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アデライトに手を引かれながら、私とイディが一時的に暮らしている部屋まで連れられていった。
「アデライト何故私たちの部屋を知っているんだ?」
「権力を使えば一瞬で分かるよ。私は一応王族の親戚だからね」
そういえば第三王子が父親であった事をすっかり忘れていた。
「先にお風呂に入っておいで。メイド達にしっかりと洗って貰うんだよ」
念押しされてお風呂場に詰め込まれた。
メイド達が既に待機していて、私の羞恥心とか関係なくあっさりと服を剥かれ湯船に入れられた。
丁寧に洗われ、マッサージ迄しっかりとされる。
湯船に浸かりながらヘアオイルや、爪も綺麗に整えられて一体私はどこぞのパーティに連れて行かれるのかと思うぐらい綺麗にされている。
お風呂に出てからしっかりと拭かれて、髪は魔法で時間をかけてゆっくりと乾かされた。
ここまで丁寧だけど手早く綺麗にしてくれるメイド達の技術力の高さがうかがえる。
最後に室内用の服迄着付けして貰い、漸くお風呂場からでる事ができた。
風呂から出ればイディとアデライト以外に宰相が侍従と変わってくつろいでいた。
「そのご様子ではメイド達の洗礼を受けたようですね。しかし綺麗にされていますね」
「王城のメイドは皆ああなのか?」
「違う人を磨いてそれをどれだけ綺麗にできるかを生き甲斐にしている者ばかりですからね」
宰相が嬉しそうにしているのを見ている限り、この人がメイド達を手配をしたんだろう。
ソファに腰を掛けて足を組んだ。
「イディ、アデライト待たせてしまってすまない」
二人に向かって話したのに何故か返答が返ってこない。
アデライトとイディの顔を見れば二人とも何故か固まっている。
「どうしたんだ?」
手を振っても二人は全く反応しない。
「宰相様この二人壊れてしまったのですが」
「君が思っている以上に綺麗になって出てきたからじゃないかな?」
「私が?」
鏡で見たが普段とそこまで変わっているように思わなかったんだが。
「そこまで変わったように思えないが…」
「自分自身ではわからないみたいですね。私もメイド達に磨き上げられた時は女性にかなり言い寄られました」
宰相の困った表情は事実なんだと悟ってしまった。
多分私は女性に言い寄られることはないだろうが、問題は目の前にいるこの二人だ。
一応私に手を出した実績があるから、これが嫌な方向に働かないといいが。
二人が復活するまで宰相とのんびりお茶会することにした。
漸く復帰した頃には私たちのカップから紅茶がなくなっていた。
「ここまで磨けなんていってない…。これでは目の毒ではないか」
「ホロが綺麗になってる」
二人揃って馬鹿なのだろうか。
カップをソーサーに置き小さくため息を吐いた。
「アデライト何故私たちの部屋を知っているんだ?」
「権力を使えば一瞬で分かるよ。私は一応王族の親戚だからね」
そういえば第三王子が父親であった事をすっかり忘れていた。
「先にお風呂に入っておいで。メイド達にしっかりと洗って貰うんだよ」
念押しされてお風呂場に詰め込まれた。
メイド達が既に待機していて、私の羞恥心とか関係なくあっさりと服を剥かれ湯船に入れられた。
丁寧に洗われ、マッサージ迄しっかりとされる。
湯船に浸かりながらヘアオイルや、爪も綺麗に整えられて一体私はどこぞのパーティに連れて行かれるのかと思うぐらい綺麗にされている。
お風呂に出てからしっかりと拭かれて、髪は魔法で時間をかけてゆっくりと乾かされた。
ここまで丁寧だけど手早く綺麗にしてくれるメイド達の技術力の高さがうかがえる。
最後に室内用の服迄着付けして貰い、漸くお風呂場からでる事ができた。
風呂から出ればイディとアデライト以外に宰相が侍従と変わってくつろいでいた。
「そのご様子ではメイド達の洗礼を受けたようですね。しかし綺麗にされていますね」
「王城のメイドは皆ああなのか?」
「違う人を磨いてそれをどれだけ綺麗にできるかを生き甲斐にしている者ばかりですからね」
宰相が嬉しそうにしているのを見ている限り、この人がメイド達を手配をしたんだろう。
ソファに腰を掛けて足を組んだ。
「イディ、アデライト待たせてしまってすまない」
二人に向かって話したのに何故か返答が返ってこない。
アデライトとイディの顔を見れば二人とも何故か固まっている。
「どうしたんだ?」
手を振っても二人は全く反応しない。
「宰相様この二人壊れてしまったのですが」
「君が思っている以上に綺麗になって出てきたからじゃないかな?」
「私が?」
鏡で見たが普段とそこまで変わっているように思わなかったんだが。
「そこまで変わったように思えないが…」
「自分自身ではわからないみたいですね。私もメイド達に磨き上げられた時は女性にかなり言い寄られました」
宰相の困った表情は事実なんだと悟ってしまった。
多分私は女性に言い寄られることはないだろうが、問題は目の前にいるこの二人だ。
一応私に手を出した実績があるから、これが嫌な方向に働かないといいが。
二人が復活するまで宰相とのんびりお茶会することにした。
漸く復帰した頃には私たちのカップから紅茶がなくなっていた。
「ここまで磨けなんていってない…。これでは目の毒ではないか」
「ホロが綺麗になってる」
二人揃って馬鹿なのだろうか。
カップをソーサーに置き小さくため息を吐いた。
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