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受けた罰

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目を覚ましたら保健室のベッドではなく、初めて見た豪華な場所だった。
すぐ側には校舎裏で見た少年が椅子に座って本を読んでいた。

「おはよう。漸く起きてくれてよかったよ」

どうして俺はここにいるんだろう。
起きあがろうとしたけど、全身が痛くて起き上がる事ができない。

校舎裏の出来事は事実だったってこと?
それならきっと父さん達も死んでいるって事…?

受け入れたくない事実に体が震えて恐怖心が襲ってくる。
俺が、俺のせいで父さん達が…。

「落ち着いてルド。叔父上達に連絡をしたからすぐに来てくれるよ」

叔父上…?
聞き慣れない言葉にジッと少年を見ると、にこりと綺麗な笑顔を返された。

「ルドくんと僕は従兄弟でね。ギレスタ大公殿下は僕からは叔父にあたる人なんだ」

説明をされて納得はしたけど、どうしてここにいるんだろう。
それに俺はあの記憶がなんなのか、あの世界で受けた事はなんなんだったんだろうか。

俺にはあの世界で起こったことが現実なのか、それとも事実なのか分からなくなっていた。

「心配性なルドくんに一つ良い事を話してあげよう。君を死に追いやったドレットは貴族の爵位を剥奪した上で、鉱山送りになったよ。魔法も二度と使えないようにして、誰にも危害を加えられないようにした」

ドレットが…鉱山送り…?
それならドレットのお家はどうなるの?

家族にまで被害を受けて欲しかった訳じゃない。
爵位剥奪になるときっとドレットの家族にも被害を受けてしまう。

そこまで俺は望んでいない。

「ルドくん大丈夫だよ。ドレットは聖者を貶めた罪で鉱山送りになったけど、実際のでる情報は療養という形を取って辺境の地に閉じこもるって事になっているんだ。だからルドくんが考えているような心配事は起こらないよ」

返ってきた言葉はまるで俺の気持ちを読んでいるかのようで、どうやって俺の考えを読んで言葉を返してくるのか分からない。
だけど悪い気分にはならないから俺自身はそこまで不満を感じていない。

「そういえばルドくんが大怪我を負ってから二週間程経っていてね。その間にどれだけの事が起こったのかも説明しないといけないね」

説明して貰った内容は驚きの内容ばかりだった。
先ずはラインハルトについてだった。

俺に絡んできたのは少しだけだったけど、実は裏でコソコソと情報を回していたらしくそれが悪質だと認められて、まず先に騎士になる資格を剥奪された。
学校に入ってから全く姿を見せていなかったヴェールは、俺のいじめの現場を見た後からサミュエルから離れていたからか大きな処罰は何も発生しなかったらしい。

ただサミュエルの行動を近くにいながらも戒めなかった事が原因で、一週間だけ謹慎処分だけで済んだようだ。
そしてエルネストは今回ドレットが率いていた衛兵を手配したのがエルネストだった。

今回の件に関与しているとのことで、重大な越権行為として捉えられ王位継承権を剥奪されたのち、バレル伯爵令嬢に降嫁され結婚を完了させられたとのこと。
今後は王族ではなく伯爵令嬢夫君に爵位が下がるようだ。

無傷は一切関わっていなかったヴェールだけで、ドレット以外はそれなりの処罰を受けていた。
だけど、一番重要なサミュエルの話は一切なく、一体どんな処罰を受けたのか分からない。
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