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第二章 白雪
032.お茶会
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「あれ?メアリー?」
「お待ちしておりました」
昼食後、しばらく城の中を歩き回ってから、工房にやってきた。
そこで出迎えてくれたのは、メアリーだった。
「王子はお庭でお待ちです」
「そうなんだ」
工房で待ってるって言っていたから、てっきりここでお茶会をするのかと思っていた。
そのことを尋ねると、メアリーが溜息をつきながら教えてくれる。
「このような薬品の匂いがする場所でお茶会を開くわけにはいきません」
私はそんなに気にならないけど、メイド的にはあり得ないらしい。
でも、メアリーのこの反応を見ると、ストーカー王子はここでするつもりだったに違いない。
女の扱いに慣れていないところには好感が持てるが、王子の身分になるのがそれでいいのか。
そんなわけで、私はメアリーに案内されながら、庭へ向かう。
普段、よく行く庭園とは違う場所のようだ。
まあ、あそこは通路から見えるように作られた場所だし、お茶会ができるようなテーブルも置かれていなかったから、それはそうか。
「ところで、メフィ」
「なんですかな?」
歩きながら、私は隣を歩くメフィに声をかける。
周囲にメアリー以外のメイドがいないせいか、口調は本来のものだ。
他のメイドの前で見せる猫をかぶった姿とは、まるで別人だ。
もう慣れたからそれは良いんだけど、気になることがある。
「その服、どうしたの?」
「これですか?懇意にさせていただいているメイドの皆様が着せてくださいました」
前は子供用の執事服のようなものを着ていた。
ちょうど、老紳士の姿がそのまま子供になったような服だった。
でも、今は子供らしい服を着ている。
メイドが実家の弟でも思い出して着せてくれたのだろうか。
「『やっぱり、少年は半ズボンだよねぇ』とか言っていましたな。このような服の方が『萌える』そうです」
「そ、そう」
と思ったが、ちょっと違ったみたいだ。
別にどうでもいいんだけど、そのメイドが道を踏み外さないように祈っておこう。
人の性癖を否定するつもりはないけど、メフィが原因で婚期を逃したら気の毒だ。
そんなことを考えていると、目的の場所に着いたようだった。
「来てくれたんだね、シンデレラ」
「約束しましたから」
お茶会の始まりだ。
*****
メアリーがお茶の準備をしてくれている。
ここまで香りが漂ってくるから、高級な茶葉を使っているのだろう。
屋敷にいたときはお茶なんか飲んでいなかったし、森にいた頃は自生している薬草を乾燥させた薬草茶くらいしか飲んでいなかった。
だから、城でのお茶は楽しみではあるのだけど、もったいない気もする。
「こうやって民衆の血税が使われていくのね」
嗜好品にお金を使っているのを見ると、どうしてもそんなことを考えてしまう。
すると、私の言葉が聞こえたのだろう。
ストーカー王子が慌てて否定してきた。
「ちょ、ちょっと、嫌なことを言わないでよ。それに、茶葉を作っている農家に還元されることになるから、無駄遣いってわけでもないし」
確かに、高級な茶葉なんか上流階級しか買わないだろうから、こういうことにお金を使うのも必要なことだとは思う。
でも、そんな一部にしか利益にならないことを言われても、多くの民衆は納得しないだろう。
「それに、お茶は眠気覚ましにもなるから、研究で疲れたときに飲むと、効率が上がるんだよ」
「お茶って眠気覚ましになるの?夜寝る前に飲んでいたけど、かえって、ぐっすり眠れたわよ」
「え?夜に飲んだりしたら、眠れなくならない?」
そんな話は初めて聞いた。
というより、実体験では正反対の効能しか知らない。
そんなことを疑問に思っていると、メフィが教えてくれる
「カフェインが含まれているお茶は眠気覚ましになります。シンデレラが飲んでいたのは、ハーブティーではありませんかな。そちらはリラックス効果がありますから、疲れているときに飲めば眠気を誘います」
「ふぅん」
「へぇ、眠気覚ましになるのは、そんな理由だったんだ」
私が納得していると、ストーカー王子も似たような反応だ。
ストーカー王子の知識が不足しているのか、メフィの知識が豊富なのか分からないけど、普通は立場が逆じゃないだろうか。
というか、カフェインってなんだろう。
聞いたことがないけど、もしかしてメフィ、相当高度な知識を披露していないだろうか。
ガラスの靴の製造方法みたいに、対価を要求したりしないだろうな。
ストーカー王子が変に興味を持って妙なことになっても面倒だし、ちょっと話題を変えておこう。
「そう言えば、例の『ガラス』で何かできたんですか?」
実際には『ガラス』じゃないらしいけど、私は正確な名前を知らない。
メフィが言っていた気もするけど、覚えていない。
「うん、できたよ。ほら、これ」
私が話題を振ったのが嬉しかったのか、ストーカー王子が話しに食いついてきた。
それは良いんだけど、なんで眼鏡を外して、こちらに見せてきているんだろう。
意味が分からない。
「なんですか?私、別に目は悪くないですけど」
「そうじゃなくて、これ!普通のガラスより、薄くて軽いものができたよ!」
自慢げに言ってくるけど、なおさら意味が分からない。
「なんで普通のガラスでも作れるものを作っているんですか。もうちょっとマシなものを作ってください」
「いや、これも充分に凄いもので・・・」
ストーカー王子が言いかけるが、私の冷たい視線に気づいたのだろう。
言葉を濁す。
「まあ、これは、試しに作ってみただけだよ。別の物も作る予定だから」
「そうしてください」
作ったのが眼鏡だけでは、罪人とは言え、対価にされた人間達が浮かばれないだろう。
そう言えば、牢にいたはずの罪人たちが消えた影響は無かったのだろうか。
私がそれを尋ねようとしたとき、こちらに近づいてくる人影が見えた。
「俺も混ぜてくれるか」
チャラ王子だ。
なんだか妙に疲れているように見える。
「珍しいですね、兄上がこんなところに来るなんて」
ストーカー王子が了承の意志を伝え、メアリーがチャラ王子のお茶を入れる。
チャラ王子は、座ると同時にお茶を飲み干し、ようやく一息ついたようだ。
「疲れているようですけど、何かあったんですか?」
「あったというか、あったことの後始末に追われているというか」
溜息をつきながら、こちらの問いに答えてくる。
「あまり大きな声じゃ言えないんだが、牢から人間が消える事件があってな。脱獄じゃなさそうだってことはわかったんだが、その人間の関係者への説明が厄介なんだ」
私は思わず、ストーカー王子を見る。
あ、目を逸らした。
これは自分が原因だと名乗り出なかったんだな。
次にメフィを見る。
こちらは、しれっとお茶を飲んでいる。
「・・・そうなんですか、大変ですね」
二人が声を出さないので、仕方なく私が相槌を打つ。
「大変なんだ。他国の人間の場合は遺品でも送っておけばいいんだが、宗教関係者は殉教扱いされる可能性があってな。騒ぎ立てられて暴動でも起こされると面倒だから、細心の注意を払って対処しないといけない。全く面倒なことだ」
吐き捨てるようにそう言って、おかわりのお茶を飲み干すチャラ王子。
私は再びストーカー王子を見る。
目を逸らしたまま気まずそうにしている。
メフィの方は、メアリーにお茶のおかわりを要求している。
完全に我関せずの態度だ。
まあ、いいけど。
でも、チャラ王子がそれの対処をしているのか。
「お疲れ様です。でも、ちゃんと仕事をしていたんですね」
「当たり前だろう」
ストーカー王子が趣味に近い仕事をしているらしいから、チャラ王子は女性に関わる仕事をしているんだと思っていた。
女性限定の外交とか。
しかし、その予想に反して、真っ当な王族としての仕事についているようだ。
よく考えたら当たり前か。
順当にいけばチャラ王子が次の王だ。
今から王としての仕事を手伝っているんだろう。
「いつもはこんなに忙しくはないんだけどな。前例がないから、どう対応するかを考えるだけでも一苦労だ」
「ストレスが溜まっているみたいですね」
「溜まらない方がおかしいだろう」
否定することもなく認めるということは、本当に疲れているのだろう。
自尊心が高く、優秀なことをアピールしたいなら、難なくこなしているという態度を取るだろうから。
ここはひとつ、アドバイスをしておこう。
「そんなときは愛人のところにでも行って、気晴らしでもしてきたらどうですか?ストレス以外も溜まっているでしょうし」
「シ、シンデレラ!?下品だよ!?」
ストーカー王子が過敏に反応してくる。
そんなにおかしなことを言っただろうか。
健康管理には重要なことだと思うけど。
でも、私の言葉にチャラ王子も嫌そうな顔をしている。
「おまえも、その話題か」
うんざりした様子で、そんなことを言ってきた。
「『おまえも』ってことは他の人にも言われたんですか?王子に愛人を進めるとは、なかなか豪気な人がいますね」
「そんなわけがないだろう。忙しいのに女に構っていたら倒れると苦言を呈されたんだ」
「ああ、あの噂ですか」
昼食のときにエミリーと話したことを思い出した。
「昨晩はお楽しみだったんでしたね。すみません。余計なお世話でした」
私がそう言うと、チャラ王子ががっくりと肩を落とす。
「別にお楽しみじゃない。疲れているのに、そんな体力があるわけないだろう。昨日は一人で寝たぞ」
「あれ?でも、僕も聞いたけど。兄上の部屋から女性が出てきたって。また悪い癖が出たんだと思っていたんだけど」
どうやらストーカー王子の耳にも入っていたようだ。
弟からの追い打ちに、さらにチャラ王子は落ち込んだようだ。
「今さら女性関係を噂されたくらいで気にもならんが、やっていないことまで噂されると、腹立たしいものだな」
チャラ王子の言葉に、私とストーカー王子は顔を見合わせた。
「お待ちしておりました」
昼食後、しばらく城の中を歩き回ってから、工房にやってきた。
そこで出迎えてくれたのは、メアリーだった。
「王子はお庭でお待ちです」
「そうなんだ」
工房で待ってるって言っていたから、てっきりここでお茶会をするのかと思っていた。
そのことを尋ねると、メアリーが溜息をつきながら教えてくれる。
「このような薬品の匂いがする場所でお茶会を開くわけにはいきません」
私はそんなに気にならないけど、メイド的にはあり得ないらしい。
でも、メアリーのこの反応を見ると、ストーカー王子はここでするつもりだったに違いない。
女の扱いに慣れていないところには好感が持てるが、王子の身分になるのがそれでいいのか。
そんなわけで、私はメアリーに案内されながら、庭へ向かう。
普段、よく行く庭園とは違う場所のようだ。
まあ、あそこは通路から見えるように作られた場所だし、お茶会ができるようなテーブルも置かれていなかったから、それはそうか。
「ところで、メフィ」
「なんですかな?」
歩きながら、私は隣を歩くメフィに声をかける。
周囲にメアリー以外のメイドがいないせいか、口調は本来のものだ。
他のメイドの前で見せる猫をかぶった姿とは、まるで別人だ。
もう慣れたからそれは良いんだけど、気になることがある。
「その服、どうしたの?」
「これですか?懇意にさせていただいているメイドの皆様が着せてくださいました」
前は子供用の執事服のようなものを着ていた。
ちょうど、老紳士の姿がそのまま子供になったような服だった。
でも、今は子供らしい服を着ている。
メイドが実家の弟でも思い出して着せてくれたのだろうか。
「『やっぱり、少年は半ズボンだよねぇ』とか言っていましたな。このような服の方が『萌える』そうです」
「そ、そう」
と思ったが、ちょっと違ったみたいだ。
別にどうでもいいんだけど、そのメイドが道を踏み外さないように祈っておこう。
人の性癖を否定するつもりはないけど、メフィが原因で婚期を逃したら気の毒だ。
そんなことを考えていると、目的の場所に着いたようだった。
「来てくれたんだね、シンデレラ」
「約束しましたから」
お茶会の始まりだ。
*****
メアリーがお茶の準備をしてくれている。
ここまで香りが漂ってくるから、高級な茶葉を使っているのだろう。
屋敷にいたときはお茶なんか飲んでいなかったし、森にいた頃は自生している薬草を乾燥させた薬草茶くらいしか飲んでいなかった。
だから、城でのお茶は楽しみではあるのだけど、もったいない気もする。
「こうやって民衆の血税が使われていくのね」
嗜好品にお金を使っているのを見ると、どうしてもそんなことを考えてしまう。
すると、私の言葉が聞こえたのだろう。
ストーカー王子が慌てて否定してきた。
「ちょ、ちょっと、嫌なことを言わないでよ。それに、茶葉を作っている農家に還元されることになるから、無駄遣いってわけでもないし」
確かに、高級な茶葉なんか上流階級しか買わないだろうから、こういうことにお金を使うのも必要なことだとは思う。
でも、そんな一部にしか利益にならないことを言われても、多くの民衆は納得しないだろう。
「それに、お茶は眠気覚ましにもなるから、研究で疲れたときに飲むと、効率が上がるんだよ」
「お茶って眠気覚ましになるの?夜寝る前に飲んでいたけど、かえって、ぐっすり眠れたわよ」
「え?夜に飲んだりしたら、眠れなくならない?」
そんな話は初めて聞いた。
というより、実体験では正反対の効能しか知らない。
そんなことを疑問に思っていると、メフィが教えてくれる
「カフェインが含まれているお茶は眠気覚ましになります。シンデレラが飲んでいたのは、ハーブティーではありませんかな。そちらはリラックス効果がありますから、疲れているときに飲めば眠気を誘います」
「ふぅん」
「へぇ、眠気覚ましになるのは、そんな理由だったんだ」
私が納得していると、ストーカー王子も似たような反応だ。
ストーカー王子の知識が不足しているのか、メフィの知識が豊富なのか分からないけど、普通は立場が逆じゃないだろうか。
というか、カフェインってなんだろう。
聞いたことがないけど、もしかしてメフィ、相当高度な知識を披露していないだろうか。
ガラスの靴の製造方法みたいに、対価を要求したりしないだろうな。
ストーカー王子が変に興味を持って妙なことになっても面倒だし、ちょっと話題を変えておこう。
「そう言えば、例の『ガラス』で何かできたんですか?」
実際には『ガラス』じゃないらしいけど、私は正確な名前を知らない。
メフィが言っていた気もするけど、覚えていない。
「うん、できたよ。ほら、これ」
私が話題を振ったのが嬉しかったのか、ストーカー王子が話しに食いついてきた。
それは良いんだけど、なんで眼鏡を外して、こちらに見せてきているんだろう。
意味が分からない。
「なんですか?私、別に目は悪くないですけど」
「そうじゃなくて、これ!普通のガラスより、薄くて軽いものができたよ!」
自慢げに言ってくるけど、なおさら意味が分からない。
「なんで普通のガラスでも作れるものを作っているんですか。もうちょっとマシなものを作ってください」
「いや、これも充分に凄いもので・・・」
ストーカー王子が言いかけるが、私の冷たい視線に気づいたのだろう。
言葉を濁す。
「まあ、これは、試しに作ってみただけだよ。別の物も作る予定だから」
「そうしてください」
作ったのが眼鏡だけでは、罪人とは言え、対価にされた人間達が浮かばれないだろう。
そう言えば、牢にいたはずの罪人たちが消えた影響は無かったのだろうか。
私がそれを尋ねようとしたとき、こちらに近づいてくる人影が見えた。
「俺も混ぜてくれるか」
チャラ王子だ。
なんだか妙に疲れているように見える。
「珍しいですね、兄上がこんなところに来るなんて」
ストーカー王子が了承の意志を伝え、メアリーがチャラ王子のお茶を入れる。
チャラ王子は、座ると同時にお茶を飲み干し、ようやく一息ついたようだ。
「疲れているようですけど、何かあったんですか?」
「あったというか、あったことの後始末に追われているというか」
溜息をつきながら、こちらの問いに答えてくる。
「あまり大きな声じゃ言えないんだが、牢から人間が消える事件があってな。脱獄じゃなさそうだってことはわかったんだが、その人間の関係者への説明が厄介なんだ」
私は思わず、ストーカー王子を見る。
あ、目を逸らした。
これは自分が原因だと名乗り出なかったんだな。
次にメフィを見る。
こちらは、しれっとお茶を飲んでいる。
「・・・そうなんですか、大変ですね」
二人が声を出さないので、仕方なく私が相槌を打つ。
「大変なんだ。他国の人間の場合は遺品でも送っておけばいいんだが、宗教関係者は殉教扱いされる可能性があってな。騒ぎ立てられて暴動でも起こされると面倒だから、細心の注意を払って対処しないといけない。全く面倒なことだ」
吐き捨てるようにそう言って、おかわりのお茶を飲み干すチャラ王子。
私は再びストーカー王子を見る。
目を逸らしたまま気まずそうにしている。
メフィの方は、メアリーにお茶のおかわりを要求している。
完全に我関せずの態度だ。
まあ、いいけど。
でも、チャラ王子がそれの対処をしているのか。
「お疲れ様です。でも、ちゃんと仕事をしていたんですね」
「当たり前だろう」
ストーカー王子が趣味に近い仕事をしているらしいから、チャラ王子は女性に関わる仕事をしているんだと思っていた。
女性限定の外交とか。
しかし、その予想に反して、真っ当な王族としての仕事についているようだ。
よく考えたら当たり前か。
順当にいけばチャラ王子が次の王だ。
今から王としての仕事を手伝っているんだろう。
「いつもはこんなに忙しくはないんだけどな。前例がないから、どう対応するかを考えるだけでも一苦労だ」
「ストレスが溜まっているみたいですね」
「溜まらない方がおかしいだろう」
否定することもなく認めるということは、本当に疲れているのだろう。
自尊心が高く、優秀なことをアピールしたいなら、難なくこなしているという態度を取るだろうから。
ここはひとつ、アドバイスをしておこう。
「そんなときは愛人のところにでも行って、気晴らしでもしてきたらどうですか?ストレス以外も溜まっているでしょうし」
「シ、シンデレラ!?下品だよ!?」
ストーカー王子が過敏に反応してくる。
そんなにおかしなことを言っただろうか。
健康管理には重要なことだと思うけど。
でも、私の言葉にチャラ王子も嫌そうな顔をしている。
「おまえも、その話題か」
うんざりした様子で、そんなことを言ってきた。
「『おまえも』ってことは他の人にも言われたんですか?王子に愛人を進めるとは、なかなか豪気な人がいますね」
「そんなわけがないだろう。忙しいのに女に構っていたら倒れると苦言を呈されたんだ」
「ああ、あの噂ですか」
昼食のときにエミリーと話したことを思い出した。
「昨晩はお楽しみだったんでしたね。すみません。余計なお世話でした」
私がそう言うと、チャラ王子ががっくりと肩を落とす。
「別にお楽しみじゃない。疲れているのに、そんな体力があるわけないだろう。昨日は一人で寝たぞ」
「あれ?でも、僕も聞いたけど。兄上の部屋から女性が出てきたって。また悪い癖が出たんだと思っていたんだけど」
どうやらストーカー王子の耳にも入っていたようだ。
弟からの追い打ちに、さらにチャラ王子は落ち込んだようだ。
「今さら女性関係を噂されたくらいで気にもならんが、やっていないことまで噂されると、腹立たしいものだな」
チャラ王子の言葉に、私とストーカー王子は顔を見合わせた。
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