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第八章 北風と太陽
132.王女の行方
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宿として借りている村の集会場。
アーサー王子、ファイファー、フィドラーが涼んでいる。
顔が赤いから、温泉にのぼせたのだろう。
自業自得だ。
なにしろ、後から入り始めた師匠と同じ時間に上がってきたのだから。
「シンデレラ様、王子が辛そうです。膝枕でもして差し上げたらいかがでしょう?」
MMQのメイドが声をかけてくる。
その言葉に私は、アーサー王子の方を見る。
確かに、辛そうだ。
けど、以前のように青い顔をしているわけじゃない。
単に身体の熱が引いていなくて、怠そうなだけだ。
それも、発熱による熱じゃない。
温泉に浸かり過ぎて、身体が熱を持っているだけだ。
「必要ないんじゃない?自分で勃てるくらい元気みたいだしね」
私も病人じゃない人間を看病するほど、酔狂ではない。
だから、そう拒否すると、MMQのメイドは溜息を付く。
「自業自得だから、仕方ありませんね」
そう言いつつも、手分けしてアーサー王子に水を持っていったり扇いだりしているから、上司想いのメイド達だ。
一番風呂はもらってしまったけど、彼女達にも温泉に入るように勧めておく。
もちろん、私のメイド達に勧めることも忘れない。
そんなことをしながら一息ついたところで、私は師匠に声をかける。
「それで師匠は、なんでこんなところに来たの?」
ずっと戻らない私達を心配してという可能性もあるけど、別に本人が来なくても、兵士に調べに行かせたり、手紙を出すという方法もあったはずだ。
なにせ、私はともかく、アーサー王子は第二王子だ。
アヴァロン王国では、それなりに重要人物のはずだ。
「ふむ。実はの・・・」
私の問いに、師匠は真面目な表情になる。
やっぱり、私達に連絡する必要がある緊急の事態が起こったようだ。
少し緊張しつつ答えを待っていると、師匠が重苦しく口を開く。
「傷心旅行なのじゃ」
「・・・・・」
なんだろう。
なんだか、空耳が聞こえた気がする。
「傷心旅行なのじゃ」
聞き逃したとでも思ったのか、私が反応しないでいると、師匠がもう一度同じ台詞を口にした。
どうも、空耳じゃなさそうだ。
でも、念のため、もう一度だけ確認することにする。
「・・・・・ごめん、師匠。もしかしたら、聞き間違えたかも知れないから、もう一度だけ言ってもらえる?」
私からの要望を聞いて、師匠がもう一度口を開く。
「ジョンくんに振られたから、傷心旅行にきたのじゃ」
今度は、より丁寧な説明をしてくれた。
うん。
よく分かった。
どうでもいい用事なのが、よく分かった。
「なに?また、王妃に寝取られでもしたの?」
確か、騎士団長のときは、そうだったはずだ。
正直、興味は無いんだけど、こちらから尋ねた手前、詳しい話を聞いてみる。
すると師匠は情けない顔をして、説明してくれる。
「違うのじゃ!ジョンくんには将来を約束した幼馴染がいたのじゃ!」
「それじゃ、完全に師匠の横恋慕じゃない。略奪愛をするつもりがないなら、最初に調べておきなさいよ」
「許婚がいないことは、ちゃんと調べたのじゃ!でも、子供同士で結婚の約束をしたことなんか、調べようがないのじゃ!」
「本人に聞いたら分かることでしょ」
「聞いたから、傷心旅行にきたのじゃ!」
ああ、なるほど。
たぶん、そこそこ仲良くなってから、交際を申し込んだんだろうな。
そこで、結婚の約束をした相手がいるからという理由で、断られたと。
納得した。
納得したけど、どうしようもない。
でも、放っておくわけにもいかないしな。
さて、どう慰めようか。
「しかも、傷心旅行にきたら、おぬしは逆ハーレムを作っておるし!」
と思っていたら、とばっちりがきた。
これは矛先を逸らした方がよさそうだ。
「それは違うって言っているじゃない。なんなら、あの辺に転がっているのをあげるわ。どっちを選んでも玉の輿よ?」
そう言って、涼んでいるファイファーとフィドラーを指す。
しかし、師匠は気が乗らないようだ。
「えぇー、わし、プライドが高そうなのや、乱暴そうなのは、好みではないのじゃがのう」
好みがうるさいな。
えり好みできる歳でもないだろうに。
「あっちをくれんか?」
「え、あっち?うーん、一応、私の婚約者ってことになっているしなぁ」
私と師匠がそんな会話をしていると、ようやく男共がのぼせた状態から回復したようだ。
こちらに近づいてきて、会話に加わってくる。
「シンデレラ、一応はひどいよ」
アーサー王子が、文句を言ってくる。
けど、ひどいって言われても、王族の婚約者なんて、正式に婚姻を結ぶまで解消される可能性もあるしな。
私から解消するつもりはないけど、アーサー王子の事情でどうなるかは分からない。
私はただの貴族の娘だ。
もし、アーサー王子に他国の王族との縁談の話が出てくれば、私との婚約なんて簡単に解消されるだろう。
だから、『一応』とつけても、おかしくはないと思う。
「女王様、我の気持ちを知っていて他のご婦人に薦めるとは、ひどいではないか
次に文句を言ってきたのは、ファイファーだ。
でも、これは言いがかりだ。
私はファイファーの被虐趣味に付き合って、彼の女王様になる気は全くない。
むしろ、真っ当(?)な相手をあてがって、正しい道に戻してあげようとしているのだから、感謝されてもいいのではないかだろうか。
「聖女殿、オレの方からご婦人に求婚したわけでもないのに、振られたような状況になっているのが、納得できないのだが」
最後に文句を言ってきたのは、フィドラーだ。
まあ、この言い分は分かる。
けど、それくらいは納得してもらおう。
もう、前払いで対価をもらっているわけだし。
「師匠の裸に見惚れていたんだから、求婚したようなものでしょ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
さっと視線を逸らす男共。
温泉に裸で入ってきたのは師匠なんだから、別にそんな反応は要らないんだけど、これでぐだぐだ言ってくることは無いだろう。
師匠との話に戻る。
「さすがに、アーサーをあげるわけにはいかないから、諦めて。ファイファー様とフィドラー様が好みじゃないなら、ここには他に男はいないから、大人しく傷心旅行をしていたら?」
師匠のめんどくさい要望を満たすような相手を探して紹介できるほど知り合いは多くないから、とりあえず、そう言っておく。
というか、もういい歳なんだから、いい加減、諦めたらいいのに。
私に迷惑がかからないなら、止めはしないけど。
「なんじゃ、玉の輿になるくらいの男なのに、護衛は全て女なのか?」
すると、師匠が『他に男はいない』という点に反応してきた。
「・・・・・ああ、そういうことか」
そして、勝手に自己解決する。
なんだか、勘違いしているような気がするけど、どうしよう。
本来の護衛がいないことを説明した方がいいかな。
そうなると、シルヴァニア王国で何があったかも説明しなければならないから、少し面倒だな。
迷っていると、先にファイファーとフィドラーが口を開いた。
「ご婦人、別に女好きだから、護衛を女騎士で固めているわけではないぞ」
「シルヴァニア王国で毒を盛られて倒れたのだ」
そうだ。
そういえば、倒れた騎士達を起こす解毒薬は師匠に作ってもらう必要があるんだった。
ちょうどいい。
何があったのかは、二人に説明させよう。
そう考えて、私は話の流れを見守ることにした。
*****
「なるほどのう」
王女の誕生パーティーから現在までに何があったのか、だいたい話は終わったと思う。
ファイファーとフィドラーが、『犯人は捜索中』と言ったところで、師匠が私の方を見てきたけど、察してくれたのか、そこに深く触れることは無かった。
アダム王子の件があったから、師匠は犯人が誰だか見当がついたのだろう。
けど、ファイファーとフィドラーは、ヒルダがおこなった『犯人は捜索中』というシルヴァニア王国としての表向きの説明を信じたままだ。
本当のことを教えてもいいんだけど、王女が犯人だなんて教えると国家間のトラブルになるだろうし、色々と面倒なので、そのままにしている。
「それで、師匠、解毒薬の製造をお願いできる?」
説明が終わったタイミングを見計らって、口を挟む。
すると、師匠はなんだか難しい顔になる。
「それはかまわんが・・・」
なんだろう。
解毒薬を作りたくないという感じではないけど、何かあるのだろうか。
「なに?材料に必要な元の毒は、シルヴァニア王国から持ってきたから、あるわよ」
そのあたりは抜かりない。
というより、あの国にあった分は全部持ってきている。
そのままにしておくと危険だから、全て回収してきたのだ。
追加で製造される可能性はあるけど、何もしないよりはマシだろう。
でも、師匠が難しい顔をしているのは、それが原因じゃなかったみたいだ。
「いや、解毒薬を作るのはいいのじゃが、伝え忘れたことがあってのう」
「伝え忘れたこと?」
「うむ」
どうやら、全然、関係ない話だったらしい。
とりあえず、解毒薬の件は問題なさそうだ。
だから、伝え忘れたという話を聞くことにする。
「エリザベート王女と婚約したバビロン王国のプラクティカル王子が、兵を率いてシルヴァニア王国へ向かっておるぞ。なんでも、おぬしが簒奪したシルヴァニア王国を取り戻すため、というのが大義名分らしい。傷心旅行のついでに伝言を頼まれたのを、すっかり忘れておった」
「・・・・・それ、逆じゃないの?」
傷心旅行のついでに伝言を頼まれたんじゃなくて、伝言を頼まれたついでに傷心旅行にきたのではないのだろうか。
アーサー王子、ファイファー、フィドラーが涼んでいる。
顔が赤いから、温泉にのぼせたのだろう。
自業自得だ。
なにしろ、後から入り始めた師匠と同じ時間に上がってきたのだから。
「シンデレラ様、王子が辛そうです。膝枕でもして差し上げたらいかがでしょう?」
MMQのメイドが声をかけてくる。
その言葉に私は、アーサー王子の方を見る。
確かに、辛そうだ。
けど、以前のように青い顔をしているわけじゃない。
単に身体の熱が引いていなくて、怠そうなだけだ。
それも、発熱による熱じゃない。
温泉に浸かり過ぎて、身体が熱を持っているだけだ。
「必要ないんじゃない?自分で勃てるくらい元気みたいだしね」
私も病人じゃない人間を看病するほど、酔狂ではない。
だから、そう拒否すると、MMQのメイドは溜息を付く。
「自業自得だから、仕方ありませんね」
そう言いつつも、手分けしてアーサー王子に水を持っていったり扇いだりしているから、上司想いのメイド達だ。
一番風呂はもらってしまったけど、彼女達にも温泉に入るように勧めておく。
もちろん、私のメイド達に勧めることも忘れない。
そんなことをしながら一息ついたところで、私は師匠に声をかける。
「それで師匠は、なんでこんなところに来たの?」
ずっと戻らない私達を心配してという可能性もあるけど、別に本人が来なくても、兵士に調べに行かせたり、手紙を出すという方法もあったはずだ。
なにせ、私はともかく、アーサー王子は第二王子だ。
アヴァロン王国では、それなりに重要人物のはずだ。
「ふむ。実はの・・・」
私の問いに、師匠は真面目な表情になる。
やっぱり、私達に連絡する必要がある緊急の事態が起こったようだ。
少し緊張しつつ答えを待っていると、師匠が重苦しく口を開く。
「傷心旅行なのじゃ」
「・・・・・」
なんだろう。
なんだか、空耳が聞こえた気がする。
「傷心旅行なのじゃ」
聞き逃したとでも思ったのか、私が反応しないでいると、師匠がもう一度同じ台詞を口にした。
どうも、空耳じゃなさそうだ。
でも、念のため、もう一度だけ確認することにする。
「・・・・・ごめん、師匠。もしかしたら、聞き間違えたかも知れないから、もう一度だけ言ってもらえる?」
私からの要望を聞いて、師匠がもう一度口を開く。
「ジョンくんに振られたから、傷心旅行にきたのじゃ」
今度は、より丁寧な説明をしてくれた。
うん。
よく分かった。
どうでもいい用事なのが、よく分かった。
「なに?また、王妃に寝取られでもしたの?」
確か、騎士団長のときは、そうだったはずだ。
正直、興味は無いんだけど、こちらから尋ねた手前、詳しい話を聞いてみる。
すると師匠は情けない顔をして、説明してくれる。
「違うのじゃ!ジョンくんには将来を約束した幼馴染がいたのじゃ!」
「それじゃ、完全に師匠の横恋慕じゃない。略奪愛をするつもりがないなら、最初に調べておきなさいよ」
「許婚がいないことは、ちゃんと調べたのじゃ!でも、子供同士で結婚の約束をしたことなんか、調べようがないのじゃ!」
「本人に聞いたら分かることでしょ」
「聞いたから、傷心旅行にきたのじゃ!」
ああ、なるほど。
たぶん、そこそこ仲良くなってから、交際を申し込んだんだろうな。
そこで、結婚の約束をした相手がいるからという理由で、断られたと。
納得した。
納得したけど、どうしようもない。
でも、放っておくわけにもいかないしな。
さて、どう慰めようか。
「しかも、傷心旅行にきたら、おぬしは逆ハーレムを作っておるし!」
と思っていたら、とばっちりがきた。
これは矛先を逸らした方がよさそうだ。
「それは違うって言っているじゃない。なんなら、あの辺に転がっているのをあげるわ。どっちを選んでも玉の輿よ?」
そう言って、涼んでいるファイファーとフィドラーを指す。
しかし、師匠は気が乗らないようだ。
「えぇー、わし、プライドが高そうなのや、乱暴そうなのは、好みではないのじゃがのう」
好みがうるさいな。
えり好みできる歳でもないだろうに。
「あっちをくれんか?」
「え、あっち?うーん、一応、私の婚約者ってことになっているしなぁ」
私と師匠がそんな会話をしていると、ようやく男共がのぼせた状態から回復したようだ。
こちらに近づいてきて、会話に加わってくる。
「シンデレラ、一応はひどいよ」
アーサー王子が、文句を言ってくる。
けど、ひどいって言われても、王族の婚約者なんて、正式に婚姻を結ぶまで解消される可能性もあるしな。
私から解消するつもりはないけど、アーサー王子の事情でどうなるかは分からない。
私はただの貴族の娘だ。
もし、アーサー王子に他国の王族との縁談の話が出てくれば、私との婚約なんて簡単に解消されるだろう。
だから、『一応』とつけても、おかしくはないと思う。
「女王様、我の気持ちを知っていて他のご婦人に薦めるとは、ひどいではないか
次に文句を言ってきたのは、ファイファーだ。
でも、これは言いがかりだ。
私はファイファーの被虐趣味に付き合って、彼の女王様になる気は全くない。
むしろ、真っ当(?)な相手をあてがって、正しい道に戻してあげようとしているのだから、感謝されてもいいのではないかだろうか。
「聖女殿、オレの方からご婦人に求婚したわけでもないのに、振られたような状況になっているのが、納得できないのだが」
最後に文句を言ってきたのは、フィドラーだ。
まあ、この言い分は分かる。
けど、それくらいは納得してもらおう。
もう、前払いで対価をもらっているわけだし。
「師匠の裸に見惚れていたんだから、求婚したようなものでしょ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
さっと視線を逸らす男共。
温泉に裸で入ってきたのは師匠なんだから、別にそんな反応は要らないんだけど、これでぐだぐだ言ってくることは無いだろう。
師匠との話に戻る。
「さすがに、アーサーをあげるわけにはいかないから、諦めて。ファイファー様とフィドラー様が好みじゃないなら、ここには他に男はいないから、大人しく傷心旅行をしていたら?」
師匠のめんどくさい要望を満たすような相手を探して紹介できるほど知り合いは多くないから、とりあえず、そう言っておく。
というか、もういい歳なんだから、いい加減、諦めたらいいのに。
私に迷惑がかからないなら、止めはしないけど。
「なんじゃ、玉の輿になるくらいの男なのに、護衛は全て女なのか?」
すると、師匠が『他に男はいない』という点に反応してきた。
「・・・・・ああ、そういうことか」
そして、勝手に自己解決する。
なんだか、勘違いしているような気がするけど、どうしよう。
本来の護衛がいないことを説明した方がいいかな。
そうなると、シルヴァニア王国で何があったかも説明しなければならないから、少し面倒だな。
迷っていると、先にファイファーとフィドラーが口を開いた。
「ご婦人、別に女好きだから、護衛を女騎士で固めているわけではないぞ」
「シルヴァニア王国で毒を盛られて倒れたのだ」
そうだ。
そういえば、倒れた騎士達を起こす解毒薬は師匠に作ってもらう必要があるんだった。
ちょうどいい。
何があったのかは、二人に説明させよう。
そう考えて、私は話の流れを見守ることにした。
*****
「なるほどのう」
王女の誕生パーティーから現在までに何があったのか、だいたい話は終わったと思う。
ファイファーとフィドラーが、『犯人は捜索中』と言ったところで、師匠が私の方を見てきたけど、察してくれたのか、そこに深く触れることは無かった。
アダム王子の件があったから、師匠は犯人が誰だか見当がついたのだろう。
けど、ファイファーとフィドラーは、ヒルダがおこなった『犯人は捜索中』というシルヴァニア王国としての表向きの説明を信じたままだ。
本当のことを教えてもいいんだけど、王女が犯人だなんて教えると国家間のトラブルになるだろうし、色々と面倒なので、そのままにしている。
「それで、師匠、解毒薬の製造をお願いできる?」
説明が終わったタイミングを見計らって、口を挟む。
すると、師匠はなんだか難しい顔になる。
「それはかまわんが・・・」
なんだろう。
解毒薬を作りたくないという感じではないけど、何かあるのだろうか。
「なに?材料に必要な元の毒は、シルヴァニア王国から持ってきたから、あるわよ」
そのあたりは抜かりない。
というより、あの国にあった分は全部持ってきている。
そのままにしておくと危険だから、全て回収してきたのだ。
追加で製造される可能性はあるけど、何もしないよりはマシだろう。
でも、師匠が難しい顔をしているのは、それが原因じゃなかったみたいだ。
「いや、解毒薬を作るのはいいのじゃが、伝え忘れたことがあってのう」
「伝え忘れたこと?」
「うむ」
どうやら、全然、関係ない話だったらしい。
とりあえず、解毒薬の件は問題なさそうだ。
だから、伝え忘れたという話を聞くことにする。
「エリザベート王女と婚約したバビロン王国のプラクティカル王子が、兵を率いてシルヴァニア王国へ向かっておるぞ。なんでも、おぬしが簒奪したシルヴァニア王国を取り戻すため、というのが大義名分らしい。傷心旅行のついでに伝言を頼まれたのを、すっかり忘れておった」
「・・・・・それ、逆じゃないの?」
傷心旅行のついでに伝言を頼まれたんじゃなくて、伝言を頼まれたついでに傷心旅行にきたのではないのだろうか。
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