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夕食の時間になってもイディは姿を現してくれなかった。
イディの席には料理がなくて、侍従から自室で食事を行う事を伝えられた。
私がイディとの約束を破ってしまったのだから、イディとしては私と顔を合わせたくないんだろうか。
目の前にはいい匂いの食事が並べられているのに、食欲がわかなくて食べ物を口に運んでは皿に戻してを繰り返していた。
イディの事を考えると余計に食欲がなくなっていく。
どう言ってあげればイディは立ち直ってくれるんだろうか。
そんな考えだけが頭の中でぐるぐるしている。
「ホロ」
母上に呼ばれて自身の皿を見ればぐちゃぐちゃになっていて、自分が一体何を食べていたのか全くわからない。
「イディの事が気になるのなら行って来なさい。食事も後で取ればいい」
「わかった。イディと話してくる」
席からすぐに降りて食堂から出た。
走ってイディの部屋まで行くと、扉はガッチリとしまっていて私では開けられなかった。
「イディ…私だ開けてくれ」
声を掛けても扉が開かない。
どうしたらこの扉は開くのだろうか。
『ぼくたちあけるー!』
精霊が急に騒いでイディの部屋の中にわんさか入っていった。
外からでもうるさいぐらいの音がして扉が音を立てて開いた。
イディがしめる前に部屋の中に入れば、部屋の中はぐちゃぐちゃになっていて精霊以外が暴れていたようだ。
多分イディが暴れたんだろうけど、ここまで部屋が壊れているのは見たことがない。
ほぼ何もかもが壊れていて無事なのはベッドくらいだ。
「入ってこないで!」
叫び声と共に私に向けて花瓶が投げられた。
避けることもなく私は投げられた花瓶に当たった。
頭に当たったからくらっときたが、イディの元にまでゆっくりと歩み寄る。
当たりどころが悪かったのか額から血が流れ出ている。
これぐらいの痛みは血の番に裏切られたイディの心の痛みには届かない。
「イディ私と一緒に話そう」
「嫌だ!僕から離れるつもりなんでしょ!?」
「離れない。私はイディと話す為にここに来た」
「これ以上近づくならホロでも絶対に許さない!!」
今度は私を傷つけない為なのか枕が投げられた。
花瓶よりも遅い速度だがそれも避けずに受け止めた。
「どうしても私の話は聞いてくれないのか?」
一歩足を踏み入れた。
枕の次は本当に私に危害を加える為なのか、割れたガラスが投げつけられた。
避ける手段はいくらでもある。
精霊によって投げられる物を防ぐ事もできる。
でもイディが満足するのであれば私は全てを享受するから。
だからどうか私の話を聞いて欲しい。
唯一急所に近い場所に当たったのは花瓶だけで、それ以外は全て急所を外して投げられていた。
殺すつもりもなくただただ私を怖がらせて、ここから追い出そうとしているだけの様だ。
最後の一歩を踏み込めば物は飛んでこなくなった。
天蓋一枚だけを挟んで私とイディは向き合っている状態になった。
「イディ」
「嫌だ!」
これ以上話しかけても無駄なんだろうか。
私の言葉は聞いてくれないんだろうか。
「イディ…そのままでいい。私の身勝手な話を聞いて」
私が生まれたその日からの出来事を。
イディの席には料理がなくて、侍従から自室で食事を行う事を伝えられた。
私がイディとの約束を破ってしまったのだから、イディとしては私と顔を合わせたくないんだろうか。
目の前にはいい匂いの食事が並べられているのに、食欲がわかなくて食べ物を口に運んでは皿に戻してを繰り返していた。
イディの事を考えると余計に食欲がなくなっていく。
どう言ってあげればイディは立ち直ってくれるんだろうか。
そんな考えだけが頭の中でぐるぐるしている。
「ホロ」
母上に呼ばれて自身の皿を見ればぐちゃぐちゃになっていて、自分が一体何を食べていたのか全くわからない。
「イディの事が気になるのなら行って来なさい。食事も後で取ればいい」
「わかった。イディと話してくる」
席からすぐに降りて食堂から出た。
走ってイディの部屋まで行くと、扉はガッチリとしまっていて私では開けられなかった。
「イディ…私だ開けてくれ」
声を掛けても扉が開かない。
どうしたらこの扉は開くのだろうか。
『ぼくたちあけるー!』
精霊が急に騒いでイディの部屋の中にわんさか入っていった。
外からでもうるさいぐらいの音がして扉が音を立てて開いた。
イディがしめる前に部屋の中に入れば、部屋の中はぐちゃぐちゃになっていて精霊以外が暴れていたようだ。
多分イディが暴れたんだろうけど、ここまで部屋が壊れているのは見たことがない。
ほぼ何もかもが壊れていて無事なのはベッドくらいだ。
「入ってこないで!」
叫び声と共に私に向けて花瓶が投げられた。
避けることもなく私は投げられた花瓶に当たった。
頭に当たったからくらっときたが、イディの元にまでゆっくりと歩み寄る。
当たりどころが悪かったのか額から血が流れ出ている。
これぐらいの痛みは血の番に裏切られたイディの心の痛みには届かない。
「イディ私と一緒に話そう」
「嫌だ!僕から離れるつもりなんでしょ!?」
「離れない。私はイディと話す為にここに来た」
「これ以上近づくならホロでも絶対に許さない!!」
今度は私を傷つけない為なのか枕が投げられた。
花瓶よりも遅い速度だがそれも避けずに受け止めた。
「どうしても私の話は聞いてくれないのか?」
一歩足を踏み入れた。
枕の次は本当に私に危害を加える為なのか、割れたガラスが投げつけられた。
避ける手段はいくらでもある。
精霊によって投げられる物を防ぐ事もできる。
でもイディが満足するのであれば私は全てを享受するから。
だからどうか私の話を聞いて欲しい。
唯一急所に近い場所に当たったのは花瓶だけで、それ以外は全て急所を外して投げられていた。
殺すつもりもなくただただ私を怖がらせて、ここから追い出そうとしているだけの様だ。
最後の一歩を踏み込めば物は飛んでこなくなった。
天蓋一枚だけを挟んで私とイディは向き合っている状態になった。
「イディ」
「嫌だ!」
これ以上話しかけても無駄なんだろうか。
私の言葉は聞いてくれないんだろうか。
「イディ…そのままでいい。私の身勝手な話を聞いて」
私が生まれたその日からの出来事を。
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