋ねるのは止めておく。
どうもアーサー王子はそれどころじゃなさそうだ。
「それで、ジャンヌさん。シンデレラは、どこに?」
『彼女』も罪なことをする。
心配する婚約者に何も教えていないのだから。
「ここには、おらんよ。『ちょっと温泉に入ってくるわ』とか言って出かけおった」
「温泉!?」
アーサー王子が驚いた声を上げる。
戦時中にのんびり温泉に入るなんて、という驚きではないだろう。
温泉がある場所を知っているからこその驚きだと思う。
「一人でシルヴァニア王国に潜入しているってことですか!?」
「潜入というか・・・」
あれは潜入じゃないだろう。
「堂々と正面から行きおったぞ」
「正面から!?じゃあ、なんでジャンヌさんが、シンデレラの影武者をしているんですか!?」
やっぱり、そう考えたか。
まあ、当然だと思う。
『彼女』を象徴する赤いドレス。
それを着ていれば、影武者だと思うだろう。
それなのに、本人が正面から姿を表したら意味がない。
普通はそう考える。
けど、『彼女』の狙いは違う。
「影武者なんかしておらんよ。『赤いドレスを来た女』として、ここにおるだけじゃ」
そのことに意味がある。
『彼女』は、シンデレラは、そう言っていた。
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