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王様の怒り
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「スウェード侯爵ご夫妻と、第二王女殿下のおはいりです!」
衛兵に堂々と告げられながら中に入るのは中々恥ずかしい。
会議室に入れば中には仰々たるメンバーと、王様がどっしりと座っていた。
王様自身は聖者史上主義で俺が来た時は王子や王女をかなりの人数を紹介されてしまった。
やんわりと断ろうとしたら先にヴァンクラフトが切れてその話自体は完全に無くなった。
「おぉ、聖者様!ようこそおいでなさいました!」
王様が立ち上がって俺の手を取り熱烈な握手をされる。
その姿に王女が驚く声が聞こえる。
「して…何故王女がここにいるのじゃ?」
王女が入ってきたことに気がついてなかったのかっ!
この王様は本当に聖者史上主義すぎる。
「陛下にお話したい事がありましてお連れ致しました」
「聖者様私に敬語は不要だと言った筈ですじゃ。話も一体なんなのじゃ?」
「クルドあれ持ってきてくれる?」
クルドに回収して貰っていた王女がヴァンクラフトに飲ませた飲み物を小さな瓶に詰めたものを持ってきてもらった。
せめて物的証拠はないとね~。
貰った瓶の中身は媚薬の量がかなり多かったようで、飲み物はドヨンと澱んでいる。
「それはなんじゃ…?」
「媚薬入の飲み物です」
「なんだと!?一体誰がお主にそんな非道な事を!?」
俺に媚薬が盛られたと思って王様が大興奮している。
余りにも興奮し過ぎて止められる気がしない。
「陛下お辞め下さい。ルド様がお困りになられています」
「お、おぉ…私としたことが…すまぬ財務大臣」
「いえ、陛下の為とあれば私は身を賭してでもお助け致します」
財務大臣はパチリとウインクしながら笑顔を向けられた。
財務大臣が俺を助ける理由は王族がかなり散財をしていたのだが、聖者である俺が無駄遣いをそこまで好まない事を知った途端王様が散財を辞めるようにと命令したんだ。
それで王族の散財が無くなって、国庫が安定したのをきっかけに俺の味方をしてくれるようになった。
「で、では一体誰にこの媚薬を持ったのじゃ…?」
「俺の夫のヴァンクラフトに、です。どうやら俺がヴァンクラフトの妻であるのが嫌な者が居るようで、夫に自身を襲わせさせようとしたのです」
「なんと…そなたの夫たるスウェード侯爵に不貞を働かさせようとしたのか!?」
また興奮して俺のところに押しかけようとしてきたけど、それを財務大臣が止めてくれる。
この王様統治とか経歴も見たら普通よりかなり優秀な人物なのに、聖者の事となると普通よりへっぽこになってしまうのはなんでなんだろうか…。
まぁ、こんな王様だからこそ支持はかなりされているんだけどね。
「そ、その犯人は一体誰なのじゃ!?即刻、即刻死刑にしてやる!」
まさかの言葉に驚いてしまった。
本当に何かに依存してる人が、その依存先が何かあればここまで過剰な反応を示すなんて…。
本当にヴァンクラフトが無理矢理結婚させてくれていて良かった。
「犯人はここに居る王女です」
「なん…だと…?王女が、我が王族がそなたの夫を狙った…?」
愕然とした王様の話し方は理解出来る。
何せ王族全員に俺が聖者である事も伝え、そして聖者には手を出さないようにと通達させていたからだ。
「王女!直ぐに私のところへ!」
王様の怒鳴り声は余りにも大きすぎてびっくりしてしまった。
衛兵に堂々と告げられながら中に入るのは中々恥ずかしい。
会議室に入れば中には仰々たるメンバーと、王様がどっしりと座っていた。
王様自身は聖者史上主義で俺が来た時は王子や王女をかなりの人数を紹介されてしまった。
やんわりと断ろうとしたら先にヴァンクラフトが切れてその話自体は完全に無くなった。
「おぉ、聖者様!ようこそおいでなさいました!」
王様が立ち上がって俺の手を取り熱烈な握手をされる。
その姿に王女が驚く声が聞こえる。
「して…何故王女がここにいるのじゃ?」
王女が入ってきたことに気がついてなかったのかっ!
この王様は本当に聖者史上主義すぎる。
「陛下にお話したい事がありましてお連れ致しました」
「聖者様私に敬語は不要だと言った筈ですじゃ。話も一体なんなのじゃ?」
「クルドあれ持ってきてくれる?」
クルドに回収して貰っていた王女がヴァンクラフトに飲ませた飲み物を小さな瓶に詰めたものを持ってきてもらった。
せめて物的証拠はないとね~。
貰った瓶の中身は媚薬の量がかなり多かったようで、飲み物はドヨンと澱んでいる。
「それはなんじゃ…?」
「媚薬入の飲み物です」
「なんだと!?一体誰がお主にそんな非道な事を!?」
俺に媚薬が盛られたと思って王様が大興奮している。
余りにも興奮し過ぎて止められる気がしない。
「陛下お辞め下さい。ルド様がお困りになられています」
「お、おぉ…私としたことが…すまぬ財務大臣」
「いえ、陛下の為とあれば私は身を賭してでもお助け致します」
財務大臣はパチリとウインクしながら笑顔を向けられた。
財務大臣が俺を助ける理由は王族がかなり散財をしていたのだが、聖者である俺が無駄遣いをそこまで好まない事を知った途端王様が散財を辞めるようにと命令したんだ。
それで王族の散財が無くなって、国庫が安定したのをきっかけに俺の味方をしてくれるようになった。
「で、では一体誰にこの媚薬を持ったのじゃ…?」
「俺の夫のヴァンクラフトに、です。どうやら俺がヴァンクラフトの妻であるのが嫌な者が居るようで、夫に自身を襲わせさせようとしたのです」
「なんと…そなたの夫たるスウェード侯爵に不貞を働かさせようとしたのか!?」
また興奮して俺のところに押しかけようとしてきたけど、それを財務大臣が止めてくれる。
この王様統治とか経歴も見たら普通よりかなり優秀な人物なのに、聖者の事となると普通よりへっぽこになってしまうのはなんでなんだろうか…。
まぁ、こんな王様だからこそ支持はかなりされているんだけどね。
「そ、その犯人は一体誰なのじゃ!?即刻、即刻死刑にしてやる!」
まさかの言葉に驚いてしまった。
本当に何かに依存してる人が、その依存先が何かあればここまで過剰な反応を示すなんて…。
本当にヴァンクラフトが無理矢理結婚させてくれていて良かった。
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「なん…だと…?王女が、我が王族がそなたの夫を狙った…?」
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何せ王族全員に俺が聖者である事も伝え、そして聖者には手を出さないようにと通達させていたからだ。
「王女!直ぐに私のところへ!」
王様の怒鳴り声は余りにも大きすぎてびっくりしてしまった。
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