子悪党令息の息子として生まれました

菟圃(うさぎはたけ)

文字の大きさ
上 下
31 / 120
1

31

しおりを挟む
精霊の祝福は人に対して使用されるのが大前提である事はわかる。
でも、物に対して精霊の祝福を施すなんて前代未聞すぎる。

「これは一体誰が祝福を施したの?青色になったのも何か理由があるの?」

「この祝福を施したのは教皇だ。イディとホロの6歳の誕生日プレゼントとして唯一成功した魔石をくれたものだ」

教皇?
あのハイエルフの教皇の事を言っているのか?

あの教皇は精霊眼を持っていなかったと記憶していた筈だが。
私がこの体で生まれてから精霊眼を精霊から貰ったという事か?

「お父様とお母様は教皇様と知り合いなの?」

イディがキラキラとした瞳で父上と母上を見ている。
確かに授業では教皇は王族と同じような存在であると学ぶから、その教皇と知り合いであればイディからすれば二人はとても凄い存在と知り合いという事になる。

「お母様が昔の聖女と喧嘩した話は覚えているかい?」

「覚えているよ。確かお母様をいじめたんだよね?」

父上はかなりマイルドにしてイディに過去の事を伝えている様だ。
確かに聖女に何回も殺され掛けたという話をイディに伝えるのはまだ早いからな。

ただ貴族の中ではかなり有名な話ではあるから、いつかは真実を知る事になるだろう。

「よく覚えていたな。聖女は教会所属だから、その時に謝罪ができるのが教皇だけだったんだ」

「じゃあ教皇様に謝って貰ってそこから知り合いになったの?」

「イディは賢いな。そこから知り合いになって今回教皇からイディとホロにプレゼントをくれたんだよ」

「そんな特別な物を貰ったならお礼をしなきゃいけないけど、どうやってお礼を伝えたらいいかお父様は分かる?」

「お礼の手紙を私に渡してくれたら教皇に直接届けてくるよ。普通の手段では教皇には届ける事ができないからね」

「分かった!しっかりとお礼の手紙書くね」

イディの笑顔がほっこりとしてこの場が凄く和んだ。

「ホロも一緒に教皇様にお礼の手紙を書こうね」

「そうだな。文章も決まった形をしなければいけないから、私が添削しながら一緒に礼の手紙を書こう」

「お願いね」

「さて衣装も決まったことだし、次は衣装に合わせたアクセサリーも選ぼうか」

衣装とは別でアクセサリーも用意されているようで、アクセサリーが用意されている部屋まで案内された。
アクセサリー類は衣装の比じゃない程用意されていて、正直選ぶのに時間がかかりすぎたと言っておこう。

私はアクセサリーを選ぶのを途中で諦めてしまって、アクセサリーは全てイディに任せてしまった。
イディは父上とも母上とも違うセンスを持っているから、偶に突拍子もない物を選んでくる事が多いが私にプレゼントしたリボンとの組み合わせを考えて選んでくれたようで、服にもとてもあったアクセサリーを選んでくれた。

選ばれたのはネクタイピンでシルバーを基調としたもので、サファイアがポイントとして付けられた物だ。
ネクタイピンが選ばれた事で私の衣装にはネクタイが追加される事になった。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜

車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

聖女の兄で、すみません!

たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。 三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。 そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。 BL。ラブコメ異世界ファンタジー。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

マリオネットが、糸を断つ時。

せんぷう
BL
 異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。  オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。  第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。  そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。 『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』  金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。 『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!  許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』  そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。  王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。 『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』 『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』 『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』  しかし、オレは彼に拾われた。  どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。  気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!  しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?  スラム出身、第十一王子の守護魔導師。  これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。 ※BL作品 恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。 .

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

何故か正妻になった男の僕。

selen
BL
『側妻になった男の僕。』の続きです(⌒▽⌒) blさいこう✩.*˚主従らぶさいこう✩.*˚✩.*˚

弟、異世界転移する。

ツキコ
BL
兄依存の弟が突然異世界転移して可愛がられるお話。たぶん。 のんびり進行なゆるBL

モラトリアムは物書きライフを満喫します。

星坂 蓮夜
BL
本来のゲームでは冒頭で死亡する予定の大賢者✕元39歳コンビニアルバイトの美少年悪役令息 就職に失敗。 アルバイトしながら文字書きしていたら、気づいたら39歳だった。 自他共に認めるデブのキモオタ男の俺が目を覚ますと、鏡には美少年が映っていた。 あ、そういやトラックに跳ねられた気がする。 30年前のドット絵ゲームの固有グラなしのモブ敵、悪役貴族の息子ヴァニタス・アッシュフィールドに転生した俺。 しかし……待てよ。 悪役令息ということは、倒されるまでのモラトリアムの間は貧困とか経済的な問題とか考えずに思う存分文字書きライフを送れるのでは!? ☆ ※この作品は一度中断・削除した作品ですが、再投稿して再び連載を開始します。 ※この作品は小説家になろう、エブリスタ、Fujossyでも公開しています。

処理中です...