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27話 ややこしいんですよ‥‥‥
しおりを挟む※前回のお話※
解体屋を後にしたクルス達は、とある家に入った。薄暗く不気味な雰囲気。部屋は見たことも無い怪しげな物に囲まれている。クルスが家主を呼ぶと、暗闇から魔法使いの格好をした白い口髭を蓄えたドワーフが現れた。なんと彼は「アルジイ」といい、クルスの知人だった。
クルスはアルジイに解体屋から無くなった「オリハルコン製の斬馬刀」を探してもらう様依頼した。アルジイは金貨10枚という大金で、その依頼を渋々引き受けた。クルス曰くアルジイは特殊なスキルを持ったトレジャーハンターだった。
これで斬馬刀の件は解決する。しかし、肝心の斬馬刀を扱える親方がいない。親方がいなくてはクルス達が解体屋に預けたリンドブルムを解体する事が出来ない。しかしクルスはショウタを見てニヤっと笑ったのであった…………
――パラディソス市内――
クルスとショウタはアルジイの家の前で話しをしている。
「……はいはい……探しますよ…………って俺、親方の事知らないですよ!!見た事無い人は、情報を貰えないと探せません!!」
「生意気なヤツじゃ!!ホラッ!!!そう言うと思って親方の似顔絵を描いてきたんじゃ!!」
クルスは自信満々に似顔絵が描かれた紙を渡してきた。
そこに描かれていたのは、人なのかよく分からない物体だった。いや………………ゴリラか……この人はゴリラしか描けないのか。
「あの………………これ……ゴリラ…………?」
「バカモンッ!!!どこがゴリラじゃボケが!」
「いや………………どう見てもゴリラ……」
このやり取りをしばらくした後、埒が明かないと判断したクルスは、アルジイの家に戻り親方の情報について聞きに戻る事にした。
――アルジイの家――
ガチャ……
「アルジイーーー!また来たぞ!!」
クルスが叫ぶ。
「うるさいわ!!!クルスッ!!まだなんか用か?!」
アルジイが怒りながら出て来た。
「実はな………………」
クルスは、先ほどのやり取りを説明し、自分が描いた親方の似顔絵をアルジイに見せた。
「なんじゃ…………このきったない絵は?ゴリラか?」
絵を見て顔を顰めるアルジイ。
「でしょ!?どっからどう見てもゴリラですよね??」
ショウタは、ほら見た事か!と言ったような顔をした。
「いや……めちゃくちゃ汚い絵じゃがめちゃくちゃ似てるぞ。オヤカタはゴリラの亜人じゃ……」
アルジイは、落ちついた様子で話す。
詳しく話しを聞くと色々驚きだった。
親方だと思っていたその人は、「オヤカタ」という名前のゴリラの亜人だったのだ。しかも女性らしい。
「オヤカタ」は、元々冒険者だったが、モンスターの豊富な知識と腕っぷしを買われ、ギルドから解体屋として雇われたらしい。クルスとアルジイともパーティを組んでダンジョン攻略をしていた時期もあったと言う……
なんともややこしい存在だ……
ショウタは、頭が混乱していた。
クルスは、したり顔でニヤニヤしている。
憎たらしい顔だ。
「………………もう……何が何やら……まぁ、分かりましたよ。このゴリラ……いやオヤカタさんを探せば良いんですよね?」
頭を抱えるショウタ。
「そうじゃ!!だから言ったろう!やっぱりお前はカスじゃなぁ……やれやれ」
クルスは、ニヤニヤしながら話す。
クソがッ!!!
ショウタは唇を噛み締めた……
「でもクルスよ……なんでオヤカタは解体屋を辞めてしまったんじゃ?喜んで仕事してたよな?」
アルジイはクルスに尋ねた。
「ワシが知る訳無かろう!!どうでも良いわそんな事!!アイツを探してリンドブルムを解体させる!ワシの目的はただそれだけじゃ!!金貨500枚!!グフフ…………オイッ!!カスッ!!サボってないでオヤカタを見つけろ!!クビにするぞ!!」
「………………はいはい」
死んだ目でやる気無さげに念じ、オヤカタを探すショウタ。クルスとアルジイから聞いたオヤカタの情報を元に念じる。
「………………仲良いな……お前ら……」
アルジイは、その様子を見てボソッと呟いた。
「………………いましたよ……」
ショウタはオヤカタを見つけたようだ…………………………
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