森の中のマンドラゴラ~異世界は平和だったので、おっぱいとたわむれることにする~

かみゅG

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第一章 森の中のマンドラゴラ

023.お嫁にいけない

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「くすんっ。もう、お嫁にいけないですよぅ」
「お嫁にいけるように磨いてやったんだよ」

 文句を言われるのは心外だ。
 そもそもメイが自分の身体をちゃんと洗わないのが悪い。

「あんなところまで触るなんて、セクハラですよぅ」
「心配するな。おまえのすっぽんぽんを見ても興奮しない」
「むぅ」

 メイはぷりぷり怒っているが、彼女の裸に興奮しないのは本当のことだ。
 この身体は下半身にアレが付いていないせいか、女の子の身体に興奮しないようなのだ。
 そんなわけで、俺はあくまでも美術品を磨くような気持ちで、メイを洗ったに過ぎない。

「俺に表れたくなかったら、自分でちゃんと洗うんだな」
「そうしますぅ」

 拗ねたようなメイの言葉を聞きながら、俺は温泉を満喫した。

 *****

 風呂が終わったら、次は食事だ。
 食事の支度をしている間に機嫌は直ったらしく、メイが嬉しそうにテーブルの上に料理を並べる。

「じゃんっ!夕食は海藻サラダにしてみました!」

 言葉通り、皿の上には海藻が盛られていた。
 メイの皿にはドレッシングがかかっているが、俺の皿にはかかっていない。
 意地悪というわけではなく、俺の身体のことを考えてくれたのだろう。
 植物に塩分はよくないらしい。

「野菜を育てるときに海藻を撒くことがあるのを思い出したんですよ。これなら、ケイも食べられるんじゃないですか?」

 俺は海藻を一切れ口に入れて、もぐもぐする。

「うん。大丈夫そうだ」
「よかった。食物繊維も摂らないと身体に悪いですからね」

 植物が食物繊維を摂って意味があるのだろうか。
 そう思わなくも無いけど、細かいことは気にしないことにする。

「昆布で出汁を取ったお吸い物もありますよ」

 この身体になって食べられるものに制限がある中で、メニューのバリエーションが増えるのは喜ばしいことなのは間違いない。
 メイの心遣いに感謝しながら、夕食を食べた。

 *****

 食後。
 本当は勉強の続きをさせようと思っていたのだけど、メイがうとうととし始めたので今日は止めておくことにする。
 なんだか娘に甘い父親のようなことを考えてしまっているけど、まあいいだろう。
 課題は終わらせたし、勉強は一夜漬けでやるようなものではないから、急ぐ必要はない。
 そんなことを考えていて、ふと思う。
 そういえば、課題があるということは、それを提出する先があるということだ。
 そこへちょうどメイがその話題を振ってくる。

「そうそう、ケイ。私、明日は学校に行きますから」
「そうか」

 やっぱり、メイは学生で学校に通っているのか。
 見た目の年齢からすれば、おかしくはない。
 異世界の学校が俺のいた世界の学校と同じかは分からないけど、メイは中学生か高校生くらいだろう。

「ケイはお留守番していて下さいね」
「わかった」

 こんな小さな身体では自力で遠くまで行くのは無理だし、言われるまでもなく、この家で大人しくしているしかない。
 しかし、一人で時間を潰すとなると、暇になることは容易に想像できる。
 それに、せっかくの異世界でぼーっと過ごすのは時間がもったいない。
 なにか、時間を有効活用できるものが欲しいな。

「そうだ、メイ。メイがいない間、あの本を読んでもいいか?」
「本?」
「マンドラゴラのことが載っていた本だよ」
「魔術書ですね。いいですよ」

 やはり、あれは魔術書だったのか。
 ちょっと興味があったのだ。
 メイがへっぽこなせいで、いまだに魔術を見ることができていないけど、異世界に来たのだから、できれば魔術を使ってみたい。
 魔術は素材を使って行うらしいから、もしかしたら俺にも使える魔術があるかも知れない。

「でも、あの本は大切なものですから、大事に扱って下さいね」
「了解」

 メイの許可も得たし、明日はあの本で時間を潰すことにしよう。
 そんなふうに明日の予定を立てたところで、メイが大きな欠伸をする。

「眠そうだな。学校に遅刻するといけないし、もう寝た方がいいんじゃないか?」
「ふぁ・・・そうします」

 メイは寝室に向かおうとして、ぴたっと足を止める。
 そして、くるりと俺の方を振り返る。

「そういえば、ケイのお布団を用意しないといけないですね。腐葉土と牛糞堆肥とどちらがいいですか?」

 おそらく俺が植物だから、そういう発想をしたのだろう。
 植物を植えるのならば適切なのかも知れないけど、人間としての意識がある俺はあんまり嬉しくない。

「風呂で綺麗になったのに、腐った葉っぱや牛のう〇こに塗れるのはちょっと」
「でも、植物なんですから、土に入った方が寝心地がいいんじゃないですか?」
「そもそも、あんまり眠くないんだよ」
「そうなんですかぁ」

 そんな会話をしている間にも、メイはどんどん眠そうな表情になっていく。
 というか、ふらふらして今にも倒れそうだ。

「俺は適当に寝るから、早く寝たらどうだ。明日、学校なんだろ」
「でも・・・」
「なら今日のところはメイの布団で一緒に寝させてもらうから」
「そうですかぁ。じゃあ、すみませんけど、先に寝させてもらますねぇ」

 それだけを言うと、メイはそのままベッドに倒れ込み、寝息を立て始める。

「驚くほど寝つきがいいな」

 メイの寝顔を眺めながら、俺もベッドに潜り込んだ。
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