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第四章 塔の上
070.後始末(裏)
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そこを訪れたのは朝の早い時間だ。
城の人間なら起きてはいるが仕事が始まっていないような時間。
朝食を食べているくらいの時間だろうか。
部屋に足を踏み入れると、微かな残り香が昨夜ここで何があったのかを教えてくれる。
「おはようございます」
「あら、おはよう」
部屋の主である女性に挨拶をすると、向こうも挨拶を返してきた。
昨夜は遅く、もしくは、明け方まで起きていたはずだが、寝不足のようには見えない。
化粧で誤魔化しているわけでもないだろう。
むしろ、肌がツヤツヤしている。
自分が仕事に夢中になって徹夜したときなどは、眠気はなくても目の下に隈ができているようだが、女性にそのような様子はない。
当然、女性は自分より年齢が上なわけなのだが、元気なものだと思う。
たまに、本当に人間なのかと疑いたくなることすらある。
男の精気を吸い取って自らの糧とする女淫魔をなのではないだろうか。
「(まあ、そんなはずはないだろうけど)」
もしそうなのだとしたら、自分もそうでないとおかしい。
けど、自分はただの人間だ。
女性と交わったことがないからという可能性もないだろう。
多数の女性と交わったことがある兄も、ただの人間なのだから。
異性を求める性格は兄の方に遺伝したようだ。
そのせいか兄は女性を嫌悪しているようだ。
同族嫌悪というやつかも知れない。
しかし、自分は女性のことを、それほど嫌ってはいない。
催淫薬を盛るのは、もう止めて欲しいが。
今は女性が何故そのような薬を使うのか知っているから止めはしないが、息子に使うのは勘弁してもらいたいものだ。
「今日はどうしたの?アーサー」
朝食は食べ終えたのだろう。
母は椅子に座ってくつろいでいた。
「昨日、シンデレラがお世話になったみたいだから、どんな様子だったか話を聞きに来ました」
「どうして、あなたが?ああ、婚約者だったわね」
母はシンデレラが僕の婚約者であるという情報を手に入れていたようだ。
情報元は兄だろうか。
もっとも、兄が喋っていなかったとしても、情報は手に入れているだろう。
毎夜、部屋に招いている男達から情報を聞き出しているだろうから。
「初心で可愛い娘ね。奥手なあなたとお似合いなんじゃないかしら」
婚約に反対されなくて安心する。
母は気に入らなければ、息子の婚約者を排除するくらいは平気でするだろう。
王妃としての権限を制限されている母だが、方法はいくらでもある。
自分に溺れさせた男達に襲わせたりといった、シンデレラの起こるなんて想像もしたくない手段を使うはずだ。
シンデレラなら撃退しそうな気もするけど、彼女も完璧な人間じゃない。
母にいいようにされているのが、その証拠だ。
だから、母がそんなことを考えないようにすることが必要だ。
「シンデレラの姉や師匠も問題ありませんでしたか?」
母は男にだらしないが、家族を大切にする女性でもある。
おそらく調べているはずだ。
シンデレラの師匠が言い寄っている騎士団長に手を出したのも、それが理由だろう。
母が使う催淫薬は、性的興奮を高めるためのものだが、副作用として思考能力を低下させる効果もある。
苦痛ではなく快楽を与え、さらに思考能力を低下させる。
それはつまり、自白剤よりも情報を引き出すのに適した薬だ。
母と交わっている男達は、例外なく口が軽くなる。
実際、母は塔に閉じ込められているにも関わらず、城内のあらゆる情報を入手している。
そして国を治める害になると判断すれば、その情報をこちらに流してくれる。
だから、僕はこうして定期的に母のもとを訪れている。
「姉の方はアダムが上手くするでしょう。あの子は女を気に入っても、女に溺れることはないでしょうから」
兄は母に近い性格だ。
女癖が悪いのも確かだろうけど、ただ欲求を満たすだけではなく、母と同様に情報を得る手段として利用しているのだろう。
もし、シンデレラの姉がおかしなことを考えたとしても、実行に移す前に潰すはずだ。
「師匠の方は・・・・・当分は大丈夫でしょう」
「当分?」
答えるまでに間があった。
それに言い方を迷うなんてことは稀だ。
それだけ警戒すべき人物だということだろうか。
お茶会の様子をみている限りでは、そんな風には見えないけど。
「この国が善政を敷いている間は敵に回らないでしょう」
「もし、善政を敷いていなければ?」
「国民にとっては喜ばしいことになるでしょうね」
つまり悪政を敷く王族や貴族にとっては喜ばしくないということか。
もちろん、悪政を敷くつもりはない。
けど、シンデレラがやっていること、やろうとしていることは微妙な気がする。
そしてそれは、共犯者である僕も同様だ。
今のところ犯罪者や外道しか対象にしていないけど、対象を間違うとマズいことになりそうだ。
一応、気に留めておくことにしよう。
もっとも、シンデレラの師匠が敵対するという以前に、人間として足を踏み外していることになるから、今回の忠告が無かったとしても注意すべきことだろう。
「情報ありがとうございます。参考になりました」
母がシンデレラにどんな印象を抱いたのか。
シンデレラの身内がどういう人物なのか。
聞きたい情報は訊けた。
立ち去ろうとしたが、ふと、もう一つ疑問があることに気づいた。
「そう言えば、なぜシンデレラに薬を盛ったのですか?」
情報を得るためなら、本人には気付かれない方がいいはずだ。
なぜ、わざわざ警戒されるようなことしたのだろう。
その疑問に対して、王妃は心外だという表情で答えてきた。
「あなたへのプレゼントのつもりだったのだけど、気に入らなかった?」
余計はお世話だ。
そう言おうとして言えなかった。
役得があったのは確かだ。
けど、シンデレラとの関係については他人の手を借りるつもりはない。
家族だとしても同じことだ。
「すみませんが、受け取り拒否させてもらいました」
「その気になっている女性を焦らすなんて、可哀相なことをするわね」
催淫効果が効いていることを言っているんだろう。
でも違う。
「シンデレラも拒否していましたから」
シンデレラは自分の意志で耐えていた。
耐えることができていた。
「へぇ」
母が感心したような声を上げる。
それがどういう意味なのか判らなかったが、母の予想とは違ったようだ。
その点については、シンデレラは母の予想を覆すことができたということだろう。
*****
「騎士団長は諦めた方がいいわよ」
いつものお茶会。
私は師匠にそう言ってみた。
「えぇー、わしを応援してくれるんじゃなかったのかのう」
私の言葉に師匠が拗ねたように言ってくる。
でも、諦めることを進めるのには、ちゃんと理由がある。
「オススメできない相手との仲は応援できないわよ」
「浮気相手がわかったのじゃな。教えてくれ」
訊かれるのは予想していたけど、どうしようか。
この場には、あの女の息子である二人もいる。
まあ、今更か。
「王妃よ」
私の言葉に二人の王子は驚きを見せない。
やっぱり、知っていたか、予想していたのだろう。
しかし、よく考えたら、それならそれで教えてくれておいても、よかったのではないだろうか。
そうすれば、私が酷い目に合うことも無かった。
今更だから別にいいけど。
「王妃?それでは不義の関係ではないか。それなら、わしの方に儀があるじゃろう。なんでオススメできないのじゃ?」
師匠の言うことは正しい。
理屈の上では、そうなるのだろう。
騎士団長を幻滅してくれれば早かったのだけど、そうはならなかったか。
さて、どう説得しようか。
「まあ、なんというか・・・3Pどころか、4Pとか5Pとかするような相手よ。そんなところに混ざりたい?」
騎士団長に対して女性が複数というわけではなく、騎士団長が王妃の相手の一人ということだけど。
でもまあ、そこに混ざっている時点で同じことだろう。
私がそういうと、師匠も何があったのか察したらしい。
少し考える素振りを見せる。
もう一押しだろうか。
「師匠だって初体験は二人っきりの方がいいでしょ?」
「それはまあ・・・」
乙女チックに、もじもじと答えてくる。
歳を考えろと言いたいが、説得できるまでは言わないでおく。
「それに、そんな遊びみたいな関係は嫌でしょ?」
「うーむ・・・」
師匠が乱交パーティーに参加してもいいというなら別だけど、そんな性格なら今の年齢になるまで処女ということはないだろう。
「仕方ないのう。騎士団長は諦めるか」
「それがいいわよ」
安堵の息を吐く。
師匠が不遇の関係に足を踏み込まなかったのもそうだけど、王妃に近づかないでよさそうだということに安心した。
しかし、そうは問屋が卸してくれないらしい。
「じゃが、王妃がそんな関係をしているのはマズイじゃろ。なんとか関係を止めさせたいのう」
師匠がそんなことを言い出した。
「・・・・・わしから騎士団長を奪った仕返しもしたいし」
そして追加で、ぼそっとそんなことを言った。
どう考えても、前半は建前で後半が本音だろう。
「協力してくれんか?」
仕返しをしたいのは私も同じなんだけど、それ以上に王妃に近づきたくない。
どうしよう。
城の人間なら起きてはいるが仕事が始まっていないような時間。
朝食を食べているくらいの時間だろうか。
部屋に足を踏み入れると、微かな残り香が昨夜ここで何があったのかを教えてくれる。
「おはようございます」
「あら、おはよう」
部屋の主である女性に挨拶をすると、向こうも挨拶を返してきた。
昨夜は遅く、もしくは、明け方まで起きていたはずだが、寝不足のようには見えない。
化粧で誤魔化しているわけでもないだろう。
むしろ、肌がツヤツヤしている。
自分が仕事に夢中になって徹夜したときなどは、眠気はなくても目の下に隈ができているようだが、女性にそのような様子はない。
当然、女性は自分より年齢が上なわけなのだが、元気なものだと思う。
たまに、本当に人間なのかと疑いたくなることすらある。
男の精気を吸い取って自らの糧とする女淫魔をなのではないだろうか。
「(まあ、そんなはずはないだろうけど)」
もしそうなのだとしたら、自分もそうでないとおかしい。
けど、自分はただの人間だ。
女性と交わったことがないからという可能性もないだろう。
多数の女性と交わったことがある兄も、ただの人間なのだから。
異性を求める性格は兄の方に遺伝したようだ。
そのせいか兄は女性を嫌悪しているようだ。
同族嫌悪というやつかも知れない。
しかし、自分は女性のことを、それほど嫌ってはいない。
催淫薬を盛るのは、もう止めて欲しいが。
今は女性が何故そのような薬を使うのか知っているから止めはしないが、息子に使うのは勘弁してもらいたいものだ。
「今日はどうしたの?アーサー」
朝食は食べ終えたのだろう。
母は椅子に座ってくつろいでいた。
「昨日、シンデレラがお世話になったみたいだから、どんな様子だったか話を聞きに来ました」
「どうして、あなたが?ああ、婚約者だったわね」
母はシンデレラが僕の婚約者であるという情報を手に入れていたようだ。
情報元は兄だろうか。
もっとも、兄が喋っていなかったとしても、情報は手に入れているだろう。
毎夜、部屋に招いている男達から情報を聞き出しているだろうから。
「初心で可愛い娘ね。奥手なあなたとお似合いなんじゃないかしら」
婚約に反対されなくて安心する。
母は気に入らなければ、息子の婚約者を排除するくらいは平気でするだろう。
王妃としての権限を制限されている母だが、方法はいくらでもある。
自分に溺れさせた男達に襲わせたりといった、シンデレラの起こるなんて想像もしたくない手段を使うはずだ。
シンデレラなら撃退しそうな気もするけど、彼女も完璧な人間じゃない。
母にいいようにされているのが、その証拠だ。
だから、母がそんなことを考えないようにすることが必要だ。
「シンデレラの姉や師匠も問題ありませんでしたか?」
母は男にだらしないが、家族を大切にする女性でもある。
おそらく調べているはずだ。
シンデレラの師匠が言い寄っている騎士団長に手を出したのも、それが理由だろう。
母が使う催淫薬は、性的興奮を高めるためのものだが、副作用として思考能力を低下させる効果もある。
苦痛ではなく快楽を与え、さらに思考能力を低下させる。
それはつまり、自白剤よりも情報を引き出すのに適した薬だ。
母と交わっている男達は、例外なく口が軽くなる。
実際、母は塔に閉じ込められているにも関わらず、城内のあらゆる情報を入手している。
そして国を治める害になると判断すれば、その情報をこちらに流してくれる。
だから、僕はこうして定期的に母のもとを訪れている。
「姉の方はアダムが上手くするでしょう。あの子は女を気に入っても、女に溺れることはないでしょうから」
兄は母に近い性格だ。
女癖が悪いのも確かだろうけど、ただ欲求を満たすだけではなく、母と同様に情報を得る手段として利用しているのだろう。
もし、シンデレラの姉がおかしなことを考えたとしても、実行に移す前に潰すはずだ。
「師匠の方は・・・・・当分は大丈夫でしょう」
「当分?」
答えるまでに間があった。
それに言い方を迷うなんてことは稀だ。
それだけ警戒すべき人物だということだろうか。
お茶会の様子をみている限りでは、そんな風には見えないけど。
「この国が善政を敷いている間は敵に回らないでしょう」
「もし、善政を敷いていなければ?」
「国民にとっては喜ばしいことになるでしょうね」
つまり悪政を敷く王族や貴族にとっては喜ばしくないということか。
もちろん、悪政を敷くつもりはない。
けど、シンデレラがやっていること、やろうとしていることは微妙な気がする。
そしてそれは、共犯者である僕も同様だ。
今のところ犯罪者や外道しか対象にしていないけど、対象を間違うとマズいことになりそうだ。
一応、気に留めておくことにしよう。
もっとも、シンデレラの師匠が敵対するという以前に、人間として足を踏み外していることになるから、今回の忠告が無かったとしても注意すべきことだろう。
「情報ありがとうございます。参考になりました」
母がシンデレラにどんな印象を抱いたのか。
シンデレラの身内がどういう人物なのか。
聞きたい情報は訊けた。
立ち去ろうとしたが、ふと、もう一つ疑問があることに気づいた。
「そう言えば、なぜシンデレラに薬を盛ったのですか?」
情報を得るためなら、本人には気付かれない方がいいはずだ。
なぜ、わざわざ警戒されるようなことしたのだろう。
その疑問に対して、王妃は心外だという表情で答えてきた。
「あなたへのプレゼントのつもりだったのだけど、気に入らなかった?」
余計はお世話だ。
そう言おうとして言えなかった。
役得があったのは確かだ。
けど、シンデレラとの関係については他人の手を借りるつもりはない。
家族だとしても同じことだ。
「すみませんが、受け取り拒否させてもらいました」
「その気になっている女性を焦らすなんて、可哀相なことをするわね」
催淫効果が効いていることを言っているんだろう。
でも違う。
「シンデレラも拒否していましたから」
シンデレラは自分の意志で耐えていた。
耐えることができていた。
「へぇ」
母が感心したような声を上げる。
それがどういう意味なのか判らなかったが、母の予想とは違ったようだ。
その点については、シンデレラは母の予想を覆すことができたということだろう。
*****
「騎士団長は諦めた方がいいわよ」
いつものお茶会。
私は師匠にそう言ってみた。
「えぇー、わしを応援してくれるんじゃなかったのかのう」
私の言葉に師匠が拗ねたように言ってくる。
でも、諦めることを進めるのには、ちゃんと理由がある。
「オススメできない相手との仲は応援できないわよ」
「浮気相手がわかったのじゃな。教えてくれ」
訊かれるのは予想していたけど、どうしようか。
この場には、あの女の息子である二人もいる。
まあ、今更か。
「王妃よ」
私の言葉に二人の王子は驚きを見せない。
やっぱり、知っていたか、予想していたのだろう。
しかし、よく考えたら、それならそれで教えてくれておいても、よかったのではないだろうか。
そうすれば、私が酷い目に合うことも無かった。
今更だから別にいいけど。
「王妃?それでは不義の関係ではないか。それなら、わしの方に儀があるじゃろう。なんでオススメできないのじゃ?」
師匠の言うことは正しい。
理屈の上では、そうなるのだろう。
騎士団長を幻滅してくれれば早かったのだけど、そうはならなかったか。
さて、どう説得しようか。
「まあ、なんというか・・・3Pどころか、4Pとか5Pとかするような相手よ。そんなところに混ざりたい?」
騎士団長に対して女性が複数というわけではなく、騎士団長が王妃の相手の一人ということだけど。
でもまあ、そこに混ざっている時点で同じことだろう。
私がそういうと、師匠も何があったのか察したらしい。
少し考える素振りを見せる。
もう一押しだろうか。
「師匠だって初体験は二人っきりの方がいいでしょ?」
「それはまあ・・・」
乙女チックに、もじもじと答えてくる。
歳を考えろと言いたいが、説得できるまでは言わないでおく。
「それに、そんな遊びみたいな関係は嫌でしょ?」
「うーむ・・・」
師匠が乱交パーティーに参加してもいいというなら別だけど、そんな性格なら今の年齢になるまで処女ということはないだろう。
「仕方ないのう。騎士団長は諦めるか」
「それがいいわよ」
安堵の息を吐く。
師匠が不遇の関係に足を踏み込まなかったのもそうだけど、王妃に近づかないでよさそうだということに安心した。
しかし、そうは問屋が卸してくれないらしい。
「じゃが、王妃がそんな関係をしているのはマズイじゃろ。なんとか関係を止めさせたいのう」
師匠がそんなことを言い出した。
「・・・・・わしから騎士団長を奪った仕返しもしたいし」
そして追加で、ぼそっとそんなことを言った。
どう考えても、前半は建前で後半が本音だろう。
「協力してくれんか?」
仕返しをしたいのは私も同じなんだけど、それ以上に王妃に近づきたくない。
どうしよう。
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