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魔道具馬鹿は俺です
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「そ、そうだったのか…。治療者殿がそう仰るのであれば真実なのだろう…」
「私も信じ難いお話ではありましたが、治療者様がその様に仰られるのであればきっと真実なのでしょう。それであればきっと治療者様はルドを治癒団の一員になされたいと思っていらっしゃいますわね?」
「間違いございません王弟殿下夫人。私はルド様を治癒団の一員になって頂き、ゆくゆくは我ら治癒団の長になって頂きたいのです」
リリエルの話は聞いていなかった話だ。
それにサミュエルは聖者であったのに、長になってほしいなんて話をリリエルからも他の治療者からもそんなお誘いを受けてなかった様な気がする。
「他の者が奇跡の光を顕現させていても私はこの様な提案を行いませんでした。ですが、ルド様は無償で怪我をした平民をお救いし、酷い目に遭わされても決して心折れることもなく健気に行動をなされていました」
だめだこのリリエルは奇跡の光の事に完全に酔っている。
酔うなとは言わないけど、怪我をしたことはまだ何も伝えていなかったからこの後絶対に父さんに怒られる。
そろっと父さんの方を見たらニコリと笑顔を向けられた。
顔は笑っているけど、目が全く笑っていない。
誰にも報告をしていないし、治癒の魔道具を使って怪我も治してしまったからバレないと思ったのに、それをリリエルが全部話してしまったから黙っていたのも全部バレてしまった。
入ろうか悩んでいたのも絶対にやめよう。
リリエルの近くにいるときっとリリエルによってバラされてしまう。
そうなるとリリエルの側で生活するなんてきっと耐えられないし、プライバシーゼロになる事間違いなしだ。
「怪我についてはルドから聞くとして…どうしてルドなのでしょうか?」
「どうしてとは?まるでルド様が聖者になることは望んでいなかった様な言い方に思えますが」
「望んでおりません。ルドは魔道具師になることを望み、そしてその為努力も行っています。その努力をなかったかのように、ルドを治癒団に入れるなんてことはできません」
「魔道具作成であれば治癒団でも行って頂くこともできます。ただ優先順位が治療になってしまうだけです」
魔道具作成より治療が優先は耐えられそうにない。
ただでさえ俺は寮に戻ってからも、魔道具作成ばかりしていて部屋には作成した魔道具で溢れかえっている。
自室の魔道具部屋も一週間ぐらいしかいなかったけど、すでに棚の半数は魔道具で埋まっている。
そんな魔道具作りに命をかけていると言っても過言ではない俺から魔道具作りを二の次にしろなんて死ねと言っているのと同然だ。
うん、絶対に俺治癒団に入らないって言える。
「それではルドは絶対に治癒団に入りません。ルドは魔道具作りに命を捧げていると言っても過言ではありません。そんな子から魔道具作りを二の次にさせるのはただ苦行を強いているだけです」
父さんの言葉にうんうんと相槌を打つ。
父さんは本当に俺の魔道具好きを理解してくれている。
「私も信じ難いお話ではありましたが、治療者様がその様に仰られるのであればきっと真実なのでしょう。それであればきっと治療者様はルドを治癒団の一員になされたいと思っていらっしゃいますわね?」
「間違いございません王弟殿下夫人。私はルド様を治癒団の一員になって頂き、ゆくゆくは我ら治癒団の長になって頂きたいのです」
リリエルの話は聞いていなかった話だ。
それにサミュエルは聖者であったのに、長になってほしいなんて話をリリエルからも他の治療者からもそんなお誘いを受けてなかった様な気がする。
「他の者が奇跡の光を顕現させていても私はこの様な提案を行いませんでした。ですが、ルド様は無償で怪我をした平民をお救いし、酷い目に遭わされても決して心折れることもなく健気に行動をなされていました」
だめだこのリリエルは奇跡の光の事に完全に酔っている。
酔うなとは言わないけど、怪我をしたことはまだ何も伝えていなかったからこの後絶対に父さんに怒られる。
そろっと父さんの方を見たらニコリと笑顔を向けられた。
顔は笑っているけど、目が全く笑っていない。
誰にも報告をしていないし、治癒の魔道具を使って怪我も治してしまったからバレないと思ったのに、それをリリエルが全部話してしまったから黙っていたのも全部バレてしまった。
入ろうか悩んでいたのも絶対にやめよう。
リリエルの近くにいるときっとリリエルによってバラされてしまう。
そうなるとリリエルの側で生活するなんてきっと耐えられないし、プライバシーゼロになる事間違いなしだ。
「怪我についてはルドから聞くとして…どうしてルドなのでしょうか?」
「どうしてとは?まるでルド様が聖者になることは望んでいなかった様な言い方に思えますが」
「望んでおりません。ルドは魔道具師になることを望み、そしてその為努力も行っています。その努力をなかったかのように、ルドを治癒団に入れるなんてことはできません」
「魔道具作成であれば治癒団でも行って頂くこともできます。ただ優先順位が治療になってしまうだけです」
魔道具作成より治療が優先は耐えられそうにない。
ただでさえ俺は寮に戻ってからも、魔道具作成ばかりしていて部屋には作成した魔道具で溢れかえっている。
自室の魔道具部屋も一週間ぐらいしかいなかったけど、すでに棚の半数は魔道具で埋まっている。
そんな魔道具作りに命をかけていると言っても過言ではない俺から魔道具作りを二の次にしろなんて死ねと言っているのと同然だ。
うん、絶対に俺治癒団に入らないって言える。
「それではルドは絶対に治癒団に入りません。ルドは魔道具作りに命を捧げていると言っても過言ではありません。そんな子から魔道具作りを二の次にさせるのはただ苦行を強いているだけです」
父さんの言葉にうんうんと相槌を打つ。
父さんは本当に俺の魔道具好きを理解してくれている。
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