お助けキャラに転生したのに主人公に嫌われているのはなんで!?

菟圃(うさぎはたけ)

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封印を解く方法

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「どうして…聖者と貴方の仲を引き裂いたのですか…?」

「至極簡単な話だ。聖者は聖なる力を扱うから、女神の伴侶にと考えたのだ」

ただその為だけに聖者を闇者から奪い取り、闇者の力も姿も封印したって…なんて身勝手な。

「抵抗は…」

「勿論したが、所詮は魔族だ。神に敵うことも無くただ力を封印され、姿も完全に封印された。何とか思念体だけは残すことが出来、今はこうしてこの王子の体を借りている」

闇者である人が浮かべる表情は悲しげだ。
知らない人の筈なのにこの悲しげな表情を見るのが心苦しい…。

「苦しまなくて良い。ルドは何も知らなかったのだからそのように苦しむ必要性もない。がこの場に存在しているだけでも幸せなんだ…」

幸せならそんな悲しそうな表情を浮かべたままでいないでよ…。

「ルドの表情を気にする必要はない。の気持ちは間違いなく幸せなのだ。ただルドを直接自身の手で触れることが出来ないのが…物悲しいだけなのだ…」

「貴方自身の体はどこに封印されているのですか…?」

どうすればこの人を助けられるんだろう。

「女神の麓と言われている場所に封印をされているが、その場所にいけるのは聖者であるルドだけだ」

俺だけがいける場所?
それなら…そこに行けば闇者の彼を助けられるってこと?

「女神の麓って…どこ?」

「女神の御山というこの国にある山がある。その山の麓に洞窟があるのだが、そこに私の体が封印されている」

「どうすれば、そこに連れていってくれる?父さんとヴァンクラフトは絶対に許さないよね?」

「いや、ヴァンクラフトなら許してくれるだろう。の復活自体はこやつも望んでおったし、元々腐りきった王族を内部から崩壊させようと考えている愚物であるぞ?そんな者がのふっかつを阻むどころか、喜んで手助けをしてくれるだろう」

鬼門だと思っていたヴァンクラフトが意外な事に一番手助けしてくれる人だとわかってほっとした。
そうなると一番の問題は父さんって事になる…。

今回の外出も相当粘って取れたものだから、また別の外出ってなると今日以上に時間がかかってしまう可能性がある。
父さんをどうやって納得させたらいいんだろう…。

「簡単であるぞ?確か女神の御山は治癒団の総本山でもあるから、力の安定させる為という理由でリリエルという奴を利用すれば屋敷から出ることができる。リリエルとヴァンクラフト二人で説得すれば女神の御山まではたどり着くことができるだろう」

「たどり着けたとしても…そこから麓に行くのにリリエルが妨害してくる可能性は出てこない?」

「女神の信託が下ったとでも言えばよかろう。聖者なら女神の信託を聞くことができるからな」

そっか…聖者の立場を利用してリリエルに嘘をついてしまえばいいんだね。
それなら何とかなりそう…。

「それならいけそうだね…。なら、もっと徹底した作戦を練りたいから2人共知識を貸してくれないかな?」

「勿論も、僕も問題ない」

ゆっくり頷いて、俺達三人で作戦をしっかりと練った。
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