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第一章 森の中のマンドラゴラ
017.ぽよんぽよんっ!
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「今日は素材集めに行きますよ」
朝食後、昨日の魔女衣装に着替えたメイがそんなことを言ってきた。
「素材って、エセ魔術に使う素材のことか?」
「エセ魔術じゃないですよぅ」
メイが頬を膨らませて反論してくる。
しかし、いまだにまともな魔術を見せてもらっていないので、信じろと言われても無理な話だ。
とはいえ、食事を用意してもらった恩もあるので、手伝うのはやぶさかではない。
「まあ、いいや。それで、何を集めるんだ?」
「それはですね」
メイはいつの間に持ってきたのか、古めかしい本をぺらぺらとめくる。
そして、目的の内容を見つけたのか、俺にそのページを見せてきた。
「マンドラゴラ?」
「はい」
マンドラゴラとは、転生した俺の種族名のことだ。
そのページには、マンドラゴラについての絵と説明が載っていた。
流し読みしただけだが、普通の植物図鑑には書かれていない、魔術に関する胡散臭い内容が書かれているようだ。
どうやら、この本はエセ魔術に関する書物らしい。
「ケイが協力してくれないので、別のマンドラゴラを採りに行こうと思います」
メイが恨みがましい目で見てくるが、さすがにその協力は無理だ。
なにせその協力というのは、魔術の素材として俺の身体をすりおろさせろいう意味なのだ。
「いくらなんでも、身体をガリガリされるのはな。採りに行くのは協力するから、それで勘弁してくれ」
俺が同行することを伝えると、メイが嬉しそうにする。
そのままスキップするように台所へ向かい、エプロンを身に付ける。
「お弁当を用意するので、ちょっと待っていて下さいね」
そしてメイは、鼻歌交じりに弁当を作り始める。
楽しそうなのは何よりだが、どう見ても魔術の素材集めにいく雰囲気ではない。
「なんか、ピクニックに行くみたいだな」
魔術の素材集めというと、もっとおどろおどろしい感じをイメージしていた。
しかし、これは弁当を持って森の中を散歩にでも行くような雰囲気だ。
そんなことを考えながら、俺はメイが弁当を作り終えるのを待った。
*****
弁当を作り終えると、メイはそれをバスケットに詰める。
それを持ったメイと一緒に家を出る。
「それじゃあ、しゅっぱーつ!」
「なんか、テンション高いな」
魔女と聞くと、知的で物静かなイメージがあるのだが、メイは正反対だ。
へっぽこで騒がしい。
「私、誰かとお出かけなんて、ひさしぶりです」
「・・・・・そうか」
友達が少ないのだろうか。
そう思ったけど、口には出さなかった。
せっかく、楽しそうにしているのだから、水を差すこともないだろう。
それに、森の中で暮らしているくらいだから、単純に近所に人が少ないだけの可能性もある。
ぼっちだと決めつけるのは早計だ。
「♪」
スキップでもするような軽い足取りで森の中を歩くメイ。
鼻歌も軽やかだ。
「おっと」
楽しそうなのは結構なことなのだが、肩に乗せてもらっている俺は、はずみで滑り落ちそうになる。
慌ててしがみつき、落ちないようにする。
「あ、すみません」
俺が落ちそうになったことに気付いたのだろう。
メイが揺れないように歩いてくれるが、しばらくすると再びスキップのような歩き方になる。
先ほどから、これの繰り返しだ。
よほど浮かれているらしい。
なんとか、メイの気分をそのままに、俺が落ちないようにしたい。
そう考えた俺は、ある提案をすることにする。
「なあ、メイ」
「なんですか?」
「ちょっと、落ちない場所に座り直したいんだけどいいか?」
「?いいですよ?」
「ありがとう」
メイの許可は得た。
俺はソコに移動することにする。
「ひゃんっ!ちょ、ちょっと、ケイ?」
メイが驚いた声を出して足を止める。
しかし、俺はそれにはかまわず、服にしがみつきながら、よじよじと場所を移動する。
そして、メイの首元から服の中に、すぽんと入る。
ぽよんっ!
クッションがあるから、下には落ちていかない。
挟まれたときは全身が隠れて外が全く見えなかった。
しかし、谷間に座るとちょうど襟元から顔が出て外を眺めることができる。
ぽよんぽよんっ!
座り心地を確かめるために座りながら軽く跳ねてみるが、落ちる様子は全くない。
高級ソファーのような座り心地だ。
「よし、ゴーッ!」
「ゴーッ!って・・・まあ、いいですけど」
メイが再び歩き始める。
スキップするようにメイが歩くと、高級ソファーの上で揺られているようで、抜群の座り心地だ。
朝食後、昨日の魔女衣装に着替えたメイがそんなことを言ってきた。
「素材って、エセ魔術に使う素材のことか?」
「エセ魔術じゃないですよぅ」
メイが頬を膨らませて反論してくる。
しかし、いまだにまともな魔術を見せてもらっていないので、信じろと言われても無理な話だ。
とはいえ、食事を用意してもらった恩もあるので、手伝うのはやぶさかではない。
「まあ、いいや。それで、何を集めるんだ?」
「それはですね」
メイはいつの間に持ってきたのか、古めかしい本をぺらぺらとめくる。
そして、目的の内容を見つけたのか、俺にそのページを見せてきた。
「マンドラゴラ?」
「はい」
マンドラゴラとは、転生した俺の種族名のことだ。
そのページには、マンドラゴラについての絵と説明が載っていた。
流し読みしただけだが、普通の植物図鑑には書かれていない、魔術に関する胡散臭い内容が書かれているようだ。
どうやら、この本はエセ魔術に関する書物らしい。
「ケイが協力してくれないので、別のマンドラゴラを採りに行こうと思います」
メイが恨みがましい目で見てくるが、さすがにその協力は無理だ。
なにせその協力というのは、魔術の素材として俺の身体をすりおろさせろいう意味なのだ。
「いくらなんでも、身体をガリガリされるのはな。採りに行くのは協力するから、それで勘弁してくれ」
俺が同行することを伝えると、メイが嬉しそうにする。
そのままスキップするように台所へ向かい、エプロンを身に付ける。
「お弁当を用意するので、ちょっと待っていて下さいね」
そしてメイは、鼻歌交じりに弁当を作り始める。
楽しそうなのは何よりだが、どう見ても魔術の素材集めにいく雰囲気ではない。
「なんか、ピクニックに行くみたいだな」
魔術の素材集めというと、もっとおどろおどろしい感じをイメージしていた。
しかし、これは弁当を持って森の中を散歩にでも行くような雰囲気だ。
そんなことを考えながら、俺はメイが弁当を作り終えるのを待った。
*****
弁当を作り終えると、メイはそれをバスケットに詰める。
それを持ったメイと一緒に家を出る。
「それじゃあ、しゅっぱーつ!」
「なんか、テンション高いな」
魔女と聞くと、知的で物静かなイメージがあるのだが、メイは正反対だ。
へっぽこで騒がしい。
「私、誰かとお出かけなんて、ひさしぶりです」
「・・・・・そうか」
友達が少ないのだろうか。
そう思ったけど、口には出さなかった。
せっかく、楽しそうにしているのだから、水を差すこともないだろう。
それに、森の中で暮らしているくらいだから、単純に近所に人が少ないだけの可能性もある。
ぼっちだと決めつけるのは早計だ。
「♪」
スキップでもするような軽い足取りで森の中を歩くメイ。
鼻歌も軽やかだ。
「おっと」
楽しそうなのは結構なことなのだが、肩に乗せてもらっている俺は、はずみで滑り落ちそうになる。
慌ててしがみつき、落ちないようにする。
「あ、すみません」
俺が落ちそうになったことに気付いたのだろう。
メイが揺れないように歩いてくれるが、しばらくすると再びスキップのような歩き方になる。
先ほどから、これの繰り返しだ。
よほど浮かれているらしい。
なんとか、メイの気分をそのままに、俺が落ちないようにしたい。
そう考えた俺は、ある提案をすることにする。
「なあ、メイ」
「なんですか?」
「ちょっと、落ちない場所に座り直したいんだけどいいか?」
「?いいですよ?」
「ありがとう」
メイの許可は得た。
俺はソコに移動することにする。
「ひゃんっ!ちょ、ちょっと、ケイ?」
メイが驚いた声を出して足を止める。
しかし、俺はそれにはかまわず、服にしがみつきながら、よじよじと場所を移動する。
そして、メイの首元から服の中に、すぽんと入る。
ぽよんっ!
クッションがあるから、下には落ちていかない。
挟まれたときは全身が隠れて外が全く見えなかった。
しかし、谷間に座るとちょうど襟元から顔が出て外を眺めることができる。
ぽよんぽよんっ!
座り心地を確かめるために座りながら軽く跳ねてみるが、落ちる様子は全くない。
高級ソファーのような座り心地だ。
「よし、ゴーッ!」
「ゴーッ!って・・・まあ、いいですけど」
メイが再び歩き始める。
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