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第三章 ホムンクルスの中のマンドラゴラ
070.交尾しているときに分けてもらうニャ!
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「まずは、動物で試してみるというのはどうでしょう?」
「ん?」
「ニャ?」
夕食を食べているときに、メイがそんなことを言い出した。
しかし、何のことか判らない。
俺とポチは首を傾げる。
「なんのことだ?」
代表して俺が尋ねる。
すると、メイがミルクで口の中のものを流し込んでから答えてきた。
「精液のことですよ」
「ブゥーーーーーッ!」
「ニャアアアァァァ!」
夕食時にあまり聞きたくない単語が聞こえてきて、思わず口にあったものを噴き出す。
運悪くそれをかぶったポチが悲鳴を上げた。
「汚いニャア!」
「わ、悪い。いや、悪いのは俺じゃないだろう。メイが変なことを言い出すからだ」
「変なことじゃないですよぅ」
ポチに謝りながら、食事の代わりに卑猥な単語を口にしたメイを見る。
唇を湿らせているミルクを見ると、妙な連想をしてしまいそうだ。
「変なことだろ。脈略はないし、食事時にするような話題じゃない」
「むぅ。でも、ホムンクルスの話は前からしてるじゃないですか」
「ホムンクルス?」
何日か前にそんな話をした覚えはある。
けれど、特定の材料、具体的にはメイが口にした単語を入手するのが大変そうなので、その話題は終わったつもりになっていた。
でも、メイはそうではなかったようだ。
「あれから、色々調べたんですよぅ」
「そうだったのか。それは手間をかけさせたな。けど、その話は食事の後でもよかったんじゃないか?」
俺のために調べてくれたのだろうということは分かったので、やんわりと言う。
すると、メイは機嫌を直して話を続けてきた。
「色々調べたら、動物の精液でもホムンクルスを作れることがわかったんです」
機嫌が直ったのはよいのだが、話は後にして欲しいと言ったつもりなのだが、上手く伝わらなかったようだ。
仕方がないので、話を聞くことにする。
「動物の精液なら、人間の精液より手に入れやすいと思うんですよ」
「どうだろう。動物同士に子供を作らせるならともかく、動物に射精させるっていうのは難しくないか?」
「適当に刺激すれば出るんじゃないですか?」
「いや、そんな簡単なものじゃないだろ」
「切り取ればいいニャ!」
「いや、それはちょっと」
ポチも話に混ざって来た。
というか、俺たちは食事の最中に何を話し合っているのだろう。
疑問に思うけど、始まってしまった話題は、なんとなく中断しづらい。
「発情期の動物が交尾しているときに分けてもらうニャ!」
「なるほど。それならスポイトで吸い取れそうですね」
ポチが案を出し、メイが頷く。
その案を実行している光景をちょっと想像してみた。
「・・・・・」
うん。
年頃の女の子にやらせていい行為じゃないな。
それをやらせたのが俺だとすれば、捕まっても言い訳できない気がする。
もちろん俺はメイとポチにそんな行為を強制するつもりはないのだが、メイとポチが俺のために行なったと言えば、捕まったときに否定できない。
「なあ、やっぱり、やめておかないか?」
「しかし、そうなると、交尾しているところを見つけるのが大変ですね」
「発情期の季節は知っているニャ!場所は鳴き声と匂いでわかるニャ!」
「・・・聞いてないな」
メイとポチは会話で盛り上がっていて、俺の言葉を聞いてくれない。
しかし、ポチは鳴き声や匂いでわかるのか。
鳴き声はともかく、匂いでわかるのは凄いな。
やはり、獣人は普通の人間よりも嗅覚が鋭いのだろうか。
「じゃあ、入手はポチちゃんにお願いしてもいい?道具は貸してあげるから」
「頑張るニャ!」
いかん。
考え事をしている間に、今後の方針が決まってしまったようだ。
しかも、小学生くらに見えるポチに入手させるとか、マズすぎるだろう。
「いや、あのな、そんなに頑張らなくていいっていうか・・・」
「ちょうど発情期の季節なのニャ!すぐに手に入ると思うのニャ!」
「私も他の材料を集めて準備しておくね」
「ああぁぁ・・・どんどん後戻りできなくなって・・・」
俺はこのときほど自分の非力を感じたことはない。
しかし、この非力な状況を脱するためにはホムンクルスの身体が必要だ。
そして、ホムンクルスを作ることが原因で、俺は非力を感じている。
ダメだ。
原因と対策が矛盾していて、解決できそうにない。
「それじゃあ、ホムンクルス作成ミッションスタートです!えいえいおー!」
「おー、だニャア!」
「お、おー!」
結局、俺に止めることは出来ず、奇妙なミッションがスタートしてしまった。
「ん?」
「ニャ?」
夕食を食べているときに、メイがそんなことを言い出した。
しかし、何のことか判らない。
俺とポチは首を傾げる。
「なんのことだ?」
代表して俺が尋ねる。
すると、メイがミルクで口の中のものを流し込んでから答えてきた。
「精液のことですよ」
「ブゥーーーーーッ!」
「ニャアアアァァァ!」
夕食時にあまり聞きたくない単語が聞こえてきて、思わず口にあったものを噴き出す。
運悪くそれをかぶったポチが悲鳴を上げた。
「汚いニャア!」
「わ、悪い。いや、悪いのは俺じゃないだろう。メイが変なことを言い出すからだ」
「変なことじゃないですよぅ」
ポチに謝りながら、食事の代わりに卑猥な単語を口にしたメイを見る。
唇を湿らせているミルクを見ると、妙な連想をしてしまいそうだ。
「変なことだろ。脈略はないし、食事時にするような話題じゃない」
「むぅ。でも、ホムンクルスの話は前からしてるじゃないですか」
「ホムンクルス?」
何日か前にそんな話をした覚えはある。
けれど、特定の材料、具体的にはメイが口にした単語を入手するのが大変そうなので、その話題は終わったつもりになっていた。
でも、メイはそうではなかったようだ。
「あれから、色々調べたんですよぅ」
「そうだったのか。それは手間をかけさせたな。けど、その話は食事の後でもよかったんじゃないか?」
俺のために調べてくれたのだろうということは分かったので、やんわりと言う。
すると、メイは機嫌を直して話を続けてきた。
「色々調べたら、動物の精液でもホムンクルスを作れることがわかったんです」
機嫌が直ったのはよいのだが、話は後にして欲しいと言ったつもりなのだが、上手く伝わらなかったようだ。
仕方がないので、話を聞くことにする。
「動物の精液なら、人間の精液より手に入れやすいと思うんですよ」
「どうだろう。動物同士に子供を作らせるならともかく、動物に射精させるっていうのは難しくないか?」
「適当に刺激すれば出るんじゃないですか?」
「いや、そんな簡単なものじゃないだろ」
「切り取ればいいニャ!」
「いや、それはちょっと」
ポチも話に混ざって来た。
というか、俺たちは食事の最中に何を話し合っているのだろう。
疑問に思うけど、始まってしまった話題は、なんとなく中断しづらい。
「発情期の動物が交尾しているときに分けてもらうニャ!」
「なるほど。それならスポイトで吸い取れそうですね」
ポチが案を出し、メイが頷く。
その案を実行している光景をちょっと想像してみた。
「・・・・・」
うん。
年頃の女の子にやらせていい行為じゃないな。
それをやらせたのが俺だとすれば、捕まっても言い訳できない気がする。
もちろん俺はメイとポチにそんな行為を強制するつもりはないのだが、メイとポチが俺のために行なったと言えば、捕まったときに否定できない。
「なあ、やっぱり、やめておかないか?」
「しかし、そうなると、交尾しているところを見つけるのが大変ですね」
「発情期の季節は知っているニャ!場所は鳴き声と匂いでわかるニャ!」
「・・・聞いてないな」
メイとポチは会話で盛り上がっていて、俺の言葉を聞いてくれない。
しかし、ポチは鳴き声や匂いでわかるのか。
鳴き声はともかく、匂いでわかるのは凄いな。
やはり、獣人は普通の人間よりも嗅覚が鋭いのだろうか。
「じゃあ、入手はポチちゃんにお願いしてもいい?道具は貸してあげるから」
「頑張るニャ!」
いかん。
考え事をしている間に、今後の方針が決まってしまったようだ。
しかも、小学生くらに見えるポチに入手させるとか、マズすぎるだろう。
「いや、あのな、そんなに頑張らなくていいっていうか・・・」
「ちょうど発情期の季節なのニャ!すぐに手に入ると思うのニャ!」
「私も他の材料を集めて準備しておくね」
「ああぁぁ・・・どんどん後戻りできなくなって・・・」
俺はこのときほど自分の非力を感じたことはない。
しかし、この非力な状況を脱するためにはホムンクルスの身体が必要だ。
そして、ホムンクルスを作ることが原因で、俺は非力を感じている。
ダメだ。
原因と対策が矛盾していて、解決できそうにない。
「それじゃあ、ホムンクルス作成ミッションスタートです!えいえいおー!」
「おー、だニャア!」
「お、おー!」
結局、俺に止めることは出来ず、奇妙なミッションがスタートしてしまった。
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