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届いたお菓子は最早芸術に見えた。
食べるのが憚れるけど、食べたいものだからパクッとマカロンを一口食べるとふわっと柔らかい甘みが広がった。
美味しくて、一口また一口と進めていくと手元にあったマカロンはいつの間にかなくなっていた。
お皿に乗っているマカロンは僕が食べたものを含めると4個。
1人二つだと考えると、さっきの勢いで食べてしまったのを後悔した。
マカロンはまた後で食べるとして、先に口の中をリセットするために紅茶を飲んだ。
キャンディという名前とは違って、普段飲んでいた紅茶よりとってもマイルドで飲みやすいものだった。
このキャンディっていう紅茶も美味しい。
お家に帰った時にもお父様とお母様にお話ししてみよう。
口の中がリセットされて次にクッキーを手に取った。
クッキーに何か練り込まれている。
どんな味がするのか楽しみに思って一口齧ると、オレンジのドライフルーツが練り込まれていた。
若干酸味の残ったオレンジと、クッキーの甘さが合わさってとても美味しく感じる。
しつこくない甘さでいくらでも食べれそうだ。
サクサク食べているとあっという間に減って、後数枚になってしまっていた。
ハルト様の分まで食べてしまったのではないかと慌てたけど、ハルト様は頬一杯にクッキーを詰め込んでいた。
リスみたいなことその姿に笑ってしまって、ハルト様に拗ねられてしまったけどその姿も可愛くてまた笑ってしまった。
グリグリと頭を擦り付けられるけど、それすらも可愛くてほわっとした気持ちがした。
「ザインハルト様とネヴィレント様はとても仲良しですわね。その仲睦まじい姿は羨ましいぐらいですわ」
レザリアにそう言われた途端パッとハルト様が僕から離れた。
ハルト様がしゅんとしていて、頭の上に垂れた犬耳が見える気がする。
「あらあら、そんなにしゅんとなされないでくださいまし。あまり逢瀬をされてしまいますと、他の生徒達には目に毒なのですわ」
レザリアの目が笑っていると表情が全く笑っているように見えない。
「あらあら、なんでそんな表情をしていらっしゃるんですの?」
お母様そっくりで怖いです!!
「レザリアだめだよ?寮に戻ったら一緒にお話ししよ?」
「アルフレッドがそう言うのならば仕方がないわね」
ツーンとした感じでいたけど、アルフレッドと2人きり?で話す機会を得て嬉しそうにしている。
レザリアから逃れられて助かったと思って、ハルト様の方を見るとまだ子犬の様にぷるぷると震えていた。
よっぽどレザリアの事が怖かったんだね。
ハルト様の頭を撫でると、はっと気がついて僕にまた甘え始めてきた。
ハクとヴェルベルトは2人で何やら談笑しており楽しそうにしている。
アゼルとクラウゼンはレザリアの標的にならないようにしながらいちゃついている姿が見えた。
いちゃついているというよりかはほぼクラウゼンの食事の介護に見えるけど、これが2人にとっては日常的であるし蜘蛛人のアゼルにとって給餌行動は愛情行動の一つだと言っていた。
多種多様なイチャコラと談笑を繰り広げながら、僕たちはカフェテリアの食事に舌鼓をうった。
「あのカフェテリアの食事は最高でしたわね。今後も利用したいと思いますが皆様はいかがでしょうか?」
「良いのではないでしょうか?品もありつつ、最高の食事をいただける場でもあるのですから、たまの憩いの場として有用だと思いますわ」
「右に同じく」
「私もここの食事を大変気に入りました。皆様とまたご一緒できればと存じます」
「僕もみんなとまた一緒に食べたいです」
「そうだね。次はテラス席で暖かい日差しの元で頂きたいね」
全員が賛同の言葉を述べ、みんなで集まって談笑または休憩をする時に利用する事が決定した。
このカフェテリア後に知ることになるのだが、実はSクラス且つ特待生枠のものしか利用できない場所であったそうだ。
それを知るのはかなり後の時であるが、この条件を誰も落ちることなく過ごせていたので問題にはならなかった。
食べるのが憚れるけど、食べたいものだからパクッとマカロンを一口食べるとふわっと柔らかい甘みが広がった。
美味しくて、一口また一口と進めていくと手元にあったマカロンはいつの間にかなくなっていた。
お皿に乗っているマカロンは僕が食べたものを含めると4個。
1人二つだと考えると、さっきの勢いで食べてしまったのを後悔した。
マカロンはまた後で食べるとして、先に口の中をリセットするために紅茶を飲んだ。
キャンディという名前とは違って、普段飲んでいた紅茶よりとってもマイルドで飲みやすいものだった。
このキャンディっていう紅茶も美味しい。
お家に帰った時にもお父様とお母様にお話ししてみよう。
口の中がリセットされて次にクッキーを手に取った。
クッキーに何か練り込まれている。
どんな味がするのか楽しみに思って一口齧ると、オレンジのドライフルーツが練り込まれていた。
若干酸味の残ったオレンジと、クッキーの甘さが合わさってとても美味しく感じる。
しつこくない甘さでいくらでも食べれそうだ。
サクサク食べているとあっという間に減って、後数枚になってしまっていた。
ハルト様の分まで食べてしまったのではないかと慌てたけど、ハルト様は頬一杯にクッキーを詰め込んでいた。
リスみたいなことその姿に笑ってしまって、ハルト様に拗ねられてしまったけどその姿も可愛くてまた笑ってしまった。
グリグリと頭を擦り付けられるけど、それすらも可愛くてほわっとした気持ちがした。
「ザインハルト様とネヴィレント様はとても仲良しですわね。その仲睦まじい姿は羨ましいぐらいですわ」
レザリアにそう言われた途端パッとハルト様が僕から離れた。
ハルト様がしゅんとしていて、頭の上に垂れた犬耳が見える気がする。
「あらあら、そんなにしゅんとなされないでくださいまし。あまり逢瀬をされてしまいますと、他の生徒達には目に毒なのですわ」
レザリアの目が笑っていると表情が全く笑っているように見えない。
「あらあら、なんでそんな表情をしていらっしゃるんですの?」
お母様そっくりで怖いです!!
「レザリアだめだよ?寮に戻ったら一緒にお話ししよ?」
「アルフレッドがそう言うのならば仕方がないわね」
ツーンとした感じでいたけど、アルフレッドと2人きり?で話す機会を得て嬉しそうにしている。
レザリアから逃れられて助かったと思って、ハルト様の方を見るとまだ子犬の様にぷるぷると震えていた。
よっぽどレザリアの事が怖かったんだね。
ハルト様の頭を撫でると、はっと気がついて僕にまた甘え始めてきた。
ハクとヴェルベルトは2人で何やら談笑しており楽しそうにしている。
アゼルとクラウゼンはレザリアの標的にならないようにしながらいちゃついている姿が見えた。
いちゃついているというよりかはほぼクラウゼンの食事の介護に見えるけど、これが2人にとっては日常的であるし蜘蛛人のアゼルにとって給餌行動は愛情行動の一つだと言っていた。
多種多様なイチャコラと談笑を繰り広げながら、僕たちはカフェテリアの食事に舌鼓をうった。
「あのカフェテリアの食事は最高でしたわね。今後も利用したいと思いますが皆様はいかがでしょうか?」
「良いのではないでしょうか?品もありつつ、最高の食事をいただける場でもあるのですから、たまの憩いの場として有用だと思いますわ」
「右に同じく」
「私もここの食事を大変気に入りました。皆様とまたご一緒できればと存じます」
「僕もみんなとまた一緒に食べたいです」
「そうだね。次はテラス席で暖かい日差しの元で頂きたいね」
全員が賛同の言葉を述べ、みんなで集まって談笑または休憩をする時に利用する事が決定した。
このカフェテリア後に知ることになるのだが、実はSクラス且つ特待生枠のものしか利用できない場所であったそうだ。
それを知るのはかなり後の時であるが、この条件を誰も落ちることなく過ごせていたので問題にはならなかった。
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