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フレット先生の怒り

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「あいつ平民だよね?なら貴族のいう事を聞くのが筋じゃないのか?」

「どうしてサミュくんの話を聞いてあげないんだろうね。本当平民って最低だよね」

最初はヒソヒソとした話し声だったのに、段々と声が大きくなってうるさいぐらいになってきた。
ファミリエの方を見たら、魔道具クラスの平民のクラスメイト達とヒソヒソと話している。

あのファミリエがヒソヒソ話をしているって事は何かがあったんだ。

「僕が悪い事をしたなら謝るから…」

顔を下に向けながら泣き真似をする姿はなんとも言い難い姿だ。
俺から見たらどう足掻いても嘘泣きにしか見えないけど、何かの影響を受けたクラスメイト達からのブーイングが激しくなる。

例えこれ俺が貴族位を貰った事を言っても無駄なのは明らかだ。
どうすればこの状況から抜け出せる事ができるんだろうか。

今だに掴まれている腕はかなり痛くて段々と痛みと共に熱を感じる。
相当きつい痛みを与えてくるサミュエル。

痛みで屈服させたいのかな。
段々とコールが激しくなっていき、この場所だけ異様な空間になっている。

サミュエルは一体何をここで行ったんだ。

「一体なんの騒ぎですか!」

フレット先生の怒鳴り声に普段なら皆いう事を聞くのに全く話を聞かずに行動をしている。
今だに俺の事を責め立てる発言にフレット先生が魔法で雨を降らし全員を濡らしていく。

ボトボトに濡れた全員はようやく気がついたのか不思議そうに辺りを見回している。

「また君ですかサミュエルくん。一体どこまで問題行動を起こせば気が済むのですか?」

「えっと…僕そんな事した覚えが…」

サミュエルの表情は何故か先生を恐れているのか俺の腕から手を離し後退りをしている。

「それならばこれはどう説明するのですか?」

フレット先生が胸ポケットから出したのは石が真っ黒に染まった魔道具だった。
ただ俺は見たことがない魔道具で、魔石がメインの魔道具だった。

「そ、それがなんで僕が悪いことをした事になるのですか…?」

「これは精神支配の抵抗を高める魔道具です。この魔石の色が真っ黒に染まると精神支配魔法または魅了魔法の影響下にいる事になります。そしてこれが真っ黒になったのはサミュエルくん貴方がここにいる時だけですよ」

「そ、そんなの!ここにいる他の人がそういう魔法を使っている可能性があるじゃないですか!」

「残念ですが私はこの魔道具をずっと身につけております。授業中も身につけておりましたが魔石に変化は一切ありませんでした。それに魔道具クラスの生徒の属性は全て、私は把握していますがここまでの範囲の精神支配の魔法を使用できる生徒は魔道具クラスにはおりませんよ」

「そんなはず…ほ、ほら…だって、ルドはとても悪い子で…きっと、ルドなら魔道具で…」

「そんなに私の生徒を馬鹿にしたいのですか?」

展開された魔法はサミュエルにだけ向けられており精密な魔法操作にも驚いたけど、表情をここまであらわにしながら怒っている先生に驚いた。
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