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できない抵抗

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「俺を家に帰してください…」

「それはできません。ルド様はずっとここで俺と一緒に暮らすのです」

嫌な手つきで足を触ってくるのが気持ち悪い。
頭ではそう考える事もできるけど、体は一切拒んでくれない。

「ヴァバリアスの体の中に居るのは不快ですが、こうしてルド様が拒絶出来ない環境を齎せる事ができるのは都合が良い事ですね」

いったい何が原因で体の自由が効かないの。

「ルド様はご自身のお身体が自由が効かない理由をお知りになりたいのですよね?でしたら…」

ゼゼに体を持ち上げられ、またベッドの上に戻ってしまった。
上に覆い被さられ嫌なのにも関わらず体は何故か、ゼゼの首の後ろに手を回している。

「貴方様の体を好きにさせてくださればお答え致しますよ」

「気持ち悪いことを言うなっ!」

「お怒りになられなくてもよろしいじゃないですか。それにルド様がお体一つ売るだけで必要な情報を得る事ができるのですよ?その情報がどれだけの物か、賢いルド様ならお分かりになられるでしょう?」

髪の毛にキスを落とされて気持ち悪いのに、体は喜びを表しているかのようにゼゼに抱きつく。
自身の体がゼゼに近づくせいで匂いで頭がくらっとしそうになる。

「ルド様のお体は正直ですね。こんなにこの体を求めるなんて…本当はルド様も俺のことを求めてるのでしょう?」

「違う!俺はそんな事求めてない!」

「ならどうしてこの腰はずっと俺の体に擦り続けてるのですか?」

「俺自身が望んでると本当に思っているのか!?」

「いえ、望んでおられないのは存じ上げております。ヴァバリアスの体に聖者の魂が求めているのだから仕方がない事なのですよ。何せ約二千年ぶりの再会なのですから」

二千年…?
闇者は二千年も一人で生きてきたの?

その長年の疲労も、辛さも一切口に出す事なく俺のそばに居続けてくれたの?

「この様に強請る体でも俺が全部愛してあげますよ」

違う、そんなことを望んでない。
勝手に動く体をどうすれば自分の意思で動かす事ができるの。

「脱がせやすい服にして正解でした」

「やめろ!触るな!」

蹴飛ばしたいのに、蹴飛ばす行動を起こすこともできなくてネグリジェを捲りあげられていく。
下半身は完全に顕になっていて、恥ずかしいのに隠す抵抗をこの体は許してくれない。

「ほら、どうされました?抵抗してくださってもいいんですよ?」

もはや胸元までたくし上げられたネグリジェは服として意味をはしていなかった。

「抵抗なされないという事は俺の好きにしても良いという事ですね」

お腹から胸元までゆっくりと手を這わされ、頭では気持ち悪いと思っているのに体はそれを嬉しい行為だと感じ取ってしまう。

「やだ、やめてよ…」

「言葉だけの抵抗では抵抗にはなりませんよ」

ゼゼの顔は僕のお腹側に顔を埋められた。
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