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謎の安心感

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二人の争いでどうしてゼゼが余裕の表情を浮かべていたのかわかった。
戦争で将軍の頭を取ったヴァンクラフトの体で戦っている闇者を余裕であしらっている。

の体は無駄に強いなっ」

「お前の体だったのか。扱いやすくて重宝させて貰ってるよ」

闇者の方が押されていて、ゼゼの方は汗ひとつかいてない。
力を全部封印されてるのにどうしてここまで力量の差が出てしまうの?

「ルド!」

名前を呼ばれる声で気がついた時にはゼゼが目の前に居た。

「ルド様…俺と一緒に行きましょう」

伸ばされた手を無意識に掴んでしまい、ハッとなって振り払おうとした時には既に遅かった。

「ふ、はははっ!見たか!ルド様は俺を選んだ!お前はもう用済みなんだヴァバリアス!」

「そうか…貴様だったのかヴィシャス」

二人が重要な話をしているのに、段々と俺の意識が遠ざかっていく。
意識の遠ざかり方も無理矢理眠らされてるって感じではなく、安心感に包まれながら眠るって感じに近い。

どうして、こんな所で寝ちゃダメなのに…。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



目を覚ました時には、全く知らない場所で寝ていた。
どうしてあの盤面で寝こける事が出来たんだ。

護身の為と身につけた魔道具も探したけど何一つ見当たらない。
唯一足に違和感が感じで足を見たらアンクレットではなく、足枷を嵌められていた。

足枷には鎖がついていて、その鎖がどこに繋がってるのか分からない。
部屋の中は至って普通の部屋だけど扉が三枚もある。

二枚なら部屋から出る扉と、続き部屋で理解できるけど残り一枚の扉の存在が少し異様に感じる。
逃げるために鎖に魔力を流して、融解しようとしたけど魔力が流れる感覚がしない。

魔力を封じられる枷じゃないのは魔石がハマってないから分かる。
そうなると…この部屋そのものが魔法を封じる魔道具の役割を果たしてるって事になる。

膨大な金を掛けてないとそんな事は無理だし、正直俺でもこれを作ろうとは思えないほど難しい。
どうしたら俺はここから逃げられるのだろうか。

魔道具は全て没収されて、魔力も封じられてしまってる状態。
足枷を壊すための道具も一切置かれてないし、自死をする為の道具も一切ない。

徹底的に監禁する為の環境に身を置いてしまっている。
どうしようも出来ないこの環境に絶望することしか出来ない。

「ヴァン…闇者…ごめんなさい…」

何に対してかは分からない謝罪の言葉が出たと同時に涙がボロボロと零れ始めた。
望まない行動をするこの体が憎い。

それなのにそんな行動をした時安心した自分が憎い。
二人を裏切る行動を取った自分が憎い。

ただ泣くことしか出来ない自分が憎い…。
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