森の中のマンドラゴラ~異世界は平和だったので、おっぱいとたわむれることにする~

かみゅG

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第一章 森の中のマンドラゴラ

003.なんじゃこりゃ!

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 あらためて周囲を見回す。
 木々が生い茂る森の中。
 以上。

「ホントに、どこなんだ、ここ?」

 舗装された道はおろか、獣道すら見当たらない。
 山奥というわけではないようで、地面は傾いていない。
 田舎だとしても、こんなに広い森があるだろうか。
 仮にあったとして、こんな場所に人が来るだろうか。
 来るとしても、テントを張るための荷物などを持っていないと、おかしい。

 あらためて少女を見る。
 手ぶらだ。
 しかも、軽装だ。
 というか、軽装以前に服装がおかしい。
 まるで魔女が羽織るような黒いローブを羽織り、魔女がかぶるような黒いとんがり帽子をかぶっている。
 そのまんま、魔女だ。
 魔法少女だ。
 いや、魔法少女は、ちょっと違うか。
 魔法少女は、こんな地味な衣装は着ない。
 むしろ、ふりふりで派手派手の目立つ衣装を着る。

 年齢は中学生か高校生だろうか。
 ずいぶん幅があると思うかも知れないが、それには理由がある。

 まず、顔は童顔だ。
 年齢通りなのか年齢より幼く見えるのかは分からないが、とにかく童顔だ。
 中学生くらいに見える。
 次に、身長は低い。
 中学生でも通じるし、背の低い高校生でも通じる。
 身長では年齢は判断できない。
 しかし、中学生とは思えない身体的特徴が一つだけある。
 最後に、その部分を見る。
 一言で言うと、でかい。
 破裂しそうなほど、でかい。
 でも、垂れてはいない。
 気球のように、そのまま浮かぶんじゃないかというくらい張りがある。

 つん・・・ぷるんっ!

 プリンだ。

 つんつん・・・ぷるんっぷるんっ!

 バケツプリンだ。

 つんつんつんつんつん・・・ぷるんっぷるんっぷるんっぷるんっぷるんっ!

 これには、きっと夢や希望が詰まっている。
 あと、男のロマンとか。
 我を忘れてつんつんするが、もげそうなほどプリンを揺らした後、はっと我に変える。
 いかんいかん。
 こんなことをしている場合ではない。
 少女の服装や年齢はどうでもいい。
 問題は、ここがどこか全く分からず、この少女も得体が知れないということだ。

「箒で飛んできたわけじゃないだろうな」

 魔女の衣装から、そんな連想をした。
 しかし、箒は見当たらない。
 周囲を見回すが、近くに置いてあるということもないようだ。

「やっぱり、起きるのを待つしかないか」

 そう判断して、再び少女を見る。
 悲鳴の形に口を開けたまま、泡を吹いて気絶している。
 そして、地面に仰向けに倒れている。
 街中であれば、救急車を呼ばれる姿なのは、間違いないだろう。

「もうちょっと、ちゃんと寝かせてやるか」

 少女の姿勢を楽にしてやろうと思い近づく。
 そして気付く。
 なんだか、この少女は大きくないだろうか。
 年齢が上だとか、背が高いとか、そういうことじゃない。
 なんというか、全体的に大きい。
 まるで、カメラのズームを最大までアップしたように大きいのだ。

「巨人?」

 なぜか今まで違和感を感じなかったのだが、気付いたら物凄い違和感がある。
 自分は少女の手のひらくらいの大きさしかないのではないだろうか。
 そういえば、周囲の木々もやたら大きい。
 けど、樹齢何百年という感じじゃない。
 なぜそう感じるのだろう。
 考えてみて分かった。
 葉っぱが大きいのだ。
 乗ることができそうなくらいに大きい。
 人間が乗っても水に沈まない蓮の葉というのを聞いたことがあるが、あんな感じだ。
 そこまで考えて、ふと疑問に思う。

「もしかして、俺が小さいのか?」

 もし少女が普通のサイズで木々も普通のサイズだとしたら、サイズがおかしいのは自分ということになる。
 すなわち、周りが大きいのではなく、自分が小さい。
 そんなバカなと思いつつ、自分の両手を見る。

「・・・・・」

 続けて、両足を見る。

「・・・・・」

 最後に胴体を見る。
 鏡がないので顔を見ることはできない。
 けれど、充分だった。
 充分に分かった。

「なんじゃ、こりゃあっ!!!!!!!!!!」

 少女に向かって叫んだときよりも大きな声が出た。
 目に入ったものは、それくらいの衝撃があった。

「なんだこれ?植物?」

 手をわきわきと動かす。
 植物の根のようなものが、わきわきと動く。

 足をくにくにと動かす。
 植物の根のようなものが、くにくにと動く。

 胴体をぐねぐねと動かす。
 植物の根のようなものが、ぐねぐねと動く。

 間違いない。
 自分の身体だ。
 自分の身体が、植物の根のようになっている。
 おそらく、顔もそうなのだろう。
 ぺたぺたと手で顔を触るが、明らかに人間の皮膚の感触じゃない。

 なにかの病気だろうか。
 しかし、身体が小さくなって植物の根のようになる病気なんて、聞いたことがない。
 混乱して自分の身体を触りまくっていると、ぽつりと声が聞こえてきた。

「マ、マンドラゴラが、喋ってる?」

 少女が目を覚ましていた。
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