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第一章 森の中のマンドラゴラ
033.一緒に寝たこともあります
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「まあそのなんだ・・・薬が完成して良かったな?」
「はい。ありがとうございます」
薬が完成したことに対して祝いの言葉を贈ると、メイが嬉しそうに微笑む。
メイが嬉しそうにしていることを俺も喜びたいところだけど、先ほどの光景を思い出すと素直に喜べない。
メイの恋を応援すると決めたのだが、本当に応援してしまってよいのか、ちょっと迷う。
なにせ惚れ薬の最後の材料というのは、メイの体液なのだ。
はっきり言って、ドン引きだ。
「(ヤンデレが、バレンタインのチョコに髪の毛を入れるっていうのは、聞いたことがあるけど)」
それと似たようなものなのだろうか。
メイはヤンデレではない、と思う。
ただ、魔術書に載っている製法に従って、惚れ薬を作っただけだ。
・・・・・
でも、やっていることは、ヤンデレと一緒だ。
もしかしたら逆で、ヤンデレは魔術に精通しているから、食べ物に自分の身体の一部を入れるのかも知れない。
「(でもなあ)」
薬を使って相手に好きになってもらおうとすることもだけど、その薬の材料が体液というのはどうなのだろう。
もしバレたら、逆に相手に嫌われることは確実だ。
間違いなく、褒められた手段ではないだろう。
材料を提供していおいてなんだけど、この方向で応援していていいのだろうか。
しばらく考えて、俺は決心する。
「・・・なあ、メイ」
「なんですか?」
「俺はメイのことを魅力的な女の子だと思っている」
自慰で乱れた髪や汗でしっとりと濡れた肌が色っぽいが、そういうことではない。
性格とか容姿とか、そういったもののことだ。
頭がへっぽこなのには目をつぶる。
「なんですか急に?でも、ありがとうございます。えへへ」
メイは、なぜ俺がこんなことを言い出すか不思議そうだったが、それでも褒められて照れたように笑みを浮かべる。
嬉しそうなところを悪いけど、次はメイの意志に反したことを言わなきゃいけない。
「だからさ、メイ。惚れ薬を使うのは止めにしないか?」
俺がそう言うと、メイは驚いた顔をする。
手伝うと言ったのに、それと逆のことを言い出したから、驚いているのだろう。
だけど、メイに人の道を踏み外させないためには、言わないといけない。
「メイなら、惚れ薬なんか使わなくても、相手を惚れさせることができるよ」
「・・・それができないから、惚れ薬を作ったんじゃないですかぁ」
メイが情けない顔をする。
味方だと思っていた俺にそんなことを言われたことがショックなのだろう。
「そんなこと言うんだったら、具体的な方法を教えて下さいよぅ」
そんなことを言い出した。
相手を惚れさせる具体的な方法か。
色仕掛けなら一発だと思うけど、メイは色仕掛けのやり方を知らなさそうだな。
といっても、俺も女じゃないから、色仕掛けのやり方なんか知らない。
でも、男の俺がぐっとくることなら、それは色仕掛けということになるだろう。
ちなみに、メイが俺の前でしたような行為は、高度なプレイをマスターした大人になら有効かも知れないが、健全な男子には逆効果だ。
少なくとも俺はドン引きした。
もっと健全な色仕掛けを考えてみる。
「そうだな・・・ちゅーするとか」
「したことあります」
「な、なに?」
もう、そこまでしたのか。
へっぽこなメイにしてはやるじゃないか。
これは予想外だった。
「なら、胸を触らせるとか」
「それも、したことあります」
「なんだと!?」
そこまでして、相手はメイになびかなかったのか。
その相手は、女に興味がないか、不能なんじゃないだろうか。
いや、それよりも、メイがそんなふしだらなんて思わなかった。
これは、メイの恋を応援するより、嗜みを教えた方がいいんじゃないか。
そう思ってしまう。
「それどころか、一緒にお風呂に入ったことも、一緒にお布団で寝たこともありますよ」
「そ、そうなのか」
ショックだ。
メイがふしだらなことも、メイがそこまでしてなびかない相手がいるということも。
それとも、最近の学生はこのくらい普通なのだろうか。
そこまで考えて、ふと気付く。
「一応聞くけど、それっていつ頃のことだ?」
「五歳くらいの頃ですかね」
やっぱりだ。
メイの言う『一緒に寝た』というのは、幼稚園のお泊り会のようなもので『一緒に寝た』ということだ。
そんな思春期にもなっていないような年頃の子供が『一緒に寝た』ところで、異性としてなびいたりはしないだろう。
「あのな、メイ。今言った方法は、小さい子供では意味が効果が無いんだ」
「そうなんですか?」
メイがきょとんとしている。
これを機会にメイに正しい性教育をすることにする。
「でも、今のメイがすれば効果があると思う」
「ホントですか。なら、やってみます」
「ああ。だが、風呂に入ったり寝たりするのは、やりすぎだ。そういうのは、もう少し大人になってからだな」
「そうなんですか?」
「そうなんだ」
これで、メイは健全な青春を送れることだろう。
「はい。ありがとうございます」
薬が完成したことに対して祝いの言葉を贈ると、メイが嬉しそうに微笑む。
メイが嬉しそうにしていることを俺も喜びたいところだけど、先ほどの光景を思い出すと素直に喜べない。
メイの恋を応援すると決めたのだが、本当に応援してしまってよいのか、ちょっと迷う。
なにせ惚れ薬の最後の材料というのは、メイの体液なのだ。
はっきり言って、ドン引きだ。
「(ヤンデレが、バレンタインのチョコに髪の毛を入れるっていうのは、聞いたことがあるけど)」
それと似たようなものなのだろうか。
メイはヤンデレではない、と思う。
ただ、魔術書に載っている製法に従って、惚れ薬を作っただけだ。
・・・・・
でも、やっていることは、ヤンデレと一緒だ。
もしかしたら逆で、ヤンデレは魔術に精通しているから、食べ物に自分の身体の一部を入れるのかも知れない。
「(でもなあ)」
薬を使って相手に好きになってもらおうとすることもだけど、その薬の材料が体液というのはどうなのだろう。
もしバレたら、逆に相手に嫌われることは確実だ。
間違いなく、褒められた手段ではないだろう。
材料を提供していおいてなんだけど、この方向で応援していていいのだろうか。
しばらく考えて、俺は決心する。
「・・・なあ、メイ」
「なんですか?」
「俺はメイのことを魅力的な女の子だと思っている」
自慰で乱れた髪や汗でしっとりと濡れた肌が色っぽいが、そういうことではない。
性格とか容姿とか、そういったもののことだ。
頭がへっぽこなのには目をつぶる。
「なんですか急に?でも、ありがとうございます。えへへ」
メイは、なぜ俺がこんなことを言い出すか不思議そうだったが、それでも褒められて照れたように笑みを浮かべる。
嬉しそうなところを悪いけど、次はメイの意志に反したことを言わなきゃいけない。
「だからさ、メイ。惚れ薬を使うのは止めにしないか?」
俺がそう言うと、メイは驚いた顔をする。
手伝うと言ったのに、それと逆のことを言い出したから、驚いているのだろう。
だけど、メイに人の道を踏み外させないためには、言わないといけない。
「メイなら、惚れ薬なんか使わなくても、相手を惚れさせることができるよ」
「・・・それができないから、惚れ薬を作ったんじゃないですかぁ」
メイが情けない顔をする。
味方だと思っていた俺にそんなことを言われたことがショックなのだろう。
「そんなこと言うんだったら、具体的な方法を教えて下さいよぅ」
そんなことを言い出した。
相手を惚れさせる具体的な方法か。
色仕掛けなら一発だと思うけど、メイは色仕掛けのやり方を知らなさそうだな。
といっても、俺も女じゃないから、色仕掛けのやり方なんか知らない。
でも、男の俺がぐっとくることなら、それは色仕掛けということになるだろう。
ちなみに、メイが俺の前でしたような行為は、高度なプレイをマスターした大人になら有効かも知れないが、健全な男子には逆効果だ。
少なくとも俺はドン引きした。
もっと健全な色仕掛けを考えてみる。
「そうだな・・・ちゅーするとか」
「したことあります」
「な、なに?」
もう、そこまでしたのか。
へっぽこなメイにしてはやるじゃないか。
これは予想外だった。
「なら、胸を触らせるとか」
「それも、したことあります」
「なんだと!?」
そこまでして、相手はメイになびかなかったのか。
その相手は、女に興味がないか、不能なんじゃないだろうか。
いや、それよりも、メイがそんなふしだらなんて思わなかった。
これは、メイの恋を応援するより、嗜みを教えた方がいいんじゃないか。
そう思ってしまう。
「それどころか、一緒にお風呂に入ったことも、一緒にお布団で寝たこともありますよ」
「そ、そうなのか」
ショックだ。
メイがふしだらなことも、メイがそこまでしてなびかない相手がいるということも。
それとも、最近の学生はこのくらい普通なのだろうか。
そこまで考えて、ふと気付く。
「一応聞くけど、それっていつ頃のことだ?」
「五歳くらいの頃ですかね」
やっぱりだ。
メイの言う『一緒に寝た』というのは、幼稚園のお泊り会のようなもので『一緒に寝た』ということだ。
そんな思春期にもなっていないような年頃の子供が『一緒に寝た』ところで、異性としてなびいたりはしないだろう。
「あのな、メイ。今言った方法は、小さい子供では意味が効果が無いんだ」
「そうなんですか?」
メイがきょとんとしている。
これを機会にメイに正しい性教育をすることにする。
「でも、今のメイがすれば効果があると思う」
「ホントですか。なら、やってみます」
「ああ。だが、風呂に入ったり寝たりするのは、やりすぎだ。そういうのは、もう少し大人になってからだな」
「そうなんですか?」
「そうなんだ」
これで、メイは健全な青春を送れることだろう。
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