子悪党令息の息子として生まれました

菟圃(うさぎはたけ)

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最初から変な事を考えている奴だと思っていたが、ここまでくると気が狂っているんじゃないかと思ってくる。
違法薬物を使用していると言われたら信じるぐらいだ。

「っ…ツェーリア令息は今回の事何も関係ないじゃないですか!」

「いや、貴方は悪役のホロに騙されて私をこかせたんでしょ?なら貴方は何も悪くなくて、唆せたアイツが悪いのよ!」

その令嬢は私とクラスが一緒だが、まともに話したことはないが。
そもそもそんな馬鹿な行動をする訳がないだろう。

「貴様、メレディに謝罪するんだ!」

私は伯爵令でお前はどこぞの男爵令息だろう。
貴様と呼ばれる筋合いはない。

話す気はなくて私は令息の言葉を無視した。

「無視するな!」

私を抱っこしているイディ事危害を加えようとする男爵令息をアデライトが制圧してくれた。
イディでも制圧できたけど、私を抱き上げているからという理由でアデライトが対処してくれたんだろう。

「君はミレディ男爵令息だろう?伯爵家の子息であるホロとイディに危害を加えようとするなんて、処罰だけで済まないのは貴族である君は理解できていると思ったんだけどね?」

「そ、そいつが謝れば私は手を出すことはありませんでした!反省もしないそいつを庇うなんてメレディの言う通りリリーシア公爵令息は魅了の力に掛かっているんだ!」

男爵令息の発言に食堂中が酷くざわめいた。
魅了は禁忌魔法の一つで遠い昔、召喚された聖女が王子が自分に靡いてくれないそんな下らない理由で魅了の魔法を行使して、国家が滅亡しかけた事案があった事から魅了の魔法は禁忌にされた。

その魔法を私が使用したと、禁忌を犯した罪人に仕立て上げようとしている。
魅了魔法は禁忌とされているから、そもそも使用方法自体不明とされているのだから使い方なんかわかる訳がないだろ。

多分知っているのは母上ぐらいだが、恋愛で被害を受け過ぎた母上は絶対使いたくないはずだ。

「ミレディ男爵令息…例え冗談であってもその発言は許されるものではないのを理解しているか?」

「ぐあああっ!」

「ミレディ様!アデライト様辞めてあげて下さい!私の為を思って行動してくれているだけなんですぅ!」

アデライトにしなだれ掛かりながら止める。
止める為に一々しなだれかかる必要があるのか?

「穢らわしい」

アデライトは直ぐにあの女を振り払った。

「あたしにこんな酷い事をするなんて…やっぱりホロがアデライト様を魔法で魅了しているに決まっているわ!」

演劇の如く泣きながら崩れ落ちる女。
母上と暇つぶしで見に行ったん劇団より陳腐な物を見せつけられている気分だ。

「ホロがこいつの事を魅了する訳ないでしょ」

「もしかしてイディ様?」

「お前に名前を呼んでいい許可なんて出した覚えないけど」

「もしかしてイディ様も魅了の魔法を掛けられてしまったのですか!?」

「は?」

こいつはなんでも私のせいにしたいのだろうな。
それとイディ私を抱きしめる力が痛い。
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