Timeless Love~君の隣で~

藤原葉月

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第1章

第12話

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孝くんに壁ドンを何故かされてる俺・・・。

な、なんで?おれ、なんかしたっけ?

なんかお酒臭い・・・ 

 「孝くん、もしかして酔っ払ってるん? 」

お酒苦手なくせに・・・・。
普段飲まへん言うてたくせに!


「ええやろ?別に・・・。成人しとるし・・・? 」

なんか機嫌悪そうやし・・・・・。 

聞いただけやん。


「いや、別に・・・?俺かて何時に帰ろうとええやん。孝くんは俺の保護者やないやろ? 」

 「・・・・・・ 」

 「それよりほっぺ、どうしたん?痛そう・・・ 」

誰かにぶたれたのか赤くなっていて、触ろうとしたら・・・ 

「触るなよ・・・ 」

と、手を寸前で掴まれ・・・ 

 「え・・ 」

 「いや、ごめん・・・なんでもないわ 」

「ちゃんと冷やさなあかんで? 」

 「分かっとるわ・・・ 」

と言って手を離された。 


なぜかケンカ腰の会話になる俺たち。
そろそろやめやん?

俺たちってこんな会話しか出来やんのかなぁ・・・・。 

「ほんまは喧嘩したいわけやないのに・・・ 」

⤴心の声?思わずつぶやいてしもたら、 

「・・・・よそ見しとったからぶたれたんや、一緒にいた女に 」

「あー、可愛い子とデートしとったもんなぁ?何したん? 」

「うるさいわ。お前かてニヤニヤしながら香水売り場で何してたんや 」

(💙それと、そのあと大とイチャイチャしとるし) 

その声は言わんのか?



「ええやろ?別に・・・(˘^˘ ) 。孝くんには関係ないやん」

い、いつから見られてたんやろ・・・・ 。

「まさか誰かに香水をプレゼントするつもりでおるとか?」 

「ちゃうよ?全然ちゃう。ってか孝くんにはかんけいない言うとるやん!」 


「あぁ、関係あらへんよ?へぇ?じゃあまさか、自分でつけるんか? 」

(なんでか知らんけど気になるんや!!)

「・・・・・そうやけど・・。なにか問題でも? 」

「へぇ?(なんだ、自分でつけるんかよ) 」

「なに?悪い? (なんでそんな安心したかおするん?)」

 「別に? 」

「孝くんこそ、女の子とデートしていたからそのまま帰ってこやんかと思ったわ(まさか先に帰っとるやなんて・・・) 」

「・・・・・!? 」


「(えっ(;゚Д゚)!な、なに?その顔・・・ )」

孝くんはなぜか傷ついた顔になった気がする。 

 「酔い冷めたわ!お前のせいで!!(って言うか、お前のことを見とってぶたれたやなんて口が裂けても言えやんやん) 」
「・・・・・・・」

しばらく沈黙が続く。 

「・・・・・・(な、なんで?なんでそんな顔するん?なにか変な事言うた?) 」

 「・・・・(・・・・なんでだまるんや!なんで泣きそうな顔してるんや) 」

 「(これじゃあ、まるで俺が嫉妬してるみたいやんか!! )」

⤴2人の心のモヤモヤタイム。まさか心の中で同じことを思っとるやなんて 

「ほ、ほなおやすみ! 」

俺はそれだけ言うと部屋に入った。 

 「お、おう・・・ 」

かく言う俺も部屋に入った。 

(な、なんでなん? )

なぜか胸が痛いんや。
孝くんとはこんな会話しか出来やんなんて・・・。

そんなの・・・・そんなの・・・・



耐えられやん。



だけどその気持ちがなんなのか気がつくのはもう少し先のこと。




そう思てたんやけど。





そんなことがあってからの数日・・・・
俺は朝、孝くんと顔があわせづらくて、少しだけ距離をおこうとしていた。


そんなある日のこと・・・ 
「はい、ここでターン!そしてここでステップ!
はい、歌! 」

 「・・・🎵🎶💦💦🎶 」

「少しテンポおくれてるよ?大山くん、どうした? 」

 「・・・・すいません・・・ 」

「・・・・・ 」
孝くんにじっと見られてる。


 「どうしたんやろ・・・ 」

 「・・・・・ 」

「・・・・・ 」

 「・・・・・ 」

「・・・・・ 」

みんなは黙ってしまっている。


「すいません、少し休憩していいですか? 」

「はい、10分休憩。気合い入れていくよ? 」


「(/◎\)ゴクゴクッ・・・」

水を一気飲みする和。 

そんな一気飲みして大丈夫か?
  




 「和、どうしたん?いつものキレがないよ?落ち着いて?」

 「心、ここに在らずって感じやね・・・ 」

 「なんか悩んでるんかな・・・ 」

心配してくれる最年少2人。


「みんな、ごめんな? 」

こんなときにみんなの心配するやなんて。 

「バイトきついんやないですか?結構シフト入ってくれてるって聞きましたけど・・・ 」

「いや、それは大丈夫 」

「もう、無茶はしちゃダメですよ? 」

 「ありがとう 」

みんな、心配してくれて嬉しい。



だが、その会話を黙って聞いていた孝くんが 

「大山!! 」

と、急に大きな声を出した。 
そして和の前に行き・・・
「えっΣ(゚д゚;) 」

みんなは驚いている。


「孝くん? 」

「お前、たるんどるぞ! (ほんまはこんな言い方したくないのに・・・・)少しは周りの迷惑考えろや」

 「ちょっ・・孝くん、言い過ぎ・・・!(ってかビックリした) 」

「分かっとるよ!わかっとるんや! 」

「いや、わかってない! 」

「や、やめてよ、ケンカは! 」

なぜか孝くんと俺だけ心のすれ違いが起きてしまい、この後も上手くいかずにその日の練習は終わりとなった。

今までこんなことなかったのに・・・・。

やっぱり、俺たち・・・・ 。

 「・・・・・・ 」

 「・・・・・・ 」

今までならすぐ仲直りとかできたのに。 

いつも通り2人きりだが、無言で帰宅した俺たち。
なんやかんや一緒には帰ってきたけれど、目を合わすことはしなかった。 

「・・・・大山、頭冷やしてから明日また来いよ? (言いすぎたかな)」

「・・・・ん、分かった 」

孝くんの顔を見ずに答えた。 



大山はこっちを向かずに俯いたままそう答えた。
俺はいたたまれなくなり、 

「なぁ?なんか怒ってる?俺に怒っとるんやろ?なんか言えや 」


「別に怒ってへんし? 」

 「じゃあ、なんでこっち見やんのや!! おこっとるやろ?その態度! 人と話す時はこっちを見て・・・」

 「・・・・ 」

こっちを向かないあいつに、

「こっち向けや! 」

俺は、大山の顔を無理やりこっちに向けた。
 
そしたらあいつは・・・ 
「😭😭😭😭😭😭 」

「えっ・・・・・・・!? 」

大粒の涙を流していた。 

 「な、なんで泣いてるんや! 」

なんで?俺なんかしたか?

 「(俺がさっき怒ったからか?それとも・・・) 」

「わからん! 」

「わからんって・・・・ 」

「わからんけど、涙が出てくるんや!ほっといてや! 」

そう言うと、

バン

部屋に入ってしもたんや。 

「(あー、またやってしもた) 」

俺は、あいつの笑った顔ちゃんと見た事ない気がする。

大や、ほかのメンバーに見せるあの笑顔・・・・
あの時に見せてくれた笑顔を俺にもたまには見せてほしいのに・・・・。


「なんであいつの前やと素直になれやんのやろ・・・・ 」

この気持ちがなんなんのか彼が気づき出すのももう少し先のこと。 

和樹目線

 「(なんでやろ。なんで涙が止まらんのやろ・・・) 」

きっと、孝くんが怒るんは俺が孝くんを困らせてばかりいるからや。

けど・・・・今、気づいてしもた。

「俺は、孝くんが好きなんや・・・・ 」

この涙の意味がやっとわかった。

これが、好きって気持ちなん?

孝くんが女の子と楽しそうに歩いているのを見てからずっとモヤモヤしてたんや。

時々怒る顔も、時々見せるデレなところもほんまは優しいところも・・・・ 。

「 (全部、俺にしか見せてほしくない・・・ )」

そう思い始めていることに・・・。 

そう気が付いた瞬間、俺はまた涙がとまらんかった。 

 「(明日・・・・いや、これからどうやって孝くんと顔合わせればええんやろ・・・・) 」

そればかり考えて、眠れずにいたんや。 

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