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気味が悪い少年 ※別視点
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「リリエル様ですよね!治療者としてとても有名で、史上最年少で治療者になられた方ですよね!?」
話し方は紛れもなく私を尊敬しているような話し方。
だからこそ向けられる視線は意味ありげな視線で気持ち悪くて仕方がない。
私の名前は治療者として公開はされているが、治療者を狙う敵も多いから容貌の公開はしていない。
少年から向けられる視線は私には警戒の対象でしかない。
「少年。どうしてリリエルを私だと知っているのかな?」
「あれ?リリエル様って敬語でしたよね?どうして敬語じゃないのですか?」
治療者として敬語を話すのは当たり前だが、どうしても私は敬語になれる事ができなかった。
必要に応じて使ってはいるが、少しでも警戒心が高まると私は敬語に意識を割くことが難しくなる。
だからこうして私は敬語が外れてしまう。
ただ、目の前にいる少年に敬語を使う価値はあるのだろうかとは思うが。
「私が治療者として動いているときは敬語だ。だが、すでに仕事を行なっていない私が敬語を付けてまで貴族に媚びへつらう必要があるのか?」
「え…その…僕、そんなつもりで言ったんじゃないんです…。気に触られたのでしたらごめんなさい」
しゅんとした行動はわざとこういう行動をとっているように思えて薄気味悪かった。
「治療者様、サミュエルに悪気はなかったんです。サミュエルは幼い頃からいじめを受けていて、それでも健気に生きている心優しい人なんです。俺もそんな心優しいサミュエルに救われたのです!どうか心優しいサミュエルを許してはくれませんか?」
若干虚な視線を向けてくるガタイの良い少年。
服装から見て高位貴族の子息なのだろう。
話し方はさぞこのサミュエルと呼ばれた少年から救われた事を力強く話し、表情もそれとなく高揚したような表情ではあるが視線は若干虚で全く正常な人間には思えない。
そうだなまるで、魅了魔法を使用しているようにも思えてしまう。
それも極々弱くかけ、それを何年にも渡ってかけているからかなり強固な魅了魔法として出来上がっているが、表立っては症状として出にくい状態にしているのだろう。
弱いからこそ事象に関しては事実だけを述べている。
記憶には手を掛けず、感情のみを操っている状態にしているのだろう。
だから話に齟齬が生じにくい。
うまく魅了魔法をかけているものだ。
じっと少年を見れば悲しそうな表情のままで私の事をじっと見つめてきた。
その時に少し意識がぐらついた。
嫌な予感がしてすぐに解呪の魔法を使用すると、混濁しかけた意識が元の状態に戻った。
この私に魅了魔法をかけようとしたのか…。
私がすぐに訴えても、このサミュエルという少年はきっと目の前にいる子息の後ろに隠れているだけで済む。
その為にはきっと私にもっと大きな後ろ盾が必要だ。
奇跡の光を見せてくれた少年の後ろ盾が。
私は声を掛けるのもそこそこに、サミュエルと高位貴族の子息から距離を取った。
「え?どうしてですか…?」
私には残念がるような声に聞こえたが、側からすればきっと少年が私から許しを得られなかったように見えるだろう。
周りの状況を観察しながらの発言はまるでどこかの手練れの演者のように見えた。
さて、どうやってサミュエルを裁くために必要な、あの少年の後ろ盾を得ることができるだろうか。
話し方は紛れもなく私を尊敬しているような話し方。
だからこそ向けられる視線は意味ありげな視線で気持ち悪くて仕方がない。
私の名前は治療者として公開はされているが、治療者を狙う敵も多いから容貌の公開はしていない。
少年から向けられる視線は私には警戒の対象でしかない。
「少年。どうしてリリエルを私だと知っているのかな?」
「あれ?リリエル様って敬語でしたよね?どうして敬語じゃないのですか?」
治療者として敬語を話すのは当たり前だが、どうしても私は敬語になれる事ができなかった。
必要に応じて使ってはいるが、少しでも警戒心が高まると私は敬語に意識を割くことが難しくなる。
だからこうして私は敬語が外れてしまう。
ただ、目の前にいる少年に敬語を使う価値はあるのだろうかとは思うが。
「私が治療者として動いているときは敬語だ。だが、すでに仕事を行なっていない私が敬語を付けてまで貴族に媚びへつらう必要があるのか?」
「え…その…僕、そんなつもりで言ったんじゃないんです…。気に触られたのでしたらごめんなさい」
しゅんとした行動はわざとこういう行動をとっているように思えて薄気味悪かった。
「治療者様、サミュエルに悪気はなかったんです。サミュエルは幼い頃からいじめを受けていて、それでも健気に生きている心優しい人なんです。俺もそんな心優しいサミュエルに救われたのです!どうか心優しいサミュエルを許してはくれませんか?」
若干虚な視線を向けてくるガタイの良い少年。
服装から見て高位貴族の子息なのだろう。
話し方はさぞこのサミュエルと呼ばれた少年から救われた事を力強く話し、表情もそれとなく高揚したような表情ではあるが視線は若干虚で全く正常な人間には思えない。
そうだなまるで、魅了魔法を使用しているようにも思えてしまう。
それも極々弱くかけ、それを何年にも渡ってかけているからかなり強固な魅了魔法として出来上がっているが、表立っては症状として出にくい状態にしているのだろう。
弱いからこそ事象に関しては事実だけを述べている。
記憶には手を掛けず、感情のみを操っている状態にしているのだろう。
だから話に齟齬が生じにくい。
うまく魅了魔法をかけているものだ。
じっと少年を見れば悲しそうな表情のままで私の事をじっと見つめてきた。
その時に少し意識がぐらついた。
嫌な予感がしてすぐに解呪の魔法を使用すると、混濁しかけた意識が元の状態に戻った。
この私に魅了魔法をかけようとしたのか…。
私がすぐに訴えても、このサミュエルという少年はきっと目の前にいる子息の後ろに隠れているだけで済む。
その為にはきっと私にもっと大きな後ろ盾が必要だ。
奇跡の光を見せてくれた少年の後ろ盾が。
私は声を掛けるのもそこそこに、サミュエルと高位貴族の子息から距離を取った。
「え?どうしてですか…?」
私には残念がるような声に聞こえたが、側からすればきっと少年が私から許しを得られなかったように見えるだろう。
周りの状況を観察しながらの発言はまるでどこかの手練れの演者のように見えた。
さて、どうやってサミュエルを裁くために必要な、あの少年の後ろ盾を得ることができるだろうか。
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