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第22話
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ある日、
「喜べ、一樹・・・。莉佐ちゃんが帰ってきたよ」
「えっ?嘘だろ・・・なんでお前が先に知ってるんだよ・・・。それに、任期は1年じゃなかったのかよ・・・」
事情を知らない彼は混乱している。
「お前やっぱり聞いてないのか?」
「やっぱりってなんだよ。なんかあったのか?」
「・・・・それが・・・。莉佐ちゃんが帰ってきたのは事故で怪我して・・・・」
「・・・・・!?」
事故?
怪我?
「頭を強く打っていて、記憶障害を起こしているかもしれないって・・・・言うんだよ」
「えっ?記憶障害・・・」
「医者は、空気も環境も慣れてる日本の方がい、体にはいいだろうって帰国させたらしいんだ」
「まてよ。誰かのことだけ覚えていないって、その誰かって誰だよ!」
「一樹、落ち着けって」
「落ち着いてられるかよ」
そんなの信じない!
「いいから、会ってやれよ。いま、みんなに挨拶に来ているらしいから」
「・・・・・・わかった」
でも、僕は不安だ。
「ただいまー、みんな」
そう、聞いたことある声が入ってきた。
「・・・・・莉佐」
3ヶ月ぶりに見るその姿は、変わらない。
「あっ・・・」
僕に気づき笑顔を見せる。
「・・・・久しぶり・・・・元気そうだな。」
と言ったのに・・・・
「あの?初めましてですよね?莉佐と言います」
と、僕に向かって笑顔で言う。
えっ?まさか・・・
「えっ?初めましてって」
「・・・・・・」
その姿を衛も、怜香さんも見ていて・・・・
「そっか・・・・。君が覚えてない《誰か》って、僕のことか・・・・」
「えっ?」
「・・・・初めまして。斉藤一樹といいます。でも僕は君とずーっとここで働いていたんですけどね」
「えっ?そうなんですか?」
戸惑う莉佐。
「一樹・・・・」
「ごめんなさい、わたし・・・・」
「別にいいよ?僕が来る前に戻っただけだよ。じゃあ、ぼくは仕事あるんで・・・・」
それだけ言うと、彼女の前から去ってきた。
「・・・・・・」
これ以上彼女になんて言うんだ。
「一樹先輩!」
「めぐみちゃん・・・。どうした?」
「頼まれていた資料です」
「わざわざ見つけてくれたの?」
「はい。だって、先輩それどころじゃなさそうに見えたから・・・・」
と、莉佐の方をみた。
「えっ?」
めぐみちゃんも知っていたのか?
「聞きましたよ?莉佐さんのこと・・・」
「えっ?はやっ・・・てっきり知っているのかと」
「先輩こそ・・・。えっ?まさか今日知ったんですか?」
「・・・・えっ?」
そしてそれはもうちょっと前にみんな知っている事だった。
「ここは、こうして・・・」
「衛!」
ぼくは、衛の机に向かい・・・
「斉藤くん・・・・」
怜香さんが見守る中・・・・
「お前は知っていたのか?莉佐が僕のことだけ忘れてるって知っててずーっと黙っていたのか?」
だから、この前あんな顔・・・・
「・・・・知ってたよ」
「なんで・・・・」
「いいたかったよ。ずーっとずーっと・・・・。けどお前、莉佐ちゃんに会うのすげぇ楽しみにしていて・・・・。そのためにいつも頑張っていて・・・・会いたい癖に我慢とかもして・・・・だから言えなかったんだ。怜香さんと付き合っているってことより言いづらかった・・・」
「・・・・衛・・・・」
「ごめん、一樹・・・・」
「衛・・・・僕はどうすればいいんだ。」
「えっ?」
「莉佐に言いたいこと沢山あるのに・・・😭何も言えないよ・・・・このままじゃ・・・・」
そして
「こんにちは・・・・」
莉佐が、きた。
「いらっしゃい、莉佐ちゃん。もう、終わったの?」
「あの・・・?昼間の彼は・・・・」
「斉藤くん?彼ならもう上がったわよ」
「そう・・・・でしたか・・・・」
「本当に何も覚えてないの?」
「・・・・・はい・・・」
「彼に会って、何も感じなかったの?懐かしいとか、嬉しいとか」
「・・・・今は何も・・・・」
「そう。あなたたち、仲良かったから」
「えっ?私と彼が?」
「・・・・知りたい?」
怜香さんが、試すように言う。
「・・・・・知りたいです。彼がどんな写真を撮る人なのか・・・・」
「・・・(そこね・・・・)」
まだまだ、知ってもらわなくちゃならないわね・・・。
怜香さんは、密かに思った。
「笑って!」
パシャ
「一樹さん、どうしたの?急に・・・」
「気にしないでください。宏人に会いたくなっただけだから」
「・・・・・・」
「わーい!!」
パシャ
パシャ
いつも通りに見えるけど・・・・
「(なんかあったのかな・・・・?)」
「・・・・・」
「ごめんね?急にお邪魔しちゃって」
と、帰り際。
「ううん。また来てよ。宏人、喜んでいたしね
」
「じゃあ、また」
「気をつけて・・・・」
だけど、その背中が寂しそうに見えた。
「莉佐さん!」
そのころ、悟さんは莉佐さんに近づき・・・
「あっ・・・・」
怜香さんは戸惑っている。
「悟さん・・・・」
「ダメじゃないですか。急にいなくなるなんて・・・・」
「ごめんなさい」
「どうして悟さんまできたの?」
「あ、あの・・・・・私たち」
「俺たち、付き合っているんです!」
と、堂々と宣言。
「えっ?」
驚く怜香さんと
「・・・・・・」
聞いていためぐみちゃん。
「結婚を、前提にお付き合いしてます」
「悟さん!」
「・・・・・本気なの?というか本当なの?」
「わたしはまだ、そんなつもりは・・・・」
莉佐は、困っている。
「俺は本気なんです。初めて会った時から」
真剣な顔をする悟さん。
「今は彼女を愛しています」
「・・・・・・」
そんな宣言されていたなんて・・・・知らなかった。
「そ、そう・・・・」
怜香さんも答えに困ってる。
「・・・・・・・」
めぐみちゃんはその場から走り去った。
みんな、彼女には気づいてないみたいだ。
「莉佐ちゃんは、斉藤くんのこと・・・・・ちゃんと思い出してあげてね?」
「・・・・・」
「あなたには思い出してほしいの。」
「・・・・・」
じゃないと彼・・・・・
斉藤くんの心が壊れてしまいそうだから・・・・・。
そして、ぼくは正也の店に来ていて・・・
いや、まだオープン前の店なんだけど・・・・。
「おかわり!!」
僕ははやけ酒をしていた。
「ちょっと!正也!飲みすぎだ」
「いいだろ?たまには!!」
と、ぐいっと飲み干した。
飲まずにはいれねぇんだよ!
「あの!お水です」
と、水を置いてくれた和葉さん。
「はぁー、俺、悔しいよ・・・・・」
俺って・・・
「一樹・・・・」
正也さんも、和葉さんも戸惑っている。
一樹さんがこんなに荒れている原因がわからないから。
「莉佐に会ったら・・・・帰ってきたら?1番大切なことを言おうって、決めていたのに・・・・・」
「・・・・一樹・・・」
一体何があったんだ?
「・・・・・莉佐さん・・・・」
帰り道・・・・立ち止まって莉佐さんに何かを言おうとしている悟さん。
「えっ?」
「・・・・なんでもないです」
彼女がこうなってしまったのは・・・・・・
あの時、莉佐さんは・・・・
「一樹!」
あの盲目のカズキくんと、あいつ・・・・幼なじみの一樹さんを重ねたんだ。
そして一緒に階段から落ちて・・・・・
彼女には、このまま彼を忘れたままでいてほしい・・・・。
不謹慎だけどそう思ってしまっている自分がいる。
そうすれば、彼女の気持ちは・・・・・・
先を歩く莉佐さんを見ながら悟さんは歩いていた。
そして・・
「めぐみちゃん?」
1人で泣いていためぐみちゃんの前に1人の男性が近づいていた。
「住田くん・・・・・」
「なんで、泣いているの?」
彼女と同僚の住田拓海だった。
「星、綺麗だね・・・・」
彼女は、涙を隠そうとした。
だが、
「僕の前では強がらなくていいから・・・・」
彼は、めぐみちゃんを後ろから優しく抱きしめ・・・・
「めぐみちゃんにはとっくに振られているけど・・・相談相手にはなりたいって思ってる
」
「思いが伝わらないのって、疲れるね」
彼女は、彼に本音を漏らした。
「・・・・・」
「ねぇ?住田くん・・・わたし、もうやだよ・・・。」
「めぐみちゃん・・・・」
「もう、届かないのかな・・・・・」
すると、かれは優しくめぐみちゃんの手を握り・・・
「大丈夫。きっと届く」
「・・・・・住田くん・・・・・」
「届くよ、きっと」
思いは、いつかきっと届くから。
信じていればきっと・・・・・
「喜べ、一樹・・・。莉佐ちゃんが帰ってきたよ」
「えっ?嘘だろ・・・なんでお前が先に知ってるんだよ・・・。それに、任期は1年じゃなかったのかよ・・・」
事情を知らない彼は混乱している。
「お前やっぱり聞いてないのか?」
「やっぱりってなんだよ。なんかあったのか?」
「・・・・それが・・・。莉佐ちゃんが帰ってきたのは事故で怪我して・・・・」
「・・・・・!?」
事故?
怪我?
「頭を強く打っていて、記憶障害を起こしているかもしれないって・・・・言うんだよ」
「えっ?記憶障害・・・」
「医者は、空気も環境も慣れてる日本の方がい、体にはいいだろうって帰国させたらしいんだ」
「まてよ。誰かのことだけ覚えていないって、その誰かって誰だよ!」
「一樹、落ち着けって」
「落ち着いてられるかよ」
そんなの信じない!
「いいから、会ってやれよ。いま、みんなに挨拶に来ているらしいから」
「・・・・・・わかった」
でも、僕は不安だ。
「ただいまー、みんな」
そう、聞いたことある声が入ってきた。
「・・・・・莉佐」
3ヶ月ぶりに見るその姿は、変わらない。
「あっ・・・」
僕に気づき笑顔を見せる。
「・・・・久しぶり・・・・元気そうだな。」
と言ったのに・・・・
「あの?初めましてですよね?莉佐と言います」
と、僕に向かって笑顔で言う。
えっ?まさか・・・
「えっ?初めましてって」
「・・・・・・」
その姿を衛も、怜香さんも見ていて・・・・
「そっか・・・・。君が覚えてない《誰か》って、僕のことか・・・・」
「えっ?」
「・・・・初めまして。斉藤一樹といいます。でも僕は君とずーっとここで働いていたんですけどね」
「えっ?そうなんですか?」
戸惑う莉佐。
「一樹・・・・」
「ごめんなさい、わたし・・・・」
「別にいいよ?僕が来る前に戻っただけだよ。じゃあ、ぼくは仕事あるんで・・・・」
それだけ言うと、彼女の前から去ってきた。
「・・・・・・」
これ以上彼女になんて言うんだ。
「一樹先輩!」
「めぐみちゃん・・・。どうした?」
「頼まれていた資料です」
「わざわざ見つけてくれたの?」
「はい。だって、先輩それどころじゃなさそうに見えたから・・・・」
と、莉佐の方をみた。
「えっ?」
めぐみちゃんも知っていたのか?
「聞きましたよ?莉佐さんのこと・・・」
「えっ?はやっ・・・てっきり知っているのかと」
「先輩こそ・・・。えっ?まさか今日知ったんですか?」
「・・・・えっ?」
そしてそれはもうちょっと前にみんな知っている事だった。
「ここは、こうして・・・」
「衛!」
ぼくは、衛の机に向かい・・・
「斉藤くん・・・・」
怜香さんが見守る中・・・・
「お前は知っていたのか?莉佐が僕のことだけ忘れてるって知っててずーっと黙っていたのか?」
だから、この前あんな顔・・・・
「・・・・知ってたよ」
「なんで・・・・」
「いいたかったよ。ずーっとずーっと・・・・。けどお前、莉佐ちゃんに会うのすげぇ楽しみにしていて・・・・。そのためにいつも頑張っていて・・・・会いたい癖に我慢とかもして・・・・だから言えなかったんだ。怜香さんと付き合っているってことより言いづらかった・・・」
「・・・・衛・・・・」
「ごめん、一樹・・・・」
「衛・・・・僕はどうすればいいんだ。」
「えっ?」
「莉佐に言いたいこと沢山あるのに・・・😭何も言えないよ・・・・このままじゃ・・・・」
そして
「こんにちは・・・・」
莉佐が、きた。
「いらっしゃい、莉佐ちゃん。もう、終わったの?」
「あの・・・?昼間の彼は・・・・」
「斉藤くん?彼ならもう上がったわよ」
「そう・・・・でしたか・・・・」
「本当に何も覚えてないの?」
「・・・・・はい・・・」
「彼に会って、何も感じなかったの?懐かしいとか、嬉しいとか」
「・・・・今は何も・・・・」
「そう。あなたたち、仲良かったから」
「えっ?私と彼が?」
「・・・・知りたい?」
怜香さんが、試すように言う。
「・・・・・知りたいです。彼がどんな写真を撮る人なのか・・・・」
「・・・(そこね・・・・)」
まだまだ、知ってもらわなくちゃならないわね・・・。
怜香さんは、密かに思った。
「笑って!」
パシャ
「一樹さん、どうしたの?急に・・・」
「気にしないでください。宏人に会いたくなっただけだから」
「・・・・・・」
「わーい!!」
パシャ
パシャ
いつも通りに見えるけど・・・・
「(なんかあったのかな・・・・?)」
「・・・・・」
「ごめんね?急にお邪魔しちゃって」
と、帰り際。
「ううん。また来てよ。宏人、喜んでいたしね
」
「じゃあ、また」
「気をつけて・・・・」
だけど、その背中が寂しそうに見えた。
「莉佐さん!」
そのころ、悟さんは莉佐さんに近づき・・・
「あっ・・・・」
怜香さんは戸惑っている。
「悟さん・・・・」
「ダメじゃないですか。急にいなくなるなんて・・・・」
「ごめんなさい」
「どうして悟さんまできたの?」
「あ、あの・・・・・私たち」
「俺たち、付き合っているんです!」
と、堂々と宣言。
「えっ?」
驚く怜香さんと
「・・・・・・」
聞いていためぐみちゃん。
「結婚を、前提にお付き合いしてます」
「悟さん!」
「・・・・・本気なの?というか本当なの?」
「わたしはまだ、そんなつもりは・・・・」
莉佐は、困っている。
「俺は本気なんです。初めて会った時から」
真剣な顔をする悟さん。
「今は彼女を愛しています」
「・・・・・・」
そんな宣言されていたなんて・・・・知らなかった。
「そ、そう・・・・」
怜香さんも答えに困ってる。
「・・・・・・・」
めぐみちゃんはその場から走り去った。
みんな、彼女には気づいてないみたいだ。
「莉佐ちゃんは、斉藤くんのこと・・・・・ちゃんと思い出してあげてね?」
「・・・・・」
「あなたには思い出してほしいの。」
「・・・・・」
じゃないと彼・・・・・
斉藤くんの心が壊れてしまいそうだから・・・・・。
そして、ぼくは正也の店に来ていて・・・
いや、まだオープン前の店なんだけど・・・・。
「おかわり!!」
僕ははやけ酒をしていた。
「ちょっと!正也!飲みすぎだ」
「いいだろ?たまには!!」
と、ぐいっと飲み干した。
飲まずにはいれねぇんだよ!
「あの!お水です」
と、水を置いてくれた和葉さん。
「はぁー、俺、悔しいよ・・・・・」
俺って・・・
「一樹・・・・」
正也さんも、和葉さんも戸惑っている。
一樹さんがこんなに荒れている原因がわからないから。
「莉佐に会ったら・・・・帰ってきたら?1番大切なことを言おうって、決めていたのに・・・・・」
「・・・・一樹・・・」
一体何があったんだ?
「・・・・・莉佐さん・・・・」
帰り道・・・・立ち止まって莉佐さんに何かを言おうとしている悟さん。
「えっ?」
「・・・・なんでもないです」
彼女がこうなってしまったのは・・・・・・
あの時、莉佐さんは・・・・
「一樹!」
あの盲目のカズキくんと、あいつ・・・・幼なじみの一樹さんを重ねたんだ。
そして一緒に階段から落ちて・・・・・
彼女には、このまま彼を忘れたままでいてほしい・・・・。
不謹慎だけどそう思ってしまっている自分がいる。
そうすれば、彼女の気持ちは・・・・・・
先を歩く莉佐さんを見ながら悟さんは歩いていた。
そして・・
「めぐみちゃん?」
1人で泣いていためぐみちゃんの前に1人の男性が近づいていた。
「住田くん・・・・・」
「なんで、泣いているの?」
彼女と同僚の住田拓海だった。
「星、綺麗だね・・・・」
彼女は、涙を隠そうとした。
だが、
「僕の前では強がらなくていいから・・・・」
彼は、めぐみちゃんを後ろから優しく抱きしめ・・・・
「めぐみちゃんにはとっくに振られているけど・・・相談相手にはなりたいって思ってる
」
「思いが伝わらないのって、疲れるね」
彼女は、彼に本音を漏らした。
「・・・・・」
「ねぇ?住田くん・・・わたし、もうやだよ・・・。」
「めぐみちゃん・・・・」
「もう、届かないのかな・・・・・」
すると、かれは優しくめぐみちゃんの手を握り・・・
「大丈夫。きっと届く」
「・・・・・住田くん・・・・・」
「届くよ、きっと」
思いは、いつかきっと届くから。
信じていればきっと・・・・・
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