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第30話
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一樹さんは、見て驚いていた。
「あれ?なんか人多いなぁー。って言うか観光地になってるじゃん」
そこは、まばらだが観光客がちらほらいる。
「いつの間にか、こんな場所になっていたんだ。あれ?莉佐はまだ、来てないのかな?」
少しウロウロする一樹さん。
やっと、ここへ来れた気がする。
そして
「うわぁーすげぇ。今年は咲いたんだ」
気まぐれな桜は、咲いている。
「どう?上手くいった?」
と、正也さんは、なぜか西田さんたちと合流。
なにか作戦があったのか?
「それがねぇ、予想外のことが起きるかも」
「えっ?どういうこと?」
「・・・・正也さん!あれ見て!!」
東さんが指を指した方向に、ちょうど一樹さんと、莉佐さんがいる。
「莉佐?どこにいるだ?」
本人たちはまだ会えていないみたいだが・・・・
「・・・・・・」
莉佐さんは、桜を見あげて泣いていた。
そこへ、一樹さんがやってきて。
「・・・・・一樹?」
「!」
一樹さんに、自然に話しかけている。
「えっ?莉佐・・・・いま」
「一樹・・・どうしてここに?」
ちょっと待っていま、確かに僕の名前を・・・・
「莉佐、今僕のこと一樹って言った?」
「何言ってるの?」
「莉佐!莉佐なのか?」
僕は思わず莉佐を抱きしめた。
聞き間違いじゃないよな?
記憶戻ったんだよな?
「何言ってんの!当たり前じゃない」
莉佐さんは、自分が記憶をなくしたことまで忘れたみたいだけど?
「莉佐!!」
そんなの構わない!莉佐が戻ってきたなら・・・
「なぁに?」
莉佐は、僕が抱きしめたのを受け止めてくれて・・・・
「おかえりなさい!」
「ただいま、一樹!」
そう、莉佐が言った途端・・・・・
ザワっ
また、桜がざわついた。
すると、桜が一気に咲いた?
えっ?なにこの現象。
「よかったですね・・。って言うかすごく不思議」
東さんは、呟いた。
「あぁ、そうだな」
「うわぁー!!すごーい」
「こら!宏人!」
とその声に
「えっ?」
「えっ?みんなどうして・・・・」
2人だけの世界だったのに・・・・・。
「いや、あのさ・・・じつは・・・」
と、正也さんが説明しようとしたが
「すごい!すごーい!桜が一気に咲いたァ」
よっぽど驚いて嬉しいのかはしゃぐ宏人。
「いやさ、この桜が咲くか咲かないかわからなかったから、桜吹雪でも散らそうかと思ってさ。
宏人が見たいし、手伝いたいって言うから・・・別行動する作戦立てて・・・・」
「そうだったんだ」
「ところが、散らさなくても咲いていたんです。そしていまさっきあんな現象起きるし・・・」
「もしかしたら、すぐそこに・・・《宏人》がいるのかもよ?みんなの様子を見に来た宏人が」
「宏人さんが?」
「それなら、納得だな」
「そうだよな?宏人・・・」
西田さんが、優しく桜に話しかけると・・・・
・・・・・・
ふわりと【そうだよ!みんなに会いにきたよ】
と、答えてくれている気がした。
そして、
「良かったな!一樹。オレらは先に帰るから、ふたりでゆっくりしろよ?じゃあな!」
「みんな、ありがとう」
「バイバイ」
みんなは、手を振ってくれた。
そして、みんなと別れたあと、改めて桜並木をふたりで歩いた。
「ねぇ?一樹。カメラマン、やめたりしないよね?」
「莉佐が戻ってきたなら・・・、辞める理由が無くなった。だから、辞めないよ?だから、これからもよろしくな」
「うん!」
2人はようやく気持ちが通じあったみたいだ!
お幸せに!
「あれ?そう言えば榊さんは?東さん、誘わなかったの?」
「うん。色々忙しいみたいでさ」
「そっか。それにしても、良かったな。莉佐さんの記憶が戻って」
「そうだな。よかったな」
「そうだ。この前事故で運ばれた人のことなんだけど・・・・」
「えっ?」
「ついさっき、目を覚ましたって連絡入って」
「そっか、よかった」
「少しずつリハビリを続けたら、普通の生活にも戻れるらしい」
「そっか、それはよかった。いいこと続きだな」
そして
「みなさん、おかえりなさい」
和葉さんが迎えてくれた。
「うわぁすげぇ」
店を貸切にして、パーティを開こうとしている。
「あれ?一樹さんと、莉佐さんは?2人のお祝いをするつもりでいたんだけど・・・・」
「2人だけでゆっくり話がしたいってさ。あとで、来てくれると思うよ」
「わぁ!すごいご馳走だ」
東さんは、すごく喜んでる。
「ありがとな、なっちゃん」
「ふふっ、どういたしまして」
「あっ、ねぇ?どうして理子さんなのに、【なっちゃん】なの?」
と、和葉さんが聞く。
「あっ、そっか。結婚したからもうなっちゃんじゃないか・・・あれ?なんでだったっけ?」
「えっ?旦那さんの西田さんも知らないの?」
「いや、なんか忘れちゃった(笑)
えっと、確か・・・・」
「ふふっ。今だから話すけどあの頃は、【りこ】って名前がわりと多くて」
「そうだっけ?」
西田さん、自分の彼女も《りこ》さんだったじゃん。
「宏人ってば、さらっと、「じゃあ《りこ》は、夏木って苗字なんだから、《なっちゃん》でいいじゃん!」というふうに、さらりと決まってしまったのよ。」
「あはは・それは宏人らしいエピソードだ」
「そうだったな。みんながなっちゃんって言っていたから《なつみさん》かと思っていたんだ。そしたら、」
「夏木理子です」
「って言うから・・・・。
でも、里子と同じ名前と聞いてビックリだった。本当に。こうやってまた話せる日が来るとはね・・・」
「そうだったんですね」
「そうだ、本人たちいないけど先に乾杯しちゃう?」
「しちゃおうか(笑)」
「きっと2人はたくさん話しをしているでしょうから。」
そう、僕はその夜莉佐と2人きりで今までにないくらいずっと話していたんだ。
「《でね?不思議なことに桜が咲いたんですよー!!》」
《それは良かった》
榊さんは、さっきの出来事を東さんに聞いている。
「《榊さんにも見て欲しかったなぁー》」
《また、行きましょうよ。》
「《うん、そうだね》」
榊さんと、東さんが楽しそうに話しているその様子を、静かに見守る凛子さんだった。
「《そう言えば榊さん、この間はごめんなさい。》」
《えっ?》
「《あのメル友のこと・・・・》」
凛子ちゃんが聞いていないことを確かめて話し始めた。
《もういいんです。もう、メールはしませんから》
「《えっ?》」
嘘・・・・
《僕は、凛子さんと本気で付き合っていこうかと思っているんです。賛成してくれますか?》
「《・・・・も、もちろんです》」
ど、どうしよう。
《・・・・・・それはよかった。》
「・・・・・・」
《・・・・・・》
でもそんな僕の気持ちに、榊さんは本当は気づいていたんだ。
「あれ?なんか人多いなぁー。って言うか観光地になってるじゃん」
そこは、まばらだが観光客がちらほらいる。
「いつの間にか、こんな場所になっていたんだ。あれ?莉佐はまだ、来てないのかな?」
少しウロウロする一樹さん。
やっと、ここへ来れた気がする。
そして
「うわぁーすげぇ。今年は咲いたんだ」
気まぐれな桜は、咲いている。
「どう?上手くいった?」
と、正也さんは、なぜか西田さんたちと合流。
なにか作戦があったのか?
「それがねぇ、予想外のことが起きるかも」
「えっ?どういうこと?」
「・・・・正也さん!あれ見て!!」
東さんが指を指した方向に、ちょうど一樹さんと、莉佐さんがいる。
「莉佐?どこにいるだ?」
本人たちはまだ会えていないみたいだが・・・・
「・・・・・・」
莉佐さんは、桜を見あげて泣いていた。
そこへ、一樹さんがやってきて。
「・・・・・一樹?」
「!」
一樹さんに、自然に話しかけている。
「えっ?莉佐・・・・いま」
「一樹・・・どうしてここに?」
ちょっと待っていま、確かに僕の名前を・・・・
「莉佐、今僕のこと一樹って言った?」
「何言ってるの?」
「莉佐!莉佐なのか?」
僕は思わず莉佐を抱きしめた。
聞き間違いじゃないよな?
記憶戻ったんだよな?
「何言ってんの!当たり前じゃない」
莉佐さんは、自分が記憶をなくしたことまで忘れたみたいだけど?
「莉佐!!」
そんなの構わない!莉佐が戻ってきたなら・・・
「なぁに?」
莉佐は、僕が抱きしめたのを受け止めてくれて・・・・
「おかえりなさい!」
「ただいま、一樹!」
そう、莉佐が言った途端・・・・・
ザワっ
また、桜がざわついた。
すると、桜が一気に咲いた?
えっ?なにこの現象。
「よかったですね・・。って言うかすごく不思議」
東さんは、呟いた。
「あぁ、そうだな」
「うわぁー!!すごーい」
「こら!宏人!」
とその声に
「えっ?」
「えっ?みんなどうして・・・・」
2人だけの世界だったのに・・・・・。
「いや、あのさ・・・じつは・・・」
と、正也さんが説明しようとしたが
「すごい!すごーい!桜が一気に咲いたァ」
よっぽど驚いて嬉しいのかはしゃぐ宏人。
「いやさ、この桜が咲くか咲かないかわからなかったから、桜吹雪でも散らそうかと思ってさ。
宏人が見たいし、手伝いたいって言うから・・・別行動する作戦立てて・・・・」
「そうだったんだ」
「ところが、散らさなくても咲いていたんです。そしていまさっきあんな現象起きるし・・・」
「もしかしたら、すぐそこに・・・《宏人》がいるのかもよ?みんなの様子を見に来た宏人が」
「宏人さんが?」
「それなら、納得だな」
「そうだよな?宏人・・・」
西田さんが、優しく桜に話しかけると・・・・
・・・・・・
ふわりと【そうだよ!みんなに会いにきたよ】
と、答えてくれている気がした。
そして、
「良かったな!一樹。オレらは先に帰るから、ふたりでゆっくりしろよ?じゃあな!」
「みんな、ありがとう」
「バイバイ」
みんなは、手を振ってくれた。
そして、みんなと別れたあと、改めて桜並木をふたりで歩いた。
「ねぇ?一樹。カメラマン、やめたりしないよね?」
「莉佐が戻ってきたなら・・・、辞める理由が無くなった。だから、辞めないよ?だから、これからもよろしくな」
「うん!」
2人はようやく気持ちが通じあったみたいだ!
お幸せに!
「あれ?そう言えば榊さんは?東さん、誘わなかったの?」
「うん。色々忙しいみたいでさ」
「そっか。それにしても、良かったな。莉佐さんの記憶が戻って」
「そうだな。よかったな」
「そうだ。この前事故で運ばれた人のことなんだけど・・・・」
「えっ?」
「ついさっき、目を覚ましたって連絡入って」
「そっか、よかった」
「少しずつリハビリを続けたら、普通の生活にも戻れるらしい」
「そっか、それはよかった。いいこと続きだな」
そして
「みなさん、おかえりなさい」
和葉さんが迎えてくれた。
「うわぁすげぇ」
店を貸切にして、パーティを開こうとしている。
「あれ?一樹さんと、莉佐さんは?2人のお祝いをするつもりでいたんだけど・・・・」
「2人だけでゆっくり話がしたいってさ。あとで、来てくれると思うよ」
「わぁ!すごいご馳走だ」
東さんは、すごく喜んでる。
「ありがとな、なっちゃん」
「ふふっ、どういたしまして」
「あっ、ねぇ?どうして理子さんなのに、【なっちゃん】なの?」
と、和葉さんが聞く。
「あっ、そっか。結婚したからもうなっちゃんじゃないか・・・あれ?なんでだったっけ?」
「えっ?旦那さんの西田さんも知らないの?」
「いや、なんか忘れちゃった(笑)
えっと、確か・・・・」
「ふふっ。今だから話すけどあの頃は、【りこ】って名前がわりと多くて」
「そうだっけ?」
西田さん、自分の彼女も《りこ》さんだったじゃん。
「宏人ってば、さらっと、「じゃあ《りこ》は、夏木って苗字なんだから、《なっちゃん》でいいじゃん!」というふうに、さらりと決まってしまったのよ。」
「あはは・それは宏人らしいエピソードだ」
「そうだったな。みんながなっちゃんって言っていたから《なつみさん》かと思っていたんだ。そしたら、」
「夏木理子です」
「って言うから・・・・。
でも、里子と同じ名前と聞いてビックリだった。本当に。こうやってまた話せる日が来るとはね・・・」
「そうだったんですね」
「そうだ、本人たちいないけど先に乾杯しちゃう?」
「しちゃおうか(笑)」
「きっと2人はたくさん話しをしているでしょうから。」
そう、僕はその夜莉佐と2人きりで今までにないくらいずっと話していたんだ。
「《でね?不思議なことに桜が咲いたんですよー!!》」
《それは良かった》
榊さんは、さっきの出来事を東さんに聞いている。
「《榊さんにも見て欲しかったなぁー》」
《また、行きましょうよ。》
「《うん、そうだね》」
榊さんと、東さんが楽しそうに話しているその様子を、静かに見守る凛子さんだった。
「《そう言えば榊さん、この間はごめんなさい。》」
《えっ?》
「《あのメル友のこと・・・・》」
凛子ちゃんが聞いていないことを確かめて話し始めた。
《もういいんです。もう、メールはしませんから》
「《えっ?》」
嘘・・・・
《僕は、凛子さんと本気で付き合っていこうかと思っているんです。賛成してくれますか?》
「《・・・・も、もちろんです》」
ど、どうしよう。
《・・・・・・それはよかった。》
「・・・・・・」
《・・・・・・》
でもそんな僕の気持ちに、榊さんは本当は気づいていたんだ。
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