上 下
194 / 199
ストーリーが開始されました!

いざ謁見へ

しおりを挟む
王城につけば王女ではなくいの一番に俺と、ヴァンクラフトの迎えにくる。

「ようこそいらっしゃいました!本日はどんなご用件なのでしょうか」

キラキラとした視線で俺の事を見てくる衛兵は、あの王の間にいた衛兵なのだろうか。
ヴァンクラフトの事は完全におまけで俺のことばかり見ている。

それもあってかヴァンクラフトが俺に抱きついてきて、衛兵にすっごい牽制してる。

「今日は少しだけ王様に用事があってね。今は何をしてるかわかる?」

「陛下は現在大臣達と共に会議を行っております。終盤に差し掛かっていらっしゃいますので、その頃であれば重要な内容もお話しされていない時間だと思われます!」

「ありがとう。それならその会議している部屋まで案内して貰えるかな?俺と、夫と王女様の三人になるけど問題ないよね?」

「何も問題はございません!陛下もルド様がお越しになられるのであればお喜びになられます。しかし、王女殿下は今どちらにいらっしゃるのですか?」

衛兵は嫌な顔一つせず、王女の姿を探している。

「もう王城の門前にいるよ」

指をさせば既に場所が近くにまできていた。

「本当ですね。流石聖者であらせられる方!あの王女殿下を大人しくこちらまでお連れできるなんて!」

衛兵に何やら褒められているけど強制的にここに連れてきただけなんだよね。
笑って誤魔化していたら、何かを叩く音がした。

音の方を見ればクルドを叩いた王女の姿があった。
相手はただの騎士だと侮ってそんな行動をしているのだろうけど、聖者の専属の騎士ともなれば下手な貴族よりも力を持つことになる。

政略結婚の駒としてしか利用のない王女、王子程度よりも上になる。
そんな騎士に王女が手を上げた事を見た衛兵たちは全員顔を真っ青にしていた。

それはそうだ。
そんな下手に動いてはならない相手を叩いたのだ。

クルドは生まれが原因なのか一度王子に痛い目を遭わされた事が原因なのか、本人は権力にはそこまで興味を持っていなかった。
だから変な事はしないし俺の命令に従うだけ。

「お、王女殿下!?」

近くの衛兵がかなり大きな声で叫んだ。

「騎士程度が無礼な事をしたのよ!?王女である私が手を打った所で何も問題はないでしょう!?」

問題大有りだ。
俺自身ではなく、この国がだ。

衛兵のほとんどがクルドが次にどう動くのかを構えてみている。
クルドが変なことをしない事はわかりきっているけど、この王女はまだここでて酷い目にあってほしくはない。

て酷い目にあうのは王様が会議を行っている場でだ。
クルドは王女の腕を捻り上げ、立ったままの状態で拘束をした。

一応はほぼ罪人に近い状態だけど、今回の事を公にしなければならないのだからまだ王女は捕まってはいけない。
クルドが頷くのが見えて、問題なく進める事がわかった。

「それじゃあ準備できたようだから案内してくれる?」

俺と、そして皆んなが問題なく過ごせる場所を確保しに行こう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

狂わせたのは君なのに

白兪
BL
ガベラは10歳の時に前世の記憶を思い出した。ここはゲームの世界で自分は悪役令息だということを。ゲームではガベラは主人公ランを悪漢を雇って襲わせ、そして断罪される。しかし、ガベラはそんなこと望んでいないし、罰せられるのも嫌である。なんとかしてこの運命を変えたい。その行動が彼を狂わすことになるとは知らずに。 完結保証 番外編あり

乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について

はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。

ギャルゲー主人公に狙われてます

白兪
BL
前世の記憶がある秋人は、ここが前世に遊んでいたギャルゲームの世界だと気づく。 自分の役割は主人公の親友ポジ ゲームファンの自分には特等席だと大喜びするが、、、

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

非力な守護騎士は幻想料理で聖獣様をお支えします

muku
BL
聖なる山に住む聖獣のもとへ守護騎士として送られた、伯爵令息イリス。 非力で成人しているのに子供にしか見えないイリスは、前世の記憶と山の幻想的な食材を使い、食事を拒む聖獣セフィドリーフに料理を作ることに。 両親に疎まれて居場所がないながらも、健気に生きるイリスにセフィドリーフは心動かされ始めていた。 そして人間嫌いのセフィドリーフには隠された過去があることに、イリスは気づいていく。 非力な青年×人間嫌いの人外の、料理と癒しの物語。 ※全年齢向け作品です。

処理中です...