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「イディくん体調が悪かったのですね。おっしゃっていただければお部屋をお貸ししましたのに」
侯爵夫人がまるでこの家の主人かの様に振る舞っている。
部屋を貸すことができるのはこの家の主人である、伯爵夫妻だけなのに。
この振る舞いで今回の主犯格はこの侯爵夫人で確定だろう。
伯爵夫妻は表情からしてかなり迷惑を被っており、今回の一件も全く乗り気ではないのがわかる。
単独行動か、それとも他の貴族を巻き込んでの行動なのか今の状況だけでは分からない。
後日精霊達に証拠を集めさせるしかない。
この屋敷にある全ての場所を探して欲しい事を小さく精霊に伝えた。
父上には聞こえているだろうけど、他の貴族様方には聞こえていないようだ。
「ここは侯爵夫人の館ではないだろう。なぜ貴殿が館の主人のように振る舞っているんだ?」
「私が主催のお茶会ですもの。少しお部屋をお借りするぐらいであれば問題ありませんわ。そうですわよね、ノレアトール伯爵夫人?」
侯爵夫人の圧を掛ける言葉に伯爵夫人は無理矢理笑顔を保ちながら頷いている。
極力会話をしないように努めている伯爵夫人。
「転移魔法を使用するなんて、本当にイディくんを溺愛なされているのですね」
侯爵夫人がする話中に必ずイディの名前が入っている。
そういえば侯爵夫人の娘が私たちと同年代だったはず。
そういう事か。
「気持ち悪い」
「どういう意味かしら?」
侯爵夫人の怪訝な声で私は気持ちを言葉として吐き出してしまった事に気がついた。
イディとの双子の兄である私の印象が悪ければ、イディとの仲も悪くなると考えないのか。
「言葉通りの意味だが。私のイディに情欲なぞもちよって」
別に人族が嫌いな訳ではない。
むしろ母上の友人が人族であるから、人族への印象はかなり良い。
だが、こうしてイディを危険な目に合わせた人族は人族として値しないただの動物だ。
「社交の場に出るのは些か早かったようですわね」
私の態度だけを言及するその返答が、イディに対して何かをするつもりだったのが明白になった。
「貴族同士の駆け引きはまだ許そう。だが、子に被害を与えた挙句その被害を利用しようとしたな」
父上に渡した草が侯爵夫人の座るテーブルの前に置かれた。
私自身この草が毒草の類である事は分かるが、どういう代物かが分からない。
「これは…ナッドですか?」
侯爵夫人から放たれたのは父上が目の前に置いた毒草の名前らしきものだった。
周りの人の表情を見てもこの毒草の事を知っている人は居なさそうだ。
「何故ナッドの存在を知っているんだ」
父上の声がかなり低い。
私の元に届けられた毒草はもしかして…そんなに危険な物だったの?
「主人にたまたま見せて貰ったんですわ」
「そうか」
精霊達が面白い可笑しく笑っている。
父上が手をテーブルにつくと、テーブルが粉々になった。
余りにもの出来事に全員が反応する事が出来ていなかった。
怪我人は全く出ていない。
「イディが狙われているのは予定外だったが、ナッドの事を知っていたのは予定通りだ」
父上が片手をあげるとどこに控えていたのか、武装した騎士達がどこからともなく現れた。
侯爵夫人がまるでこの家の主人かの様に振る舞っている。
部屋を貸すことができるのはこの家の主人である、伯爵夫妻だけなのに。
この振る舞いで今回の主犯格はこの侯爵夫人で確定だろう。
伯爵夫妻は表情からしてかなり迷惑を被っており、今回の一件も全く乗り気ではないのがわかる。
単独行動か、それとも他の貴族を巻き込んでの行動なのか今の状況だけでは分からない。
後日精霊達に証拠を集めさせるしかない。
この屋敷にある全ての場所を探して欲しい事を小さく精霊に伝えた。
父上には聞こえているだろうけど、他の貴族様方には聞こえていないようだ。
「ここは侯爵夫人の館ではないだろう。なぜ貴殿が館の主人のように振る舞っているんだ?」
「私が主催のお茶会ですもの。少しお部屋をお借りするぐらいであれば問題ありませんわ。そうですわよね、ノレアトール伯爵夫人?」
侯爵夫人の圧を掛ける言葉に伯爵夫人は無理矢理笑顔を保ちながら頷いている。
極力会話をしないように努めている伯爵夫人。
「転移魔法を使用するなんて、本当にイディくんを溺愛なされているのですね」
侯爵夫人がする話中に必ずイディの名前が入っている。
そういえば侯爵夫人の娘が私たちと同年代だったはず。
そういう事か。
「気持ち悪い」
「どういう意味かしら?」
侯爵夫人の怪訝な声で私は気持ちを言葉として吐き出してしまった事に気がついた。
イディとの双子の兄である私の印象が悪ければ、イディとの仲も悪くなると考えないのか。
「言葉通りの意味だが。私のイディに情欲なぞもちよって」
別に人族が嫌いな訳ではない。
むしろ母上の友人が人族であるから、人族への印象はかなり良い。
だが、こうしてイディを危険な目に合わせた人族は人族として値しないただの動物だ。
「社交の場に出るのは些か早かったようですわね」
私の態度だけを言及するその返答が、イディに対して何かをするつもりだったのが明白になった。
「貴族同士の駆け引きはまだ許そう。だが、子に被害を与えた挙句その被害を利用しようとしたな」
父上に渡した草が侯爵夫人の座るテーブルの前に置かれた。
私自身この草が毒草の類である事は分かるが、どういう代物かが分からない。
「これは…ナッドですか?」
侯爵夫人から放たれたのは父上が目の前に置いた毒草の名前らしきものだった。
周りの人の表情を見てもこの毒草の事を知っている人は居なさそうだ。
「何故ナッドの存在を知っているんだ」
父上の声がかなり低い。
私の元に届けられた毒草はもしかして…そんなに危険な物だったの?
「主人にたまたま見せて貰ったんですわ」
「そうか」
精霊達が面白い可笑しく笑っている。
父上が手をテーブルにつくと、テーブルが粉々になった。
余りにもの出来事に全員が反応する事が出来ていなかった。
怪我人は全く出ていない。
「イディが狙われているのは予定外だったが、ナッドの事を知っていたのは予定通りだ」
父上が片手をあげるとどこに控えていたのか、武装した騎士達がどこからともなく現れた。
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