子悪党令息の息子として生まれました

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「どうやら仕事道具が届いたようだ」

椅子から立ち上がり、牢屋の入り口の扉の前に立つ。
ほぼそれと同時に一人の男が牢屋の中に重たい道具を抱えながら入ってきた。

「拷問補佐官バレットが道具をお持ち致しました」

私が来るまでは拷問は奇跡によって行われない物であったから、女も余裕だったろうが私が拷問を行えるからバレットによって持ってこられた道具を見て悲鳴を上げている。
バレットから道具をもらうと、床に道具を広げていく。

拷問道具たちは綺麗にされていて、使用感はあるものの血に汚れているわけではなかった。
館で使い慣れた道具も多数あって、この女から情報を吐き出させるのは問題ないぐらいだ。

「バレット殿は母上の補佐官についていたのか？」

「はっ！ツェーリア拷問官の補佐として着任しております！」

「それなら問題ない。母上と同じ方法の拷問を使うから、補佐官が吐かれると困るからな」

まずは手になれたペンチを手に取った。
グリップは母上好みで若干握りにくいが、使用するには問題ない。

最初は基本に忠実である為に、女の爪をペンチで一気に剥がした。
魔法使いによって苦痛の軽減がなされているが、知らない痛みであるが故に大きな悲鳴が発せられた。

この悲鳴自体はどうせ最後にはなれるだろうから、そのままにしておくことにした。
猿轡を噛ませれば悲鳴も軽減させられるが、情報を吐かせないといけないからこのままにしておく。

「苦痛の梨ある？」

「ございます」

後ろを向きながら手を差し出せば、私が望んだ道具を渡してくれる。
優秀な補佐官を持っている母上が羨ましい。

「これ、何か分かるか？」

目の前に見せたそれは母上が異世界の知識を持ってして作られた拷問道具。
母上は好んで使わないが、私にとってこれは情報を吐かせるのに重宝している。

痛みもそうだが、辱めを受けさせる事もできる。
二重の苦痛は精神を追い詰めるのにもってこいだ。

「何、よ…それっ」

爪を一枚剥がした程度で汗脂汗を顔中に浮かべている。
化粧も脂汗によって浮いてきて、パンダみたいになって滑稽だ。

「苦痛の梨というもので、とっても簡単に使える道具で私のお気に入りだ」

今は閉じている状態だが、細い持ち手の部分をくるくると回すと梨の形をした部分が開いていく。

「これを閉じた状態で入る穴に入れてひらけば簡単に中を破壊したりできる。それに隙間もあるからそこから劇薬を流し込めば沢山苦痛を味合わせる事ができる優れものなんだ」

使用方法を懇切丁寧に伝えてやれば、女はもっと涙を流し始める。
そんなにこの拷問器具が使われるのが嬉しいのか。

開けた状態のままでは使用ができないから、持ち手を回してゆっくりと閉じていく。
女は首を横に振りながら泣いているが、そんな程度の命乞いで私が拷問の手を止める訳がないだろう？

「さぁ、楽しもうか？」