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04、現世の自分
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頭の中で状況整理する。
アンダーツゥ・モーレイ、15歳。
王宮監査局の局長の母と王宮聖騎士局の副局長の父の長女として産まれた。
母の方が立場として上という珍しい家族。
二等親族には、2歳離れた双子の弟達、そしてモーレイ家祖父母、シャーク家祖父母とみな健在。
三等親族以下省略。
今いるこの場所は、ナーアクティニア王国、首都ナステリストの端に位置するシーア島。
広大な島全て、シーア学園が有する土地となり、学園近くにあるその貴族寮の一室にいる。
既に荷物はすでに運び終わっていて、シェルマウンドが手荷物の片付けをしている最中。
学園に入る前に記憶が戻るなどと、脳内は情報過多であるが、それを見せてはここでの15年を崩すことになる。
格式あるモーレイ伯爵家に生まれ、勉学だけでなく社交的なものまでも含めた英才教育を受けてきた意地がある。
だが、あちらでの15年を鮮明な3D映画のように一瞬で見て、混乱しているのも確か。
気を抜き、ため息を吐いてしまった。
「場所を変えましょうか?」
その溜め息にシェルマウンドが、荷物の配置への文句と取り、こちらに伺いを立ててきた。
「そこでいいわ。……終わったら、声をかけて」
見ているからいけないのだと、視線を窓の外に向けた。
寮の裏手には大海原があり、遥か彼方に見える水平線と空の良い絵画のような風景。
だが、ここは地球ではない、魔物や魔法のある完全なファンタジー世界。
目の前の海に生息しているのは、単なる魚ではなく、魔魚である。
島の裏山には、野生の魔物もいるし、ダンジョンもある。
窓から目線を学園パンフレットに向けると、もうワクワクとしか表現できないものが湧き上がってくるが、それを軽くに表情に出すような教育は受けていない。
だが、今はあちらでの記憶もあり、頬が引くついてしまう。
リアルフォンタジー万歳と叫びたい。
手元のコントローラーや指先だけで行ってきたアレやコレを自分の体でガチ体感できるのだ。
そう、このように。
手元にある熱いコーヒーに魔法で氷を出し、キンキンに冷やしたアイスコーヒーにしてしまった。
「新しくお作りしますか?」
それを見たシェルマウンドは、すぐにこちらに来た。
10年も自分のことを世話してきたシェルには、もう隠せない。
と言うか、今の状況を言いたくて言いたくて。
「シェル、もうダメ。話を聞いて。でもこれは誰にも言ってはダメよ。契約もするわ」
「契約せずとも誰にも話しません。ですが、契約致します」
すぐに手の甲を差し出してきたが、その手をガッシリと掴み。
「めんどいからいい!シェル実は…………………」
令嬢言葉とか飛ばして思い出したあれこれをシェルに浴びせた。
一瞬、目を見開いたが、すぐに真剣な瞳になり、シェルは全てを聞いた。
「…………という訳なの!手伝って!」
「でしたら、これから私が運動不足になる心配にはなくなりますね」
「でしょ!元冒険者のシェルマウンド、これからは従者兼教育係兼護衛ではなく、冒険者仲間……先輩として、指導して欲しい」
「ですが、学園内では従者という二足草鞋が適切ですので、そのようでもよろしいでしょうか?」
「それでよろしく」
「アン様、この部屋以外でその言葉は不適切だと理解下さい」
「はい、先輩!」
アンダーツゥ・モーレイ、15歳。
王宮監査局の局長の母と王宮聖騎士局の副局長の父の長女として産まれた。
母の方が立場として上という珍しい家族。
二等親族には、2歳離れた双子の弟達、そしてモーレイ家祖父母、シャーク家祖父母とみな健在。
三等親族以下省略。
今いるこの場所は、ナーアクティニア王国、首都ナステリストの端に位置するシーア島。
広大な島全て、シーア学園が有する土地となり、学園近くにあるその貴族寮の一室にいる。
既に荷物はすでに運び終わっていて、シェルマウンドが手荷物の片付けをしている最中。
学園に入る前に記憶が戻るなどと、脳内は情報過多であるが、それを見せてはここでの15年を崩すことになる。
格式あるモーレイ伯爵家に生まれ、勉学だけでなく社交的なものまでも含めた英才教育を受けてきた意地がある。
だが、あちらでの15年を鮮明な3D映画のように一瞬で見て、混乱しているのも確か。
気を抜き、ため息を吐いてしまった。
「場所を変えましょうか?」
その溜め息にシェルマウンドが、荷物の配置への文句と取り、こちらに伺いを立ててきた。
「そこでいいわ。……終わったら、声をかけて」
見ているからいけないのだと、視線を窓の外に向けた。
寮の裏手には大海原があり、遥か彼方に見える水平線と空の良い絵画のような風景。
だが、ここは地球ではない、魔物や魔法のある完全なファンタジー世界。
目の前の海に生息しているのは、単なる魚ではなく、魔魚である。
島の裏山には、野生の魔物もいるし、ダンジョンもある。
窓から目線を学園パンフレットに向けると、もうワクワクとしか表現できないものが湧き上がってくるが、それを軽くに表情に出すような教育は受けていない。
だが、今はあちらでの記憶もあり、頬が引くついてしまう。
リアルフォンタジー万歳と叫びたい。
手元のコントローラーや指先だけで行ってきたアレやコレを自分の体でガチ体感できるのだ。
そう、このように。
手元にある熱いコーヒーに魔法で氷を出し、キンキンに冷やしたアイスコーヒーにしてしまった。
「新しくお作りしますか?」
それを見たシェルマウンドは、すぐにこちらに来た。
10年も自分のことを世話してきたシェルには、もう隠せない。
と言うか、今の状況を言いたくて言いたくて。
「シェル、もうダメ。話を聞いて。でもこれは誰にも言ってはダメよ。契約もするわ」
「契約せずとも誰にも話しません。ですが、契約致します」
すぐに手の甲を差し出してきたが、その手をガッシリと掴み。
「めんどいからいい!シェル実は…………………」
令嬢言葉とか飛ばして思い出したあれこれをシェルに浴びせた。
一瞬、目を見開いたが、すぐに真剣な瞳になり、シェルは全てを聞いた。
「…………という訳なの!手伝って!」
「でしたら、これから私が運動不足になる心配にはなくなりますね」
「でしょ!元冒険者のシェルマウンド、これからは従者兼教育係兼護衛ではなく、冒険者仲間……先輩として、指導して欲しい」
「ですが、学園内では従者という二足草鞋が適切ですので、そのようでもよろしいでしょうか?」
「それでよろしく」
「アン様、この部屋以外でその言葉は不適切だと理解下さい」
「はい、先輩!」
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