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「それで宰相様がここに来られた本当の内容は何でしょうか?令嬢の対処についてお話をしに来た訳ではないのでしょう?」
アデライトの発言に宰相はニコリと笑顔を見せた。
本題は別にあったのか。
「実は今回情報収集を行ったホロくんの褒賞が決まったことを伝えに参りました。褒賞を授ける為のパーティが一週間後に開かれる事になりました。そのパーティのパートナーを決めていただく必要がございます」
パーティのパートナーを決める?
「まだ学生の立場ではありますので、本来はパーティにパートナーなしで原則入ることが可能ではあります。ですが、今回ホロくんの褒賞の場でありますので、パートナーが必要になります」
私にはパートナーが必要になるのか。
母上は父上と一緒にいくだろうから、必然的にイディかアデライトがパートナーになろうだろうが、二人の事だ絶対に喧嘩するのは目に浮かぶ。
というよりかは既に目の前で勃発している。
「僕が弟して一緒にパートナーになるから、アデライト今回は辞退してね」
「何を言っているんだ。私はホロの婚約者なのだから、公的なパーティの場なら私がパートナーになるべきだろう?」
私は二人からそっと離れて宰相の近くに行った。
「宰相様」
「どうしたのですかホロくん」
「私のパートナーは宰相様の方で見繕えないでしょうか」
「申し訳ございませんが、あのお二人から見繕った方がよろしいかと思いますが?」
今だにどちらが私のパートナーになるか言い合いをしている。
二人が言い合いしても決まらないし、私が選べばどちらか片方は確実に拗ねる。
楽で尚且つ私にも負担がない方法を使うしかないか。
机の引き出しに用意されていた紙にあみだくじを書いていく。
母上に教えてもらった方法で、二人が喧嘩して選べない時はこれで決めたらいいと言っていた。
片方の終着点にはパートナーと書いて、もう片方の終点にはハズレと書いた。
2本の線の間に大量の線を引いて最後に文字を書いている場所が見えないように折りたたんだ。
「イディ、アデライトこっちに来い」
二人を呼び寄せてあみだくじに名前を書かせた。
「ホロこれは何?」
「母上から教わったものであみだくじというらしい。これでどちらが今回のパートナーにするか決める」
「こんな紙一枚で決める事ができるの?」
「問題なく決める事ができる。ただし二人に誓って欲しいのがある。どちらがパートナーとなっても喧嘩をしない事だ。喧嘩をすれば一ヶ月は口を聞かないからな」
「わかったよホロ」
「勿論そうするよ」
「それではくじを始める」
折っていた紙を広げてイディの名前の線を辿る。
辿り着いた先はハズレの文字。
その文字を見たイディは一気に泣きそうな表情に変わった。
逆にアデライトは嬉しそうに笑っている。
「無事決まりましたようなので、私はこちらで失礼致しますね」
宰相はこの状態から逃げ出す為か、部屋からそそくさと出ていった。
まあ、決まったからよしとするか。
アデライトの発言に宰相はニコリと笑顔を見せた。
本題は別にあったのか。
「実は今回情報収集を行ったホロくんの褒賞が決まったことを伝えに参りました。褒賞を授ける為のパーティが一週間後に開かれる事になりました。そのパーティのパートナーを決めていただく必要がございます」
パーティのパートナーを決める?
「まだ学生の立場ではありますので、本来はパーティにパートナーなしで原則入ることが可能ではあります。ですが、今回ホロくんの褒賞の場でありますので、パートナーが必要になります」
私にはパートナーが必要になるのか。
母上は父上と一緒にいくだろうから、必然的にイディかアデライトがパートナーになろうだろうが、二人の事だ絶対に喧嘩するのは目に浮かぶ。
というよりかは既に目の前で勃発している。
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「何を言っているんだ。私はホロの婚約者なのだから、公的なパーティの場なら私がパートナーになるべきだろう?」
私は二人からそっと離れて宰相の近くに行った。
「宰相様」
「どうしたのですかホロくん」
「私のパートナーは宰相様の方で見繕えないでしょうか」
「申し訳ございませんが、あのお二人から見繕った方がよろしいかと思いますが?」
今だにどちらが私のパートナーになるか言い合いをしている。
二人が言い合いしても決まらないし、私が選べばどちらか片方は確実に拗ねる。
楽で尚且つ私にも負担がない方法を使うしかないか。
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母上に教えてもらった方法で、二人が喧嘩して選べない時はこれで決めたらいいと言っていた。
片方の終着点にはパートナーと書いて、もう片方の終点にはハズレと書いた。
2本の線の間に大量の線を引いて最後に文字を書いている場所が見えないように折りたたんだ。
「イディ、アデライトこっちに来い」
二人を呼び寄せてあみだくじに名前を書かせた。
「ホロこれは何?」
「母上から教わったものであみだくじというらしい。これでどちらが今回のパートナーにするか決める」
「こんな紙一枚で決める事ができるの?」
「問題なく決める事ができる。ただし二人に誓って欲しいのがある。どちらがパートナーとなっても喧嘩をしない事だ。喧嘩をすれば一ヶ月は口を聞かないからな」
「わかったよホロ」
「勿論そうするよ」
「それではくじを始める」
折っていた紙を広げてイディの名前の線を辿る。
辿り着いた先はハズレの文字。
その文字を見たイディは一気に泣きそうな表情に変わった。
逆にアデライトは嬉しそうに笑っている。
「無事決まりましたようなので、私はこちらで失礼致しますね」
宰相はこの状態から逃げ出す為か、部屋からそそくさと出ていった。
まあ、決まったからよしとするか。
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