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第七章 狼と三匹の豚
116.豚との交渉(その4)
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「シンデレラ、こっちの書類は問題なさそうだよ」
アーサー王子が、チェックした書類を回してくる。
「ありがとう」
私はそれを受け取り、承認印だけ押して、次に取り掛かる。
執務室の机の上には、あいかわらず書類が積んであるけど、その山はちょっとずつ低くなってきている。
「これは数字が間違っているね」
「ヒルダに差し戻しておくわ」
というか、楽だ。
私が処理する何倍もの早さで処理してくれる。
『カリバーン』を完成させたことで満足したのか、最近アーサー王子はこうして私を手伝ってくれている。
それなら最初から手伝ってくれと言いたかったけど、『カリバーン』の完成を急いだのも私のためみたいだから、それは言わないでおく。
「そろそろ、お茶にしましょうか」
「そうだね」
きりの良いところで休憩を入れる。
アーサー王子が手伝ってくれるおかげで、毎日お茶会をするくらいには余裕ができた。
処理した書類をヒルダに押し付けて、メイドにお茶会の準備をお願いする。
そういえば、こっちで処理する速度が上がったせいで、ヒルダもそれに応じた速度を求められて大変なようだ。
けど、私に仕事を押し付けてきたのは彼女なのだから、頑張ってもらおう。
そんなわけで、ヒルダはお茶会には呼んでいない。
まあ、アヴァロン王国の人間だけで秘密の話をすることもあるから、都合がいい。
「ありがとう、ミカン」
私のお世話をしてくれる今日の担当は、ミカンのようだ。
リンゴ、ミカン、アンズ、スモモの順番でお世話をしてくれるので、彼女達とは四日に一度は顔を合わせている。
ミカンが淹れてくれたお茶を飲みながら、一息つく。
「変わったお茶ね」
飲んでから気づいたけど、紅茶じゃないみたいだ。
少し苦みと渋みがあるけど、すっきりとしていて、なんだか元気が出てくる気がする。
「緑茶です。この国の特産品なんですよ」
ミカンが説明してくれる。
「へぇ。おいしいわね、コレ」
もう一口飲む。
うん。
私の口に合う。
紅茶よりも、自然の葉に近い風味があるからかな。
「お茶請けには蜜柑を用意しました。私の名前の由来でもあるんですよ」
目の前には、ぽんっと皮付きのままの果実が置かれていた。
お菓子とかに調理はされていない。
「これ、どうやって食べればいいの?皮ごと噛り付けばいいの?」
私は林檎を皮ごと食べることもある。
だから、もぎたての果物をそのまま食べることにも抵抗はない。
これも、そうやって食べればいいんだろうか。
「手で簡単に剥けますので、皮は剥いて食べてください。蜜柑は皮を剥くのも楽しいので、あえて皮付きのままお出ししました」
「ふぅん。あ、ホントだ。簡単に剥ける」
けど、別に楽しくはないな。
一口サイズが薄い皮に包まれてくっついているようなので、そのうちの一つを取り外して口に入れる。
林檎と違って、ナイフで皮を剥いたり切り分けたりしたいでいいのは、食べやすい。
「甘くておいしい。ちょっと酸味があるのもいいわね」
苦み。
渋み。
甘味。
酸味。
さっきの緑茶と合わせて、味覚の色んな部分が刺激されて、楽しい。
気分転換にもなる。
私が気分よく、蜜柑の実をぽいぽいと口に放り込んでいると、アーサー王子がまだ皮を剥いているのが見えた。
「あの、アーサー王子?その白い筋は、そんなに丁寧に取らなくても大丈夫ですよ?」
「え、でも、気になるじゃないか。この白いのって皮の一部じゃないの?」
あれかな。
アーサー王子は皮が剥いていないと果物を食べられないタイプなのかな。
「食べても大丈夫だったわよ。それに、皮だって毒じゃないんだし、ちょっとくらい食べても問題ないわよ」
「そうなんだろうけどね」
せっかく教えてあげたのに、アーサー王子は神経質に白い部分を取り続ける。
もう、気の済むまで、好きにさせておこう。
でも、会話にも応じてくれそうにないな。
そうだ。
さっき気になったことを、ミカンに聞いてみようかな。
「ねぇ。皮が剥くのが楽しいって言っていたけど、そんなに楽しくはなかったわよ」
皮を自分で剥くのが嫌というわけじゃないけど、気になったので聞いてみた。
「じゃあ、お手本をお見せしますね」
すると、ミカンは蜜柑を一つ取ると、皮をむき始める。
手際はいいんだけど、妙に細かく、ちまちまと剥いている。
「こんな感じで、どうでしょうか」
「おおっ!それって、うさぎ?」
「はい。リンゴの林檎うさぎに対抗してみました」
見ると、剥かれた皮が、うさぎの形になっている。
切り離した皮をを、くっつけて形にしているわけじゃない。
一枚に繋がった状態で、うさぎの形になっている。
あの丸い形の皮が、どうやったら、こんな形になるのだろう。
私が驚いている間に、ミカンはもう一つを剥いている。
「こんな形にもできます」
「今度は鳥!?すごいわね!!」
「うさぎの耳を翼に変えればいいので、さっきの応用で作れるんですよ」
気をよくしたのか、ミカンが今度は馬の形を作ってくれる。
「私にもできるかな」
私も蜜柑をもう一つ取って、皮を剥いていく。
「うーん・・・けっこう、難しいわね」
蜜柑は迷いなく剥いていたから簡単そうだったけど、実際にやってみると、形を想像しながら剥くのが難しい。
「ヘタの部分を目のところに持ってくるのがコツなんですよ。最初はヘビの形が作りやすいと思います。細長く剥いていけばできるので」
「なるほど」
言われた通りにやってみる。
「できた!」
今度はちゃんと思った通りの形にできた。
でも、ヘビみたいな簡単な形じゃ、満足できない。
私はもう一つ蜜柑を手に取る。
「んー・・・足が増えると、いっきに難しくなるわね」
けど、私は諦めない女。
根気よく、皮を剥いていく。
そして、失敗しても懲りずに、何度も挑戦する。
*****
「わっ!」
少しゆがんでいるけど、どうにか、うさぎの形に見えるように皮が剥けた頃、アーサー王子が素っ頓狂な声を上げた。
「そんなに食べるの?」
私の手元を見ながら言っているようだ。
つられて視線を移す。
「・・・・・」
皮の剥かれた無数の蜜柑。
それが私の手元に転がっていた。
「蜜柑ジュースにでもしましょうか?」
気を遣って、ミカンが提案してくる。
彼女は無数の蜜柑を見ても驚いていない。
私が熱中しているものだから、止めなかったのだろう。
「そうね・・・」
私がミカンの提案に返事を返そうとしたところで、お茶会を開いている部屋の扉が開かれる。
「聖女殿」
見ると、ここ数日、姿を見なかった人物がいた。
ファイファーだ。
『聖女の呪い』をかけたというのに、懲りなかったのかな。
「ファイファー様、お茶会に参加したいなら、事前に連絡していただかないと困ります」
「聖女殿に会いたくて、待ちきれなかったのだ」
許可もしていないのに、つかつかと部屋に入って、こちらに近づいてくる。
なんだか、熱っぽい目をしているように見えるな。
「聖女殿!」
ファイファーは私の手を取って両手で包み込んでくる。
この間のように自由を奪うような力の入れ方じゃなくて、優しく包み込んでくるような感じだ。
突然のことに、アーサー王子もミカンも呆気に取られて反応できないでいる。
「我のご主人様、いや、女王様になってくれ!」
私はこの間と同じように、股間、顎の順に蹴って、ファイファーを無様に仰向けに転がす。
今回は手で握ったりしない。
ヒールの踵で股間を踏みつけて、上から見下ろす。
「おぅふっ!」
ファイファーが気持ちの悪い声を上げるけど無視だ。
「いきなり何を血迷っているの。勃たなくしてあげたのに、懲りなかった?」
そう。
この間、こいつが夜這いに来て返り討ちにした後、私は勃たなくなる薬を盛って、『聖女の呪い』という伝言をしておいた。
それにも関わらず、この暴挙だ。
もう、このアホをまともに相手なんかしない。
他国の王子だろうと知ったことではない。
「勃たなくなったことには困っているが、そんなことよりも、この間の出来事が忘れられないのだ。命よりも大切なモノを蹂躙され、命運を握られる感覚・・・あんな衝撃は初体験だ!」
堂々とした大声で、アホはことを叫ぶファイファー。
はっきり言って、キモイ。
「もっと強く踏んでくれ!強弱をつけてくれると、なおよい!」
というか、変な性癖を目覚めさせてしまったようだ。
思わず、踵の下の柔らかいモノを踏み潰したい衝動にかられた。
【後書き】
ブックマーク100件達成しました。
読者の皆様ありがとうございます。
100件超えは初めてなので感激です。
見捨てられないように頑張って書きますので、引き続きお読みいただけると嬉しいです。
アーサー王子が、チェックした書類を回してくる。
「ありがとう」
私はそれを受け取り、承認印だけ押して、次に取り掛かる。
執務室の机の上には、あいかわらず書類が積んであるけど、その山はちょっとずつ低くなってきている。
「これは数字が間違っているね」
「ヒルダに差し戻しておくわ」
というか、楽だ。
私が処理する何倍もの早さで処理してくれる。
『カリバーン』を完成させたことで満足したのか、最近アーサー王子はこうして私を手伝ってくれている。
それなら最初から手伝ってくれと言いたかったけど、『カリバーン』の完成を急いだのも私のためみたいだから、それは言わないでおく。
「そろそろ、お茶にしましょうか」
「そうだね」
きりの良いところで休憩を入れる。
アーサー王子が手伝ってくれるおかげで、毎日お茶会をするくらいには余裕ができた。
処理した書類をヒルダに押し付けて、メイドにお茶会の準備をお願いする。
そういえば、こっちで処理する速度が上がったせいで、ヒルダもそれに応じた速度を求められて大変なようだ。
けど、私に仕事を押し付けてきたのは彼女なのだから、頑張ってもらおう。
そんなわけで、ヒルダはお茶会には呼んでいない。
まあ、アヴァロン王国の人間だけで秘密の話をすることもあるから、都合がいい。
「ありがとう、ミカン」
私のお世話をしてくれる今日の担当は、ミカンのようだ。
リンゴ、ミカン、アンズ、スモモの順番でお世話をしてくれるので、彼女達とは四日に一度は顔を合わせている。
ミカンが淹れてくれたお茶を飲みながら、一息つく。
「変わったお茶ね」
飲んでから気づいたけど、紅茶じゃないみたいだ。
少し苦みと渋みがあるけど、すっきりとしていて、なんだか元気が出てくる気がする。
「緑茶です。この国の特産品なんですよ」
ミカンが説明してくれる。
「へぇ。おいしいわね、コレ」
もう一口飲む。
うん。
私の口に合う。
紅茶よりも、自然の葉に近い風味があるからかな。
「お茶請けには蜜柑を用意しました。私の名前の由来でもあるんですよ」
目の前には、ぽんっと皮付きのままの果実が置かれていた。
お菓子とかに調理はされていない。
「これ、どうやって食べればいいの?皮ごと噛り付けばいいの?」
私は林檎を皮ごと食べることもある。
だから、もぎたての果物をそのまま食べることにも抵抗はない。
これも、そうやって食べればいいんだろうか。
「手で簡単に剥けますので、皮は剥いて食べてください。蜜柑は皮を剥くのも楽しいので、あえて皮付きのままお出ししました」
「ふぅん。あ、ホントだ。簡単に剥ける」
けど、別に楽しくはないな。
一口サイズが薄い皮に包まれてくっついているようなので、そのうちの一つを取り外して口に入れる。
林檎と違って、ナイフで皮を剥いたり切り分けたりしたいでいいのは、食べやすい。
「甘くておいしい。ちょっと酸味があるのもいいわね」
苦み。
渋み。
甘味。
酸味。
さっきの緑茶と合わせて、味覚の色んな部分が刺激されて、楽しい。
気分転換にもなる。
私が気分よく、蜜柑の実をぽいぽいと口に放り込んでいると、アーサー王子がまだ皮を剥いているのが見えた。
「あの、アーサー王子?その白い筋は、そんなに丁寧に取らなくても大丈夫ですよ?」
「え、でも、気になるじゃないか。この白いのって皮の一部じゃないの?」
あれかな。
アーサー王子は皮が剥いていないと果物を食べられないタイプなのかな。
「食べても大丈夫だったわよ。それに、皮だって毒じゃないんだし、ちょっとくらい食べても問題ないわよ」
「そうなんだろうけどね」
せっかく教えてあげたのに、アーサー王子は神経質に白い部分を取り続ける。
もう、気の済むまで、好きにさせておこう。
でも、会話にも応じてくれそうにないな。
そうだ。
さっき気になったことを、ミカンに聞いてみようかな。
「ねぇ。皮が剥くのが楽しいって言っていたけど、そんなに楽しくはなかったわよ」
皮を自分で剥くのが嫌というわけじゃないけど、気になったので聞いてみた。
「じゃあ、お手本をお見せしますね」
すると、ミカンは蜜柑を一つ取ると、皮をむき始める。
手際はいいんだけど、妙に細かく、ちまちまと剥いている。
「こんな感じで、どうでしょうか」
「おおっ!それって、うさぎ?」
「はい。リンゴの林檎うさぎに対抗してみました」
見ると、剥かれた皮が、うさぎの形になっている。
切り離した皮をを、くっつけて形にしているわけじゃない。
一枚に繋がった状態で、うさぎの形になっている。
あの丸い形の皮が、どうやったら、こんな形になるのだろう。
私が驚いている間に、ミカンはもう一つを剥いている。
「こんな形にもできます」
「今度は鳥!?すごいわね!!」
「うさぎの耳を翼に変えればいいので、さっきの応用で作れるんですよ」
気をよくしたのか、ミカンが今度は馬の形を作ってくれる。
「私にもできるかな」
私も蜜柑をもう一つ取って、皮を剥いていく。
「うーん・・・けっこう、難しいわね」
蜜柑は迷いなく剥いていたから簡単そうだったけど、実際にやってみると、形を想像しながら剥くのが難しい。
「ヘタの部分を目のところに持ってくるのがコツなんですよ。最初はヘビの形が作りやすいと思います。細長く剥いていけばできるので」
「なるほど」
言われた通りにやってみる。
「できた!」
今度はちゃんと思った通りの形にできた。
でも、ヘビみたいな簡単な形じゃ、満足できない。
私はもう一つ蜜柑を手に取る。
「んー・・・足が増えると、いっきに難しくなるわね」
けど、私は諦めない女。
根気よく、皮を剥いていく。
そして、失敗しても懲りずに、何度も挑戦する。
*****
「わっ!」
少しゆがんでいるけど、どうにか、うさぎの形に見えるように皮が剥けた頃、アーサー王子が素っ頓狂な声を上げた。
「そんなに食べるの?」
私の手元を見ながら言っているようだ。
つられて視線を移す。
「・・・・・」
皮の剥かれた無数の蜜柑。
それが私の手元に転がっていた。
「蜜柑ジュースにでもしましょうか?」
気を遣って、ミカンが提案してくる。
彼女は無数の蜜柑を見ても驚いていない。
私が熱中しているものだから、止めなかったのだろう。
「そうね・・・」
私がミカンの提案に返事を返そうとしたところで、お茶会を開いている部屋の扉が開かれる。
「聖女殿」
見ると、ここ数日、姿を見なかった人物がいた。
ファイファーだ。
『聖女の呪い』をかけたというのに、懲りなかったのかな。
「ファイファー様、お茶会に参加したいなら、事前に連絡していただかないと困ります」
「聖女殿に会いたくて、待ちきれなかったのだ」
許可もしていないのに、つかつかと部屋に入って、こちらに近づいてくる。
なんだか、熱っぽい目をしているように見えるな。
「聖女殿!」
ファイファーは私の手を取って両手で包み込んでくる。
この間のように自由を奪うような力の入れ方じゃなくて、優しく包み込んでくるような感じだ。
突然のことに、アーサー王子もミカンも呆気に取られて反応できないでいる。
「我のご主人様、いや、女王様になってくれ!」
私はこの間と同じように、股間、顎の順に蹴って、ファイファーを無様に仰向けに転がす。
今回は手で握ったりしない。
ヒールの踵で股間を踏みつけて、上から見下ろす。
「おぅふっ!」
ファイファーが気持ちの悪い声を上げるけど無視だ。
「いきなり何を血迷っているの。勃たなくしてあげたのに、懲りなかった?」
そう。
この間、こいつが夜這いに来て返り討ちにした後、私は勃たなくなる薬を盛って、『聖女の呪い』という伝言をしておいた。
それにも関わらず、この暴挙だ。
もう、このアホをまともに相手なんかしない。
他国の王子だろうと知ったことではない。
「勃たなくなったことには困っているが、そんなことよりも、この間の出来事が忘れられないのだ。命よりも大切なモノを蹂躙され、命運を握られる感覚・・・あんな衝撃は初体験だ!」
堂々とした大声で、アホはことを叫ぶファイファー。
はっきり言って、キモイ。
「もっと強く踏んでくれ!強弱をつけてくれると、なおよい!」
というか、変な性癖を目覚めさせてしまったようだ。
思わず、踵の下の柔らかいモノを踏み潰したい衝動にかられた。
【後書き】
ブックマーク100件達成しました。
読者の皆様ありがとうございます。
100件超えは初めてなので感激です。
見捨てられないように頑張って書きますので、引き続きお読みいただけると嬉しいです。
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