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第九章 お菓子の家
136.我が家
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「ねえ、シンデレラ」
温泉に別れを告げて馬車に揺られていると、アーサー王子が声をかけてきた。
少し声が沈んでいるような気がする。
どうしたのだろう。
やはり、アーサー王子も温泉が名残惜しいのだろうか。
「怒ってはいないかい?」
けど、出て来たのは予想外の言葉だった。
「怒る?」
怒るとは何だろうか。
寂しいとか、名残惜しいなら分かるけど、怒るようなことがあっただろうか。
私が首を傾げていると、アーサー王子が補足してくる。
「アヴァロン王国が、バビロン王国の兵士を素通りさせたことだよ」
「?」
それが、どうして私が怒る理由になるのだろうか。
補足してくれたのに悪いけど、さっぱり意味が分からない。
反対側に首を傾げる。
すると、さらにアーサー王子が補足してくれた。
「シンデレラを庇うなら、バビロン王国の兵士を通さないという選択肢もあったんだ。だけど、父上か兄上は、そういう判断はしなかった」
「ああ、そういうこと」
やっと何を言いたいのか分かった。
分かったけど、理解できない。
なんで、そういうふうに考えたのだろう。
分からなかったから、尋ねてみることにする。
「アーサーなら、どうした?」
「・・・・・」
そっと視線を逸らされた。
それが、何よりも答えを語っている。
目は口ほどに物を言う。
そして、目を逸らすということは、口を開かないのと同じことだ。
けど、私は問いかけたのだ。
だから、答えを待つ。
「・・・・・」
「・・・・・」
そういえば、すっかり『アーサー』という呼び方に慣れてしまった。
シルヴァニア王国で、他の国の人間に仲が良いところを見せるためだったけど、いつの間にかその呼び方が自然になっていた。
そんなことを考えていると、根負けしたのか、アーサー王子が口を開く。
瞳はしっかり、こちらを向いていた。
「僕も・・・同じ判断をしたと思う」
「そう」
私はその言葉を聞いて安心した。
違う答えを口にしていたら、アーサー王子を見損なっていたかも知れない。
「まあ、当たり前よね」
そう。
当たり前だ。
アヴァロン王国は、四方を他国に囲まれている。
それはつまり、常に侵略される可能性があるということだ。
それは東西南北のどこからでも攻められる可能性があるというだけじゃない。
例えば、南と戦争状態になったら、その隙を突かれて逆側の北、さらには東西からも攻められる可能性が高いということだ。
攻める側からすれば当然のことだ。
もし、どこかの国が暴れたアヴァロン王国を手に入れたら、その国が大陸で一番大きな国力を持つことになる。
それを防ぐためには、例え一部でも、自分の国もアヴァロン王国を手に入れる必要があると考えるだろう。
だから、アヴァロン王国は、どんな手段を使ってでも、例え勝てる勝負だったとしても、戦争を回避しなければならない。
だから、シルヴァニア王国へ向かうバビロン王国の兵士を素通りさせるのは、当たり前のことなのだ。
「でも、シンデレラが危険にさらされることを知っていた上で、そういう判断を下したんだよ」
「そうでしょうね」
「見捨てたといっても過言じゃないんだよ」
「それは過言でしょう」
私がそう言うと、アーサー王子が驚いた顔をする。
けど、私からすれば、アーサー王子が驚くことが、驚きだ。
「だって、師匠を連絡に寄こしたじゃない」
「それは、そうだけど・・・」
納得が行かない顔をするアーサー王子。
仕方がないな。
もう少し、説明することにする。
「それに、アーサーが守ってくれるんでしょ?そもそも、私をフォローするためについてきてくれたんじゃないの?」
「そ、それは、もちろん!」
私の説明に、嬉しそうに答えるアーサー王子。
何から守るか、という点は当初の予定から変わったかも知れないけど、もともと私を守るという理由でアーサー王子はついてきたのだ。
だから、別におだてている訳じゃない。
ただ、わざわざ言うつもりは無かっただけだ。
「アーサーがいなかったとしても王様やアダム王子の判断は変わらなかっただろうけど、アーサーがいたから安心して判断を下せたんじゃない?」
「そう、かな」
これで、納得したかな。
同じ馬車で辛気臭い顔をされると鬱陶しいから、納得したなら、なによりだ。
「もうすぐ、アヴァロン王国ね」
「もう国には入っているよ。じきに城が見えてくると思うよ」
私達を乗せた馬車は進む。
*****
「ただいま。温泉もいいけど、やっぱり我が家が一番落ち着くわね」
馬車から降りて伸びをする。
「自分の家だって思ってくれているんだ」
同じく馬車を降りたアーサー王子が、私の言葉を聞いて嬉しそうにする。
王城を自分の家だなんて、図々しかっただろうか。
でも、トレメインの屋敷を自分の家というのは違和感があるしな。
まだ、師匠と暮らしていた洞窟の方が、自分の家という想いが強い。
ただ、どちらにしても、現在暮らしているのは王城の一室だ。
だから、自分の家と思わせてもらうことにしよう。
「おかえりなさいませ。アーサー王子、シンデレラ様」
メアリーとシェリーが出迎えてくれる。
メアリーはアーサー王子、シェリーは私のお世話をしてくれるメイドだ。
彼女達に会うと、帰って来たという感じがする。
と思っていたら、私達の横を駆け抜けていく影がある。
「お姉ちゃん、おかえりーーーっ!」
どすんっ!
鈍い音に振り向くと、リンゴが床にうずくまっている。
鳩尾のあたりを抑えているところを見ると、雌猫ちゃんの頭がめり込んだのだろう。
なんだか見覚えのある光景だ。
「ご、ごめん、お姉ちゃん!」
「い、いいから、アーサー王子と聖女様に、ご挨拶を・・・」
息が詰まったのか、苦しそうにしながらも、リンゴは妹に私達に挨拶するように指導している。
気にしなくていいんだけど、まあメイドとして礼儀が大切なのは確かだ。
「あ、アーサー王子、聖女様、おかえりなさい!」
まるで近所から帰ってきたときのような気軽さで、雌猫ちゃんが挨拶してくれる。
そして、すぐにリンゴの介抱に戻る。
冬の間、会えなかったからだろう。
介抱しながらも嬉しそうだ。
介抱が必要になったのは雌猫ちゃんが原因なんだけど、それも関係ないみたいだ。
「こ、こら・・・」
「いいわよ。ひさしぶりに会えたんだから、姉妹でゆっくりしなさい」
あまりにも適当な挨拶にリンゴが叱ろうとするけど、私がそれを止める。
姉妹の再会を邪魔するほど、私は野暮じゃない。
それに、姉が私を優先すると、嫉妬しそうだしな。
雌猫ちゃんは、姉に会いたい一心でエリザベート王女の部下に志願した上に、一緒にいたい一心で姉を刺すような、ちょっとアレな性格をしている。
できるだけ、恨みを買うのは避けたい。
それでなくても、私について行ったせいで、リンゴは一冬、シルヴァニア王国にいたのだ。
雌猫ちゃんのご機嫌は取っておきたい。
「ふぅ」
でも、こんな光景を見ていると、帰ってきたと実感するな。
「ひさしぶりに紅茶を飲みたくなったわね」
シルヴァニア王国では、ずっと緑茶だった。
紅茶もあるにはあったけど、あまり出回っていないせいか、それなりに高価だったから遠慮したのだ。
あの国で紅茶を淹れるのは、他の国からの客を出迎えるときだけらしい。
「準備をします」
メアリーとシェリーが、準備に向かおうとする。
けど、私は声をかけてそれを止める。
「せっかくだから、アダム王子も呼びましょうか。姉さんも呼んだ方がいいのかな」
アヴァロン王国では、いつもアダム王子や師匠も一緒にお茶会をしていた。
だから、そう言ったんだけど、メアリーとシェリーが微妙な顔をする。
「どうしたの?」
「いえ・・・」
城にはいるみたいなんだけど、来ないかも知れないということらしい。
なんだろう。
バビロン王国の件で後始末が大変とかだろうか。
「お二人とも、片時も離れないので、お茶会にはいらっしゃらないかも知れません」
別に、それならそれでいいんだけど、片時も離れないとは、どういうことだろう。
「大切なお客様でも来ているの?」
「・・・もしかして、まだご存知ないのですか?」
メアリーとシェリーが師匠の方を見る。
師匠は知っているということのようだ。
けど、聞いた覚えがない。
「おお!そうそう、伝え忘れておった!」
師匠、忘れ過ぎじゃないだろうか。
温泉でもバビロン王国の件を伝えるのを忘れていたようだし、そろそろボケが入ってきているのかも知れない。
そんな失礼な考えていると、伝え忘れたという内容を教えてくれる。
『えぇ!?』
私とアーサー王子の驚きの声が重なった。
城には二人の人間が増えていた。
けど、それはお客様では無かったのだ。
温泉に別れを告げて馬車に揺られていると、アーサー王子が声をかけてきた。
少し声が沈んでいるような気がする。
どうしたのだろう。
やはり、アーサー王子も温泉が名残惜しいのだろうか。
「怒ってはいないかい?」
けど、出て来たのは予想外の言葉だった。
「怒る?」
怒るとは何だろうか。
寂しいとか、名残惜しいなら分かるけど、怒るようなことがあっただろうか。
私が首を傾げていると、アーサー王子が補足してくる。
「アヴァロン王国が、バビロン王国の兵士を素通りさせたことだよ」
「?」
それが、どうして私が怒る理由になるのだろうか。
補足してくれたのに悪いけど、さっぱり意味が分からない。
反対側に首を傾げる。
すると、さらにアーサー王子が補足してくれた。
「シンデレラを庇うなら、バビロン王国の兵士を通さないという選択肢もあったんだ。だけど、父上か兄上は、そういう判断はしなかった」
「ああ、そういうこと」
やっと何を言いたいのか分かった。
分かったけど、理解できない。
なんで、そういうふうに考えたのだろう。
分からなかったから、尋ねてみることにする。
「アーサーなら、どうした?」
「・・・・・」
そっと視線を逸らされた。
それが、何よりも答えを語っている。
目は口ほどに物を言う。
そして、目を逸らすということは、口を開かないのと同じことだ。
けど、私は問いかけたのだ。
だから、答えを待つ。
「・・・・・」
「・・・・・」
そういえば、すっかり『アーサー』という呼び方に慣れてしまった。
シルヴァニア王国で、他の国の人間に仲が良いところを見せるためだったけど、いつの間にかその呼び方が自然になっていた。
そんなことを考えていると、根負けしたのか、アーサー王子が口を開く。
瞳はしっかり、こちらを向いていた。
「僕も・・・同じ判断をしたと思う」
「そう」
私はその言葉を聞いて安心した。
違う答えを口にしていたら、アーサー王子を見損なっていたかも知れない。
「まあ、当たり前よね」
そう。
当たり前だ。
アヴァロン王国は、四方を他国に囲まれている。
それはつまり、常に侵略される可能性があるということだ。
それは東西南北のどこからでも攻められる可能性があるというだけじゃない。
例えば、南と戦争状態になったら、その隙を突かれて逆側の北、さらには東西からも攻められる可能性が高いということだ。
攻める側からすれば当然のことだ。
もし、どこかの国が暴れたアヴァロン王国を手に入れたら、その国が大陸で一番大きな国力を持つことになる。
それを防ぐためには、例え一部でも、自分の国もアヴァロン王国を手に入れる必要があると考えるだろう。
だから、アヴァロン王国は、どんな手段を使ってでも、例え勝てる勝負だったとしても、戦争を回避しなければならない。
だから、シルヴァニア王国へ向かうバビロン王国の兵士を素通りさせるのは、当たり前のことなのだ。
「でも、シンデレラが危険にさらされることを知っていた上で、そういう判断を下したんだよ」
「そうでしょうね」
「見捨てたといっても過言じゃないんだよ」
「それは過言でしょう」
私がそう言うと、アーサー王子が驚いた顔をする。
けど、私からすれば、アーサー王子が驚くことが、驚きだ。
「だって、師匠を連絡に寄こしたじゃない」
「それは、そうだけど・・・」
納得が行かない顔をするアーサー王子。
仕方がないな。
もう少し、説明することにする。
「それに、アーサーが守ってくれるんでしょ?そもそも、私をフォローするためについてきてくれたんじゃないの?」
「そ、それは、もちろん!」
私の説明に、嬉しそうに答えるアーサー王子。
何から守るか、という点は当初の予定から変わったかも知れないけど、もともと私を守るという理由でアーサー王子はついてきたのだ。
だから、別におだてている訳じゃない。
ただ、わざわざ言うつもりは無かっただけだ。
「アーサーがいなかったとしても王様やアダム王子の判断は変わらなかっただろうけど、アーサーがいたから安心して判断を下せたんじゃない?」
「そう、かな」
これで、納得したかな。
同じ馬車で辛気臭い顔をされると鬱陶しいから、納得したなら、なによりだ。
「もうすぐ、アヴァロン王国ね」
「もう国には入っているよ。じきに城が見えてくると思うよ」
私達を乗せた馬車は進む。
*****
「ただいま。温泉もいいけど、やっぱり我が家が一番落ち着くわね」
馬車から降りて伸びをする。
「自分の家だって思ってくれているんだ」
同じく馬車を降りたアーサー王子が、私の言葉を聞いて嬉しそうにする。
王城を自分の家だなんて、図々しかっただろうか。
でも、トレメインの屋敷を自分の家というのは違和感があるしな。
まだ、師匠と暮らしていた洞窟の方が、自分の家という想いが強い。
ただ、どちらにしても、現在暮らしているのは王城の一室だ。
だから、自分の家と思わせてもらうことにしよう。
「おかえりなさいませ。アーサー王子、シンデレラ様」
メアリーとシェリーが出迎えてくれる。
メアリーはアーサー王子、シェリーは私のお世話をしてくれるメイドだ。
彼女達に会うと、帰って来たという感じがする。
と思っていたら、私達の横を駆け抜けていく影がある。
「お姉ちゃん、おかえりーーーっ!」
どすんっ!
鈍い音に振り向くと、リンゴが床にうずくまっている。
鳩尾のあたりを抑えているところを見ると、雌猫ちゃんの頭がめり込んだのだろう。
なんだか見覚えのある光景だ。
「ご、ごめん、お姉ちゃん!」
「い、いいから、アーサー王子と聖女様に、ご挨拶を・・・」
息が詰まったのか、苦しそうにしながらも、リンゴは妹に私達に挨拶するように指導している。
気にしなくていいんだけど、まあメイドとして礼儀が大切なのは確かだ。
「あ、アーサー王子、聖女様、おかえりなさい!」
まるで近所から帰ってきたときのような気軽さで、雌猫ちゃんが挨拶してくれる。
そして、すぐにリンゴの介抱に戻る。
冬の間、会えなかったからだろう。
介抱しながらも嬉しそうだ。
介抱が必要になったのは雌猫ちゃんが原因なんだけど、それも関係ないみたいだ。
「こ、こら・・・」
「いいわよ。ひさしぶりに会えたんだから、姉妹でゆっくりしなさい」
あまりにも適当な挨拶にリンゴが叱ろうとするけど、私がそれを止める。
姉妹の再会を邪魔するほど、私は野暮じゃない。
それに、姉が私を優先すると、嫉妬しそうだしな。
雌猫ちゃんは、姉に会いたい一心でエリザベート王女の部下に志願した上に、一緒にいたい一心で姉を刺すような、ちょっとアレな性格をしている。
できるだけ、恨みを買うのは避けたい。
それでなくても、私について行ったせいで、リンゴは一冬、シルヴァニア王国にいたのだ。
雌猫ちゃんのご機嫌は取っておきたい。
「ふぅ」
でも、こんな光景を見ていると、帰ってきたと実感するな。
「ひさしぶりに紅茶を飲みたくなったわね」
シルヴァニア王国では、ずっと緑茶だった。
紅茶もあるにはあったけど、あまり出回っていないせいか、それなりに高価だったから遠慮したのだ。
あの国で紅茶を淹れるのは、他の国からの客を出迎えるときだけらしい。
「準備をします」
メアリーとシェリーが、準備に向かおうとする。
けど、私は声をかけてそれを止める。
「せっかくだから、アダム王子も呼びましょうか。姉さんも呼んだ方がいいのかな」
アヴァロン王国では、いつもアダム王子や師匠も一緒にお茶会をしていた。
だから、そう言ったんだけど、メアリーとシェリーが微妙な顔をする。
「どうしたの?」
「いえ・・・」
城にはいるみたいなんだけど、来ないかも知れないということらしい。
なんだろう。
バビロン王国の件で後始末が大変とかだろうか。
「お二人とも、片時も離れないので、お茶会にはいらっしゃらないかも知れません」
別に、それならそれでいいんだけど、片時も離れないとは、どういうことだろう。
「大切なお客様でも来ているの?」
「・・・もしかして、まだご存知ないのですか?」
メアリーとシェリーが師匠の方を見る。
師匠は知っているということのようだ。
けど、聞いた覚えがない。
「おお!そうそう、伝え忘れておった!」
師匠、忘れ過ぎじゃないだろうか。
温泉でもバビロン王国の件を伝えるのを忘れていたようだし、そろそろボケが入ってきているのかも知れない。
そんな失礼な考えていると、伝え忘れたという内容を教えてくれる。
『えぇ!?』
私とアーサー王子の驚きの声が重なった。
城には二人の人間が増えていた。
けど、それはお客様では無かったのだ。
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