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ふつかめ

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ルドが自室で寝た瞬間、全く別の場面に切り替わっていた。
唐突に切り替わる場面にルドは困惑したが、時間は無常にも流れ続けていく。

今ルドは魔法クラスにいる。
ただどうしてルドは魔法クラスにいるか分かっていなかった。

ルド自身の記憶は間違いなく魔道具クラスで過ごしていた記憶があるからだ。
だが、今ルドがいるのは魔法クラスでそして、見知らぬ生徒達によって周りを囲まれていた。

ルドに投げつけられる言葉は散々な言葉ばかりで、ルドにとっては身に覚えのない出来事ばかりだった。

「どうしてサミュくんに優しくして貰ったのにあそこまで酷い怪我を負わせる事ができるの!?」

「平民って本当に醜くて嫌よね。心優しいサミュくんをどうしてあそこまで追い込めるのかしら」

「怪我も沢山治してもらいながら、ああも高慢で居られるだなんて思いもしなかったよ」

「サミュくんが幼馴染だからって事でずっと庇ってくれてたのに、庇ってくれるサミュくんに怪我を負わせるなんて…本当に生きている価値ないよね」

「どうしたらサミュくんと同じ痛みを味合わせる事ができると思う?」

「こいつを魔法の的にすればサミュくんと同じ痛い目に合わせられるんじゃないかな?」

魔法クラスから向けられる視線はかなり鋭くきつい物だった。
それを一身に受けるルドには恐怖でしかなかった。

ここに存在しているルドはこの敵意の理由も、それを自身が受ける意味も理解していない。
ルド以外のこの世界に存在している人たちはルドが悪き存在だと認知している。

ただそれだけなのだ。

「炎の弾丸」

誰かが放った魔法がルドに着弾し、ルドの服を一部焦がした。
一人が魔法を放ったことによって、また一人また一人とルドに向けて魔法を放っていく。

魔道具もないルドにこの魔法たちを止める術はなく、身に降り注ぐ魔法をただ体で受け続けるしかなかった。
どうしてここまでされるのかルドには全く理解できなくて、ただただ魔法攻撃を受けることしかできなかった。

そんな地獄を一身に受け切ったルドの体はボロボロだった。
皮膚は焼け焦げ、骨は折れ…魔法で負った怪我は手酷く、誰も彼も一切の加減なく魔法をルドに向けて打ったのだけはわかる。

ぴくりとも動かないルドを見て、流石に殺す事は望んでいなかったのか一人、また一人と教室から逃げ出していく。
最後の一人も教室から抜け出すと、教室にはボロボロになって倒れ込んでいるルドだけになった。

意識も失うこともできずにいるルドは、ただその身を食らう痛みに呻く事しかできない。
どうしてこの様な目に遭っているのか。

どうしてここにいるのだろうか。
ルドはただこの場所から逃れたかった。

その願いは誰もきいてくれる事はなかった。
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