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キア

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満足行く大きさの紙を貰えて良かった。
かなり大きめの魔法陣を書いて、中心には魔力を自動的に供給する魔法陣を書く。

中心に書くのは一番最初に行うべき動作にするためだ。
その周りに大量の魔法の文言を書き連ねていく。

書けるだけ書いて、中心の部分に書ける部分が全て無くなったが周りの所にはまだ書き込める。
全ての属性の魔法を書き切り、その魔法陣に大きめの魔石をのせた。

こんな魔法陣かなりの魔力が吸い取られるだろうが知ったことでは無い。
魔石に魔力を込めるとかなりの量の魔力を吸い取られるけど、関係なく魔力を注ぎ込み続ける。

残り魔力の八割ほど注ぎ込んでようやく魔石が完成した。
一般人の魔力三人分の魔力を持っていかれるなんて…、なんて馬鹿げた物を作ってしまったんだ。

一番若く女性らしい男性の体に大きめの魔石を積み込んでもらった。
魔石と魔法陣は問題なく起動してくれたようで魔法陣が淡く光っている。

あとはメインの魔石にキアの意識を移すだけだ。
キアの声がそこそこ大きく聞こえるけど、無視して魔石に魔力を注ぎ込んだ。

ふっと意識が持っていかれそうになるけど堪えて魔力を注ぎ込んだ。
残り少ない魔力を注ぎ込むとふと途中でキアの声が聞こえなくなった。

それと同時に魔石が淡く光った。
問題なく魔石に魔法陣が刻み込まれた。

魔石を剥製人形を胸元に収めると込めた魔力量以上の光が放たれた。
眩しくて目を瞑り、光が収まるとようやく目を開けられるようになった。

目の前の剥製人形と目が合って、びっくりしすぎてひっくり返りそうになった。

「本当君は危なっかしいんだから」

剥製人形の声は思ってる以上に高かったけど、話し方はキアそっくりだった。

「無理して魔力をギリギリまで使い切るなんて!子供が居るんだから無理しちゃだめでしょ!?僕の意識だって移せるかどうか危うかったのに…本当に君は馬鹿なんだから…」

キアに強く抱きしめられたけど…思っている以上に強すぎてキアの背中をバシバシと叩いて強すぎる事を伝えた。

「あ、ごめんごめん強すぎたね。この体思ってる以上に力が出るし、魔力もルドくんの体の半分近くもあるから下手な魔法使いよりは強いんじゃないかな?」

「俺の半分もあるの?」

思ってる以上の魔力保有量になってたようだ。

「ふふーん!これでただ守られるだけの立場じゃ無くなったのがこんなに嬉しい事なんだね!それに…」

表情は殆ど変わらないけど、行動で恥ずかしげな行動をしてるのだけはわかる。

「本当はこうしてまた生きられるなんて思いもしなかった…」

機能自体は全く備わってないけど、本当にキアは泣いてる様に見えた。

「キア…」

「ありがとうルドくん。僕ルドくんを守るナイトになるからね!」

「え」

ただ友人として生きて欲しかっただけなのに、どうして俺のナイトになろうとしてるんだ!?
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