86 / 173
3*
33
しおりを挟む
「ほう…では検討ついているものはいないという事だね。ふむこれでは困ったな。精霊眼を持つ者で、精霊の愛子である我が息子を殺した者をどうにかせねばならないからな」
あのハイエルフは今目の前にいるハイエルフの息子だったんだ。
でも僕が死ぬ前に精霊によって精霊眼を盗られた事を言えばなんて反応するんだろう。
そんな好奇心がむくむくと膨れ上がってくる。
『ねゔぃれんとをころそうとしたやつからとったもーん!』
『えるふばかばっかー!』
『くすくす』
精霊たちが各々楽しそうに言葉を紡いでいる。
精霊によって好奇心が余計に膨れ上がってくる。
言っちゃおっかなってなった時にラグザンドに手で口を塞がれた。
わくわくしているのがバレたのだろうか?
手を離してもらおうと思ったけど、簡単に外れなくて直ぐに力尽きた。
「何をしているのだ。私達は話をしているのだが?」
「あのハイエルフを殺したのは私だ。愛おしいネヴィを殺そうとしたのだから、殺されても文句はないだろう?」
ラグザンドからとんでもない言葉が飛び出した。
あのハイエルフを殺したのがまだ成年を迎えてないラグザンドが殺したの?
ありえないでしょ。
精霊眼を持っているからとはいえ、自身で身を守る術を叩き込まれるから相当な実力の持ち主になるという筈なのに…
そのハイエルフを殺したと?
「日の下を歩く者が何故我が息子に手を掛ける必要があったのだ?その様な能力を持っている吸血鬼であれば退ける事も簡単だったろう?」
「殺そうとしたのであれば、殺されても文句はないと先程も伝えただろう?耄碌でもしているのか?」
ラグザンドそんなどっ直球に聞くのはダメだよ!
それを止める為に口を塞いでいる手を叩いているけど、全く外れそうになくて再度外そうと頑張るけど全く外れそうにない。
「舐め腐っているのか?吸血鬼如きが」
すごい怒っているんだけど。
なんとか脱却できる話がないかと考えて、一つ不審に思っていた事を思い出した。
悪いと思いつつラグザンドの手を噛むと、痛かったのかパッと手を僕の口から話した。
「怒られる前に一つ。何故私が魔法にて飛ばされた場所だけを徹底的にハイエルフの方と、エルフの方が探していらっしゃるのでしょうか?そのご説明を頂きたいのですが?」
そう、僕のいる所だけを探しているのは何故なんだろうと思っていたのだ。
学院の森はかなり広いけど、エルフが住んでいる森とはまた違う森になる。
だからエルフと会う事自体がおかしいのだ。
「話が違うだろう?」
「何がお話が違うのでしょうか?学院が所持している森にはエルフが住んでいられる場所はないと認識しておりますが?まずその場所にハイエルフの方々がいらっしゃらなければ起こらない出来事ではなかったのでしょうか?」
「それは…」
何かやましい事でも隠しているのだろうか。
エルフの方は何も知らないようで僕たちの状況にオロオロしている。
ラグザンドは僕に噛まれた事に驚きすぎていて未だに固まっている。
「ああ、もしかして…精霊眼を持つ僕を殺す為の算段を立てていらっしゃったのですか?」
その言葉にハイエルフの表情がもっと崩れた。
この表情に僕は先程言った言葉が間違いじゃない事に項垂れてしまった。
なんなんだ。
エルフ以外の存在が、例えハーフエルフでも精霊眼を持っているのがそんなに嫌なのか。
たかが、精霊眼を持っているだけで殺す程のことなのか。
何をもってしてエルフが高貴だと思っているんだ。
「くだらない」
ああ、本当にくだらない。
「エルフがなんなんだよ!たかが種族の違いだろう!高貴な存在なわけがないだろう!殺されそうになるぐらいなら精霊眼要らなかった!!」
本心だ。
殺されそうになるぐらいなら精霊眼なんか欲しくなかった。
愛し子という称号なんかも要らなかった。
ただ僕は平凡に生きたかっただけなんだ。
ぼろぼろと流れる涙は簡単に抑えられない。
「ふざけるな!人の命を!今まで殺してきた精霊眼を持っていた人の命を!なんだと思っているんだ!」
そんな言葉を叫んでもハイエルフにも、エルフにも響かないんだろう。
『ねゔぃれんとおこってるー!』
『いたずらしよー!』
精霊達が各々ふざけ始めたけど、僕は止める気がサラサラ起きない。
好き勝手に遊び始めて特にハイエルフに悪戯を仕掛けている。
ハイエルフが逃げ惑っているけど、僕は一切止める気なんかない。
「精霊様何をなさっているのですか!?どうか気をお静めください!」
凄い勢いで叫んでるけど、精霊たちは止まる気配がない。
「勝手な精霊が止まるとでも?」
「お前に精霊の何がわかる!」
「精霊眼の持ち主だから全て聞こえてるし見えている。ああ、それと伝え忘れていましたが」
「なんなのだ!」
「貴方の息子さんの精霊眼は僕に攻撃したことによって精霊眼を奪われましたよ?生きていたとしても精霊眼を奪われたハイエルフがどう扱われるか見ものだったでしょうね?」
完全なトドメの一撃に、ハイエルフが崩れ落ちたけどザマァみろとしか思えなかった。
あのハイエルフは今目の前にいるハイエルフの息子だったんだ。
でも僕が死ぬ前に精霊によって精霊眼を盗られた事を言えばなんて反応するんだろう。
そんな好奇心がむくむくと膨れ上がってくる。
『ねゔぃれんとをころそうとしたやつからとったもーん!』
『えるふばかばっかー!』
『くすくす』
精霊たちが各々楽しそうに言葉を紡いでいる。
精霊によって好奇心が余計に膨れ上がってくる。
言っちゃおっかなってなった時にラグザンドに手で口を塞がれた。
わくわくしているのがバレたのだろうか?
手を離してもらおうと思ったけど、簡単に外れなくて直ぐに力尽きた。
「何をしているのだ。私達は話をしているのだが?」
「あのハイエルフを殺したのは私だ。愛おしいネヴィを殺そうとしたのだから、殺されても文句はないだろう?」
ラグザンドからとんでもない言葉が飛び出した。
あのハイエルフを殺したのがまだ成年を迎えてないラグザンドが殺したの?
ありえないでしょ。
精霊眼を持っているからとはいえ、自身で身を守る術を叩き込まれるから相当な実力の持ち主になるという筈なのに…
そのハイエルフを殺したと?
「日の下を歩く者が何故我が息子に手を掛ける必要があったのだ?その様な能力を持っている吸血鬼であれば退ける事も簡単だったろう?」
「殺そうとしたのであれば、殺されても文句はないと先程も伝えただろう?耄碌でもしているのか?」
ラグザンドそんなどっ直球に聞くのはダメだよ!
それを止める為に口を塞いでいる手を叩いているけど、全く外れそうになくて再度外そうと頑張るけど全く外れそうにない。
「舐め腐っているのか?吸血鬼如きが」
すごい怒っているんだけど。
なんとか脱却できる話がないかと考えて、一つ不審に思っていた事を思い出した。
悪いと思いつつラグザンドの手を噛むと、痛かったのかパッと手を僕の口から話した。
「怒られる前に一つ。何故私が魔法にて飛ばされた場所だけを徹底的にハイエルフの方と、エルフの方が探していらっしゃるのでしょうか?そのご説明を頂きたいのですが?」
そう、僕のいる所だけを探しているのは何故なんだろうと思っていたのだ。
学院の森はかなり広いけど、エルフが住んでいる森とはまた違う森になる。
だからエルフと会う事自体がおかしいのだ。
「話が違うだろう?」
「何がお話が違うのでしょうか?学院が所持している森にはエルフが住んでいられる場所はないと認識しておりますが?まずその場所にハイエルフの方々がいらっしゃらなければ起こらない出来事ではなかったのでしょうか?」
「それは…」
何かやましい事でも隠しているのだろうか。
エルフの方は何も知らないようで僕たちの状況にオロオロしている。
ラグザンドは僕に噛まれた事に驚きすぎていて未だに固まっている。
「ああ、もしかして…精霊眼を持つ僕を殺す為の算段を立てていらっしゃったのですか?」
その言葉にハイエルフの表情がもっと崩れた。
この表情に僕は先程言った言葉が間違いじゃない事に項垂れてしまった。
なんなんだ。
エルフ以外の存在が、例えハーフエルフでも精霊眼を持っているのがそんなに嫌なのか。
たかが、精霊眼を持っているだけで殺す程のことなのか。
何をもってしてエルフが高貴だと思っているんだ。
「くだらない」
ああ、本当にくだらない。
「エルフがなんなんだよ!たかが種族の違いだろう!高貴な存在なわけがないだろう!殺されそうになるぐらいなら精霊眼要らなかった!!」
本心だ。
殺されそうになるぐらいなら精霊眼なんか欲しくなかった。
愛し子という称号なんかも要らなかった。
ただ僕は平凡に生きたかっただけなんだ。
ぼろぼろと流れる涙は簡単に抑えられない。
「ふざけるな!人の命を!今まで殺してきた精霊眼を持っていた人の命を!なんだと思っているんだ!」
そんな言葉を叫んでもハイエルフにも、エルフにも響かないんだろう。
『ねゔぃれんとおこってるー!』
『いたずらしよー!』
精霊達が各々ふざけ始めたけど、僕は止める気がサラサラ起きない。
好き勝手に遊び始めて特にハイエルフに悪戯を仕掛けている。
ハイエルフが逃げ惑っているけど、僕は一切止める気なんかない。
「精霊様何をなさっているのですか!?どうか気をお静めください!」
凄い勢いで叫んでるけど、精霊たちは止まる気配がない。
「勝手な精霊が止まるとでも?」
「お前に精霊の何がわかる!」
「精霊眼の持ち主だから全て聞こえてるし見えている。ああ、それと伝え忘れていましたが」
「なんなのだ!」
「貴方の息子さんの精霊眼は僕に攻撃したことによって精霊眼を奪われましたよ?生きていたとしても精霊眼を奪われたハイエルフがどう扱われるか見ものだったでしょうね?」
完全なトドメの一撃に、ハイエルフが崩れ落ちたけどザマァみろとしか思えなかった。
187
お気に入りに追加
2,571
あなたにおすすめの小説
悪役令息に憑依したけど、別に処刑されても構いません
ちあ
BL
元受験生の俺は、「愛と光の魔法」というBLゲームの悪役令息シアン・シュドレーに憑依(?)してしまう。彼は、主人公殺人未遂で処刑される運命。
俺はそんな運命に立ち向かうでもなく、なるようになる精神で死を待つことを決める。
舞台は、魔法学園。
悪役としての務めを放棄し静かに余生を過ごしたい俺だが、謎の隣国の特待生イブリン・ヴァレントに気に入られる。
なんだかんだでゲームのシナリオに巻き込まれる俺は何度もイブリンに救われ…?
※旧タイトル『愛と死ね』
貧乏貴族の末っ子は、取り巻きのひとりをやめようと思う
まと
BL
色々と煩わしい為、そろそろ公爵家跡取りエルの取り巻きをこっそりやめようかなと一人立ちを決心するファヌ。
新たな出逢いやモテ道に期待を胸に膨らませ、ファヌは輝く学園生活をおくれるのか??!!
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
婚約破棄と言われても・・・
相沢京
BL
「ルークお前とは婚約破棄する!」
と、学園の卒業パーティーで男爵に絡まれた。
しかも、シャルルという奴を嫉んで虐めたとか、記憶にないんだけど・・
よくある婚約破棄の話ですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
***********************************************
誹謗中傷のコメントは却下させていただきます。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
悪役王子の取り巻きに転生したようですが、破滅は嫌なので全力で足掻いていたら、王子は思いのほか優秀だったようです
魚谷
BL
ジェレミーは自分が転生者であることを思い出す。
ここは、BLマンガ『誓いは星の如くきらめく』の中。
そしてジェレミーは物語の主人公カップルに手を出そうとして破滅する、悪役王子の取り巻き。
このままいけば、王子ともども断罪の未来が待っている。
前世の知識を活かし、破滅確定の未来を回避するため、奮闘する。
※微BL(手を握ったりするくらいで、キス描写はありません)
公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
転生したからチートしようと思ったら王子の婚約者になったんだけど
suzu
BL
主人公のセレステは6歳の時に、魔力および属性を調べるために行う儀式に参加していた王子の姿を見て、前世の記憶を思い出す。
そしてせっかくならチートしたい!という軽い気持ちで魔法の本を読み、見よう見まねで精霊を召喚したらまさかの精霊王が全員出てきてしまった…。
そんなにところに偶然居合わせしまった王子のライアン。
そこから仲良くなったと思ったら突然セレステを口説き始めるライアン?!
王子×公爵令息
一応R18あるかも
※設定読まないとわからなくなります(追加設定多々)
※ショタ×ショタから始まるので地雷の方は読まないでください。
※背後注意
※修正したくなったらひっそりとやっています
※主人公よく寝ます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる