森の中のマンドラゴラ~異世界は平和だったので、おっぱいとたわむれることにする~

かみゅG

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第一章 森の中のマンドラゴラ

024.うげっ!

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「行ってきます」
「しっかり勉強してこいよ」
「おばあちゃんみたいなことを言わないで下さいよぅ」

 学校に行くメイを見送る。
 その後に訪れるのは静寂だ。

「おばあちゃんみたい、か」

 その言葉から、メイを育てているのが祖母であることが分かる。
 親と仲でも悪いのだろうか。
 もしくは親がいないという可能性もある。
 どちらにしろ、他人の家庭のことだ。
 深く追求することではないだろう。
 メイとの付き合いが長くなれば教えてくれるかも知れない。
 だけど、まだ出会って数日だから、当分は先のことだろう。
 メイの家族構成のことを考えるのは、このくらいにする。

「さて、俺は読書でもするかな」

 メイから許可はもらっている。
 あの魔術書を読む許可だ。

「よっこらせっと」

 魔術書はあらかじめメイがテーブルの上に置いていってくれた。
 だけど、図鑑のような分厚さだから、今の小さな身体だと、めくるのも一苦労だ。

「時間はあるから、最初から読んでいくか」

 特に目的があるわけではない。
 ただ、魔術というものに興味があるから読んでみたいだけだ。
 だから、ぺらぺらと興味深いところだけ読んでいく。
 理論的なことも書いてあるみたいだけど、正直よくわからない。
 読めることは読めるのだけど、理解するのに時間がかかりそうだ。

「簡単に読めそうなのは・・・魔術の素材についての説明と、それを使った魔法薬の作り方かな」

 その辺りを中心にぺらぺらと読んでいく。
 娯楽用の本ではないから、読んでいて面白いというわけではないけど、好奇心は満たされていく。

「ふーん・・・普通の植物や鉱物も使うんだな」

 メイがそんなことを言っていたけど、本にもその通りのことが書いてあった。
 例えば、植物だとハーブなんかが書いてある。
 ただし、作る魔法薬によって、満月の夜に採ったものがよいとか、新月の夜に採ったものがよいとか、様々な条件があるようだ。

 別にテスト勉強をしているわけではないから、暗記をする必要はない。
 ぺらぺらと、めくっていく。
 そんな感じで読んでいったところ、あるページで手が止まった。

「マンドラゴラ」

 そこに載っていたのは、転生後の俺の種族であるマンドラゴラだった。
 このページは、じっくり読むことにしよう。

「・・・・・」

 大まかな内容は、俺の知識にあるマンドラゴラと同じだった。
 だけど、知らなかったことや、違いなどもある。

「うげっ!処刑された人間の体液で育つのは知っていたけど、体液ってアレか」

 男の身体にある棒状のものをゴシゴシすると出る白いアレだ。
 俺としての意識が宿る前のことなのだろうけど、アレをかぶったなんて、あんまり想像したくない。
 その部分は見なかったことにして、先を読み進める。

「・・・・・」

 しかし、他には特に興味を引くような内容は無かった。
 けど、それが逆に違和感を感じさせる。

「叫び声のことは書いてあるけど、マンドラゴラが意識を持つってことは書いてないな」

 あくまで素材についての説明だから書いて無いだけの可能性もある。
 でも、本当にそうだろうか。
 植物が人間の意識を持つというのは、普通はあり得ないことだ。
 だから、マンドラゴラにそういう特徴があるのであれば、そのことが書いてあってもいいような気がする。
 だけど、書いていない。

 なんだろう。
 なんだか、そのことが妙に気になる。
 けど、マンドラゴラについて書かれているページを読み終わっても、それ以上の情報は得られなかった。

「・・・まあ、俺っていう実物がいるわけだし、そこまで書かれていないだけかもな」

 とりあえず、そういうことにしておこう。
 どちらにしても、考えて解決するようなことではなさそうだ。

「そういえば、メイって何の薬を作ろうとしているんだ?」

 気分を変えるために、今度は魔法薬の作り方を読むことにする。
 かなりのページ数があるから、マンドラゴラを材料に使うものに絞って読んでいく。

「媚薬・・・惚れ薬・・・そっち系の薬が多いな」

 不老不死の薬の材料になったりもするようだけど、それを作るには他の材料を集めるのが大変そうだから違うと思う。
 マンドラゴラ単体だと毒になるようだけど、それも違うだろう。
 だとすれば、媚薬や惚れ薬を作ろうとしている可能性が高そうだ。

「好きな相手でもいるのかな」

 まあ、メイも思春期だろうから、いたとしてもおかしくはないか。
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