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第六章 眠り姫
103.誕生パーティー終盤
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「王!」
その声がした方を向くと、謁見の間で会った王様が、パーティー会場の床に倒れ込むところだった。
つまずいて転んだとか、突き飛ばされて転んだとかいった感じじゃない。
足から力が抜けて崩れ落ちた。
その表現が一番近い。
「大丈夫ですか!しっかりしてください!」
側近らしき人間が必死に話しかけているが、王様は反応する様子がない。
「始まりましたかな?」
メフィが呟くのが聞こえたが、これに応える余裕はない。
なぜなら、パーティー会場のあちこちで、似たような光景が発生し始めたからだ。
「シンデレラ、これは・・・」
アーサー王子も気付いたようだ。
異変が発生したことにじゃない。
そんなことは見れば明らかだ。
そうじゃなくて、これが仕組まれたことだろうということに、気付いたのだ。
「王女から目を離さないで」
アーサー王子にそう声をかけて、私自身は会場内を見回す。
返事を確認している余裕はない。
期待通りに動いてくれることを信じることにする。
「半数以上は倒れているかな」
場所は満遍なく。
年齢に偏りもない。
男女比も大きな違いはない。
つまり、無差別ということだ。
「倒れていないのは・・・」
私、アーサー王子、メフィ。
王女と、その周囲にいた人間。
他にも数人いるけど、おろおろとしているから、たまたまだろう。
「やっぱり、アレかな」
私は一瞬だけテーブルに並べられた料理に視線を向ける。
私とアーサー王子は、注意してアレを口にしなかった。
王女とその周囲にいた人間は、話すのに夢中でそもそも料理を食べていなかったのだろう。
他の数人は、食べ物の好き嫌いかな。
メフィは存在自体が例外みたいなものなので、理由は考えない。
私は推測を進めていくが、それは中断させられることになる。
「動くな!!!」
大きな音を立てて扉が開き、パーティー会場に剣で武装した数十人の男達がなだれ込んできた。
男達はパーティーの参加者を取り囲むようにして、次第にその輪を小さくしていく。
あっという間に、包囲が完成した。
見事な手際だ。
倒れている人間には、警戒もしなければ、見向きもしない。
だからこそ、手間取ることなく、包囲された。
「なんだ貴様らは!」
気の強そうな貴族が男達に向かって叫ぶが、それは悪手だ。
「動くなと言っただろうが!!!」
「ギャッ!」
貴族に近かった男達の一人が剣を振るう。
容赦は無かった。
貴族は身体から血が噴き出させ、倒れている人間の仲間入りをした。
違うところと言えば、最初に倒れた人間達は生きている可能性があるけど、今まさに倒れた人間はほぼ確実に生きていないということだろう。
「・・・くそっ!なぜ警備の兵士が来ない!」
状況が判ったのだろう。
貴族の一人が小声でそう呟くのが聞こえた。
確かにそうだ。
パーティー会場の中には、物騒な装備をした兵士はいない。
けど、それはパーティーの雰囲気を壊さないためであり、出入口で警備はしているはずだった。
それが来ていない。
同様の理由で、近くの控室にいるはずの、パーティー参加者の護衛達もだ。
「あなた達、何が目的です!」
そんな中、先ほどの光景を思い起こさせるように、男達に向けて声を放った人間が現れた。
だけど、先ほどと違って、即座に斬り捨てられるということは無かった。
「私の誕生パーティーを台無しにして、何のつもりですか!」
そう叫びながら、男達の前に自らの身を晒す。
参加者を護ろうと前に出た勇敢な王女。
多くの参加者には、そう見えたことだろう。
「王女、お下がりください!」
王女の安全を確保しようとする者もいるが、多くの人間は状況に怯え、動揺することしかできないでいる。
「よいのです。私の誕生日を祝いにきてくれた方々を護るのは、私の責任です。私が賊と交渉します」
そう言って、さらに前に進み出る。
まるで、演劇を見ているようだ。
そう思った。
*****
華やかな雰囲気のパーティー会場は、一転して緊張感に包まれていた。
倒れている人間は多数。
そのうち一人は命を落としている。
立っている人間は少数で、隙間なく包囲されている。
つまり、包囲されている側一人が、包囲している側複数人に監視されていることになる。
隙を見て行動するのは難しく、逃げ出すことができる確率は非常に低いということだ。
「さあ!要求を言いなさい!」
そんな中、王女は参加者の期待を一身に集めていると言っていい。
全員が王女の言葉、そして賊の反応を、緊張した面持ちで見つめている。
そして、賊のリーダーらしき人間が口を開きかけたとき、
「死にたくなければ、伏せなさい」
私はドレスのスカートから取り出した瓶を力一杯、放り投げた。
放物線を描いで飛んでいく瓶。
私の行動が、あまりにも唐突だったからだろう。
賊は、先ほど貴族を斬り捨てたときのように、襲い掛かってはこない。
ただ、ぽかんと飛んでいく瓶を見ている。
このままいけば、瓶は壁に当たって砕け散り、そのタイミングで正気を取り戻すんじゃないだろうか。
無事で済んだらだけど。
「全員伏せて!!!」
もう少しで瓶が壁に当たる。
その直前、先ほどの私の台詞を繰り返すように、声が会場内に響く。
反射的に数人が身を伏せるのが見えた。
その中には賊も含まれていた。
正確な数を数えることは出来なかった。
轟音と爆風が会場内を襲ったからだ。
「ゲホッ!ゲホッ!」
「ギャアァァァ!」
崩れる壁。
煙を吸い込んでむせる人々。
爆風に飛ばされる賊・・・と、少数の運の悪いパーティー参加者。
「思ったより、巻き込めなかったわね」
まあいい。
それが目的じゃない。
「な、なにを考えているのさ!シンデレラ!」
アーサー王子が何か言ってきているが無視だ。
私は壁に空いた穴を指しながら叫ぶ。
「逃げたい人間は、その穴から逃げなさい!!」
会場内の全員に向けて、そう叫ぶ。
そう。
全員に向けてだ。
パーティー参加者だけじゃない。
「てめぇ!何しやがる!!!」
しばらく唖然としていた賊の男達だったが、リーダーの声に正気を取り戻す。
すぐに包囲網を立て直す。
先ほどよりも警戒心が上がったようだ。
「・・・一人も逃げなかったわね」
パーティー参加者、そして賊もだ。
忠告はした。
だから、これ以降は遠慮はしない。
「そいつを殺せ!!!」
リーダーの声に、賊の一人が私に襲いかかってくる。
「シンデレラ!」
アーサー王子が私を庇おうと駆け寄ってくるのが視界の端に映る。
けど、位置が悪い。
間に合いはしないだろう。
まあ、下手に間に合っても邪魔だけど。
「死ねっ!」
男が剣を振りかぶる。
そのタイミングに合わせて、お馴染みの催涙効果のある粉を振りかける。
たちまち悶絶する襲い掛かってきた男。
それを見て別の賊が襲い掛かってくるけど、同じ方法で撃退する。
三人までは、それでいけた。
けど、次は複数人が別方向から同時に襲い掛かってきた。
さすがにマズイ。
タイミングを取ることができない。
せめて近づかせないようにと、全方向に催涙効果のある粉を振り撒こうとしたところで、死角に気配を感じた。
「っ!」
ダメだ。
振り返るのも間に合わないほど接近されている。
覚悟を決めて急所だけは護ろうとする。
「危ない!」
次に聞こえたのは破裂音だった。
それが数回。
その数舜後に、私に襲い掛かろうとしていた男達が倒れる。
「大丈夫!?」
アーサー王子が、私に触れることができる距離まで来たようだ。
庇うように、私の前に立つ。
手には、筒状の物を持っていた。
筒に付けられている握りの部分を両手で握り締め、筒の先端を賊のリーダーに向けている。
「なにそれ?」
見たことが無いものだ。
状況も忘れて興味を抱く。
けど、アーサー王子は私の言葉に答えてくれない。
リーダーの男を睨み続けている。
「動くな!これは遠距離から攻撃できる武器だ!そこの男達と同じには、なりたくないだろう!」
「てめぇ・・・」
最初に実演したのがよかったのだろう。
ドスの聞いていないアーサー王子の声だけど、賊のリーダーは警戒しているようだ。
倒れた男達は、頭から血を流して動かない。
絶命していることは明らかで、それをもたらしたのが、アーサー王子の持つ武器であることは確実だ。
状況は膠着した。
その中心はアーサー王子と賊のリーダーだ。
先ほどまで中心にいた王女は、そこから外れた。
その声がした方を向くと、謁見の間で会った王様が、パーティー会場の床に倒れ込むところだった。
つまずいて転んだとか、突き飛ばされて転んだとかいった感じじゃない。
足から力が抜けて崩れ落ちた。
その表現が一番近い。
「大丈夫ですか!しっかりしてください!」
側近らしき人間が必死に話しかけているが、王様は反応する様子がない。
「始まりましたかな?」
メフィが呟くのが聞こえたが、これに応える余裕はない。
なぜなら、パーティー会場のあちこちで、似たような光景が発生し始めたからだ。
「シンデレラ、これは・・・」
アーサー王子も気付いたようだ。
異変が発生したことにじゃない。
そんなことは見れば明らかだ。
そうじゃなくて、これが仕組まれたことだろうということに、気付いたのだ。
「王女から目を離さないで」
アーサー王子にそう声をかけて、私自身は会場内を見回す。
返事を確認している余裕はない。
期待通りに動いてくれることを信じることにする。
「半数以上は倒れているかな」
場所は満遍なく。
年齢に偏りもない。
男女比も大きな違いはない。
つまり、無差別ということだ。
「倒れていないのは・・・」
私、アーサー王子、メフィ。
王女と、その周囲にいた人間。
他にも数人いるけど、おろおろとしているから、たまたまだろう。
「やっぱり、アレかな」
私は一瞬だけテーブルに並べられた料理に視線を向ける。
私とアーサー王子は、注意してアレを口にしなかった。
王女とその周囲にいた人間は、話すのに夢中でそもそも料理を食べていなかったのだろう。
他の数人は、食べ物の好き嫌いかな。
メフィは存在自体が例外みたいなものなので、理由は考えない。
私は推測を進めていくが、それは中断させられることになる。
「動くな!!!」
大きな音を立てて扉が開き、パーティー会場に剣で武装した数十人の男達がなだれ込んできた。
男達はパーティーの参加者を取り囲むようにして、次第にその輪を小さくしていく。
あっという間に、包囲が完成した。
見事な手際だ。
倒れている人間には、警戒もしなければ、見向きもしない。
だからこそ、手間取ることなく、包囲された。
「なんだ貴様らは!」
気の強そうな貴族が男達に向かって叫ぶが、それは悪手だ。
「動くなと言っただろうが!!!」
「ギャッ!」
貴族に近かった男達の一人が剣を振るう。
容赦は無かった。
貴族は身体から血が噴き出させ、倒れている人間の仲間入りをした。
違うところと言えば、最初に倒れた人間達は生きている可能性があるけど、今まさに倒れた人間はほぼ確実に生きていないということだろう。
「・・・くそっ!なぜ警備の兵士が来ない!」
状況が判ったのだろう。
貴族の一人が小声でそう呟くのが聞こえた。
確かにそうだ。
パーティー会場の中には、物騒な装備をした兵士はいない。
けど、それはパーティーの雰囲気を壊さないためであり、出入口で警備はしているはずだった。
それが来ていない。
同様の理由で、近くの控室にいるはずの、パーティー参加者の護衛達もだ。
「あなた達、何が目的です!」
そんな中、先ほどの光景を思い起こさせるように、男達に向けて声を放った人間が現れた。
だけど、先ほどと違って、即座に斬り捨てられるということは無かった。
「私の誕生パーティーを台無しにして、何のつもりですか!」
そう叫びながら、男達の前に自らの身を晒す。
参加者を護ろうと前に出た勇敢な王女。
多くの参加者には、そう見えたことだろう。
「王女、お下がりください!」
王女の安全を確保しようとする者もいるが、多くの人間は状況に怯え、動揺することしかできないでいる。
「よいのです。私の誕生日を祝いにきてくれた方々を護るのは、私の責任です。私が賊と交渉します」
そう言って、さらに前に進み出る。
まるで、演劇を見ているようだ。
そう思った。
*****
華やかな雰囲気のパーティー会場は、一転して緊張感に包まれていた。
倒れている人間は多数。
そのうち一人は命を落としている。
立っている人間は少数で、隙間なく包囲されている。
つまり、包囲されている側一人が、包囲している側複数人に監視されていることになる。
隙を見て行動するのは難しく、逃げ出すことができる確率は非常に低いということだ。
「さあ!要求を言いなさい!」
そんな中、王女は参加者の期待を一身に集めていると言っていい。
全員が王女の言葉、そして賊の反応を、緊張した面持ちで見つめている。
そして、賊のリーダーらしき人間が口を開きかけたとき、
「死にたくなければ、伏せなさい」
私はドレスのスカートから取り出した瓶を力一杯、放り投げた。
放物線を描いで飛んでいく瓶。
私の行動が、あまりにも唐突だったからだろう。
賊は、先ほど貴族を斬り捨てたときのように、襲い掛かってはこない。
ただ、ぽかんと飛んでいく瓶を見ている。
このままいけば、瓶は壁に当たって砕け散り、そのタイミングで正気を取り戻すんじゃないだろうか。
無事で済んだらだけど。
「全員伏せて!!!」
もう少しで瓶が壁に当たる。
その直前、先ほどの私の台詞を繰り返すように、声が会場内に響く。
反射的に数人が身を伏せるのが見えた。
その中には賊も含まれていた。
正確な数を数えることは出来なかった。
轟音と爆風が会場内を襲ったからだ。
「ゲホッ!ゲホッ!」
「ギャアァァァ!」
崩れる壁。
煙を吸い込んでむせる人々。
爆風に飛ばされる賊・・・と、少数の運の悪いパーティー参加者。
「思ったより、巻き込めなかったわね」
まあいい。
それが目的じゃない。
「な、なにを考えているのさ!シンデレラ!」
アーサー王子が何か言ってきているが無視だ。
私は壁に空いた穴を指しながら叫ぶ。
「逃げたい人間は、その穴から逃げなさい!!」
会場内の全員に向けて、そう叫ぶ。
そう。
全員に向けてだ。
パーティー参加者だけじゃない。
「てめぇ!何しやがる!!!」
しばらく唖然としていた賊の男達だったが、リーダーの声に正気を取り戻す。
すぐに包囲網を立て直す。
先ほどよりも警戒心が上がったようだ。
「・・・一人も逃げなかったわね」
パーティー参加者、そして賊もだ。
忠告はした。
だから、これ以降は遠慮はしない。
「そいつを殺せ!!!」
リーダーの声に、賊の一人が私に襲いかかってくる。
「シンデレラ!」
アーサー王子が私を庇おうと駆け寄ってくるのが視界の端に映る。
けど、位置が悪い。
間に合いはしないだろう。
まあ、下手に間に合っても邪魔だけど。
「死ねっ!」
男が剣を振りかぶる。
そのタイミングに合わせて、お馴染みの催涙効果のある粉を振りかける。
たちまち悶絶する襲い掛かってきた男。
それを見て別の賊が襲い掛かってくるけど、同じ方法で撃退する。
三人までは、それでいけた。
けど、次は複数人が別方向から同時に襲い掛かってきた。
さすがにマズイ。
タイミングを取ることができない。
せめて近づかせないようにと、全方向に催涙効果のある粉を振り撒こうとしたところで、死角に気配を感じた。
「っ!」
ダメだ。
振り返るのも間に合わないほど接近されている。
覚悟を決めて急所だけは護ろうとする。
「危ない!」
次に聞こえたのは破裂音だった。
それが数回。
その数舜後に、私に襲い掛かろうとしていた男達が倒れる。
「大丈夫!?」
アーサー王子が、私に触れることができる距離まで来たようだ。
庇うように、私の前に立つ。
手には、筒状の物を持っていた。
筒に付けられている握りの部分を両手で握り締め、筒の先端を賊のリーダーに向けている。
「なにそれ?」
見たことが無いものだ。
状況も忘れて興味を抱く。
けど、アーサー王子は私の言葉に答えてくれない。
リーダーの男を睨み続けている。
「動くな!これは遠距離から攻撃できる武器だ!そこの男達と同じには、なりたくないだろう!」
「てめぇ・・・」
最初に実演したのがよかったのだろう。
ドスの聞いていないアーサー王子の声だけど、賊のリーダーは警戒しているようだ。
倒れた男達は、頭から血を流して動かない。
絶命していることは明らかで、それをもたらしたのが、アーサー王子の持つ武器であることは確実だ。
状況は膠着した。
その中心はアーサー王子と賊のリーダーだ。
先ほどまで中心にいた王女は、そこから外れた。
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