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最初の屋台はテキ屋で所謂的当てだった。
ただし的が良く見る木材性ではなく、ゲームで見た魔法の練習をする時に使う合金性の的だった。
おもちゃの銃もちょっと見た目のいい感じの魔道具製の銃になっている。
一応軽く機能の部分も見てみたけど、性能はかなり下げられていてちょっとした壁に撃っても問題ないぐらいには弱められている。
「ルドくんどっちが的に多く当てられるか勝負しよ!」
「まぁ…いいけど…」
性能テストはしてこそだから触ったことはあるけど、的に当てるような打ち方はしたことがない。
俺たちがするのはせいぜい魔力消費量と、威力ぐらいしか確認しないから精密射撃はしたことがない。
「俺こう見えてちょっとは腕に自信があるからね!」
クルドは楽しそうに銃を手に取り、バンっと的に向けて撃った。
綺麗に真ん中に命中してテキ屋のおじさんはからんからんとベルを鳴らした。
負けてらんない!
普段通りに確認作業を行って、銃を構えしっかりと照準を合わせる。
遊びでちょっとだけ照準合わせはしたことがあるけど、こうして的を狙い打つのは初めてだ。
ぐっと引き金を引けば合わせた照準はずれて、的の端にバツンと軽い音を立てながら当たった。
風属性を持つ魔道具だったみたいで、当たった魔弾は霧散していった。
あまりにも綺麗な霧散の仕方に魔石に魔法陣を綺麗に付与できている証拠だ。
「二人ともよく当てたなぁ。これはどうだ?」
おじさんが壁にかかっているレバーを下に押すと、なんと的が急に動き始めた。
クルドが銃を構えたから俺もそれに合わせて銃を構える。
動く的に照準を合わせるのが難しくて、銃口をゆらゆらと動かしてしまう。
本当は的が照準に合うまで待たなきゃいけないのだろうけど、体が的に勝手についていってしまう。
狙って撃っても上手く的に当たらずラストの弾も全部的から外れてしまった。
隣で撃っているクルドは的に全部命中していて、俺の勝ち目が完全にないことだけはわかった。
最後の一発を当て終わると、クルドが全部的に命中させたことに驚いたのかおじさんはポカンとした表情をしている。
はっと気がついてすぐに手に持っているベルを勢いよく鳴らした。
「すごいじゃないか兄ちゃん!どうやったらそこまでできるんだ??」
「本当は騎士を目指そうとしていたんだけど…剣の適性が全くなくてね」
「それでもすごいじゃないか!そこの兄ちゃんはもっと頑張るんだぞ!」
クルドはおじさんから大量の商品を手渡されて両手が完全に塞がってしまった。
「ル、ルドくーん」
情けない声を上げながら苦笑いするからクルド。
流石にこの大荷物では屋台も見て歩けないだろうから、半分ぐらいは持ってやらないと可哀想だからクルドから荷物を奪った。
「ルドくんいいの!?」
「何が?可哀想だから持ってあげてるだけだ」
「そんなツンデレなルドくんもかわいいね!」
ちょっとだけデレデレとした表情のクルドも悪くはないと思ってしまった。
ただし的が良く見る木材性ではなく、ゲームで見た魔法の練習をする時に使う合金性の的だった。
おもちゃの銃もちょっと見た目のいい感じの魔道具製の銃になっている。
一応軽く機能の部分も見てみたけど、性能はかなり下げられていてちょっとした壁に撃っても問題ないぐらいには弱められている。
「ルドくんどっちが的に多く当てられるか勝負しよ!」
「まぁ…いいけど…」
性能テストはしてこそだから触ったことはあるけど、的に当てるような打ち方はしたことがない。
俺たちがするのはせいぜい魔力消費量と、威力ぐらいしか確認しないから精密射撃はしたことがない。
「俺こう見えてちょっとは腕に自信があるからね!」
クルドは楽しそうに銃を手に取り、バンっと的に向けて撃った。
綺麗に真ん中に命中してテキ屋のおじさんはからんからんとベルを鳴らした。
負けてらんない!
普段通りに確認作業を行って、銃を構えしっかりと照準を合わせる。
遊びでちょっとだけ照準合わせはしたことがあるけど、こうして的を狙い打つのは初めてだ。
ぐっと引き金を引けば合わせた照準はずれて、的の端にバツンと軽い音を立てながら当たった。
風属性を持つ魔道具だったみたいで、当たった魔弾は霧散していった。
あまりにも綺麗な霧散の仕方に魔石に魔法陣を綺麗に付与できている証拠だ。
「二人ともよく当てたなぁ。これはどうだ?」
おじさんが壁にかかっているレバーを下に押すと、なんと的が急に動き始めた。
クルドが銃を構えたから俺もそれに合わせて銃を構える。
動く的に照準を合わせるのが難しくて、銃口をゆらゆらと動かしてしまう。
本当は的が照準に合うまで待たなきゃいけないのだろうけど、体が的に勝手についていってしまう。
狙って撃っても上手く的に当たらずラストの弾も全部的から外れてしまった。
隣で撃っているクルドは的に全部命中していて、俺の勝ち目が完全にないことだけはわかった。
最後の一発を当て終わると、クルドが全部的に命中させたことに驚いたのかおじさんはポカンとした表情をしている。
はっと気がついてすぐに手に持っているベルを勢いよく鳴らした。
「すごいじゃないか兄ちゃん!どうやったらそこまでできるんだ??」
「本当は騎士を目指そうとしていたんだけど…剣の適性が全くなくてね」
「それでもすごいじゃないか!そこの兄ちゃんはもっと頑張るんだぞ!」
クルドはおじさんから大量の商品を手渡されて両手が完全に塞がってしまった。
「ル、ルドくーん」
情けない声を上げながら苦笑いするからクルド。
流石にこの大荷物では屋台も見て歩けないだろうから、半分ぐらいは持ってやらないと可哀想だからクルドから荷物を奪った。
「ルドくんいいの!?」
「何が?可哀想だから持ってあげてるだけだ」
「そんなツンデレなルドくんもかわいいね!」
ちょっとだけデレデレとした表情のクルドも悪くはないと思ってしまった。
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