お助けキャラに転生したのに主人公に嫌われているのはなんで!?

菟圃(うさぎはたけ)

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どうすれば総本山に行けるか!

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「はははっ!ルドは本当に人に弱いね」

盛大にヴァンクラフトに笑い飛ばされ、俺は笑われたことにムスッとしてしまった。
だって、あれだけ総本山のことで自慢していたリリエルが俺の体調を気遣って長距離移動しないようにって、言われたら無碍にする事も出来ないじゃないか。

それにはっきりとリリエルから心配されてるって感じの言葉を言われたのが今日初めてでもあったわけだし…。

「優しいと言えば美徳だけど、今回は押しに弱いってのが裏目に出ちゃったね」

「だって…あれだけ心配されちゃったら、無理にって押し通すのは難しいよ…」

総本山に行きたいって話をしてから何故か聖騎士が護衛につくことになって、常に扉の前で待機しているようになった。
鬱陶しいぐらい付きまとわれ続け、息をつく事が出来る場所がヴァンクラフトの側だけになるぐらい、ずっと護衛として付きまとわれ続けている。

酷い時はトイレの中とかお風呂の中まで入り込もうとしてくるから、流石にリリエルに苦言を申し立てに行ったらようやく普通の護衛の範囲内に戻った。
それでも居ない時間はないと言っても過言じゃないぐらいずっと側にいる。

聖者がどれだけ重要な役割かは頭では理解してるつもりだったけど、ここまで徹底して護衛されるとなると本当にこの聖者という称号は大きなものなんだなと再度認識させられた。
ただ騎士も安全かと言われたらそうでもなくて、未遂では終わったけど強姦をされかけたりもした。

その時は初めて強姦された時の事を思い出して、体が全く動かなくなりただ泣くだけで全く抵抗も出来なかった。
あの時ヴァンクラフトに助けて貰えなかったらきっとあの時の二の舞で強姦されてたんだと思う。

ただどうしてあの聖騎士が強姦を実行しようとしたかは不明で、尋問する前に自死した事で真相が明るみになる事はなかった。
これもあって護衛は同性はなくなり、異性の女性だけで構成され嫌な視線に晒される事は無くなった。

その代わりにちょっと変わった視線を向けられる事はあるけど、悪い感じはしないからそっと置いている。
聞いたらなにかに巻き込まれそうな気がして仕方がない。

「それで次はどうするつもりなの?」

次…本当は次の手立てを考えなきゃいけないのに、早く彼を助けたいという思いが先走りすぎて何をどうやって対処したらいいか分からない。
こうしてのんびりと話している中でも彼の体は鎖落ちてるかも知れないと考えると気が気でない。

「ごめん…何も思い浮かばなくて…」

「仕方がないことだ。リリエルがまさかルドの意見を押しのけてまでルドの健康を祈るとは予想外であったからな。教皇であろうが、貴族であろうが、雨が降ったとしても雨具一つ貸さず、平然と自分自身で使うような奴が、ルドのために笑顔を作り、ルドのために全てを捧げるとまで言っているぐらいだからな」

リリエルって…そこはゲームそのままなんだ…。
それにしてもリリエルってどうしてここまで俺の事を心配してるんだろう。

怪我も全くなくて運動の許可も出してくれるのに、長距離移動は許せない理由が理解出来なかった。
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