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絶望
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抱き潰されて気絶してしまったのか、俺はまたベッドの上で起きた。
お尻に違和感しか感じないし、腰も体を動かす度に痛みを感じる。
「あ゛…あー…」
喉もカラカラで、後半はこの体すらもきつい快感から逃れようと必死になってた。
それぐらいのきつい快感だった。
ゆっくりと体を起こして、辺りを見回してもゼゼの姿は見当たらない。
体は綺麗に拭かれてるけど、シャワーを浴びた訳じゃないからベタベタしてふ。
布団を全部捲れば異様な程膨れ上がった腹が目に入った。
精液を注ぎ込まれ続けたとしてもこんなに膨らまないことを知ってる。
体に異常が起きてるのだけは間違いなかった。
腹の膨らみはどこか見覚えのある膨らみ方で、それが焦燥感を掻き立ててきた。
「くそっ…なんなんだよ…」
この腹を見たくなくて、直ぐに布団をかけ直した。
かけ直したと同時に扉を叩く音が聞こえた。
俺の返事を聞く前に扉が開き、キッチンワゴンに料理を乗せたゼゼが入ってきた。
料理人とか侍従が持ってくるのではなく、ゼゼ本人が持ってきたとなると警戒せざるを得ない。
とは言っても、ここの料理人だろうが侍従だろうが持ってきたとしても警戒する。
「おはようございます。お加減はいかがですか?」
ヴァンクラフトの時でも見たことがないような穏やかな表情に驚いた。
先程まで手酷く犯しておきながら、憑き物が落ちたかのように穏やかな表情をしている。
「良い訳がないっ…」
「そうですね。俺がルドの体を無理させてしまったのですから…」
顔に陰りを見せ、俺から視線を逸らすその様はまるで反省してるかの様だ。
そんなのに騙されてやる謂れは無い。
「こちらご飯です。毒などは一切入れておりませんのでご安心ください」
先にゼゼがご飯を食べてみせてから、新しく匙でご飯を掬い俺の口元に持ってくる。
さっきまで言う通りに聞いていた自分の体の自由は消え、口元に持ってこられたご飯を躊躇いなく食べた。
本当に毒らしい毒はない味で、むしろ優しい味で体を労る為に作ってきたのは分かる。
こんな時ですらも主導権が知らない誰かに奪われるなんて…、行為を行う時だけだと考えてたのが甘かった。
給餌されるご飯を全て食べ切ると、次へという感じで布団を捲られた。
捲られたことで腹の事を思い出したけど、言うことを聞かない体が腹を隠してくれる訳もなく、異様な程に出ている腹をゼゼに見られてしまった。
目を見開くゼゼを見て、本人もこうなるという事は分かってなかったかのような反応に驚いた。
だが、驚いたのもつかの間嬉しそうに笑いながら俺の腹を撫でてくる。
それを優しい手つきで愛おしいものを見るかのような感じで…。
どうしてそんな表情をお前がするんだ…。
「アレも…本格的に絶望に落とそうとしてるのですね」
アレとは一体何なんだ。
物のような言い方なのに、まるで人の行動を起こすような言い方に違和感を感じた。
「ルド」
嬉しそうに向けてくる笑顔に何か嫌な予感がした。
お願い何も言わないで…。
だが無常にもゼゼから告げられた言葉に俺は絶望するしかなかった。
「俺の子を孕んでくれてありがとう」
お尻に違和感しか感じないし、腰も体を動かす度に痛みを感じる。
「あ゛…あー…」
喉もカラカラで、後半はこの体すらもきつい快感から逃れようと必死になってた。
それぐらいのきつい快感だった。
ゆっくりと体を起こして、辺りを見回してもゼゼの姿は見当たらない。
体は綺麗に拭かれてるけど、シャワーを浴びた訳じゃないからベタベタしてふ。
布団を全部捲れば異様な程膨れ上がった腹が目に入った。
精液を注ぎ込まれ続けたとしてもこんなに膨らまないことを知ってる。
体に異常が起きてるのだけは間違いなかった。
腹の膨らみはどこか見覚えのある膨らみ方で、それが焦燥感を掻き立ててきた。
「くそっ…なんなんだよ…」
この腹を見たくなくて、直ぐに布団をかけ直した。
かけ直したと同時に扉を叩く音が聞こえた。
俺の返事を聞く前に扉が開き、キッチンワゴンに料理を乗せたゼゼが入ってきた。
料理人とか侍従が持ってくるのではなく、ゼゼ本人が持ってきたとなると警戒せざるを得ない。
とは言っても、ここの料理人だろうが侍従だろうが持ってきたとしても警戒する。
「おはようございます。お加減はいかがですか?」
ヴァンクラフトの時でも見たことがないような穏やかな表情に驚いた。
先程まで手酷く犯しておきながら、憑き物が落ちたかのように穏やかな表情をしている。
「良い訳がないっ…」
「そうですね。俺がルドの体を無理させてしまったのですから…」
顔に陰りを見せ、俺から視線を逸らすその様はまるで反省してるかの様だ。
そんなのに騙されてやる謂れは無い。
「こちらご飯です。毒などは一切入れておりませんのでご安心ください」
先にゼゼがご飯を食べてみせてから、新しく匙でご飯を掬い俺の口元に持ってくる。
さっきまで言う通りに聞いていた自分の体の自由は消え、口元に持ってこられたご飯を躊躇いなく食べた。
本当に毒らしい毒はない味で、むしろ優しい味で体を労る為に作ってきたのは分かる。
こんな時ですらも主導権が知らない誰かに奪われるなんて…、行為を行う時だけだと考えてたのが甘かった。
給餌されるご飯を全て食べ切ると、次へという感じで布団を捲られた。
捲られたことで腹の事を思い出したけど、言うことを聞かない体が腹を隠してくれる訳もなく、異様な程に出ている腹をゼゼに見られてしまった。
目を見開くゼゼを見て、本人もこうなるという事は分かってなかったかのような反応に驚いた。
だが、驚いたのもつかの間嬉しそうに笑いながら俺の腹を撫でてくる。
それを優しい手つきで愛おしいものを見るかのような感じで…。
どうしてそんな表情をお前がするんだ…。
「アレも…本格的に絶望に落とそうとしてるのですね」
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物のような言い方なのに、まるで人の行動を起こすような言い方に違和感を感じた。
「ルド」
嬉しそうに向けてくる笑顔に何か嫌な予感がした。
お願い何も言わないで…。
だが無常にもゼゼから告げられた言葉に俺は絶望するしかなかった。
「俺の子を孕んでくれてありがとう」
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