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「大変長らくお待たせ致しました。国王陛下の準備が整いましたのでご案内致します」
侍従に促されて国王のところに向かう。
様々なメイド、侍従達と出会うが皆作業の手を止めて頭を下げてくる。
まだ子息なのに頭を下げるなんて徹底的に教育されている。
侍従達の道を抜けて国王が待っている部屋にたどり着いた。
国王が居る部屋なのに扉は思っている以上に質素だった。
侍従が扉を叩くと入るように中から声を掛けられた。
部屋に入れば中も質素な飾りで、豪華な王城とは思えないぐらい質素な造りだった。
「良くきたな。そこにソファを用意したから腰掛けるが良い」
国王の目の前にソファが用意されているが、誰もそこに腰を掛けようとしない。
「何故座らんのだ?」
「陛下御身の前にソファで座るなど、不敬に値致しますのでどうかお許し下さい」
「そんな堅苦しい場所ではないだろう。座らねばむしろそれを不敬としよう」
国王の気まぐれによって私たちは座る事になってしまった。
「宰相の侍従に聞いた話であるがそれは実なのか?」
特に前置きなく国王から質問をされた。
「真実でございます陛下。まずは陛下自らが激励のお言葉を掛けられた教師の発言をお聞き頂いても宜しいでしょうか?」
宰相に渡していた録音の魔道具が再生された。
教師が私に暴言を吐いたり、存在意義を疑う発言が魔道具から流れた。
国王は意外や全く表情を変えない。
宰相以上に表情が変わらず、先ほどの姿は道化を演じて警戒心を解こうとしていたのだろう。
録音が終わっても国王の表情は全く変わらなかった。
「次に今回の件が禁忌とされている魅了魔法の可能性がある点についてです。私の配偶者であるレラッサは魅了魔法についての研究を大枠で行っておりました。現在は国にて厳重に保管されておりますが、執筆者本人であるレラッサは今回の件を聞いて魅了魔法の可能性があると言う判断致しました。また、魅了魔法の可能性が高い点は今お聞き頂いた陛下から激励を頂いた教師です。この教師は厳格であり、そして何よりも公平を愛する教師でございます。それゆえに王族であっても、高位貴族であっても成績が振るわない者にはそれ相応の成績をつける教師であります。そしてその厳格さ故に陛下から激励を賜るまで精進なされた教師でもあります。その教師が今回一生徒だけに肩入れをし、あまつさえ一生徒を侮辱するような発言を行う等自身の格を落としてしまうような行動を行わないと考えております」
「宰相の言はあいわかった。だが、魅了魔法としての確定的な要因が一つもないではないか」
国王の言っていることは正しい。
確かに証拠が何もなければそれはただの仮定に終わってしまう。
調べる、ただそれだけの事が貴族よりも王族は腰を上げるのが酷く遅い。
「今回手を打たなければ処刑人が動くとしてもですか?」
「もしやその罵倒を受けたのは…」
「処刑人のお子様であります。そして、精霊の愛し子の称号を持っております」
「あの二人の子か。だが、その様に話されてもどうしても確固たる証拠がなければ、騎士を動かす事も叶わん」
「では処刑人の子を利用して証拠をお作り致しましょう」
「何故そのような答えになるのだ」
「今回の件でおかしい点が一つございます。教師から放たれる言葉や、再生をした前の録音の部分は全て一人の子息に対してしか悪意が向けられていないのです」
侍従に促されて国王のところに向かう。
様々なメイド、侍従達と出会うが皆作業の手を止めて頭を下げてくる。
まだ子息なのに頭を下げるなんて徹底的に教育されている。
侍従達の道を抜けて国王が待っている部屋にたどり着いた。
国王が居る部屋なのに扉は思っている以上に質素だった。
侍従が扉を叩くと入るように中から声を掛けられた。
部屋に入れば中も質素な飾りで、豪華な王城とは思えないぐらい質素な造りだった。
「良くきたな。そこにソファを用意したから腰掛けるが良い」
国王の目の前にソファが用意されているが、誰もそこに腰を掛けようとしない。
「何故座らんのだ?」
「陛下御身の前にソファで座るなど、不敬に値致しますのでどうかお許し下さい」
「そんな堅苦しい場所ではないだろう。座らねばむしろそれを不敬としよう」
国王の気まぐれによって私たちは座る事になってしまった。
「宰相の侍従に聞いた話であるがそれは実なのか?」
特に前置きなく国王から質問をされた。
「真実でございます陛下。まずは陛下自らが激励のお言葉を掛けられた教師の発言をお聞き頂いても宜しいでしょうか?」
宰相に渡していた録音の魔道具が再生された。
教師が私に暴言を吐いたり、存在意義を疑う発言が魔道具から流れた。
国王は意外や全く表情を変えない。
宰相以上に表情が変わらず、先ほどの姿は道化を演じて警戒心を解こうとしていたのだろう。
録音が終わっても国王の表情は全く変わらなかった。
「次に今回の件が禁忌とされている魅了魔法の可能性がある点についてです。私の配偶者であるレラッサは魅了魔法についての研究を大枠で行っておりました。現在は国にて厳重に保管されておりますが、執筆者本人であるレラッサは今回の件を聞いて魅了魔法の可能性があると言う判断致しました。また、魅了魔法の可能性が高い点は今お聞き頂いた陛下から激励を頂いた教師です。この教師は厳格であり、そして何よりも公平を愛する教師でございます。それゆえに王族であっても、高位貴族であっても成績が振るわない者にはそれ相応の成績をつける教師であります。そしてその厳格さ故に陛下から激励を賜るまで精進なされた教師でもあります。その教師が今回一生徒だけに肩入れをし、あまつさえ一生徒を侮辱するような発言を行う等自身の格を落としてしまうような行動を行わないと考えております」
「宰相の言はあいわかった。だが、魅了魔法としての確定的な要因が一つもないではないか」
国王の言っていることは正しい。
確かに証拠が何もなければそれはただの仮定に終わってしまう。
調べる、ただそれだけの事が貴族よりも王族は腰を上げるのが酷く遅い。
「今回手を打たなければ処刑人が動くとしてもですか?」
「もしやその罵倒を受けたのは…」
「処刑人のお子様であります。そして、精霊の愛し子の称号を持っております」
「あの二人の子か。だが、その様に話されてもどうしても確固たる証拠がなければ、騎士を動かす事も叶わん」
「では処刑人の子を利用して証拠をお作り致しましょう」
「何故そのような答えになるのだ」
「今回の件でおかしい点が一つございます。教師から放たれる言葉や、再生をした前の録音の部分は全て一人の子息に対してしか悪意が向けられていないのです」
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