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いざ謁見へ

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王城につけば王女ではなくいの一番に俺と、ヴァンクラフトの迎えにくる。

「ようこそいらっしゃいました!本日はどんなご用件なのでしょうか」

キラキラとした視線で俺の事を見てくる衛兵は、あの王の間にいた衛兵なのだろうか。
ヴァンクラフトの事は完全におまけで俺のことばかり見ている。

それもあってかヴァンクラフトが俺に抱きついてきて、衛兵にすっごい牽制してる。

「今日は少しだけ王様に用事があってね。今は何をしてるかわかる?」

「陛下は現在大臣達と共に会議を行っております。終盤に差し掛かっていらっしゃいますので、その頃であれば重要な内容もお話しされていない時間だと思われます!」

「ありがとう。それならその会議している部屋まで案内して貰えるかな?俺と、夫と王女様の三人になるけど問題ないよね?」

「何も問題はございません!陛下もルド様がお越しになられるのであればお喜びになられます。しかし、王女殿下は今どちらにいらっしゃるのですか?」

衛兵は嫌な顔一つせず、王女の姿を探している。

「もう王城の門前にいるよ」

指をさせば既に場所が近くにまできていた。

「本当ですね。流石聖者であらせられる方!あの王女殿下を大人しくこちらまでお連れできるなんて!」

衛兵に何やら褒められているけど強制的にここに連れてきただけなんだよね。
笑って誤魔化していたら、何かを叩く音がした。

音の方を見ればクルドを叩いた王女の姿があった。
相手はただの騎士だと侮ってそんな行動をしているのだろうけど、聖者の専属の騎士ともなれば下手な貴族よりも力を持つことになる。

政略結婚の駒としてしか利用のない王女、王子程度よりも上になる。
そんな騎士に王女が手を上げた事を見た衛兵たちは全員顔を真っ青にしていた。

それはそうだ。
そんな下手に動いてはならない相手を叩いたのだ。

クルドは生まれが原因なのか一度王子に痛い目を遭わされた事が原因なのか、本人は権力にはそこまで興味を持っていなかった。
だから変な事はしないし俺の命令に従うだけ。

「お、王女殿下!?」

近くの衛兵がかなり大きな声で叫んだ。

「騎士程度が無礼な事をしたのよ!?王女である私が手を打った所で何も問題はないでしょう!?」

問題大有りだ。
俺自身ではなく、この国がだ。

衛兵のほとんどがクルドが次にどう動くのかを構えてみている。
クルドが変なことをしない事はわかりきっているけど、この王女はまだここでて酷い目にあってほしくはない。

て酷い目にあうのは王様が会議を行っている場でだ。
クルドは王女の腕を捻り上げ、立ったままの状態で拘束をした。

一応はほぼ罪人に近い状態だけど、今回の事を公にしなければならないのだからまだ王女は捕まってはいけない。
クルドが頷くのが見えて、問題なく進める事がわかった。

「それじゃあ準備できたようだから案内してくれる?」

俺と、そして皆んなが問題なく過ごせる場所を確保しに行こう。
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