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四人の中で少しだけ沈黙が流れた。
その後に大公殿下が口を開いた。

「ラグザンド…私達レギストス大公家は手を貸さないが、それでもお前はネヴィレントの為に行動をする事ができるか?」

「行動します。ネヴィレントを守れるのであれば、大公家から除籍されようとも守ります」

ラグザンドは大公殿下に向けて宣言した。
大公殿下がその宣言から少し時間が経ってから重く口を開いた。

「そうか…お前の決意はそこまで固いのなら好きにすると良い。ただツェーリア家に迷惑をかけてしまった場合は、全て己で対処するように」

「ありがとうございます父上。ネヴィ今日からずっとよろしくね」

嬉しそうに笑うラグザンドは昔の笑顔そのままだった。
ぎゅっと抱きしめられて、首元に顔を擦りつけられる。

髪の毛が凄いくすぐったくてふふって笑ってしまった。

「それではそろそろ帰る時間になったし、魔法陣のところまで一緒に行こうか」

お父様と大公殿下が席を立ち、僕たちの元に来た。

「ネヴィを少しだけ借りてもいいかい?」

「お義父様になられる方なので許可等いりません」

「はは、ネヴィが結婚をするのならは私の目が黒い内は許さないよ」

お父様とラグザンドの視線がバチバチとしている。
ラグザンドからお父様に移って抱っこされた。

小さい頃から抱っこされていたけど、この年になってからは年齢もあってお父様からの抱っこは拒否していた。
久々に抱っこされるとちょっと嬉しい。

「ネヴィも大きくなって少し重たくなったね。成長がゆっくりだからまだ小さな子供の気分だよ。こんなに大きくなるなんて…」

しみじみ言うお父様。
お父様僕これでもかなり大きくなりましたよ?

「大きくなるまで抱っこしてくださいね。お父様の抱っこ大好きですから」

「可愛い事を言ってくれるな。お母様を一緒に迎えに行こうな」

「はい!」

ぎゅっとお父様に抱きつくと、お父様の嬉しそうな笑い声が聞こえてくる。
お父様と二人で楽しく会話しながら、お母様の元に向かった。

お母様のところにレギストス大公夫人がいて二人でお茶会を開催していたみたい。
お茶会を中断させてしまったみたいで少し申し訳なかったけど、お見送りできない方が嫌だと言われてお父様が呼びに行くと提案してくれてよかった。

家族それぞれで会話を…と思ったけど、レギストス大公家一家は静寂を貫いている。
家族で会話とかそこまでしないのかな?

「ネヴィ今日からラグザンド殿にお世話になるけど、迷惑をかけないようにね?」

「あら、そのお話決まったのですね。ネヴィ嫌なことがあればはっきりと本人に伝えるのですよ?」

二人からの言葉に僕は頷くと、二人とも満足そうに頷いてくれた。
3人で今後の事について話していると、あっという間に学院直結の魔法陣の場所まで到着した。

お父様の元から降りようとしたけど、靴を履いてない事を思い出して降りることができなかった。
どうしようと思っていると、僕のそばにラグザンドが駆け寄ってきた。

「ネヴィをお預かりいたします」

「任せましたよラグザンド殿」

お父様からラグザンドに僕が受け渡され、すっぽりとラグザンドの腕の中に収まった。
お父様の絶対的な安心感とはまた違う安心感があった。

「ネヴィレント帰る前にこちらを返そう」

レギストス大公夫人の手にラグくんがいた。

「ラグくん!」

ラグくんを渡してもらってぎゅっとラグくんを抱きしめると、ふわふわになっていて少しへたっていた感じも無くなっていた。
ラグくんが新品同様になって帰ってきた。

「レギストス大公夫人ありがとうございます!」

「ラグザンドが勝手に持って帰ってきたと思ったら、綺麗にしてあげたいと言って全てラグザンドが修繕したんだ」

ラグくんを持って帰ったのはただ綺麗にする為?
ラグザンドの方に視線を向けようとすると、顔を強制的に胸元に押し付けられてみれない様にされた。

「ふ、そんな表情もできるのだな」

レギストス大公夫人の言葉が気になって仕方ない!

「僕も見たい」

見たいことを言ったけど、ラグザンドに押さえつけられたままで顔が全くみれない。
みんな見れてるのずるい!

「行ってまいります」

「僕も行ってきます。また時間がありましたら帰ってきますね!」

ラグザンドが急に出発の宣言をしたので、僕も続いて行ってきますの挨拶をした。

「体調に気をつけてね」

お母様の言葉を最後に僕達は学院に戻った。
管理人に出迎えられて、塔の外まで案内され扉を開けて貰うと外に憔悴しきったハルトがいた。
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