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プレゼント

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王女の一件が片付いてから俺の周りはかなり静かになった。
静かになった原因は王女の急な結婚が原因だった。

何せ妻殺しとして有名なあの男爵の元に嫁がされる事になったのだから。
ヴァンクラフトに手を出せば痛い目を見ると知り、そして俺にも手を出してはならないという暗黙の了解も得る事になった。

「ルドくんあのお話聞いたよー!」

キアが元気な声を上げ俺の子を抱きながら俺の元に駆け寄ってくる。

「俺がその子を抱くよ。最近はキアに面倒を見させてばかりだったから…」

キアから我が子を受け取り、落とさないようにぎゅっと我が子を抱きしめる。
最近は色々と忙しくて我が子の面倒を見る事ができなかった。

「それであの生意気な王女を漸くぶっ飛ばせたんだね!僕も見ててちょーむかついてたから変な貴族に嫁がされて大満足!」

キアからこんな言葉が出てくるなんて思いもしなかった。
優しいキアがそう考えるぐらいには王女もかなりの事をしていたんだと思う。

「そういえばだけど!この子の名前いい加減に付けてあげないと!」

ここに引っ越して一ヶ月ほど経ったけど、まだこの子の名前を決めてあげれていなかった。
俺一人で決める事ではなかった事だから、三人で会えた時に名前を決めようと話していたけどお互いにタイミングが合わなくてまだ名前を決めてあげる事ができていなかった。

「あの二人ともまだ話せてなくて…。早く決めてあげたいのだけど」

「あー…、中々タイミング合ってなかったんだね。あ、そういえば今日二人とも珍しく食堂に揃っていたよ?今から行けば名前を決めるぐらいの時間は取れると思うよ」

「なら行ってくる!」

我が子を抱きながら二人がいる食堂へと向かった。
一体二人でなんの話をしてるんだろうか。

ふやふやと笑う我が子が可愛くてたまらない。
今日でもなくても早くこの子に名前をつけてあげたい。

全員から祝福がされる様なそんな名前をつけてあげたい。
食堂に入れば二人が食事をとっている訳でもなく何かを話し合っていた。

「ヴァン!ヴァバリアス!」

名前を呼んで入れば二人とも俺の事に気がついてくれて俺の所に来てくれた。

「どうしたの?」

「あのね、俺だけでは決められないから三人でこの子の名前を決めてあげたいの!」

「確かにまだ決めてあげられなかったね。ヴァバリアスどうする?」

「ああ、決めてあげたほうがいいだろう。色々合ったが望まれて生まれた命なのだから」

「なんて名前が一番いいかな」

この子には幸福な人生を歩んでほしい。
俺みたいに辛い人生ではなく、幸福な人生を…。

そんな願いを込めてこの子に名前を送りたい。
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