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第一章 森の中のマンドラゴラ
032.完成です
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「ふぁ・・・」
朝日が差し込む寝室で、メイが欠伸をしながら目を覚ます。
顔色は良さそうに見えるけど、病み上がりだから無理は禁物だろう。
「ケイ?」
メイはきょろきょろと周囲を見回し、こちらに気付く。
そして、メイは窓際に置かれた植木鉢に埋まっている俺に挨拶をしてくる。
「おはようございます。その植木鉢気に入ったんですか?」
「ああ、なんか落ち着くんだ」
俺には人間としての意識があるけど、身体はやはり植物ということなのだろう。
全身から栄養を吸収しているような気もする。
「朝ご飯を作りますから一緒に食べましょう」
そう言って、メイは俺を植木鉢から引き抜く。
小さい身体では移動が大変なのを知っているから、連れていってくれるつもりなのだろう。
しかし、引き抜いた俺を見て、メイは首を傾げる。
「あれ?ケイ、身体が縮みました?」
「縮んだわけではないけど、小さくなったのは確かだな」
「?」
メイは不思議そうに俺の身体を見回す。
そして、あることに気付く。
「・・・これ、もしかして」
「惚れ薬を作るにはマンドラゴラが必要なんだろう?ハーブの近くに置いておいたから使うといい」
俺の言葉を聞くと同時、メイは俺を掴んだまま、寝室を出てそちらに向かう。
俺の身体に残る跡を見て、予想がついたのだろう。
「あんなに嫌がっていたのに、どうして?」
そこには、俺の身体を削ったものが、容器に入れて置いてある。
昨日の夜に俺が置いたものだ。
「なに、妹分の恋を応援してやろうと思ってな」
「そんな・・・痛かったんじゃないですか?」
「いや、痛くはなかった。身体が植物だからだろうな」
これは嘘ではない。
身体を削っているとき、痛みは感じなかった。
ただ、なんとも言えない喪失感があったのは事実だ。
自分の身体が無くなっていく感覚。
自分が消えてしまいそうな恐怖。
そういったものがあった。
だけど、それはメイに言う必要は無いことだ。
「でも・・・」
「それより、せっかく提供したんだから、有効活用してくれよ」
「・・・ありがとうございます」
メイは複雑そうな表情をしていたけど、礼を言ってきた。
削ったものを今さら身体には戻せないしな。
素直に受け取ってくれた方が、こちらとしても嬉しい。
「でも、もうこんなことはしないで下さいね。知らないうちに、ケイが消えちゃっていたら嫌ですから」
「頼まれてもしないよ。今回は特別サービスだ」
最初は自分が削ろうとしてきたくせに、今は俺が自分自身を削ろうとするのを止めてくる。
収穫物からペットくらいには昇格したのだろうか。
だとすれば、俺も安全が確保されて助かる。
「じゃあ、さっそく薬を調合しちゃいますね」
「今からか?今日は学校があるんじゃないのか?」
「寝たのが早かったせいで、朝早くに目が覚めちゃいましたからね。作ってからでも学校に間に合います。それに素材は新鮮な方がいいですから」
「ならまあいいが」
メイは先日のハーブを含めたいくつかの素材を用意すると、理科室にあるような道具を使って調合を始める。
細かくしたり、混ぜたり、火を通したり。
カレーのスパイスでも作っているような見た目だ。
だけど、作っているのはカレーのスパイスじゃない。
「そういえば、なんで私が作ろうとしているのが、惚れ薬だって分かったんですか?」
メイが手を動かしながら話しかけてくる。
「魔術書を読んで、集めている材料から特定したんだ」
「ああ、そういうことですか」
話している間にも作業は進み、メイの手元にあった材料が全て無くなる。
これで完成だろうか。
そう思ったのだけど、まだのようだ。
「それじゃあ、最後の素材を準備しますね」
「最後の素材?」
まだ材料が揃っていなかったのだろうか。
しかし、それなら薬の調合を始めたりはしないだろう。
疑問に思っていると、メイはおもむろに服の中に両手を入れる。
そして、もぞもぞと手を動かし始める。
「・・・んっ・・・あっ・・・」
服の中で手が動くたびに、メイの口から艶めかしい吐息が漏れる。
いきなり始まった痴態に、俺は頭が混乱する。
「あのー、メイさん?いったい、何をやってらっしゃるんですか?」
思わず敬語になりながら、何をやっているのか尋ねる。
「んんっ・・・オナニー・・・あんっ・・・です」
まあ、そうだとは思った。
というか、それにしか見えない。
けど、本人、それも年頃の娘の口から、そんな単語が飛び出るとは思わなかった。
それに、俺の目の前でいきなり始めるとも思わなかった。
見ている間にも、メイの手の動きは激しさを増していく。
「あのー、メイさん?なんで、そんなことを始めたか聞いても?」
「ふぁん・・・最後の材料は・・・んあっ・・・術者の体液なんです」
惚れ薬。
それに使う術者の体液。
具体的にどんな体液なのかは想像がつく。
想像がつくけど、それを薬に入れるのか。
ちょっと予想外だった。
しかし、話している間も、手は全く止まらない。
俺と話していることで、より一層激しくなっているようにも見える。
見られると興奮するとかあるのだろうか。
人の性癖にケチをつけるつもりはないけど、ちょっと、いや、かなりドン引きだ。
「んんんんんっ!」
メイはひときわ高い喘ぎ声を上げたかと思うと、くたっと動かなくなる。
「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・」
しばらくして呼吸が落ち着いてくると、メイはのろのろと服の中から手を引き抜く。
その手は、メイ自身の体液で、びっしょりと濡れていた。
メイは手を先ほど調合した薬の上へ持っていくと、つうっと雫を垂らす。
「これで・・・完成です・・・」
一仕事終えた充実感からか、メイは輝くような笑顔を見せる。
でも、その仕事というのは、薬の調合のことか、それとも自慰のことか、どちらなのだろうか。
そんなくだらないことを考えてしまう程度には、俺は目の前の光景に衝撃を受けていた。
朝日が差し込む寝室で、メイが欠伸をしながら目を覚ます。
顔色は良さそうに見えるけど、病み上がりだから無理は禁物だろう。
「ケイ?」
メイはきょろきょろと周囲を見回し、こちらに気付く。
そして、メイは窓際に置かれた植木鉢に埋まっている俺に挨拶をしてくる。
「おはようございます。その植木鉢気に入ったんですか?」
「ああ、なんか落ち着くんだ」
俺には人間としての意識があるけど、身体はやはり植物ということなのだろう。
全身から栄養を吸収しているような気もする。
「朝ご飯を作りますから一緒に食べましょう」
そう言って、メイは俺を植木鉢から引き抜く。
小さい身体では移動が大変なのを知っているから、連れていってくれるつもりなのだろう。
しかし、引き抜いた俺を見て、メイは首を傾げる。
「あれ?ケイ、身体が縮みました?」
「縮んだわけではないけど、小さくなったのは確かだな」
「?」
メイは不思議そうに俺の身体を見回す。
そして、あることに気付く。
「・・・これ、もしかして」
「惚れ薬を作るにはマンドラゴラが必要なんだろう?ハーブの近くに置いておいたから使うといい」
俺の言葉を聞くと同時、メイは俺を掴んだまま、寝室を出てそちらに向かう。
俺の身体に残る跡を見て、予想がついたのだろう。
「あんなに嫌がっていたのに、どうして?」
そこには、俺の身体を削ったものが、容器に入れて置いてある。
昨日の夜に俺が置いたものだ。
「なに、妹分の恋を応援してやろうと思ってな」
「そんな・・・痛かったんじゃないですか?」
「いや、痛くはなかった。身体が植物だからだろうな」
これは嘘ではない。
身体を削っているとき、痛みは感じなかった。
ただ、なんとも言えない喪失感があったのは事実だ。
自分の身体が無くなっていく感覚。
自分が消えてしまいそうな恐怖。
そういったものがあった。
だけど、それはメイに言う必要は無いことだ。
「でも・・・」
「それより、せっかく提供したんだから、有効活用してくれよ」
「・・・ありがとうございます」
メイは複雑そうな表情をしていたけど、礼を言ってきた。
削ったものを今さら身体には戻せないしな。
素直に受け取ってくれた方が、こちらとしても嬉しい。
「でも、もうこんなことはしないで下さいね。知らないうちに、ケイが消えちゃっていたら嫌ですから」
「頼まれてもしないよ。今回は特別サービスだ」
最初は自分が削ろうとしてきたくせに、今は俺が自分自身を削ろうとするのを止めてくる。
収穫物からペットくらいには昇格したのだろうか。
だとすれば、俺も安全が確保されて助かる。
「じゃあ、さっそく薬を調合しちゃいますね」
「今からか?今日は学校があるんじゃないのか?」
「寝たのが早かったせいで、朝早くに目が覚めちゃいましたからね。作ってからでも学校に間に合います。それに素材は新鮮な方がいいですから」
「ならまあいいが」
メイは先日のハーブを含めたいくつかの素材を用意すると、理科室にあるような道具を使って調合を始める。
細かくしたり、混ぜたり、火を通したり。
カレーのスパイスでも作っているような見た目だ。
だけど、作っているのはカレーのスパイスじゃない。
「そういえば、なんで私が作ろうとしているのが、惚れ薬だって分かったんですか?」
メイが手を動かしながら話しかけてくる。
「魔術書を読んで、集めている材料から特定したんだ」
「ああ、そういうことですか」
話している間にも作業は進み、メイの手元にあった材料が全て無くなる。
これで完成だろうか。
そう思ったのだけど、まだのようだ。
「それじゃあ、最後の素材を準備しますね」
「最後の素材?」
まだ材料が揃っていなかったのだろうか。
しかし、それなら薬の調合を始めたりはしないだろう。
疑問に思っていると、メイはおもむろに服の中に両手を入れる。
そして、もぞもぞと手を動かし始める。
「・・・んっ・・・あっ・・・」
服の中で手が動くたびに、メイの口から艶めかしい吐息が漏れる。
いきなり始まった痴態に、俺は頭が混乱する。
「あのー、メイさん?いったい、何をやってらっしゃるんですか?」
思わず敬語になりながら、何をやっているのか尋ねる。
「んんっ・・・オナニー・・・あんっ・・・です」
まあ、そうだとは思った。
というか、それにしか見えない。
けど、本人、それも年頃の娘の口から、そんな単語が飛び出るとは思わなかった。
それに、俺の目の前でいきなり始めるとも思わなかった。
見ている間にも、メイの手の動きは激しさを増していく。
「あのー、メイさん?なんで、そんなことを始めたか聞いても?」
「ふぁん・・・最後の材料は・・・んあっ・・・術者の体液なんです」
惚れ薬。
それに使う術者の体液。
具体的にどんな体液なのかは想像がつく。
想像がつくけど、それを薬に入れるのか。
ちょっと予想外だった。
しかし、話している間も、手は全く止まらない。
俺と話していることで、より一層激しくなっているようにも見える。
見られると興奮するとかあるのだろうか。
人の性癖にケチをつけるつもりはないけど、ちょっと、いや、かなりドン引きだ。
「んんんんんっ!」
メイはひときわ高い喘ぎ声を上げたかと思うと、くたっと動かなくなる。
「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・」
しばらくして呼吸が落ち着いてくると、メイはのろのろと服の中から手を引き抜く。
その手は、メイ自身の体液で、びっしょりと濡れていた。
メイは手を先ほど調合した薬の上へ持っていくと、つうっと雫を垂らす。
「これで・・・完成です・・・」
一仕事終えた充実感からか、メイは輝くような笑顔を見せる。
でも、その仕事というのは、薬の調合のことか、それとも自慰のことか、どちらなのだろうか。
そんなくだらないことを考えてしまう程度には、俺は目の前の光景に衝撃を受けていた。
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