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友達をつくります

初めての社交界2

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ホールでは料理が並べられ、招待客であるお父様の仕事の関係者やご友人たちが歓談を始めていた。
私はお父様とお母様の後ろを、お兄様にエスコートされて入場した。パールと、お兄様の侍従であるライムも一緒だ。
会場に入った途端、周りからため息の音が聞こえ、強い視線を感じた。私何かしたっけ、とお兄様を見て、察する。この美形お兄様は、社交界だから正装をしていて、それはそれはキラキラなのだ。しかも幼い私をエスコートして、慈愛の微笑みを浮かべている。女の子たちが惚れるのも頷ける。
そしてかく言う私も美少女だった。ドレス着用だし。見渡すと、前世の同級生より貴族の令嬢の方が可愛いけれど、その中でも私は段違いに可愛いことが分かる。
男の子たちから熱烈な視線を向けられることに慣れなくて、思わずお兄様の手をぎゅっとしてしまう。お兄様は少し驚いたあと、ふわっと笑って、「大丈夫」と小声で囁いた。周りの令嬢たちから黄色い歓声が漏れるのが聞こえる。私は恥ずかしくなって、俯いてしまった。

「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。」
お父様が挨拶を始める。お父様の挨拶が終われば私の番だ。うぅ、緊張する。大丈夫、大丈夫。いっぱい練習したんだから。
「お初お目にかかります。アメリア・マリーシュと申します」
挨拶の言葉を口にしながら礼をする。会場の人々から暖かな声援が送られた。
挨拶が終わると身分の高い人から順番に挨拶に来た。中には私のことを褒めてくれる人や、私と同世代の子供を紹介してくれる人もいた。
「素敵なお嬢様ですね。今度ぜひうちの屋敷に……」
という声がかかる度に、お父様の表情が険しくなっている気がする。そして心なしかお兄様の表情も少し陰っている気がする。お母様は微笑ましいものを見る目で見守っているけれど。
あ、そうか、この世界では六歳でもう婚約話が出てくるんだ。だからお父様とお兄様はこんなに嫌そうにしているのね。
結婚、かぁ。前世ではアイドルになるために男性とはあまり関わってこなかったから、恋愛とは無縁だったんだよね。強いて言うならアニメや漫画のキャラクター。王子様みたいなキラキラした紳士が好きだ。まぁそんな人、現実にはいなかったんだけど。
でもこの世界では、本物の王子様もいるし、貴族だから正真正銘の紳士だし、レディーファーストだし、もしかしたら物語みたいな恋ができるかもしれない。なにそれ、テンション上がってきた。私は美少女だし、公爵令嬢だし、選びたい放題では?あー、でも恋愛結婚したいなぁ。私を大事にしてくれる人がいい。貴族は政略結婚が多いしなぁ……
お父様とお母様はどうやって知り合ったんだろう。あとで聞いてみよう。
そんなことを考えているうちに、パーティーは終わってしまった。
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