わたしの中のノイズ~ある少女の欠落~

 わたしの中にはノイズがある。
 たとえば、両親と朝の挨拶を交わすとき、こう聴こえる。

「お■■さん、おかあさん、おはよう」
「おはよう、■■■」
「■■■、おはよう」

 でも、日常生活で支障が出ることはほとんど無い。
 ノイズとの付き合い方は慣れている。
 そんなわたしは、今日から高校に通う。

 これは欠落を抱えた少女の、ごくごく平穏で、でもちょっとだけ不思議な物語。
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,830 位 / 193,830件 ライト文芸 7,644 位 / 7,644件

あなたにおすすめの小説

十年目の離婚

杉本凪咲
恋愛
結婚十年目。 夫は離婚を切り出しました。 愛人と、その子供と、一緒に暮らしたいからと。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

形だけの正妃

杉本凪咲
恋愛
第二王子の正妃に選ばれた伯爵令嬢ローズ。 しかし数日後、側妃として王宮にやってきたオレンダに、王子は夢中になってしまう。 ローズは形だけの正妃となるが……

婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。

束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。 だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。 そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。 全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。 気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。 そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。 すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。

立ち止まっている暇はない

柊 あると
ライト文芸
西野葵(にしのあおい)。2016年8月20日時点で18歳の大学1年生だ。 「へそから血脈(ちみゃく)を辿って毛細血管の最先端まで行くために、オートバイの免許を取った」と理解不能宣言をした。 聞いていたのは、清水悠真(しみずゆうま)。小林巧(こばやしたくみ)、小松清太郎(こまつ)(せいたろう)。西田文一(にしだぶんいち)。「十王輪友会(じゅうおうりんゆうかい)」というライダーズクラブのメンバーだ。 葵が言う「へそ」とは、上田市にある「生島足島神社(いくしまたらしまじんじゃ)」のことだ。別名「日本のへそ」と言われている。 上田市には「真田幸村」の居城がある。「十王」とは「真田十勇士」から取ったものだった。 「十王」になれるだけのテクニック。オートバイを御せるだけの精神力。ゆるぎない信念。どんなに辛いことにも屈しないで立ち上がる。絶対に諦めない。「やさしさ」は心の余裕の部分に住んでいる。その場所を持ち続けられるもの。それが、彼らが目指す「十王」だった。 葵はどかっと大地に足を付けた、重たい奴らの背中を追いながら、「十王」になっていった。

紡ぐ言の葉

千里
ライト文芸
あるところにひとりぼっちの少女が二人いました。 一人の少女は幼い頃に親を悲惨な事故に遭い、搬送先の病院からの裏切り、引き取られた先での酷い扱い。様々なことがあって、彼女からは心因性のもので表情と感情が消えてしまった。しかし、一人のヒーローのような人に会ってから生きていく上で必要最低限必要な感情と、ほんの少しだけ、表情が戻った。それでも又、失うのが怖くてどこか心を閉ざしていた。 そんな中無理矢理にでも扉をこじ開けて心の中にすとんと入ってきた2人の人がいた。少女はそんな2人のことを好きになった。 一人は幼い頃からの産みの家族からの酷い扱い、そんな事情があって暖かく迎えてくれた、新しい家族の母親の早すぎる死。心が壊れるには十分すぎたのだった。人に固執せず、浅い付き合いでなるべく自分か消えても何も残らないように生きていようとしていた。 そんな中、何度も何度も手を伸ばして救い出してくれたのは一人の少年の存在で、死のうとしているといつも怒る一人の少女の姿があった。 これはそんな2人が紡いでいく一つの波乱万丈な人生のお話────。