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第三章 赤ずきん
049.旅路
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馬車に揺られながら私は考える。
メフィと旅をするのは三回目だなと。
一回目はアヴァロン王国の城へ、貴族の娘として舞踏会に参加するために。
二回目はアヴァロン王国の城へ、王子の婚約者になるために。
三回目はシルヴァニア王国の城へ、王子の婚約者として王女に会いに。
話だけ聞くと、玉の輿への道を駆け上がっているように聞こえるけど、実際はそうじゃない。
私が駆け下りているのは、地獄への道だ。
その原因とも言えるメフィは、現在、メイド達に囲まれている。
「メフィくん、クッキー食べる」
「ありがとう、レモンお姉ちゃん」
メイドの一人からクッキーをもらって、一口で頬張る。
頬を膨らませて食べる様子はリスみたいだ。
『きゃあ~~~!可愛い~~~!』
黄色い声を上げるメイド達。
その様子を見ながら、溜息をつく。
「・・・ワイン片手に嗤っている方が似合いそうなくせに」
「何か仰いましたか、シンデレラ様」
独り言のつもりだったけど、メイドの一人が尋ねてきた。
確か、アップルという名前だったろうか。
「いえ、別に。メフィが人気者だなって思っただけ」
「メフィくん、可愛いですものね」
そう言ってメフィを見て微笑む。
まあ、可愛いだろう、外見は。
けど、中身は子供どころか人間ですらない。
でも、それは話しかけてきたメイドに関しても同じことが言える。
「こうして見ていると、普通のメイドみたいね」
「私達は普通のメイドですよ。少しだけ特別な役割についているだけです」
「メイドさんは万能ね」
「炊事、洗濯、掃除、そして主人の補佐や護衛、さらには主人が退屈しないように遊び相手や噂話の提供まで、何でもこなすのがメイドです」
「料理人や兵士が失業しそうね」
「そんなことはありません。彼らは、その道の専門家ですから需要はあります。私達は、彼らの手が届かないところをフォローするのが役割です」
「ふーん・・・諜報や暗殺もその一環ってわけ?」
私は少しだけ声を落として尋ねる。
馬車が揺れる音で聞こえないとは思うけど、御者もいる。
「『噂話』と『掃除』ですね」
ああ、そういう符丁を使うんだ。
「その通りです。規律の厳しい騎士や兵士は噂話などしないでしょうし、勝手に持ち場を離れることもできないでしょう。それに対して、私達はどこにいても不自然ではありません。お城の中や、貴族の屋敷、それに街へ買い出しに出ることもあります」
「怖いわねぇ。綺麗な薔薇には棘があるってことかしら」
「それはシンデレラ様のことではないでしょうか」
「それは、どちらの意味で?」
「もちろん、綺麗という意味です。なにせ、王子様に見初められたお方ですから」
「あら、ありがとう」
「私達など、野原に咲くアザミ程度のものです」
「私、あの花好きよ。小さいけど凛と佇む姿が美しくて」
「ありがとうございます」
アザミね。
あの花、棘があったと思うけど。
薔薇の棘よりは小さいけど、無数に生えた棘が。
それに花言葉は、報復、権威、守護、とかだったと思う。
まあ、彼女達を表すのに、合っているのかな。
「ところで、今どのくらいの位置なのかしら?」
私は話題を変えることにする。
馬車の旅は初めてじゃないけど、今回は国外に出るということもあり距離が長い。
私はそろそろ退屈になってきた。
というのも、この馬車に乗っているのは、私とメフィ、そしてメイド達なのだけど、そのメイド達が絶えずメフィをちやほやしているからだ。
私の話相手になってくれることがあまりない。
この機会に色々と話しておきたい。
護衛の騎士達は、前後を走る馬車に乗っているから、話を聞かれる心配もない。
「既に国境は越えていますけど、まだ距離はあります。シルヴァニア王国は、寒い土地柄で作物が育ちづらいということもあり、人口の割に国土が広いんです。お城に着くまで数日はかかると思います」
「数日か」
歩いて数日の距離。
シェリーはそう言っていた。
馬車だから歩くより速いと思うから、明日か明後日くらいに範囲に入るだろうか。
「明日以降に仕事になるかも知れないから、心構えはしておいてね」
「大丈夫です。メイドは常に常在戦場の心構えですから」
「ふーん」
私は話をしているアップル以外のメイド達を見る。
「ほら、メフィくん、口元にお菓子の粉がついてると」
そう言って、ハンカチを取り出して、甲斐甲斐しくメフィの口元を拭くメイド。
「ありがとう、ピーチお姉ちゃん」
「(きゅん!)」
まるで、心臓に矢が刺さったかのように、胸を押さえるピーチと呼ばれたメイド。
他のメイド達も、メフィの髪を梳かしたり、メフィに対して甘々だ。
「・・・・・なるほど」
「本当ですよ?」
「別に疑っていないわよ」
アップルの言葉に返事をしつつ、私は外の景色を眺めることにした。
*****
次の日。
この国にしては珍しい森の中を進んでいたときのことだった。
ガタンッ!
軽い衝撃とともに馬車が止まる。
脱輪でもしただろうかと思っていると、何やら外が騒がしい。
「ちょっと様子を見てきます」
「メフィくんは出ちゃダメだよ」
「はーい、プルーンお姉ちゃん」
メフィに笑顔を振りまきながら、メイド達が出ていく。
けど、全員で出て行ったということは、何が起きているのか予想はできているのだろう。
「私も出るわ」
「おや、そうですか」
メイド達がいなくなったからだろう。
メフィが本来の口調で話しかけてくる。
「では、ドレスを用意しましょう」
扉に手をかけたところで、メフィにそんなことを言われて、振り返る。
「こんなところで?王子様に会いに行くんじゃないわよ?」
「だからこそですよ。恩を売るなら、印象的な衣装の方が心に残るでしょう。その男装では騎士に紛れて印象に残らないのではないですかな」
そう言いながら、どこからともなく取り出したドレスを私に着せていく。
あいかわらず、見事な手際だ。
メイド達が出ていって余裕ができたとはいえ、着替えるには狭いはずの馬車の中で、あっと言う間に私を着替えさせた。
「・・・派手すぎない?」
華美な装飾があるわけではないけど、こんな色のドレスは旅の最中にはあまり着ないと思う。
「そのくらいの方が心に残ると思いますよ」
「悪印象にならないといいけどね。まあ、いいわ。護衛の騎士達が手荒なことをしないうちに出るわ」
「いってらっしゃいませ」
メフィに見送られながら、私は馬車の外に出た。
*****
「何事ですか?」
私が出たとき、今まさに一触即発といった雰囲気だった。
やはり脱輪したらしい。
前を進む馬車が少し傾いているのが分かる。
けど、慣れているはずの御者が見落とすはずがない。
おそらく、落とし穴のように隠されていたのだろう。
馬車の周囲を見知らぬ人間達が取り囲んでいる。
どう見ても友好的ではない。
そういう人間達を追い払うのが騎士の役目のはずだけど、未だにそれをしていない理由は私にも分かる。
まず、数が多い。
二十人から三十人はいるだろうか。
対する護衛の騎士は、馬車一台あたり一人。
つまり、十人もいない。
最終的に負けることはないかも知れないけど、馬車を無傷で護ることは難しいだろう。
次に、馬車を取り囲んでいる人間達が、妙に貧相なことだ。
手に持っているのは、畑を耕す鍬や草を刈る鎌だろうか。
槍のようなものも持っているが、どう見ても手作りだ。
盗賊ではないだろう。
それに盗賊なら、いきなり襲い掛かってくることもあるだろうけど、その様子もない。
馬車の中まで聞こえてきていた声から判断すると、荷物を置いて行けという内容の脅し文句を言っているようだ。
でも、圧倒的な人数で取り囲んでいる側の人間のはずなのに、騎士を相手に怯えているようにも見える。
商人の馬車を襲ったつもりが、武装した騎士が出てきて動揺しているといったところだろうか。
護衛の騎士達もそんな気配を感じ取っているからか、まだ斬りかかったりはしていない。
けど、取り囲まれている状況だ。
時間の問題だろう。
そんな場面に私は姿を現した。
シンッと場が静まり返ったのが分かった。
「何事ですか?」
私はもう一度尋ねる。
場違いな衣装で登場した私に対して、呆気にとられる人間達の中で、最初に反応を示したのはメイドの一人だった。
流石と言うべきだろう。
そうじゃなきゃ、彼女達の本来の任務はこなせない。
「この者達が突然現れて、積み荷を置いていけと迫ってきました」
「そう」
メロンという名前だったろうか。
報告してくれたメイドに返事を返す。
馬車の中で聞いていた内容の通りだ。
そして、この旅の目的における想定の内でもある。
「積み荷を置いていけというのであれば、全ては無理ですが一部をわけるのは構いません。ただし、条件があります」
まるで襲われていうという現実など無いかのような口調で、私は馬車を取り囲む人間達に向かって、そう話しかけた。
メフィと旅をするのは三回目だなと。
一回目はアヴァロン王国の城へ、貴族の娘として舞踏会に参加するために。
二回目はアヴァロン王国の城へ、王子の婚約者になるために。
三回目はシルヴァニア王国の城へ、王子の婚約者として王女に会いに。
話だけ聞くと、玉の輿への道を駆け上がっているように聞こえるけど、実際はそうじゃない。
私が駆け下りているのは、地獄への道だ。
その原因とも言えるメフィは、現在、メイド達に囲まれている。
「メフィくん、クッキー食べる」
「ありがとう、レモンお姉ちゃん」
メイドの一人からクッキーをもらって、一口で頬張る。
頬を膨らませて食べる様子はリスみたいだ。
『きゃあ~~~!可愛い~~~!』
黄色い声を上げるメイド達。
その様子を見ながら、溜息をつく。
「・・・ワイン片手に嗤っている方が似合いそうなくせに」
「何か仰いましたか、シンデレラ様」
独り言のつもりだったけど、メイドの一人が尋ねてきた。
確か、アップルという名前だったろうか。
「いえ、別に。メフィが人気者だなって思っただけ」
「メフィくん、可愛いですものね」
そう言ってメフィを見て微笑む。
まあ、可愛いだろう、外見は。
けど、中身は子供どころか人間ですらない。
でも、それは話しかけてきたメイドに関しても同じことが言える。
「こうして見ていると、普通のメイドみたいね」
「私達は普通のメイドですよ。少しだけ特別な役割についているだけです」
「メイドさんは万能ね」
「炊事、洗濯、掃除、そして主人の補佐や護衛、さらには主人が退屈しないように遊び相手や噂話の提供まで、何でもこなすのがメイドです」
「料理人や兵士が失業しそうね」
「そんなことはありません。彼らは、その道の専門家ですから需要はあります。私達は、彼らの手が届かないところをフォローするのが役割です」
「ふーん・・・諜報や暗殺もその一環ってわけ?」
私は少しだけ声を落として尋ねる。
馬車が揺れる音で聞こえないとは思うけど、御者もいる。
「『噂話』と『掃除』ですね」
ああ、そういう符丁を使うんだ。
「その通りです。規律の厳しい騎士や兵士は噂話などしないでしょうし、勝手に持ち場を離れることもできないでしょう。それに対して、私達はどこにいても不自然ではありません。お城の中や、貴族の屋敷、それに街へ買い出しに出ることもあります」
「怖いわねぇ。綺麗な薔薇には棘があるってことかしら」
「それはシンデレラ様のことではないでしょうか」
「それは、どちらの意味で?」
「もちろん、綺麗という意味です。なにせ、王子様に見初められたお方ですから」
「あら、ありがとう」
「私達など、野原に咲くアザミ程度のものです」
「私、あの花好きよ。小さいけど凛と佇む姿が美しくて」
「ありがとうございます」
アザミね。
あの花、棘があったと思うけど。
薔薇の棘よりは小さいけど、無数に生えた棘が。
それに花言葉は、報復、権威、守護、とかだったと思う。
まあ、彼女達を表すのに、合っているのかな。
「ところで、今どのくらいの位置なのかしら?」
私は話題を変えることにする。
馬車の旅は初めてじゃないけど、今回は国外に出るということもあり距離が長い。
私はそろそろ退屈になってきた。
というのも、この馬車に乗っているのは、私とメフィ、そしてメイド達なのだけど、そのメイド達が絶えずメフィをちやほやしているからだ。
私の話相手になってくれることがあまりない。
この機会に色々と話しておきたい。
護衛の騎士達は、前後を走る馬車に乗っているから、話を聞かれる心配もない。
「既に国境は越えていますけど、まだ距離はあります。シルヴァニア王国は、寒い土地柄で作物が育ちづらいということもあり、人口の割に国土が広いんです。お城に着くまで数日はかかると思います」
「数日か」
歩いて数日の距離。
シェリーはそう言っていた。
馬車だから歩くより速いと思うから、明日か明後日くらいに範囲に入るだろうか。
「明日以降に仕事になるかも知れないから、心構えはしておいてね」
「大丈夫です。メイドは常に常在戦場の心構えですから」
「ふーん」
私は話をしているアップル以外のメイド達を見る。
「ほら、メフィくん、口元にお菓子の粉がついてると」
そう言って、ハンカチを取り出して、甲斐甲斐しくメフィの口元を拭くメイド。
「ありがとう、ピーチお姉ちゃん」
「(きゅん!)」
まるで、心臓に矢が刺さったかのように、胸を押さえるピーチと呼ばれたメイド。
他のメイド達も、メフィの髪を梳かしたり、メフィに対して甘々だ。
「・・・・・なるほど」
「本当ですよ?」
「別に疑っていないわよ」
アップルの言葉に返事をしつつ、私は外の景色を眺めることにした。
*****
次の日。
この国にしては珍しい森の中を進んでいたときのことだった。
ガタンッ!
軽い衝撃とともに馬車が止まる。
脱輪でもしただろうかと思っていると、何やら外が騒がしい。
「ちょっと様子を見てきます」
「メフィくんは出ちゃダメだよ」
「はーい、プルーンお姉ちゃん」
メフィに笑顔を振りまきながら、メイド達が出ていく。
けど、全員で出て行ったということは、何が起きているのか予想はできているのだろう。
「私も出るわ」
「おや、そうですか」
メイド達がいなくなったからだろう。
メフィが本来の口調で話しかけてくる。
「では、ドレスを用意しましょう」
扉に手をかけたところで、メフィにそんなことを言われて、振り返る。
「こんなところで?王子様に会いに行くんじゃないわよ?」
「だからこそですよ。恩を売るなら、印象的な衣装の方が心に残るでしょう。その男装では騎士に紛れて印象に残らないのではないですかな」
そう言いながら、どこからともなく取り出したドレスを私に着せていく。
あいかわらず、見事な手際だ。
メイド達が出ていって余裕ができたとはいえ、着替えるには狭いはずの馬車の中で、あっと言う間に私を着替えさせた。
「・・・派手すぎない?」
華美な装飾があるわけではないけど、こんな色のドレスは旅の最中にはあまり着ないと思う。
「そのくらいの方が心に残ると思いますよ」
「悪印象にならないといいけどね。まあ、いいわ。護衛の騎士達が手荒なことをしないうちに出るわ」
「いってらっしゃいませ」
メフィに見送られながら、私は馬車の外に出た。
*****
「何事ですか?」
私が出たとき、今まさに一触即発といった雰囲気だった。
やはり脱輪したらしい。
前を進む馬車が少し傾いているのが分かる。
けど、慣れているはずの御者が見落とすはずがない。
おそらく、落とし穴のように隠されていたのだろう。
馬車の周囲を見知らぬ人間達が取り囲んでいる。
どう見ても友好的ではない。
そういう人間達を追い払うのが騎士の役目のはずだけど、未だにそれをしていない理由は私にも分かる。
まず、数が多い。
二十人から三十人はいるだろうか。
対する護衛の騎士は、馬車一台あたり一人。
つまり、十人もいない。
最終的に負けることはないかも知れないけど、馬車を無傷で護ることは難しいだろう。
次に、馬車を取り囲んでいる人間達が、妙に貧相なことだ。
手に持っているのは、畑を耕す鍬や草を刈る鎌だろうか。
槍のようなものも持っているが、どう見ても手作りだ。
盗賊ではないだろう。
それに盗賊なら、いきなり襲い掛かってくることもあるだろうけど、その様子もない。
馬車の中まで聞こえてきていた声から判断すると、荷物を置いて行けという内容の脅し文句を言っているようだ。
でも、圧倒的な人数で取り囲んでいる側の人間のはずなのに、騎士を相手に怯えているようにも見える。
商人の馬車を襲ったつもりが、武装した騎士が出てきて動揺しているといったところだろうか。
護衛の騎士達もそんな気配を感じ取っているからか、まだ斬りかかったりはしていない。
けど、取り囲まれている状況だ。
時間の問題だろう。
そんな場面に私は姿を現した。
シンッと場が静まり返ったのが分かった。
「何事ですか?」
私はもう一度尋ねる。
場違いな衣装で登場した私に対して、呆気にとられる人間達の中で、最初に反応を示したのはメイドの一人だった。
流石と言うべきだろう。
そうじゃなきゃ、彼女達の本来の任務はこなせない。
「この者達が突然現れて、積み荷を置いていけと迫ってきました」
「そう」
メロンという名前だったろうか。
報告してくれたメイドに返事を返す。
馬車の中で聞いていた内容の通りだ。
そして、この旅の目的における想定の内でもある。
「積み荷を置いていけというのであれば、全ては無理ですが一部をわけるのは構いません。ただし、条件があります」
まるで襲われていうという現実など無いかのような口調で、私は馬車を取り囲む人間達に向かって、そう話しかけた。
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